クローゼットにはダニが住みついている!?服に付着したダニを一掃する方法
クローゼットや押し入れに入れていた服を着用した際に、体がかゆくなった経験はありませんか?実は、クローゼット内に長い期間衣類などを放置することで、ダニが繁殖していることがあります。
ダニは大きさが小さいことから、一見しただけでは繁殖しているのかを判断するのは困難です。ですがクローゼット内に繁殖したダニは、放置することで体に悪影響を及ぼすおそれがあるため駆除をすることが不可欠となります。
本コラムでは、クローゼット内でダニが繁殖したことで誘発する危険性と、ダニが繁殖する原因とその対処法について解説していきます。
クローゼットのダニには要注意
以前クローゼットに服をしまってから、一度もあけていないのになかでダニが繁殖してしまうことがあります。クローゼット内にダニが繁殖をすることで引き起こす危険とは、なにが考えられるのでしょうか。
ダニはアレルギーをもたらす
ダニによる被害の多くは吸血されることで起きる、強いかゆみだとご存知の人もいるでしょう。しかし、クローゼット内にダニが繁殖すると、刺される被害のほかにダニのフンや死骸によるアレルギーを引き起こすこともあるのです。
ダニのフンや死骸を吸い込んでしまうと、刺された場合よりもアレルギーが発症しやすいため、定期的な掃除が重要となります。免疫力の低い高齢者や子どもが発症しやすいため、十分に注意をしましょう。ダニによるアレルギー症状は以下の4つがあげられます。
〇アレルギー性鼻炎
鼻炎はその名のとおり、鼻水やくしゃみといった症状です。小さな子どもは鼻水が出るとすすってしまうことが多く、何度もすすることで中耳炎を誘発するおそれがあります。
〇アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は別名アトピー性皮膚炎とも言い、乳児期に発症する確率の高い症状です。湿疹ができることによるかゆみが主な症状となります。かゆみが激しく、左右で同じ場所に湿疹ができることが多いのが特徴です。
〇アレルギー性結膜炎
目のかゆみや異物が入っているような違和感、目やにが出るなどの症状があります。視力の低下や、日常生活で支障をきたすレベルの強い症状が出てしまうこともあるようです。
〇アレルギー性喘息
気管支喘息ともいい、風邪をひいているわけでもないのに咳が止まらないといった症状が出ます。激しい運動をしたときや、工場などから出た汚れた空気を吸うことでも呼吸困難を起こす場合があるのです。
クローゼットにダニがいる理由
ダニはおもに湿気と汚れを好みます。服やふとんなどは空気中の水分を吸収しやすいため、クローゼット内の湿度が高くなりダニが繁殖してしまうのです。ちなみに、ダニが好む湿度は60%以上と言われています。
服を収納する前に洗濯をして、きれいにしている人が大半かと思います。しかし、洗濯をしても服の繊維などに皮脂やフケ、ホコリなどが残っていることでダニが繁殖しやすい環境をつくっている場合もあるのです。
クローゼットのダニ退治の手順
クローゼット内に繁殖してしまったダニを退治するためには、どのような対策をしたらよいのでしょうか。ダニが好む環境を取り除くことで、被害を防止することができます。
【手順1】収納物を洗って干す
クローゼットをあけたときにダニのフンや死骸を目撃してしまった際は、収納物の洗濯をしましょう。洗濯をすることで、収納物に付着していたフンや死骸を取り除くことができます。さきほどご紹介したとおりダニは湿気を好むため、洗濯をしたあとは天日干しをして、水分を残さないことが重要です。
【手順2】クローゼット内を掃除してダニを除去
クローゼットの中身を出し入れすることで、空気中のホコリや衣類などの毛、汚れが溜まりやくなります。ですので、収納物を洗濯すると同時にクローゼット内に溜まった汚れを掃除機で吸い取り、水拭きと乾拭きをしてダニを駆除しましょう。
掃除機の使用が困難な場合は、粘着クリーナーを活用するのもおすすめです。クローゼットのなかをきれいにして、ダニを寄せ付けない環境にすることが大切となります。
クローゼットの「湿気対策」でダニ予防
ダニをクローゼット内で繁殖させないためには、湿気を溜めないことが最善です。クローゼットに収納する衣類のほかに、クローゼット本体でもダニ対策をとりましょう。
湿ったものを置かない
クローゼットに水分を含んだものを収納してしまうのは禁物です。起床後、ふとんが寝汗で湿っていた場合は、干して湿気を十分に取り除いてからしまいましょう。特に、木製のタンスやクローゼットを使用していた場合は、カビを繁殖させてしまうおそれもあるため注意が必要です。
定期的に換気する
常にクローゼットを閉めていると、空気が入れ替わらず湿気が溜まりやすい状況になります。定期的に扉をあけることで風通しがよくなり、クローゼット内の空気を入れ替えることができます。こまめにクローゼット内を換気することが難しい場合は、湿気を吸い取ってくれる市販の乾燥材を使用するのがおすすめです。
収納物を詰めすぎない
季節が移り変わるたびに、新しい衣服を購入する人も多いのではないでしょうか。新たに購入した衣類などをクローゼットに収納して衣類が増えることで、隙間がなくなりクローゼット内の空気が循環しづらくなってしまいます。
クローゼット内に湿気を溜め込まないためには、衣類と衣類のあいだに約5センチ程度隙間があるとよいでしょう。季節の変わり目にはクローゼット内を整理して、隙間を保っておくことが大切です。
すのこを敷く
クローゼットをあけることで、空気を入れ替えることは可能です。しかしふとんなどを収納するクローゼットの底の部分は、湿気が溜まりやすいです。クローゼットの底にすのこを敷き、風通しを良くして湿気をこもらせないようにしましょう。
すのこは一般的に下に敷くことが多いですが、縦にして設置することもできるので押し入れでも活用ができます。収納スペースが広い場合や、湿気の溜まりやすい押し入れなどに設置して風のとおり道をつくるのはいかがでしょうか。
クローゼット以外のダニ対策も必須!
ダニはクローゼットのほかに、湿気の溜まりやすいふとんやカーペット、畳などでも繁殖しやすいです。ダニの駆除方法や予防策について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ふとん・カーペット
ふとんでのダニ対策として、天日干しをすると効果的だと耳にしたことはありませんか?じつは布団やカーペットを天日干ししても、ダニが死滅することはほとんどありません。温度を上げたり乾燥させたりすることはできるものの、ダニを殺すほどには達しないのです。
繊維の細かいふとんなどでダニ退治をおこなう場合は、コインランドリーで目にすることのある「高温乾燥機」が効果的です。ただし、高温乾燥機によって死滅したダニを放置することでアレルギーを引き起こす原因となるので、乾燥後は掃除機で吸い取りましょう。
近年ではダニが繁殖するのを防止するふとんやカーペットが販売されています。防ダニ加工の製品を使用すれば、簡単にダニ予防をすることができます。さらにナイロンやアクリル素材のものは濡れても乾きやすい特徴があるため、ダニの繁殖を減らすことが可能です。
ソファー
ソファーはふとんなどに比べて厚みがあるため、湿気が溜まりやすくダニにとっては絶好の居場所となっています。さらに厚みがあることにより、乾燥機にかけることができません。スチームアイロンやドライヤーで湿気を取り除いたあとは、掃除機でダニを吸い込むようにしましょう。
ソファーによっては、ダニの繁殖を抑えることができる革やアクリル素材の種類もあるので、それらを使用することでダニ対策が可能です。しかし、ダニが繁殖しにくい素材であっても、完全に予防ができるわけではないためこまめな掃除が必要不可欠となります。
畳
近年普及している畳は昔と違い、建材畳床がほとんどということをご存知でしょうか。建材畳床とは、稲わらなどの植物ではなく木材やポリスチレンフォームといった材料でつくられた畳のため、ダニが発生しにくくなっています。
ですが、建材畳床にダニが発生しないということではありません。もしダニが発生したら、掃除機で吸い取る・専用の駆除剤を使用する・畳を天日干しするなどの対応をしましょう。
ダニを繁殖させない対策として、乾燥剤や防虫シートが市販されているので、畳の下に入れておくことがよいでしょう。昔ながらの稲わらを使用した畳を使用している場合でも、畳自体に過熱処理が施されているものが多いためダニの繁殖を防ぐことができます。
ダニで悩んだら業者に依頼する手段も
ダニの退治は自分でも対処することが可能です。しかし自分でおこなっても、しっかりと駆除ができていなければ再びダニが繁殖してしまうおそれがあります。ダニ駆除を業者に依頼することで、カーペットやふとんといった大きなものをコインランドリーに持っていく手間を省くことができます。
さらに専門的な知識と技術で対応をしてくれるため、ダニ駆除に加えて予防もおこなってくれることでしょう。特にダニアレルギーを持った家族がいるご家庭では、ダニ対策を徹底する必要があるので業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
季節の変わり目になると、クローゼットや押し入れから服を取り出し、そのまま着用する人も多いかと思います。ですがクローゼットに長く収納したままだった服は、ダニが繁殖しているおそれもあるのです。ダニは湿度の高い環境で汚れをエサにするため、定期的にクローゼットをあけて空気を入れ替える必要があります。
ダニが繁殖してしまった場合でも、自分でできる対処法がありますので試してみてください。自分で対処をしても効果がない場合は、ダニを再度繁殖させないためにも業者に依頼をするとよいでしょう。