洗濯機の排水口の詰まりは、掃除することで解消できるかもしれません。洗濯機から排出される水の中には、洗剤・衣類の繊維・人間の皮脂・髪の毛・ほこりなど、さまざまな物質が含まれています。それらが汚れの塊となってしまうと、排水口が詰まりやすいのです。
このコラムでは、洗濯機の排水口の掃除方法をご紹介していきます。もし、掃除で詰まりが解消しない場合に考えられる原因も合わせて解説します。自分で掃除しても解消できない場合は、プロの手を借りることを検討しましょう。
目次
洗濯機の排水口詰まりを掃除する方法
さっそく洗濯機の排水口の詰まりを、掃除して解消していきましょう。
洗濯機移動
移動させずに排水口が確認できればよいのですが、洗濯機のタイプや排水口の位置によっては、排水口が洗濯機の下になることも多々あります。そういう設置状況の場合は、大変ですが、排水口が見えるようになるよう、洗濯機を移動させてください。1人で動かすのが心配であれば、2人でおこないましょう。
排水トラップ取り出し
排水ホースの先端に、プラスチックでできたL字型のエルボという管が排水口につながっているはずです。まずはエルボのネジを緩めて外しましょう。
排水ホースを外すと排水口のフタが外せるようになります。その中に排水トラップが入っています。持ち上げると取り外せるので、排水トラップや、排水口内の掃除をしましょう。
部品や排水溝の汚れを落とす
排水トラップや排水口には洗濯で出た汚れや、皮脂・ほこり・髪の毛などがたまっているはずです。そういった汚れを取り除きましょう。
細かい部分は、不要になった歯ブラシなどを使って磨くとよいです。排水口の中に手を入れるときは、ゴム手袋をするのを忘れないようにしましょう。
パイプクリーナーをかける
排水口の奥まで汚れがたまっている場合は、手で掃除するのは難しいでしょう。そういう場合は、パイプクリーナーをかけましょう。
市販の薬剤でも大丈夫ですし、重曹とお酢を使う方法もあります。重曹とお酢を使う場合は、排水口に重曹を入れてから、お酢を入れます。そうすると、泡が発生してくるので、そのまま30分程おいておきましょう。汚れが浮いて、水で流れるようになります。
洗濯機を戻す
掃除が終わったら、排水トラップに水を入れて戻します。水を入れないと下水の臭いが室内に入ってきてしまうため、忘れないようにしましょう。
そして、排水口のフタをしめ、エルボをつなげます。洗濯機を移動させた場合は、元の位置に戻します。
最後に、スムーズに排水されるようになったかどうか、洗濯機から水を排水して確認してみましょう。それで排水口の詰まりが解消されればよいのですが、まだ詰まりがあるのであれば、原因はほかにあるかもしれません。
掃除で詰まりが解消しない?汚れ以外が原因かも
洗濯機の排水口の詰まりが掃除で解消されないとなると、原因はほかにあるかもしれません。ここではどんな原因が考えられるかを解説していきます。
排水ホースの折れ曲がり
排水ホースが長すぎると、途中で折れ曲がってしまうことがあります。排水ホースが折れ曲がっていると、そこで水の流れが悪くなってしまいますし、その部分に汚れがたまりやすいです。
排水ホースは長すぎず短すぎず、排水口までぴったりの長さがよいとされています。短いのは困るけれど長い分には使えると考えてしまいがちですが、適切な長さで使用しましょう。
排水ホースなどの凍結
冬になると考えられるのが排水ホースや排水トラップの凍結です。とくに屋外に洗濯機を置いている人は注意しましょう。
洗濯機の問題
排水口ではなく、洗濯機自体に問題があり、うまく排水されないということもあります。まず、洗濯機は水平に設置されているでしょうか。もし、なんらかの原因で洗濯機が傾いている場合は、水が排水されずにたまってしまう部分が出てきます。
また、洗濯機からエラー音が発せられた場合は、なんらかのトラブルが起きていると考えられます。エラーが起きると、小さい画面にエラー内容を表すアルファベットや数字が表示されるはずです。その組み合わせは、メーカーによっても違うため、説明書を読んでどのようなエラーなのか確認してください。
さらに、洗濯機が故障でエラー表示も出ないということもありえます。故障の場合は、自分で直すことは難しいので、メーカーへ連絡して修理をするようなかたちになるでしょう。
もし、洗濯機に問題もなく、詰まりの原因もわからないという場合は、水道業者に点検の依頼をしたほうがよいでしょう。素人には原因を突き止めるのは難しいです。一度プロに任せて原因をはっきりとさせましょう。
洗濯機排水口の詰まりを予防するための4カ条
もし洗濯機の排水口の詰まりが、掃除などで解消されたら、再び同じようなことにならないよう気をつけて使用しましょう。ここでは、洗濯機の排水口の詰まりを予防する方法をご紹介します。
残り湯は使わない
水を節約するために、お風呂の残り湯を使っているという人も多いでしょう。しかし、残り湯の中には、人間の垢や汚れなどが含まれているはずです。これは、洗濯機の排水口が詰まる原因となる汚れと一緒です。
きれいな水を使って洗濯しても、衣類からの汚れがたまるというのに、使用する水にまで汚れが含まれていたら、なおさら詰まりやすくなってしまいます。排水口の詰まりを防ぐことを考えると、残り湯は使わないほうがよいでしょう。
洗濯槽のクリーニング
水を使う洗濯槽は、カビの温床になりやすい場所でもあります。洗濯槽にカビが発生してしまうと、洗濯するときの水の中にもカビが含まれるようになるため、排水するときの水がより汚いものになります。
それを防ぐため、洗濯槽は定期的にクリーニングしましょう。最近の洗濯機には、洗濯槽のクリーニング用のコースがついているはずです。また、洗濯槽のクリーニング用の洗剤も販売されているので、そちらも使って定期的にクリーニングをおこないましょう。
排水ホースの交換
排水口に汚れがたまるように、排水ホースにも汚れがたまっています。そのため、排水ホースも新しいものに交換してあげるとよいでしょう。半年に1回は交換するのが理想です。
排水口からの異音に注意
排水するときに、排水口からゴボゴボといった音がする場合は、詰まりが起きるサインかもしれません。通常、排水の際にそういった音は発生しませんが、排水口で目詰まりが起きると、このような空気を含んだような音が発生します。本格的に詰まってしまう前に、一度排水口を確認するとよいでしょう。
洗濯機の排水口|知っておくべき基礎情報
排水口の詰まりは予防することが大切ですが、洗濯機の仕組みについても知っておきましょう。普段何気なく使っている家電製品ですが、頻繁に使うものだからこそ、その仕組みを理解しておくことが大切です。
洗濯機の給水の仕組み
普段、洗濯機とつながっている給水をおこなう蛇口は開けたままにしているという人が多いのではないでしょうか。しかし、蛇口を開けたままにしていても、洗濯機が給水のときにしか水は流れていませんよね。
これはなぜかというと、洗濯機にはソレノイドバルブ(電磁弁)があるからです。このバルブを開閉することによって、給水をしたり、水を止めたりしています。
しかし、このソレノイドバルブが故障してしまうと、開閉がうまくいかなくなります。そうすると、水が給水されなくなったり、反対に水が流れ続けてしまったりするという症状が現れます。
さらに、このような状態は蛇口に大きな負担がかかるため、給水栓の劣化や破損につながります。劣化や破損が起きると、そこから水が漏れてくるので、早めに修理をしたいところです。
排水の仕組み
洗濯機は排水の段階になると、排水弁は開け、洗濯槽の水を排水します。また、排水弁を開けたまま洗濯槽が回転することによって、衣類が含んだ水が脱水されるのです。排水弁から排水された水は、排水ホース・排水口を経由して、下水道へと流れていきます。
防水パン設置タイプと床に直置きタイプのちがい
マンションではよく見かける防水パンですが、一戸建ての場合、防水パンを使わず直置きにているというご家庭も多いでしょう。防水パンの役割は、うまく排水されなかった水が溢れて床が漏れるのを防ぐことです。
マンションの場合、水漏れが起きると階下の部屋の住人とトラブルになりやすいので、それを防ぐためにたいていの場合、防水パンが設置されています。一戸建ての場合は、家族しか住んでいないでしょうし、洗濯機が1階だから床下への水漏れを気にする必要がないということも多いです。また、防水パンがない分、シンプルで掃除がしやすいというメリットがあります。
どちらにせよ、洗濯機の排水口の詰まりは掃除で解消することには変わりありません。もし、排水口を掃除しても詰まりが解消しない、詰まりの原因がわかないというときは、弊社までご連絡ください。弊社では詰まりの調査や、修理をする業者をご紹介しています。無料相談窓口もございますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
洗濯機の排水口の詰まりは、掃除で解消できるかもしれません。排水口の掃除は、洗濯機を移動させ、排水トラップを取り外しておこないます。手の届かない奥のところは、パイプクリーナーを使ってきれいにしましょう。手で掃除できるところはゴム手袋や歯ブラシなどを使って、汚れを取り除いていきます。最後に洗濯機を戻して、排水ができるか確認してください。
掃除しても排水がうまくいかない場合は、排水ホースの折れ曲がり・排水ホースや排水トラップの凍結などが考えられます。また、排水系統の問題ではなく、洗濯機の設置不良・エラー・故障なども考えられます。洗濯機の故障はメーカーに相談しましょう。
排水口の詰まりが解消しても、使い方が悪いとまた再発してしまうかもしれません。排水口の詰まりを防ぐには、洗濯に残り湯を使わない・定期的に洗濯槽のクリーニングをする・排水ホースを半年ごとに交換するなどの対策をとるとよいでしょう。また、ゴボゴボという音がしたら、詰まりが起きる前兆なので、早めに対処してください。
洗濯機は内部のソレノイドバルブや排水弁が開閉することによって、給水したり、排水したりしています。洗濯機の下に防水パンが設置してある場合と、床に直置きしてある場合があるでしょうが、詰まりの解消方法や予防方法には変わりがありません。もし掃除で詰まりが解消しない場合や、詰まりの原因がわからない場合は、業者に依頼して調査・修理してもらいましょう。