車用バッテリーケーブルのつなぎ方や充電方法|正しく使って事故防止
バッテリー上がりしたときに便利なブースターケーブルは、つなぐ順番が重要です。順番を間違えてしまうと、バッテリーがショートして発火するおそれがあり、最悪の場合では車が故障してしまうおそれもあります。
このコラムでは、一般乗用車とトラックなどで異なるブースターケーブルのつなぎ方や、車のバッテリーにケーブルをつなぐ順番を間違えたときの危険性などを解説していきます。また、バッテリー充電に便利なジャンプスタートの種類についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
車のバッテリー上がりでピンチ!ブースターケーブルの使い方
バッテリー上がりでブースターケーブルを使う場合は、まず電気をわけてもらう救援車を呼びましょう。ブースターケーブルとは、救援車からバッテリーをわけてもらうときに使用する赤と黒のケーブルです。ただし、ハイブリット車を使ってガソリン車を救援することはできません。なぜならハイブリット車の補機用バッテリーが扱う電気の大きさがガソリン車と大きく異なるからです。
ガソリン車とハイブリット車のバッテリーを無理やり接続してしまうと、ハイブリット車が故障してしまうため、救援してもらう車の種類には十分気をつけてください。逆に、バッテリー上がりを起こしたハイブリット車をガソリン車が救援することは問題ありません。これらの注意点をふまえて、正しい使い方をみていきましょう。
まずは車の電圧を確認
車の種類によってバッテリーの電圧は異なります。一般乗用車では12v、外国車やバス、トラックなどは24vのバッテリーを使用しているのです。バッテリー自体は12vで、トラックなどには12vのバッテリーをふたつ積んで直列に接続されています。電圧が違うと、ブースターケーブルの使い方も変わるため、それぞれの方法を確認しましょう。
使い方:12vの車の場合
12vの車でブースターケーブルを使ってバッテリー上がりの対処をする場合の手順は、以下のとおりです。
- 1.まずは赤いケーブルをバッテリーが上がってしまった車のバッテリーのプラス端子側につなぐ
- 2.ケーブルの反対側を救援車のバッテリーのプラス端子につなぐ
- 3.救援車のマイナス端子に黒色のケーブルをつなぐ
- 4.ケーブルの反対側をバッテリーが上がってしまった車のエンジンブロックなどの金属部分につなぐ
- 5.救援車のエンジンを始動させて1分ほど待つ
- 6.バッテリー上がりした車のエンジンを始動させる
- 7.ケーブルをつなげたときと逆の順番で外す
救援車のマイナス端子につないだケーブルの反対側は、バッテリーにつなぐと火花が出て引火するおそれがあるため、エンジンの金属部分に接続しましょう。
また、エンジンがかかったらしばらく車を走行させなくてはいけません。詳しくはこのあとの【エンジンが始動したら車を走らせましょう】で解説します。
使い方:24vの車の場合
トラックを例にブースターケーブルの使い方をご紹介します。24v専用のブースターケーブルを使用してください。24vのバッテリーを積んだトラックに救援を依頼します。ケーブルを端子につなげる順番は12vの車と同じですが、トラックにはバッテリーがふたつあるため注意が必要です。
トラックには12vのバッテリーがふたつ並んでいます。このふたつのバッテリーは、片方のプラス端子ともう片方のマイナス端子がケーブルで接続されています。24vの車でブースターケーブルを使うときは、もともとケーブルで接続されていないほうのプラス端子とマイナス端子をつないでください。プラスとマイナスは端子の横に表示されています。
接続手順を間違えるとこうなるかも……
ブースターケーブルをつなぐ順番を間違えないように注意してください。以下のようなトラブルが起きることがあります。
・ショートして発火
ブースターケーブルをつなぐ順番を間違えると、バッテリーがショートして発火するおそれがあります。バッテリーのガスに引火すれば、火災に発展してしまうかもしれないのです。
・救援車が故障する
プラス端子とマイナス端子を間違えてつないでしまうと、バッテリーがショートした影響でヒューズが切れてしまうことがあります。ヒューズはバッテリーがショートしたとき、バッテリーにつながる電装品などに大きな電流が流れるのを防いでくれるパーツです。ヒューズが切れたら新しいものに交換しなくてはならないため、救援車のエンジンがかからなくなってしまうのです。
バッテリー上がりしたときには、車のバッテリーにケーブルをつなぐ順番をよく確認しておかなくてはなりません。「自分で作業するのは少し怖いな」と感じたら、無理をせずにプロにまかせるのもひとつの手段です。
弊社にご相談いただければ、バッテリー上がりに対応する業者を現場に派遣いたします。全国にある加盟店のなかからお近くにある業者をお探しいたしますので、お困りのときにはお気軽にお電話ください。
1台あると便利!ジャンプスターターの選び方・使い方
バッテリー上がりの解決策として、ブースターケーブルと救援車を使った方法のほかに、もうひとつあげられるのが「ジャンプスターター」です。これは救援車を呼ばなくても自分だけでバッテリーを充電することができる優れたアイテムです。
モバイルバッテリーにも使えるタイプがあり、1台持っているとバッテリー上がりだけでなく災害時にも重宝します。ここからは、ジャンプスターターの選び方や正しい使い方を解説します。
ポイント1.自分の車に合ったものを選ぶ
先述したとおり、車によってバッテリーの電圧が異なるため、自分の車の電圧に合ったものを選ぶ必要があるのです。ジャンプスターターを選ぶときに確認するのが最大電流です。最大電流はアンペア(A)で表示されています。
それぞれの車に必要な電流の目安は、車の排気量によって異なります。排気量が2,500ccの一般乗用車には、400Aの電流が必要です。トラックなどの排気量が多い車なら、700A以上のジャンプスターターを選ぶとよいでしょう。
ポイント2.バッテリー容量をチェック
今度はバッテリー用量を確認してみましょう。【mAh(ミリアンペアアワー)】で表示されるバッテリー用量は、数字が大きいほうがなにかと便利です。
バッテリー上がりのときだけ使用するなら容量を気にする必要はありませんが、ジャンプスターターはスマートフォンの充電などにも利用できるものがあるのです。災害時の電力としても活躍するため、容量が大きいものを選ぶのもよいでしょう。
ポイント3.電池の種類も確認しよう
ジャンプスターターに使用されている電池は、種類によって異なります。それぞれの特徴を確認してみましょう。
・鉛電池
一般的に使用される電池です。値段も安く安全性が高いという特徴があります。ただし、サイズが大きくなりがちです。
・リチウムイオン電池
軽くて使用しやすい電池です。ただし、使用方法を誤るとショートして破損するおそれがあるため、使用時には注意が必要です。
・リチウムマンガン電池
安全性が高い電池で、安心して車内に置いておくことができます。その分少し値段が高いです。
・リチウムポリマー電池
電力の容量が大きいのに、本体は非常に小さく持ち運びに便利です。しかし、トラックなどの大型車に供給できるほどではないため一般乗用車の場合に使用するタイプです。
ジャンプスターターの充電時間と正しい使い方
ジャンプスターターでバッテリーの充電をおこなう場合、エンジンをかけるために必要な充電時間の目安はおよそ20分です。機種によって差はありますが、20分を超えて充電を続けてしまうと、バッテリーが故障してしまうおそれがあります。
エンジンがかかったら、ジャンプスターターを取り外して車を走行させましょう。詳しくは次の項目で解説していきます。
エンジンが始動したら車を走らせましょう
ブースターケーブルまたはジャンプスターターを使ってエンジンが始動できる状態になったら、30分~1時間を目安に車を走らせましょう。エンジン始動後にバッテリーチャージャーという充電器を使ってゆっくり充電する方法もありますが、この方法で充電を満タンにするためにはおよそ5~6時間ほどかかってしまうのです。
時間がない方は、もっと効率的に充電できる走行充電をおすすめします。ここからは、走行充電について確認していきましょう。
できるだけ長く走るのが効果的
エンジンを始動するためには、バッテリーの電力によって動くセルモーターを稼働させます。これによってエンジンが回転するとオルタネーターと呼ばれる発電機に電力が蓄積されていくのです。
つまり、バッテリーの充電をおこなうなら車を走行させて発電するのが効率的です。バッテリー上がりを解決したら、そのまま30分~1時間程度ドライブしていれば、自然とバッテリーが充電されます。このときに注意しておきたい点は、電装品の使用です。
バッテリー上がりを解決したあとも、充電されるまではバッテリー容量が少ない状態です。エアコンやオーディオなどの不要な電力は使用を控えましょう。
アイドリング充電はおすすめしない
車を走行させなくても、エンジンがかかっている状態をアイドリングといいます。アイドリングの状態でも充電することはできますが、走行時に比べると発電量は少ないです。
また、アイドリング状態ではエンジン音が出てしまうため、停車させる場所や時間帯によっては近隣に迷惑をかけてしまうことも考えられます。アイドリングでバッテリーを充電するのは控えたほうがよいでしょう。
突然のバッテリー上がりでお困りでしたら、ぜひ弊社をご利用ください。最短でバッテリー上がりの現場に向かうことができる業者をご紹介いたします。お電話相談は24時間受け付けておりますので、ピンチのときにはいつでもご相談ください。