ツメダニを駆除してかゆみや不快感から解放される根本的な対策
ダニにはいろいろな種類がいます。“ツメダニ”もそのひとつ。「朝起きたら皮膚が赤く腫れてかゆい」と悩んでいるあなたの布団の中には、ツメダニが発生しているのかもしれません。早急に駆除をおこなう必要があります。
しかし、「そもそもツメダニはどういうダニなのか?」「どうやって駆除すればよいのか?」といった疑問を抱えている方もいるでしょう。
そこで今回は、ツメダニの生態や駆除の仕方をご紹介します。ツメダニ被害に悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ツメダニの生態
効率的に駆除するためにも、ツメダニの好みや苦手なものを知っておくことは重要です。そこでまずは、ツメダニの生態についてご紹介しましょう。
ツメダニは本来人を刺しません
ツメダニはイエダニなどと違って、人を刺して吸血する虫ではありません。いつもは他の種類のダニや、小さな虫などを捕食して暮らしています。
しかし人間がツメダニに刺される可能性は、ゼロではありません。ツメダニはときどき誤って人間を刺してしまい、そのまま体液を吸うこともあるのです。
「いつも刺されるダニと、ちょっとかゆみが違う」という場合は、運悪くツメダニに刺されてしまった可能性が考えられます。ツメダニは、湿気が高くなる梅雨の時期から秋にかけて大量に増殖するため、この時期はとくに気をつけたほうがよいでしょう。
ツメダニが好きなもの
ツメダニはチリダニやコナダニなど、他のダニを捕食します。本来、室内にあまり多くは生息していないダニなのですが、家の中にチリダニやコナダニが大量に発生することによって、ツメダニも大量に繁殖することがあるのです。
たとえば以下のような環境条件を満たすと、チリダニやコナダニが大量発生し、ツメダニの繁殖につながることがあります。
- 梅雨~秋ごろの時期
- 気温20度~30度
- 湿度70%前後
- 布団やカーペット、畳などに人のフケやホコリが溜まっている
ツメダニに刺されるとこんな症状が
ツメダニに刺されると、次のような症状が出やすいです。あなたの皮膚にもこのような症状があらわれていないかチェックしてみてください。
- 刺されてから1~2日後に痛みが出る
- とにかくかゆい
- かゆみがおよそ1週間続く
ツメダニに刺されると、とにかくかゆみが強く出ます。かゆいからといって患部を掻きむしってしまうと、出血してしまうこともあるでしょう。とくに肌の弱い赤ちゃんがいるご家庭では、ツメダニが発生しないように注意してあげてください。
安価でカンタン!ツメダニ駆除
ツメダニが室内に発生していたら、はやめの駆除が必要です。被害が深刻でないのであれば、ご家庭にあるものやグッズなどでも十分駆除できます。この章では、気軽に、かつ安価におこなえるツメダニの駆除方法についてご説明しましょう。
熱湯を使う
通常、ダニは約50度~60度の温度にさらされると死滅します。そのため熱湯をかければツメダニを駆除することができるでしょう。
ただし、この方法は濡れてもすぐに乾く衣類やシーツなどには効果的ですが、一方で布団など大きなものや乾きにくいものには向きません。布団に熱湯をかけると、布団を傷めてしまう原因にもなります。布団の場合は、別の方法で駆除するようにしてください。
ダニ取り用のシートを使う
手軽にダニを捕獲・駆除できるのが、“ダニ取り用シート”です。ダニ取り用シートはダニが好むニオイを発することでダニがシートに吸い付きます。シートに吸い付いたダニはシートに捕らえられて動くことができなくなるという仕組みです。
つまり、ゴキブリホイホイのような原理のシートといえますね。このシートを布団の下に敷くことで、布団の中に潜むツメダニも手軽に捕らえることができるのです。
薬剤をまくことに比べると即効性は低いですが、長期的におこなえば少しずつ効果が表れてくるでしょう。ダニ取り用シートは3枚セットでおよそ1,000円~2,000円と、比較的安価で購入することができる点も魅力です。
ダニ駆除用の薬剤を使う
ダニが大量に発生してしまった場合や、とにかくはやくダニを駆除したい場合には、ダニ駆除用の薬剤を使うことをおすすめします。ダニ駆除用の薬剤は次の3種類です。
・ノズルを刺して薬剤を注入するタイプ
これは、和室の畳や絨毯(じゅうたん)など、比較的やわらかい床材・布材にノズルを刺して使うタイプの薬剤のことです。すでにいるダニに即効性が期待できます。
・スプレータイプ
布団や机、ぬいぐるみ、ソファーなどに潜むダニを駆除したいときに便利なのが、スプレータイプの薬剤です。スプレーを噴霧するだけで、ダニを駆除することができます。
・くん煙タイプ
家全体または部屋全体のダニを駆除したいときに便利なのがくん煙タイプの薬剤です。くん煙タイプの薬剤を散布する際は、その部屋から出なくていけません。外出する予定のあるときに使用しましょう。
表面的な部分にいるダニであれば、これらの薬剤が有効です。ただしこれらの薬剤は、使い過ぎると人体に影響をおよぼす心配もあるので、使用頻度はほどほどにしましょう。
効果的なツメダニ駆除法はコレ!
前章でご紹介した、ダニ駆除用シートやダニ用薬剤は手間や費用を抑えることができますが、一方でダニを完全に駆除することは難しいでしょう。そこで、ここからはダニを完全に駆除できる方法をご紹介します。
布団乾燥機を使う
ダニの弱点は50度~60度以上の高温と、乾燥です。したがって布団の中に潜んでいるダニは、布団乾燥機を使うことによって死滅させることができます。最近の布団乾燥機には、“ダニ退治モード”がついているので、このモードを使えば簡単にダニ駆除をおこなうことが可能です。
しかし一方で布団乾燥機自体が高額であることや、数時間の乾燥時間を要することなど、布団乾燥機を使ったダニ駆除にはデメリットもあります。
数時間におよぶ布団乾燥機の使用は電気代がかさむ原因にもなるので、頻繁にこの方法でダニ駆除をおこなうのは難しいかもしれません。布団乾燥機でダニを死滅させたあとは、しばらくダニが寄りつかないように工夫をこらすことが必要となります。
スチームアイロンを使う
スチームアイロンを布団にかけることによってダニを駆除するという方法もあります。スチームアイロンの温度は100度近くあるので、ダニを十分に死滅させることができるでしょう。
しかし、この方法は表面にいるダニに対してのみ有効であり、布団の奥のほうに生息しているようなダニにはあまり効果がありません。1回のアイロンで布団にいるダニを全て死滅させることは難しいといえます。
また、スチームアイロンは水分を出します。そのため、アイロンしたあとの布団はかなりの湿気を含むことになるでしょう。布団をそのままにしておくと、ツメダニのエサである、チリダニやコナダニが大量に発生する原因にもなってしまいます。したがって、布団にアイロンをかけたあとは、布団をしっかりと乾燥させるようにしてください。
なお布団の素材に絹などが使用されている場合は、劣化させる原因になるのでアイロンをかけることは控えてください。
プロにお願いする
家のいたるところにツメダニが大量発生している場合や、忙しくて駆除する時間が取れないときなどは、ダニ駆除業者に対処を依頼するのがおすすめです。
プロの業者に依頼すれば、専用の薬剤や道具を使って効率的にダニ駆除をおこなってもらうことができます。自分でおこなうよりもスピーディーなので、すぐにダニ被害を解決できるのも嬉しい点です。
ただし駆除する場所が少ない場合は、自力でおこなうよりも費用が割高になってしまうこともあります。駆除したい場所の多さなどによって、業者に依頼すべきか自力で対処すべきかを検討しましょう。
ツメダニを予防する3つのポイント
ツメダニを無事に駆除できたら、ツメダニがまた寄り付かないように対策を講じることが大切です。ここからは、ツメダニの発生を予防する方法をご紹介します。
温度と湿度を管理する
ダニは湿度が55%以下になると、活動がにぶくなります。こまめに窓を開けるなどして湿度が下がるように調整しましょう。
また、20度~30度程度の気温はツメダニのエサであるチリダニの発生を促してしまいます。室温はエアコンなどを使ってなるべく低く保つことが大切です。
エサをなくす
お菓子などの食べかすは、ダニの好物です。なるべく食べかすが落ちないように工夫をするか、食べかすがこぼれたらすぐに掃除をする習慣をつけましょう。
食べかすだけではなく、ダニは髪の毛やフケ、垢なども好みます。髪の毛が落ちていたら粘着テープなどで丁寧に取り除きましょう。
清潔にする
綿ボコリなどが積もっているところにも、ダニが大量に住みついている可能性があります。綿ボコリには人間のフケや垢が混ざっていることが多く、ダニにとってはとても快適な場所だからです。綿ボコリを見かけたら、固く絞った雑巾などで丁寧に拭き取っておきましょう。
▼駆除が難しければプロに依頼してみよう
ここまでツメダニの駆除の方法について説明をしてきました。駆除をする場所が多い場合は、手間がかかってしまうことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
駆除するのに手間がかかりそうなときには、プロのダニ駆除業者に依頼することを検討してみましょう。業者に駆除を依頼すると、次のようなメリットがあります。
- ツメダニを確実に駆除できる
- ツメダニの侵入方法をレクチャーしてもらえる
- ツメダニによって汚染された場所を清掃や除菌してくれる
ダニは駆除だけすればよいというものではありません。駆除後の死骸をしっかり取り除かないと、体内に入りこんでアレルギーの原因となることもあるのです。
業者に依頼をすれば、駆除後の清掃もしっかりとおこなってくれるので、こういった心配がありません。
▼まとめ
さて今回は、ツメダニの生態や、駆除方法についてご紹介しました。ぜひ今回の記事を参考に、ご自宅のツメダニ駆除をおこなってみてください。しっかりポイントを押さえて対策すれば、ダニ被害を最小限に抑えることができるはずです。
もし自力での駆除に限界を感じた場合や、忙しくて手を付けられない場合は、ダニ駆除業者に頼りましょう。プロの技にかかれば、あっという間にダニがいなくなるはずですよ。ぜひ一度、試してみてくださいね。
【ダニ・ノミ・トコジラミに関する記事はこちら】
■チリダニによる健康被害に注意!3段階に分けてしっかり対策をしよう
■ダニが好む温度と湿度|季節に合わせたダニ対策と効果的な退治方法
■米びつに虫が発生!虫の種類と防虫対策|発生時の対処法を解説します
■トコジラミ駆除ガイド|症状はかゆみだけじゃない!対処&予防法
■南京虫の駆除は難しい?被害が増えている理由と効果的な3つの駆除方法
■毛布はダニの天国!?効果的なダニ駆除法・予防法を徹底解説!
■布団で体がかゆい!ダニが原因の効果的な駆除と今日からできる予防法
■ダニの駆除方法|体が痒い…イライラ!大量発生したダニを一気に退治