多くの森林には特定の所有者がいるものですが、それぞれが適切な管理をしなければ沢山の人々が暮らす地域の自然環境を損なうことにもなってしまいます。そこで、日本では環境省や林野庁が中心となって国内の森林を守る対策を行っている他、地域の景観をより良くしていくまちづくり教育などの観点からも保全が求められています。このため、森林の伐採では関係機関への事前届出制度を踏まなければならないことも多く、もしも手続きを怠った場合には所有者が行政指導や処分を受けてしまうこともあります。後々問題にならないよう、伐採を依頼する前に行政機関への届出や必要な手順をしっかりと確認しておきましょう。
森林保護と伐採のコントロール
森林の伐採は地域は勿論、我が国、果ては世界の自然環境とも繋がっている行為ですから、関係各所への届出を行いながら、過不足のないよう適切に実施されることが大変重要です。また、伐採実施後も木材収集業務がしっかり行わなければ、残った木枝が廃棄物の放棄とみなされたり、森林の状態を回復させる為に造林命令が下されることもあります。そうした規準も地域の担当部署によって違うこともありますから、伐採を依頼する前に所有者自身の手で行政部署に確認をし、必要な届出や処理方法を予め抑えておくようにしましょう。
手続き手順の概要
「林地開発行為」については森林経営計画や森林施業計画といった色々な目的に合わせた担当部署があり、申請を行う手続きも変わってくることがあります。届出の際は、別図の届出フロー図で手続きの流れの概要を掴んでおくようにしましょう。対象森林が保安林か保安林以外であるかで大きく分かれます。自治体のホームページに手続き一覧表などがあれば確認や問合せにも便利なので、一度チェックしておくと良いでしょう。特に政府や自治体への確認が必要になる事の多い「森林計画」についての注意点を下記に纏めましたのでぜひご活用下さい。
事前協議「地域森林計画対象」の伐採協議
たとえ所有の権利が個人にある民有林でも「地域森林計画対象民有林」に該当していれば、きちんと所有者が協議と手続きを経なければいけません。この場合森林計画の責任者は県知事なのですが、届出制度や協議についてはほとんどが市町村ごとの役所振興局が対応しています。担当窓口は森林が民有林か保安林か、または特有林であるかなどによって、経済課や市土木管理課をはじめとした様々なところがあります。自治体によって事前協議を行わなければならない部署が違いますので、詳しくは管轄する役所に問い合わせて、手続き概要や届出用紙、提出窓口、提出期限などと併せて確認しておきましょう。また、伐採場所によっては道路使用許可を得る必要もあるので、そちらの確認も忘れないようにしましょう。
・産業課・産業経済課・産業建設課・産業建設課農業振興係・産業振興課(産業振興部林務課)・産業港湾部農政課・産業観光建設課農林係・産業建設課
・農林課(農林整備課林務係)
・水産商工観光課(水産林務部)
・経済部農水産課・経済部農林課
・森林計画課
※市などで森林計画を担当している「計画推進グループ」がある場合には、林地開発許可申請もそちらが窓口となることがあります。また、市町村によって部署名も様々なので、名称はあくまで例となります
届出 関連機関への届出書提出
伐採の計画は関係機関との協議の後、森林の所有者が知事や市町村長あてに申請を届出、この申請が受理されれば林地開発許可制度に基づいた必要書類を発行してもらうことができます。これで、伐採から造林届出制度に沿った伐採後の造林までの作業計画が認められることになるのです。認可の後は伐採を行うだけですが、手続きを経た計画は基本的に変更ができません。実地段階で適切だと思って変更を加えても、森林整備計画に合致しないと判断された時には、変更命令や処分命令を受けることもあります。
・伐採届出書、林地開発届出書
・造林届出書
・小規模林地開発届出書
・森林所有者の同意書
・森林計画への適合性を認める「適合通知書」
・市長や知事の同意を証明する「同意書」
※書類の名称は地域によって違うことがあり、必要書類の数手続きによって変わることがあります。
届出と違うと…
行政指導・処分・変更命令などを受けて計画通り伐採が進められない場合があります。
森林の伐採は地域は勿論、我が国、果ては世界の自然環境とも繋がっている行為ですから、関係各所への届出を行いながら、過不足のないよう適切に実施されることが大変重要です。また、伐採実施後も木材収集業務がしっかり行わなければ、残った木枝が廃棄物の放棄とみなされたり、森林の状態を回復させる為に造林命令が下されることもあります。そうした規準も地域の担当部署によって違うこともありますから、伐採を依頼する前に所有者自身の手で行政部署に確認をし、必要な届出や処理方法を予め抑えておくようにしましょう。