車のバッテリー上がりの対処法|原因・症状から見る解決方法
バッテリー上がりが起こったら、まずはここで紹介している方法を試してみてください。この方法をおこなうには道具などが必要ですが、応急措置としてバッテリー上がりの車のエンジンを始動させることができます。
ここでは、バッテリー上がりのときにするべき応急処置を、ガソリン車・ハイブリッド車・バイクの3タイプに分けて解説しています。また、バッテリー上がりの原因や予防方法も紹介しているので、日ごろの点検などに役立ててください。
さらに、トラブルの現場に駆け付けてくれるロードサービスなどの情報も紹介していきます。緊急時にはぜひ役立ててください。
目次
バッテリー上がりを自分で直す対処・手順【エンジン車】
バッテリー上がりを自分で直すことができる方法で、もっとも一般的なのが「ジャンプスタート」という応急処置です。これは「ブースターケーブル」という専用のケーブルを使って、バッテリーが上った車へ別の車の電力を供給する方法です。
ジャンプスタートには、「ジャンプスターター」という携帯型の外付け電源を使うこともできます。さらに、ジャンプスタートをしなくても、バッテリー自体を新しいものに交換するという対処法もあります。
ここでは、ガソリン車のバッテリー上がりの直し方を、詳しく説明していきます。まずは、車の異常が本当にバッテリー上がりによるものかどうかを確認するところから説明していきましょう。そのあとで、応急処置の方法を3つに分けて紹介します。
まずはバッテリー上がりの症状を確認しよう!
異常が起こったら、まずはその症状が本当にバッテリー上がりなのかを見極めるところから始めてください。バッテリー上がりだと思っても、じつはよく似た別の症状によって車が動かなくなっている場合があります。
バッテリー上がり以外のトラブルが起こっているときにはジャンプスタートをしても回復させることはできません。まずはその異常がバッテリー上がりかどうかを確認しましょう。確認する方法と、勘違いしやすいトラブルについて紹介していきます。
バッテリー上がりの確認方法
バッテリー上がりかどうかは、バッテリーからの電力で動いている部分を動かしてみることで判断します。動かす部分は大きく分けて「エンジン」と「電装部品」の2か所です。
まずはエンジンをかけてみましょう。もしバッテリーが原因でかからないのであれば、エンジンを起動させるときに作動する「セルモーター」という部品が、電力不足で動かなくなっていると考えられます。
次に、電装部品をチェックします。ACC(アクセサリー)電源を入れた状態にして、エアコンをかけたり窓を開けたりしてみてください。ACC電源とは、エンジンは動かさずに電気機器の電源だけをオンにするスイッチです。
ACC電源の入れ方は車の種類によって違います。キーを挿すタイプの車では、キーを回す角度を「ACC」のところまで回すことでオンにでき、プッシュスイッチの車はブレーキペダルを踏まずにスタートボタンを押すなどの操作でオンになる仕組みです。
バッテリー上がりしていると、電気系統の動作ができません。エンジンと電装部品の両方が動かなかったら、バッテリー上がりだと判断できます。
バッテリー上がりと似ているトラブルに注意
バッテリー上がりに似たトラブルには、以下のようなものが考えられます。意外とうっかりしたミスであることもありえるので、必ず確認してください。
■シフトレバーが「パーキング」に入っていない
オートマチック車の場合、車のエンジンは、シフトレバーが「パーキング」に入った状態でないと入らないようになっています。これは安全のための仕様なので、故障ではありません。シフトレバーをパーキングに入れて再度試してみましょう。
■ハンドルがロックされている
エンジンを切って、キーを抜いている状態でハンドルを無理に回すと、ハンドルがロックされて左右に動かせなくなり、エンジンもかけられなくなります。これは「ステアリングロック」という盗難防止のための仕様で、故障ではありません。
ロックを解除するには、ハンドルを左右どちらかに回しながらエンジンを始動させてください。キーとハンドルを同時に回すことでロックが解除されます。プッシュスタート式の車では、ハンドルを回しながらスタートボタンを押すことになります。
【方法1】ブースターケーブルを繋げる
「ブースターケーブル」とは、車のバッテリー同士を繋げるケーブルのことです。救援ができる正常な車とバッテリーが上がった車の電極同士をこのケーブルでつなぐことで、電力を供給してエンジンを起動させる「ジャンプスタート」をおこなうことができます。
ジャンプスタートには正しい手順があります。まずは準備するものやおこなう手順を確認していきましょう。ハイブリッド車の場合はとくに注意するべきことがあるので、その点に関しても説明していきます。
準備するもの
準備するものは、ブースターケーブル1セットと救援用の車です。ブースターケーブルはカー用品店やインターネットで市販されています。赤色のコードと黒色のコードが1本ずつセットになっていて、コードの両端に大きなクリップがついています。
救援用の車としてはエンジンがかかる車が必要です。家族や知人に助けを呼べるようであれば、連絡して助けてもらいましょう。誰も助けを呼べる人が近くにいないようなら、駆け付けて対処してくれるロードサービスなどに連絡して救助を要請してください。
ハイブリッド車にも燃料車と同じバッテリーがついていますが、これを使ってほかの車のジャンプスタートを助けると、大量の電気がエンジンなどに逆流して故障することがあります。
ハイブリッド車を救援車として使用するのは厳禁であることを覚えておいてください。
バッテリーが搭載されている場所
ほとんどの車種でバッテリーはエンジンルームに搭載されています。一般的な乗用車では、エンジンは車体前方のボンネットの内部に格納されているので、バッテリーを操作したいときはボンネットを開きましょう。
ただし、一部の車種では車体後方のトランクルームにバッテリーが置かれている場合や、エンジン自体が後方にある場合もあります。バッテリーは、四角い形をした白いプラスチック製の容器に黒いフタがついているので、これを目印に探してください。
ブースターケーブルを繋げる方法
ブースターケーブルは、バッテリーの上部にある電極につないでいきます。電極にはプラス極とマイナス極があるので、まずは目で見て確認しましょう。プラス極には赤いフタやマークがついていることが多いです。
ブースターケーブルは正しい順番で繋げないと、故障を引き起こすおそれがあるので、ここで紹介する順番を必ず守って作業をおこなうようにしてください。作業は以下のように進めます。
- バッテリーが上がった車のバッテリーのプラス極を、赤いケーブルのクリップで挟む
- 電力を供給する車のプラス極を、赤いケーブルのもう片方で挟む
- 電力を供給する車のマイナス極を、黒いケーブルのクリップで挟む
- バッテリーが上がった車の、エンジンの金属部分を黒いケーブルのもう片方で挟む
1から4の順番に繋いでいってください。4番に関しては、「エンジンの金属部分」ではなく、バッテリー上がりの車のマイナス極を挟む場合もあります。車の取扱説明などを確認しましょう。
エンジンをかけてジャンプスタートをする
ブースターケーブルを正しく繋いだら、先に救援する車のエンジンを始動させます。このとき、2台の車はどちらも必ずサイドブレーキを引き、オートマチック車の場合はシフトレバーを「パーキング」に、マニュアル車は「ニュートラル」に入れてください。
始動させたら、エンジンの回転数が1,500回転から2,000回転程度になるようにアクセルを踏みます。バッテリー上がりした車は、電気機器をすべて切ります。車内灯やヘッドライト、エアコンなどを切って、エンジンを始動させたときの消費電力をできるだけ低くするのです。
ここまでできたら、バッテリー上がりした車のエンジンをかけましょう。うまくかかったら、20分ほど状態を保ち、バッテリーを充電します。その後コードを繋いだのと逆の順番に外してボンネットを閉め、自動車整備工場などに向かってください。
【方法2】ジャンプスターターで充電する
「ジャンプスターター」とは、車のバッテリー上がりのときに、ジャンプスタート用の電源として使用できる充電池のことです。これを使えば、ほかの車に助けてもらうことなくジャンプスタートができます。
ジャンプスターターの使い方
一般的なジャンプスターターには、クリップのついた赤と黒のケーブルが付属されています。まずはこれを車のバッテリーの端子に接続してください。製品によっても違うことがありますが、接続するのは、赤のクリップがプラス極、黒のクリップがマイナス極です。
それぞれを接続したら、ジャンプスターターに端子を接続します。次にジャンプスターターを起動し、しばらくしてから車のエンジンをかけましょう。
多機能なジャンプスターターが便利
ジャンプスターターは武骨なバッグのような形をした大型のものが主流でしたが、新型のものではスマートフォンの充電器と見分けがつかないほど小型・薄型のものもあります。機能面でも進化しており、スマートフォンの充電に使えたり、耐水性能があったりと、レジャーシーンの全般で使える便利なものもあります。
ケーブルまで付属されているタイプのジャンプスターターの相場は、7,000円程度です。カー用品店やホームセンターなどで購入できるほか、インターネットでも手に入ります。もしものときのためにひとつ持っておくと安心ですね。
【方法3】バッテリーを交換する
バッテリーの寿命が近づいたら、新しいものに交換するという解決方法もあります。古いバッテリーは、バッテリー上がりではなくても、エンジンがかかりにくくなったりライトの光が弱くなったりすることがあります。事前に症状が出ていたうえでバッテリーが上がったのであれば、交換したほうがよいでしょう。
ここではバッテリーの選び方に関わる規格の説明と、交換をおこなう手順を説明していきます。危険を伴う作業なので、注意しておこないましょう。
バッテリーの規格の見方と選び方
バッテリー本体等には、以下のような規格の表示があります。それぞれの数字やアルファベットの持つ意味を理解すると、交換のとき車に搭載できるバッテリーがどれなのかがわかるようになります。新しいバッテリーを選ぶときはこの規格の表示をしっかりチェックしましょう。
■JIS規格の標準車用バッテリー型番
ここに紹介しているのは、JIS(日本産業規格)の定める日本国内のスタンダードな規格にのっとった型番の見方です。交換するときには、下図の「1」以外の値が同じになっているバッテリーを選びましょう。
1 |
「性能ランク」という値です。この値の大きさによって、バッテリーのパワーの強さが変わります。値が大きいほど性能がよいバッテリーということです。 |
2 |
バッテリーの側面のサイズを表す値です。この値は、JISによってアルファベットごとに対応する幅と高さの組み合わせが決められています。 |
3 |
側面の長さを表すサイズです。バッテリーは長方形をしており、短い側面と長い側面がありますが、こちらは長い側面の幅です。 |
4 |
バッテリーについているプラス極とマイナス極の端子の位置を表します。 |
バッテリーの交換方法
規格表示の読み方を知って、交換用のバッテリーを用意したら、いよいよ交換の手順に入ります。その前にもうひとつだけ、交換作業で一貫して注意していただきたいのが、バッテリーのショートによる感電です。
バッテリーにはプラスとマイナスの端子がついていて、これらをスパナという金属の道具で扱っていくことになります。電気を通す性質のあるスパナがプラス極とマイナス極の端子に同時に触れると、大量の電気が走って危険です。また、スパナで端子を触っているときは、車の金属部分にスパナの一部が接触しないように注意してください。
新しいバッテリーと、スパナを用意しましょう。スパナとは、6角形のボルトを外す工具のことです。異なったサイズのボルトがあるかもしれないので、複数の大きさのスパナがセットになったものがあるとよいです。
取り外すときは、プラス極とマイナス極のそれぞれについているボルトを、スパナで緩めて外していきます。電流の流れ方の関係から、安全に作業をするにはマイナス極を先に外し、その後プラス極を外してください。極の端子を外したら、バッテリーを固定している「ステイ」という部品を、同じようにスパナで取り外します。
古いバッテリーの固定を外して新しいものと取り替えたら、先ほどとは逆の手順で取り付けます。まずはステイを取り付けて、そのあとプラス極、マイナス極の順番にボルトを締めましょう。
メモリーのバックアップはどうする?
バッテリー交換時に電気が通らなくなると、カーナビやオーディオなどの設定情報は消えてしまう場合があります。情報が消えるのを防ぎたい場合は、メモリーのバックアップするための補助電源をつなぐことができます。バックアップ用の電源のパックは、電池で使えるものが市販されているので、これを使うと便利です。
バッテリーの電極につながっている車側のケーブルを、バックアップ電源についているクリップで挟めば接続ができます。バックアップ電源と車のケーブルがつながった状態を保ちながらバッテリーを交換すれば、メモリーは消えません。
エンジンが始動したらしばらく走って充電をしましょう
ジャンプスタートでエンジンを起動した後は、少なくとも20分以上はケーブルを接続した状態を保って、エンジンをつけたままにしてください。そのあと30分から1時間ほどは車を走らせて発電させる必要があります。そうすることでバッテリーに電力がたまり、次のエンジン起動時にも作動できるようになります。
アイドリングでも充電できる?
エンジンをつければ発電は開始されるので、アイドリングでも充電することは可能です。しかし、停車しているアイドリングの状態ではエンジンの回転数が低いので、発電量もあまり大きくありません。
近くに救援車や道具がない場合はどうする?
予想外の状況でバッテリーが上がってしまったのであれば、道具がないことも十分ありえます。救援用の車がないこともあれば、バッテリー同士をつなぐブースターケーブルがない場合もあるでしょう。
そんなときは、どこでも駆け付けることができるカーバッテリー業者に依頼してみてください。弊社は、ご依頼に対応できる業者を迅速に派遣いたします。日本全国の加盟店と連携してトラブルを解決に導きますので、困ったときはまずフリーダイヤルの電話窓口をご利用ください。
バッテリー上がりを自分で直す対処・手順【ハイブリット車・バイク】
ここまではガソリン車およびディーゼル車に対応したバッテリー上がりの対処方法を紹介しましたが、ここからはハイブリッド車とバイクについて解説していきます。それぞれ車両としての仕組みが違うので、どのような点に注意すればよいかを確認しておきましょう。
ハイブリット車のバッテリー上がり対処法
ハイブリッド車がバッテリー上がりを起こした場合も、ガソリン車などと対応は同じでジャンプスタートをおこなうことになります。詳しい手順は「【方法1】ブースターケーブルを繋げる」で紹介したガソリン車のジャンプスタート方法をご覧ください。
ただし注意していただきたいのが、ハイブリッド車にはバッテリーが2種類あるということです。ひとつめは、駆動用のバッテリーです。こちらは車のエンジンを動かすために機能する電力で、電圧が高く、触ると危険な電源になります。
そしてもうひとつ搭載されているのが、電気設備用のバッテリーで、ガソリン車にもついているバッテリーと同じものです。バッテリー上がりのときは、このふたつのバッテリーを見分けてください。また、車種によってはジャンプスタート専用の端子がついている場合もあるので、自動車の取扱説明書をしっかりと確認するようにしてください。
バイクのバッテリー上がり対処法
バイクのバッテリー上がりの際は、車と同じようにジャンプスタートを使うことと、「キックスタート」または「押しかけ」といったバイク特有のエンジンのかけ方をする方法があります。それぞれの方法を説明します。
【方法1】ジャンプスタート
バイクのバッテリーでも、車と同じようなジャンプスタートをすることができます。自動車やジャンプスターターから電力を供給してもらっておこないましょう。ジャンプスタートは、車と同じ方法を適応できます。
ジャンプスタートの方法は、▼バッテリー上がりを自分で直す方法【エンジン車】で説明しています。あわせてご覧ください。
【方法2】キックスタート・押しかけ
キックスタートとは、バイクにまたがったときに足元にくるペダルを踏むことでエンジンを起動させる方法です。キックスタート用のペダルは、おもにギア付きの車種についています。車種によっては、キックスタート用のペダルがない場合や、後付けのパーツとして扱われていることもあります。
「押しかけ」は、バイクを手で押し、そのタイヤを回転させる勢いでエンジンを起動させます。この方法はコツが必要なうえに、構造上できないバイクもありますので、無理に試さないようにしましょう。
近くの量販店で充電させてもらう
近くにバイクの量販店や、カー用品店があれば、そこで充電させてもらうことができます。バイクは車とは違い、短い距離であれば手で引いて移動することができるので、いざとなったらこの方法をとるよいでしょう。
バッテリー上がりを依頼するならどこが良いの?
バッテリー上がりのときは、駆け付けて対応してくれるサービスを利用したいところです。現場に駆け付けてもらえば、動かなくなった車でもトラブルが起こったその場で処置が受けられます。バッテリー上がりのときに頼れるおすすめの依頼先を紹介しましょう。
【1】JAFのロードサービス
JAF(ジャフ)は日本のロードサービス会社の代表的な存在です。バッテリー上がり以外にも、事故の対応やガソリン切れ、そのほかの故障まで、自動車に関するトラブルに対応しています。バッテリー上がりの処置は、JAFの会員であれば無料となっています(2019年9月現在)。
【2】自動車保険のロードサービス
自動車保険にも、ロードサービスがついている場合があるので確認しましょう。保険会社によって条件は異なりますが、自動車保険はバッテリー上がりなどのトラブルをサポートしてくれるだけではなく、自動車による傷害や物損などの補償をしてくれます。自動車に頻繁に乗る方は利用してみてはいかがでしょうか。
【3】カーバッテリー業者
バッテリー上がりに対応している業者に依頼することもできます。JAFや自動車保険のロードサービスその会員でない場合は、カーバッテリーに対応できる業者に依頼すれば、安心です。
弊社にご依頼をいただくと、加盟業者を現地に派遣いたします。カーバッテリー業者は、必要なときに必要な作業だけ頼むことができます。
弊社は全国の業者と提携し、カーバッテリー業者を手配できる体制を整えています。トラブルの際はいつでもお電話からご用件をお伝えください。提携業者を急行させ、素早くバッテリー回復をいたします。
寿命?バッテリーが上がる原因はさまざま
バッテリー上がりが起こる原因を知っていれば、予防するための基本的な考え方がわかります。バッテリーの役割や、バッテリーが上がる原因などを見ていきましょう。
バッテリーの役割
バッテリーは、カーナビや窓ガラスの開閉、エアコンやランプ類など、電気で動作しているさまざまな部品のために使われています。また、車の内部でエンジンを作動させるための部品などもバッテリーの電力で動いています。
バッテリーは、エンジンがかかるとエンジン内の部品「オルタネーター」で常に発電がおこなわれ、充電されています。適度に車の走行をしていれば、バッテリーは充電されていることになります。
バッテリーが上がる4つの原因
ここでは、バッテリー上がりでよくある4つの原因を紹介していきます。ちょっとした不注意で起こりがちなことなので、確認しておきましょう。
1. ライトをつけたままだった
駐車場などでよくあるのが、ライトを消し忘れてバッテリーを使い切ってしまうことです。エンジンを切っているとオルタネーターによる発電がおこなわれないので、停車時に電気を消し忘れていると電力を消費し続けることになります。いつの間にかバッテリー上がりになっているという例はよくあるようです。
2. 長時間乗っていない
長い期間車に乗らないでいると、バッテリーから自然に放電していつの間にか車を起動させることもできないほどまで充電量が下がっていることがあります。4日間に1回のペースで30分以上の走行をすると、バッテリーの充電量を適切なレベルに保てます。
3. バッテリーの寿命
バッテリーの使用期限は2年から3年間程度だといわれています。バッテリーは使い続けるごとに、蓄電できる量が少しずつ少なくなっていきます。使用し始めてから3年に近い期間や、それ以上の間使い続けていると、バッテリー上がりの原因となることを覚えておきましょう。
バッテリーの交換について詳しくは「【方法3】バッテリーを交換する」で説明しています。あわせてご覧ください。
4. 電力の使いすぎ
電力を使いすぎることで、消費電力が蓄電量や発電量を上回ってしまうとバッテリーは上がります。これは、たとえば車中泊やキャンプなどでエンジンを稼働しないまま電力を使用し続けた場合に起こることが考えられます。また、車のバッテリーから周辺機器に電気を引いている場合などにも、電気の使いすぎが起こることがあるでしょう。
バッテリーの上がりやすい時期があるって本当?
バッテリーは、とくに冬に弱いです。一般的にはどのような形の蓄電池でも気温が低くなるほど機能は下がるとされています。車のバッテリーもまた同様に、冬の期間は機能が低下するのです。
冬は車全体の温度が低下し、エンジン内を循環しているエンジンオイルも硬くなります。車を始動させたり、車をあたためたりするのに多くの電力が必要になる冬は、バッテリー上がりの起こりやすい季節なのです。
また、夏でも電気の使いすぎによるバッテリー上がりには注意してください。夏はエアコンが必須の季節で、電気の使用量も増えます。渋滞の中などの停車時で、エンジンによる発電が少ないときには充電をどんどん消費するので、バッテリー上がりに気をつけましょう。
バッテリーが上がる前の予兆に注目しよう
バッテリーの寿命が近づくと、突然バッテリー上がりが起こることもあります。このような突発的な症状の前兆としては、以下のようなことが起こります。
- ・エンジンがかかりにくい
- ・ライトが少し暗くなる
- ・窓の開閉速度が遅くなる
このようなことが起こったら、老朽化によるバッテリー上がりが起こる前のシグナルかもしれません。バッテリーの交換をするのがおすすめです。
バッテリーが上がったまま放置しても良いの?
バッテリー上がりが起こった車を放置しても、自然に直ることはありません。バッテリーの電力は、一度使い切るとなくなってしまい、充電や交換がおこなわれるまで元に戻りません。
バッテリーの上がった車を放置すると車体が劣化していき、オイル類やガソリンが漏れることにもつながります。危険なので、バッテリー上がりのときは応急処置やバッテリー交換など、正しい対処をおこないましょう。
弊社にお電話をいただければ、バッテリー上がりにすぐに対応できる業者を派遣することができます。弊社は日本全国の業者と提携し、多くの地域で対応することができます。お出かけ先や家のガレージでの車・ハイブリッド車・バイクなどのトラブルのときは、弊社にお任せください。
バッテリー上がりを予防するためにできること
ちょっとした工夫で、バッテリー上がりが起こる可能性を各段に下げることができます。とくに普段あまり運転されない方や、バッテリー上がりが不安だという方は、この方法を参考にしてみてください。
【予防1】適度に運転をして車を走らせる
適度に運転することで、車に電力がたまった状態が保たれます。走ることで車は電気を作り、バッテリーにたまっていくので、あまり運転しない方も買い物などに車を使ってみるとよいでしょう。
目安としては、4日間に一度くらいのペースでエンジンをかけるようにしてください。だいたい30分以上のドライブを4日に1回おこなえば、バッテリーに関しては問題ありません。
【予防2】しばらく乗らない場合はマイナス端子を外す
しばらくのあいだ車を運転しないことがわかっている場合は、バッテリーから自然に電気が逃げていくのをできるだけ防ぐようにします。バッテリーのマイナス極からケーブルを外しておくことで、電気の流れが起こらないようにできます。ひさびさの運転のときにバッテリー上がりが起こることも、これで予防できるでしょう。
【予防3】消費電力の大きいものは使用を控える
消費電力の大きい電気装備の使用を控えるのも予防になります。とくにエンジンを止めているときには、車のバッテリーから使う電気の量に気を使うようにしましょう。
【予防4】バッテリーの電圧をこまめに測定する
寿命に近づいたバッテリーは電圧が不安定になることがあります。正常なバッテリーは12.5ボルトから13ボルトくらいの値が普通です。バッテリー上がりや老朽化を見極めるためには、電圧を測定してください。
シガーソケットに差し込むだけで、誰でも簡単に使える電圧計があります。また、カー用品店やガソリンスタンドではより専門的な点検を手軽に受けることができるので、定期的に測定しておくとよいでしょう。
バッテリーの点検方法
バッテリーの点検では、バッテリー液の量をチェックしましょう。バッテリー液の残量が減ったままになったものを放置していると、発火することもあるので、必ず定期的なチェックをしていただきたいです。
この液の量はバッテリーの容器を見ることで確認することができます。バッテリーの容器には上限と下限の線が入っているので、水位が下限を下回っていたり、下限に近かったりしたら液を補充します。
補充するのは、蒸留水という不純物のない水です。こちらは車用のものが市販されているので、それを使いましょう。水道水などは塩素やミネラルを含んでいるので使ってはいけません。
日ごろの予防で急なバッテリー上がりを阻止しましょう
バッテリー上がりは、このようにさまざまな方法で予防することができます。予防方法を実践していけば、バッテリー上がりを防ぐことができるので、ぜひ試してみてください。
ただし、バッテリー上がりは対策をしていても突然起こりうることです。うっかりしていてライトや車内灯を消し忘れたり、電気を使いすぎたりすることもあるでしょう。また、自然に放電していつの間にか車が動かなくなってしまうこともあります。
そんなときは、バッテリー上がりに対応できる、カーバッテリー業者に依頼しましょう。弊社は加盟店と提携し、遠隔地や市街地など幅広く業者を派遣できる体制を整えております。いつでもお電話からご利用いただけますので、お困りの際はぜひご利用ください。