バッテリー上がり対処で引火を起こさないために|原因と対策法を紹介
バッテリー上がりを起こした際に、自力で直す方法があることは知っている方も多いでしょう。しかし、バッテリー上がりを直す際、手順を誤ったり、取り扱い方法を間違えたりすると、引火して爆発することがあります。
この記事では、カーバッテリーが引火・爆発を起こす原因とは何か、またそれを防ぐために何ができるかなどを詳しくご紹介します。バッテリー上がりを直す際の正しい手順もあわせてご紹介しますので、参考にしてください。
カーバッテリー上がりから引火・爆発が起こる原因
カーバッテリーは、充電時に物質の変化によってガスが発生します。そして、発生するガスにさまざまな理由で引火することにより、爆発が起こるおそれがあります。以下では、発生するガスの正体とそのガスへの引火の原因について解説します。
バッテリーは可燃性ガスを発生させる
カーバッテリーは、充電時にバッテリー内の水分が電気分解されることにより、プラス極側からは酸素ガス、マイナス極側からは水素ガスと2種類のガスが発生します。2種類のガスは発生する量が異なり、水素ガスのほうが多く発生します。
酸素ガスは、可燃物が混ざると燃えるガスで、水素ガスは単体でも可燃性があります。何かの拍子に火花が発生すれば、引火爆発の危険性があるので、バッテリー充電時はガスが充満しないように換気をおこないましょう。
そして、この2種類のガスは、バッテリーを過充電すると、より多く発生します。過充電とは、バッテリーの必要容量を超えて充電をおこなうことです。過充電は、過剰なガスの発生だけでなく、バッテリーにダメージを与えます。そのため、バッテリーの寿命を縮めてしまう原因にもなるのです。どのくらい充電できているのかをこまめに確認して、過充電を避けるように注意しましょう。
可燃性ガスに引火する原因
バッテリーからガスが発生しても、火気がなければ勝手に発火することはありません。そこで、引火の原因となる火気にはどのようなものがあるのかをご紹介します。
・タバコなど
タバコや線香などは火をつけて使用するものなので、危険な火気になります。
・バッテリーの劣化
バッテリーのなかには、バッテリー液という液体が入っています。バッテリー液には規定量があり、それを下回った状態で車を使い続けていると、バッテリー内部の金属部分が露出して次第に劣化します。劣化が進むと、金属部品から火花が散ることがあるのです。その火花が、バッテリー内部のガスに引火すると爆発するおそれがあります。
・静電気
乾燥した季節や乾燥した場所は、静電気が発生しやすい環境です。また、バッテリー清掃時に乾いた布を使用することも、静電気発生の原因になります。静電気のような一瞬の火花でも引火の原因になります。
・ショート
バッテリーにつないでいる端子がゆるんでいたり、ケーブルや工具などの金属製のものがボディにあたったりすると、ショートするおそれがあります。ショートの際に発生する火花が引火の原因になります。
バッテリー上がりの対処はプロに任せるのが安心
タバコなどの火気は持ち込まなければよいですが、バッテリー上がりを直す際に起こる可能性のあるショートは、人為的なミスによるものです。使い慣れない道具を使用することで、ミスが起こる危険性は高まります。
そのようなミスのないように、安全に作業をおこなうのがプロの業者です。業者には2種類あります。
ひとつはロードサービスです。ロードサービス会社に直接加入することもできますし、自動車保険に付帯していることもあります。バッテリー上がりを直す程度なら無料でおこなってくれることが多いので、初めてのバッテリー上がりであればロードサービスを利用してもよいでしょう。
しかし、ロードサービスは利用回数に制限がある場合があります。また、ロードサービスに加入していない場合は、無料サービスを受けることができません。そういったときは、もうひとつの業者である、バッテリー上がり解消に特化したサービスをおこなっている業者を利用することもできます。
バッテリー上がり解消に特化した業者は、会費などがないので無料サービスはありませんが、バッテリー上がりに解消に関する知識や経験は豊富です。
業者選びに不安がある方は、弊社にご相談ください。バッテリー上がりを起こした場所や状況に応じて、対処に適した業者をご紹介します。
バッテリーに引火させないための注意事項
カーバッテリーへの引火は注意していれば防げます。どのようなことに注意しておけばよいのか、その方法をご紹介します。すぐにでも実践できる方法です。以下の注意事項を守ってバッテリーを扱いましょう。
静電気や火気を近づけない
バッテリーの引火を防ぐためには、火気に近づけないことが重要です。タバコなどを近くでつけないことはもちろん、静電気が発生しないようにも注意しましょう。
湿度の低い場所や、冬などの乾燥する季節は、静電気が発生しやすい状況です。自分が帯電していて、静電気が発生することもあるので、車体などに触れて静電気を除去してからバッテリーに触れるようにしましょう。また、バッテリーの掃除をおこなうときは、湿った布を使用して、静電気の発生を防ぎましょう。
バッテリー液は適切な量にする
引火の原因になるバッテリーの劣化は、バッテリー液が減ることによって起こります。バッテリー液の量は、バッテリー側面の窓から確認することができます。この窓には2本の横線が引いてあり、2本の線の間がバッテリー液の規定量です。
多すぎればバッテリー液が漏れだして周辺の金属部品が錆びるおそれがあり、少なければバッテリー内部の金属部品が露出して劣化します。劣化した金属部分は何かと接触することで火花を散らす危険性があるので、バッテリー液は常に適量を保ちましょう。
バッテリー液が不足していたら、バッテリー液の補充をおこないましょう。バッテリー液はカー用品店などで購入できます。やけどするおそれがあるので、素手で触れないようにスポイトなどを使用して補充しましょう。補充作業をおこなうのが不安であれば、業者に依頼してもよいでしょう。
つなげてはいけない場所をつなげない
バッテリーにはプラス端子とマイナス端子があり、電気はプラスからマイナスに流れます。逆に接続してしまうと、電気が逆流するため、ショートしたり内部の設備が故障したりするおそれがあります。
また、バッテリーのお手入れ中に金属の道具をボディにあててしまうと、ショートする危険性があります。周りの部品などにも注意してバッテリーに触れるようにしましょう。
バッテリー交換を正しい手順でおこなう
バッテリーの交換は、やけどしないようバッテリーが冷えているときにおこないましょう。また、万が一電気が流れると感電するおそれがあるので、車のオーディオやライトなどはオフの状態にしておきましょう。
バッテリーの端子はマイナスを先に外してからプラスを外します。これは、マイナス端子が車のボディとつながっているためです。誤って先にプラスを外すと、工具とボディが触れただけで電気が流れて感電します。
両方の端子を外したら、バッテリーを固定している取り付け金具を外して、古いバッテリーを降ろし、新しいバッテリーを積みます。新しいバッテリーを取り付け金具で固定したら、今度はプラス端子を先につなぎ、最後にマイナス端子をつなぎます。
バッテリーの端子は、ゆるんでいてはいけませんが、きつく締めすぎると破損してしまうおそれがあるので、ぐらつきのない程度で固定しましょう。
ジャンプスタートを正しい手順でおこなう
バッテリー上がりを解消する際にも、引火のおそれがあります。それが、ジャンプスタートをおこなうときです。
ジャンプスタートとは、バッテリー上がりに対する応急処置のことで、外部から電力の供給を受けて、バッテリーが上がった車のエンジンをかける方法です。
近くに正常にバッテリーが作動している車がいる場合は、助けを求めて救援車になってもらうとよいでしょう。2台の車はブースターケーブルというバッテリー上がり解消のためのケーブルでつなぎます。
ブースターケーブルは2本あり、つなぎ間違いのないよう赤と黒に色分けされています。2台の車のバッテリーを、プラス端子には赤、マイナス端子には黒のケーブルを使って、つなぎましょう。つなぐ順番も決まっているため注意が必要です。故障車のプラス端子、救援車のプラス端子、救援車のマイナス端子、故障車のマイナス端子の順になります。外すときは取り付けたときとは逆の順番で外しましょう。
接続の順番を間違えたり、別の場所に接続したりすると、ショートしてバッテリーから発生するガスに引火するおそれがあるので、必ず正しい手順でおこないましょう。
注意点を守ることは難しいことではありません。しかし、道具の取り扱いやバッテリー上がり解消のためにおこなう作業の手順に不安が残る方は、業者に依頼したほうがよいでしょう。
依頼する業者を探すのが面倒という方は、弊社にお問い合わせください。バッテリー上がりの状態をお聞きして、迅速に対応可能な業者を厳選してご紹介します。自身で業者を探す手間もないので、お気軽にご利用ください。
バッテリー上がりの原因について
ここまで、バッテリーに引火する原因やバッテリー上がりの対処法と注意事項をご紹介してきました。しかし、そもそもバッテリー上がりが起こらなければ、バッテリー上がりを直す必要もなく、バッテリーへの引火の可能性も低くなります。
これからは、バッテリー上がりを起こさないために、バッテリー上がりが起こる原因と実践すべき予防法をご紹介します。安全なカーライフのために、ぜひ取り入れてみてください。
バッテリーが上がる原因
バッテリー上がりが起こる原因は、おおきく分けて以下の3つがあります。それぞれどのようにして起こるのか解説します。
・電気の使い過ぎ
バッテリーの電力は車のあらゆるものに使われています。エンジン始動はもちろん、ライト類やエアコン、オーディオにも使用されています。
走行中であれば、車内部のモーターの回転数も多いため、発電機も活発に動いていて、電力不足になることはありません。しかし、停車中や渋滞中はモーターの回転数が減り、発電量が少なくなります。そのため、走行中と同様に電気設備を使用していると、電力不足になってしまうおそれがあります。
また、車を降りる際に室内灯などをつけっぱなしにしていると、発電機が動いていない状態でバッテリーの電力を使用することになります。長時間その状態が続くと、バッテリーに蓄電されていた電気がなくなってしまいます。
・充電不足
バッテリーの充電は、基本的には内部の発電機によっておこなわれています。この発電機は、エンジンをかけてモーターが回転することによって作動するので、車を長期間使用しないと、充電不足になってしまいます。バッテリーに蓄えられている電気は、何もしなくても減っていくので、定期的に充電する必要があるのです。
発電機の発電量は、モーターの回転数によって変わります。エンジンをかけているだけでは発電量が少ないので、ある程度走行して充電する必要があります。頻度としては、最低でも週に1度は30分以上走行するとよいでしょう。
・バッテリーの寿命
電気の使い過ぎでも充電不足でもないのであれば、バッテリーの寿命かもしれません。バッテリーは約2~3年が寿命だといわれています。
使用頻度や乗り方によって誤差はありますが、バッテリー上がりやバッテリーの劣化といったトラブル防止のため、3年に1度はバッテリーを交換するとよいでしょう。
バッテリー上がり対策には日々の点検が大切
バッテリー上がりを防ぐためには、こまめに点検をおこなうことが大切です。
電気の使い過ぎは、人為的なミスなので、注意すれば解消できることがほとんどです。車を降りるときはライトを消し忘れていないか確かめるクセをつけ、充電不足にならないように定期的に車を動かしましょう。
バッテリー液の量はボンネットを開ければ確かめられます。適切な量が入っているか確かめましょう。自分の確認で不安な方は、点検に出す頻度を少し増やしてもよいかもしれません。
上記のように、日々の点検をおこなっていても、見逃している部分があったりバッテリーが寿命を迎えたりして、突然バッテリーが上がることがあります。そのときは、無理に自分で解決しようとせず、業者の力を借りましょう。
バッテリー上がり解消に特化した業者であれば、バッテリーの状態の変化にも詳しく、適切な対処が可能です。
自車のバッテリー上がり解消に適した業者がわからないときは、弊社にご相談ください。全国各地にある加盟店のなかから、バッテリー上がりを起こした場所や状況に応じて、解決に適した業者をご紹介します。