家の中の害虫は何?サイズと特徴で分析!駆除対策・予防策も教えます
「家の中に名前のわからない虫がいる」といったとき、どのように対処していいかわからないという方もいるでしょう。もし、家の中に得体の知れない虫がいるという場合、放置してはいけません。なぜなら、たとえ体が小さくても人に害を及ぼす虫がいるからです。
本コラムでは、家の中の害虫の種類や被害、予防・対策方法などについて詳しくご紹介しております。虫の種類と正確な撃退方法を確かめたうえで、できるだけ早めに対処しましょう!
家の中の害虫は何?大きさで判別しよう
家の中の害虫には多くの種類がありますが、特徴をつかむことでどのような虫なのか予測することができます。ここでは、家の中の害虫がなんなのか、大きさ別に種類の見分け方をご説明します。また、体長や発生場所もあわせてご紹介しておりますのでご確認ください。
大きさが2ミリ未満の場合
■チャタテムシ
白に茶色のまだら模様がある、小さな虫です。体長は約0.9~1.4ミリで、発生場所は畳や古本、段ボールなどの湿度が高い場所に発生します。
■ケナガコナダニ
半透明の体に10本程度の毛が生えているダニです。体長は約0.3~0.4ミリで、発生場所は削り節、パン粉、チーズなど幅広い食品や、畳です。たまに医薬品に発生することもあります。
大きさが約2~10ミリの場合
■イガ
茶褐色で、細長い蛾のような姿をしています。体長は約5~6ミリで、発生場所はウールや絹などの動物質繊維からできた素材です。
■シバンムシ
とても小さな赤茶色のコガネムシのような見た目です。体長は約2.5ミリで、発生場所は乾麺やお菓子など、乾燥しているものに多い傾向があります。
■トコジラミ
お腹の部分が平たく、カメムシに似た体型です。南京虫とも呼ばれ、体長は約5~8ミリで、段ボールや家具の隙間に出現します。
細長い銀色のフナムシのような見た目をしています。体長は約8~10ミリで、発生場所は本や壁紙など暗い場所に出現します。
大きさが10ミリ以上の場合
■ムカデ
体長が約80~130ミリで、浴室や洗面所などの水回りに出現することが多いです。
■ゲジ
いわゆるゲジゲジと呼ばれる虫で、体長は約20~25ミリです。クモとムカデを足したような虫で、足の数がとても多く、ひと目見ただけで嫌悪感を抱くような外見をしています。玄関口やドアの下のすき間から侵入します。
小さな虫でも大きな被害!害虫が与える被害2選
さまざまな大きさ、場所によって発生する害虫が異なることがわかりました。害虫によって与える被害も異なります。ここからは、家の中の害虫が与える被害について解説しましょう。
家の中にあるものを食べてしまう害虫3選
ここでは、家の中にある家具や畳、本などを食べる害虫についてご紹介します。「最近、服や家具に穴が空いていた……」なんて方は以下の虫による被害かもしれません。
■キクイムシ
ホタルのような姿形をしていて、身体はこげ茶色でツヤがあります。キクイムシは木製家具などを好んで食べます。ご自宅内の家具回りに木くずが落ちている場合は、キクイムシを疑いましょう。
■シバンムシ
シバンムシは畳をむしばむタバコシバンムシと、本などに発生するジンサンシバンムシがいます。
■カツオブシムシ
白い体に錆のような茶と黒のまだら模様があり、コガネムシとカメムシを足したような体型です。タンスやクローゼットの中にしまってある衣類を食べます。暗い場所で卵を産む習性があり、放っておくと大量に発生してしまうので注意しましょう。
人やペットの血を吸う害虫3選
家の中の害虫には、人間やペットの血を吸う虫もいます。吸血されることで、かゆみや腫れなどの症状があらわれます。以下の虫がご自宅にいると、吸血することがあるのでチェックしておきましょう。
■ダニ
小さなクモのような外見をしていますが、お腹が丸いのが特徴です。布団やソファー、カーペットなどに大量発生します。チリダニやコナダニなどは人を刺しませんが、チリダニやコナダニを捕食するツメダニは人を刺すことがあります。ツメダニに刺される瞬間は特に痛みなどはないものの、後からかゆみが起こるので注意しましょう。
■ノミ
横から見るとどこかセミの抜け殻にも似た、茶色で光沢のある虫です。主に、犬や猫などのペットに寄生する害虫ですが、人にも吸血することがあります。ノミに刺されると激しいかゆみが襲い、水ぶくれやかさぶたができてしまうでしょう。
■トコジラミ
トコジラミは床やじゅうたん、カーテンの折り目からベッド回り、家具、電化製品にも発生します。夜に活動が活発になり、成虫だけでなく幼虫までもが人間やペットの血を吸うため厄介です。一度発生すると爆発的に増殖します。
害虫を食べてくれる虫もいる
「なんとなく気色悪いな……」と思う見た目をした虫でも、害虫を食べてくれる「益虫」かもしれません。以下の虫は害虫を食べてくれるので、もし見つけても放っておいてよいでしょう。
■ハエトリグモ
その名のとおり、ハエ(コバエ、チョウバエなど)を食べてくれるクモです。小型で、身体の大きさよりも短いか、同じくらいの長さの足を持っています。ハエのほかにも、ゴキブリやベンジョコオロギ(カマドウマ)などいったほかの害虫も捕食する益虫でもあるので、気にならないようであれば放っておいてもいいでしょう。
■アシダカグモ
身体よりも2~3倍ほど長い足を持ちます。一見、おぞましい見た目をしていて怖気づいてしまうという方もいるかもしれませんが、アシダカグモはゴキブリや小さなネズミなどまで捕食します。反対に、アシダカグモを見つけたときは、お家の中にゴキブリなどエサとなる虫がいるということです。アシダカグモを見つけたら、害虫を食べて減らしてもらえるよう駆除せずに放っておくことをおすすめします。
家の中の害虫を撃退!有効な対策とは
これまで、害虫の特徴や、害虫がもたらす被害についてご紹介してまいりました。上記で紹介したような、「害虫が家の中に1~2匹出てきた」といった場合も、小規模の被害であれば、自分で撃退することができます。
害虫を撃退する手段として、市販の殺虫剤を使った駆除があります。ここからは、簡単に使うことができる殺虫剤の種類や使い方について解説しましょう。
ベイト剤(毒餌)タイプ:ゴキブリ、アリなど
毒の入ったエサを設置し、害虫に食べさせる駆除方法です。集団で暮らしている虫は餌を巣に持ち帰って仲間に分ける性質があるため、毒を持ち帰らせて害虫を一網打尽にすることができます。害虫の通り道に設置しておくことで効果を発揮します。
噴射タイプ:ハエ、蚊、ガ、ゴキブリなど
スプレーに入った殺虫成分や氷結成分を虫に直接噴射するタイプです。ハエや蚊、ガなど、目に見える場所に現れる虫に使います。ゴキブリは1匹いたら何匹もいるといわれますが、単体で室内に現れることが多いので、すぐにおこなえる対処法として噴射タイプがよく使われます。
燻煙タイプ:ダニ、ノミ、ゴキブリ、羽虫、アリなど
殺虫成分を含んだ煙や水蒸気を部屋に立ち込めさせることで、部屋に住みついている虫を駆除します。ダニ、ノミ、アリ、羽虫など、身体が小さくたくさん数がいそうな虫や、動きが早く一匹ずつ駆除するのに手間がかかりそうな虫を駆除するのに便利です。煙タイプ、霧タイプ(ノンスモーク)、水タイプなどさまざまで、一番強いのは煙タイプです。
以上のように、家の中の害虫に対して自分でおこなうことができる対策は数種類あります。しかし、中には人間の対策よりも早く繁殖してしまう種類や、吸血や病気の媒介などの健康被害を引き起こすためすぐに対処しなければならない害虫もいます。被害が深刻な場合は、すぐに業者に相談するのが安心です。
もう害虫をよせつけない!予防のための知識
家の中の害虫は、エサが豊富で住み心地のよい環境が整っている場所に発生します。家の中に害虫が住みつかないようにするためには、害虫にとって住みづらい環境を作るのが重要です。害虫が住みやすいと感じる環境がどのようなものかを知って、対策を立ててみましょう。
害虫が住みやすい環境とは
■ゴミや食べかすなどが落ちている
エサが豊富にある場所は害虫にとってとても住みやすいといえます。床に落ちた食べかすや、キッチンに放置された洗い物は、害虫のエサが放置されているようなものです。また、ホコリや人間の皮膚片なども、害虫の大好物です。エサがあると害虫が増える原因になるため、十分に注意しましょう。
■じめじめした暗い場所
多くの害虫が好むのが、湿度が高く風通しの悪い場所です。家の中では、北か西向きの部屋は太陽光が入りにくいので湿気が逃げにくい傾向があるため注意しましょう。段ボールには保温保湿の効果があるので、害虫にとって住みやすい場所になることが多いです。
■低い階にある部屋
マンションなどでは、低い部屋ほど害虫が出やすい特徴があります。普段地上にいる虫が建物の中に入り込むときは、自然と1階の部屋に侵入することとなります。そのため、上の階よりも下の階のほうが虫に狙われやすいのです。
また、蚊が自力で飛べるのはビルの2階程度の高さが限界だという説もあります(気流に乗ったり、エレベーターに乗って上の階にたどり着く場合もあります)。
害虫はどこから入ってくるのか?
部屋に害虫が入り込む際に侵入経路になりやすい場所があります。
- ドア、窓、換気扇、網戸などの隙間
- 玄関扉についている郵便受け
- お風呂場、洗面所、台所、トイレの排水溝
- 配管、配線、ホースなどを通すために空いている穴の隙間
- 壁と床の間にできている隙間
パテやテープで隙間を埋めると、部屋の中に害虫が現れにくくなります。ホースの口には保護ネットやフィルターをつけると安心です。賃貸住宅にお住まいの場合は、勝手に対処してはいけない場合もありますので、まずは大家さんや管理会社に許可を取りましょう。
害虫の侵入を防ぐ対策は?
これまで見てきた害虫の好む環境と侵入経路を踏まえると、害虫を家の中に入れないためには、次のことに気をつけるとよいでしょう。
- 生ごみをゴミ箱や三角ボックスに溜めない
- 段ボールを溜め込まない
- こまめに掃除をして清潔な部屋を保つ
- 定期的に窓を開けて部屋の空気を入れ替える
- 布団や衣類をしまう押し入れやクローゼットはこまめに換気をする
- できるだけ部屋に日光を入れる
- 2階以上の階層がある家に住んでいる場合、1階の防虫対策を徹底する
- 引越しでは3階以上の部屋を選ぶ
- 害虫が入り込みやすい隙間をできる限り埋める
これらの点に気をつければ、害虫にとって心地よいと感じる環境は自然となくなっていきます。家の中の害虫を減らすために、身近なことから始めてみましょう。
まとめ
家の中の害虫にはさまざまな種類がありますが、そのすべてに共通することは、「居心地の悪い場所では生きづらい」ということです。家の中の害虫にとって生活しづらい環境を整えて、自分で対策をとることもできます。害虫の種類に合ったタイプの殺虫剤を使いながら、侵入経路を断ち、清潔な環境を整えてみましょう。
家の中の害虫の中には、人間の対策や駆除に負けないほど繁殖力が強いものもいます。また、人間を噛んだり刺したりするなど、さしせまった健康被害をもたらす種類もいるので注意が必要です。家の中で害虫がつぎつぎに増殖する状況を一刻も早く食い止め、安心の毎日を取り戻すことが重要になります。もしも自力の対策では駆除が間に合わないと思ったら、すぐにプロの業者に相談しましょう。
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