泰山木(タイサンボク)は、大きく育ちやすい樹木のため庭木にする場合は、定期的に剪定して大きさを調整する必要があります。ただし剪定には適した時期があり、間違った方法では花がつかないことや株自体が枯れてしまうおそれがあるのです。
こちらのコラムでは、泰山木の剪定に適した時期や方法などについて解説します。たくさんの花を咲かせるためのポイントについてもふれていますので、庭木の泰山木の剪定でお悩みのかたは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
大きく育つ泰山木は定期的に剪定が必要
泰山木は、花期に大きく美しい白い花を咲かせるモクレン科の常緑広葉高木です。暑さや寒さにも強く、病害虫が発生しにくいことから庭木としても人気があります。
しかし泰山木は横枝が張りやすいだけでなく、樹高20mほどまで成長することもあるため、定期的に剪定しないと手入れも大変になるので注意しなくてはいけません。また枝葉の混みあう状態が続くと日当たりや風通しが悪くなるので、樹勢が弱くなったり病害虫が発生したりするおそれもあるのです。
そして泰山木は、年に3回の剪定に適した時期があり、それぞれ方法や目的が異なります。ここでは、泰山木の剪定に適した時期と剪定方法などについて解説します。
基本的な剪定は6~7月が適期
泰山木の剪定は6~7月の花後におこなうのがおすすめです。花後は、新梢の先端に翌年花を咲かせるための花芽がつき始めます。時期を遅らせて剪定すると花芽のついた枝を切ってしまい、翌年に花が咲かなくなってしまうので、できるだけ花後すぐにおこなうようにしましょう。また花後は夏を迎えるので、乾燥による枯れ込みにも注意が必要です。
この時期の剪定は、木が大きくなりすぎた場合や小さく仕立てたいときにおこないます。とくに庭木の場合は、コンパクトにまとめておいたほうが日ごろの手入れが簡単になることからおすすめといえます。
剪定方法としては、主木の枝分かれしている箇所を切り詰めるのが基本です。また上部は短く下部は長めにすることで、全体の樹形がバランスよく整いやすくなります。もし夏の乾燥による枯れを防ぎたいのであれば、10月ごろに剪定するのもよいでしょう。
樹形を整えたい場合は春や秋に剪定する
樹形を整えたいということなら、春や秋に剪定をするのもよいでしょう。ただし注意点もあるので、しっかり身につけておきましょう。
3月~4月の剪定方法と注意点
3月~4月は花芽が出ており確認しながら剪定できるため、あやまって切り落とす心配がありません。またこれから成長する時期のため、多くの養分を蓄えているので、多少強めの剪定でも問題はないでしょう。
樹形を乱すほど勢いよく伸びた不要枝は取り除いておきましょう。開花直前の剪定では枝の途中ではなく、必ず小枝のあるすぐ上で切るようにします。また、幹を切る場合も同様です。
10月~11月の剪定方法と注意点
10月~11月におこなう剪定は、できるだけ強剪定は避けて徒長枝などの不要枝を取り除く「間引き剪定」を中心に軽めにするのがおすすめです。この時期の枝には、翌年に花を咲かせるための花芽がついているので、極端に樹高を低くしたり横幅を詰めたりすると翌年に花が咲かない可能性が高くなるためです。
また泰山木はもともと剪定を嫌う樹木なので、強い剪定をしすぎると樹勢が弱くなり、冬の寒さに耐えられず株が枯れてしまうこともあります。しかし剪定の経験がないと、どの枝を切ったらいいかわからないというかたも多いでしょう。もし自分で剪定することに不安を感じた場合は、剪定業者などに相談してみるのもよいかもしれません。
花が咲く健康な株を育てるためのポイント
泰山木の花を毎年繰り返し楽しめるようにするには、いくつかのポイントがあります。ここでは泰山木を健康に育てるための、基本的な育てかたなどについて解説します。
日当たりのよい場所に植え付けする
泰山木は、日当たりや水はけのよい場所を好むため、地植えするときは日照時間を考えることが大切です。基本的には丈夫で暑さや寒さへの耐性もありますが、寒さの厳しい地域では落葉することもあるため、環境によっては栽培が向いていないこともあります。
また移植も嫌うため、植え付ける場所を慎重に選びましょう。地植えの場合は、根付いたあとは自然の雨なので育つので水やりはとくに必要ありません。ただし、乾燥状態が続くと樹勢が弱まることもあるので、苗木など木が若いうちは西日が強く当たりすぎないようにすることも大切です。
肥料の与えかた
植え付け時に腐葉土などを混ぜておけば、水やりも不要でぐんぐんと育っていきます。土壌環境がよければ、植え付け後に肥料を与えなくても順調にするはずです。ただし、やせた土地や乾燥地では花が咲かないこともあります。生育が思わしくない場合は、成長するための肥料として1月と5月に緩効性肥料を与えるとよいでしょう。
病害虫への対策
泰山木は害虫が発生しにくい樹木といわれていますが、まれにカミキリムシの幼虫が発生することがあります。幹や株の根元に木クズのようなものを発見したら、幼虫の存在を疑ったほうがよいかもしれません。カミキリムシの幼虫は、幹の中を食害して空洞にしていきます。このため被害が拡大すれば、花が咲くどころか強風などで倒木する危険が高まるのです。
ほかにも枝葉の混みあった状態が続くとカイガラムシがつくこともあります。カイガラムシは文字通り体が硬い殻で覆われており、とくに卵と成虫は殺虫剤などの薬剤が効きにくいのが特徴です。しかし幼虫のときだけは殻がないため、殺虫剤の効果が期待できます。
病害虫は、被害を最小限に抑えるためにも早めの駆除と防除が重要です。放置しておくと樹木の成長が妨げられるだけでなく、近くに植えた樹木や花木に支障が出るおそれもあります。このため、剪定などの際は害虫がいないか枝や葉のチェックもするようにしましょう。
プロの業者なら適切な方法で剪定や手入れをしてくれる
自分で泰山木の剪定や手入れをするのが不安な場合は、プロに任せるのもひとつの方法です。プロに依頼すれば自分で剪定して失敗することもありません。また業者なら、数多くの経験や実績から豊富なノウハウももっているため、たくさんの花を咲かせるために必要な手入れのしかたも知っているはずです。
さらに業者に依頼すれば、上手に花を咲かせるための手入れ方法や注意点など、アドバイスを受けることができるかもしれません。まずはプロの業者に一度手入れを依頼して、実際に剪定作業などの様子を見ながら自分でできそうか判断してみてもよいのではないでしょうか。
弊社では、剪定をおこなうプロの業者をご紹介しております。剪定だけでなく、間伐や抜根などにも対応しておりますので、庭木の手入れでお困りの際はぜひお気軽にご相談ください。