シマトネリコは害虫に強く、世話がしやすい樹木といわれます。そのおかげで街路樹や庭に植える観葉植物として重宝されていますが、それでも気をつけなければならない病気や害虫がいます。
とくに病気に関しては、かかると最悪の場合枯れてしまうこともあるので、予防を心がけるべきでしょう。
この記事では、シマトネリコがかかる病気や害虫の種類と対策について解説します。また、シマトネリコの木が枯れてしまったかどうかを見分けるコツも紹介します。シマトネリコをすでに育てている方や、これから育てようと考えている方は必見です。
シマトネリコが枯れてしまうのは病気のせい?
樹木が枯れる原因として、病気にかかっているということが考えられます。一般的な樹木がかかる病気はシマトネリコでも発症してしまうことがあると考えてよいでしょう。まずはシマトネリコの特徴と、発症しやすい病気についてご紹介していきます。
シマトネリコってどんな木?
シマトネリコは日本全国で観葉植物として植えられている樹木です。名前は知らなくても、白い花を咲かせている姿は誰でも一度は見たことがあるといってもよいでしょう。植木としてとても身近な木です。
そんなシマトネリコは沖縄などの熱帯や亜熱帯などのあたたかい地域に自生する樹木で、日向を好む広葉樹です。寒さと潮風には弱いですが、本州の関東以南や四国、九州でも育ちます。ちなみに日本のど真ん中・東京駅の八重洲口にもシマトネリコが植えられているんですよ。
【病気1】すす病
すす病は、葉や枝に寄生するカイガラムシの排泄物が原因で起こる病気です。葉の全体がすす(火を燃やした後に残る黒いもの)をかけたように黒く変色します。これはカビの一種が樹木の上で繁殖したものなので、放っておくと広がっていきます。
すす病にかかった葉をみつけたら、その葉を切り落としましょう。また予防としては、葉に湿気が溜まらないようにしたり、カイガラムシなどの害虫がつきにくくするため葉や枝の量を減らしたりすることが有効です。
【病気2】炭そ病
炭そ病は、カビ菌の仲間が原因になって発生する病気です。葉に黒や灰色の斑点が発生し、枯れていきます。湿度の高い状況下でよく発生する病気です。
【病気3】褐斑病
褐斑病は茶色をした5ミリほどの斑点が葉の上に発生する病気です。斑点が発生すると葉が枯れたり、光合成が阻害されて枝の成長が遅くなったりすることがあります。発生しやすい時期は、雨の多い季節で、とくに春から秋にかけてよく発生します。
対処法としては、斑点ができた葉は早め取り除きましょう。また予防策としては、鉢植えの場合は湿気のこもる場所を避け、地面植えの場合には枝を間引くことで木全体への風通しと日当たりを改善するとよいでしょう。
病気によって枯れてしまったら早めに伐採を
木の病気は、ほかの植物へも伝染していきます。病気により木が枯れたら、早めに伐採をし、取り除くようにしましょう。そうすることでほかの植物への病気の伝染を防止することができるのです。
伐採する際は、道具や片付けに関する費用がかかります。枯れ木が一本の場合は、その木を伐採するためだけに道具をそろえるよりも、業者に伐採作業を依頼したほうが合理的かもしれません。伐採にかかる費用は、業者に見積りを依頼することで事前に知ることができます。
数ある業者の中から自分に合ったものを選ぶのは、なにかと面倒なことであるのも事実です。業者選びや見積りをお考えの際は、伐採110番をご利用いただくと便利でスムーズに済ませることができます。日本全国にある弊社の加盟店の中から、お客様へ最適な伐採業者をご案内します。
無料の電話相談窓口がございますので、業者依頼に関心がございましたら、気軽にお問い合わせください。
シマトネリコを好む害虫にも注意しよう
シマトネリコを好む害虫たち
ここからは、シマトネリコに害を及ぼす虫にはどのようなものがいるのか、シマトネリコを好む害虫を紹介します。害虫が病気を引き起こす例もありますので、これから紹介する虫が付着しているのを発見したら、早めに駆除するようにしましょう。
・ハマキムシ
ハマキムシは小さなガの幼生で、体から出す糸で葉を巻いて巣を作り、その中で暮らします。ハマキムシは葉を食べてしまうため、木にとって悪影響になる虫です。またハマキムシが巻いた葉は景観を損ねるという点でも、観葉植物にとっては害といえるでしょう。
・アブラムシ
アブラムシは日本に広く分布し、強い繁殖力をもつ害虫です。小さなアブラムシが木の枝にびっしりと張り付いている姿は不気味ですが、それだけではなく木の病気を伝染させてしまう厄介な害虫です。アブラムシが媒介する木の病気にはウイルス性の「モザイク病」や、「すす病」があります。
モザイク病やすす病といった病気は、木が枯れる原因にもなります。アブラムシが付くことは一見ささいなことのようにも思われますが、病気のリスクは大きいということを理解しておきましょう。
・スズメガ・シマケンモンの幼虫
スズメガやシマケンモンは大型のガです。幼虫のうちは樹上に住み、木の葉を食べて成長を続けます。幼虫が付くと葉を食い荒らされてしまいます。また、シマケンモンの幼虫には長い毒針があるので、人間にも害があるのです。
葉を食われてしまう食害と毒針に刺されてしまう危険の両面から、これらのガの幼虫には注意が必要です。
害虫対策でシマトネリコを守ろう
観葉植物としての見た目を守っていくためには、害虫駆除を中心とした手入れをしていくとよいでしょう。見た目だけでなく、防虫することは木を枯らしてしまわないためにも重要な作業です。
防虫対策としては薬剤を使用して駆除する方法や、夜間に電気を消して虫が集まりにくい環境を作る方法、防虫ネットを使用する方法があります。
・薬剤を散布する
直接的に害虫を駆除することができるのが、薬剤を使用する方法です。大きな虫は木をゆすったり、つまんで取ったりして駆除するのに対して、小さくて数が多いアブラムシやハマキムシなどには薬剤が有効です。
アブラムシ等に有効な薬剤は、インターネット・またはホームセンターなどで購入することができます。霧吹きボトルに入った手軽に使えるものなどもあるので、使い勝手のよいものを探してみてください。
・夜間に不要な電気は消しておく
シマネトリコを好む害虫の中でも樹木の葉の食害を引き起こすガの成虫は、光によってくる習性があります。そのため、木にガの卵を産み付けさせないためにも、夜間はガが引き寄せられる光を木の近くで点けないほうがよいといえます。
・防虫ネットを使用する
木が若く背が低いうちは、防虫ネットをかけるのも効果的です。プランターに植えることができるほどの背丈でおよそ2メートルまでの高さのシマトネリコであれば、防虫ネットで覆うことができます。
ただ、ネットで防ぐことができるのはガなどの卵を産みつけにくるタイプの害虫ですので、アブラムシなどの小さな害虫にはやはり薬剤のほうが効果的です。
害虫を放置すると…
害虫を放置してしまうと、最悪の場合その木が枯れてしまいます。シマトネリコは生命力の強い木なので、いわゆる「芋虫」が葉を食い荒らすくらいでは簡単には枯れません。
しかし、アブラムシやカイガラムシから伝染する病気は木を枯らしてしまいます。アブラムシはとくに繁殖力が強く、放置すると手に負えないほど増えてしまいますので、早めに対処しましょう。
害虫被害で手が負えなくなってしまったら、伐採してしまうのも手段のひとつです。害虫はほかの樹木に移っていくことがありますし、ガの幼虫には毒針を持ったものもいます。自分では手のつけようのない木も、伐採業者に相談すれば解決できることがあります。
業者選びで困った際は、弊社が最適な伐採業者をご案内いたします。全国に加盟店をもつ弊社だからできる、最適な業者選びにかんしては、まずは無料の電話窓口からご連絡ください。
実は枯れてない?シマトネリコをよく見て判断しよう
虫害や病気によって、また寿命によってなど、残念ながら枯れてしまった様子の木。伐採する必要があるとお考えかもしれませんが、ちょっと待ってください。木は枯れているように見えて、実はまだ枯れていないかもしれません。
常緑樹のシマトネリコは、普通は一年じゅう葉を落とさないので、葉が散ると枯れたのではないかと勘違いしてしまいます。しかし、シマトネリコは寒い地域では冬に葉を落とすこともあるのです。
このように枯れたのかどうかが紛らわしい例はほかにもありますので、枯れえているかどうか確かめる方法と合わせて知っておくといいですよ。
本当に枯れているか確認する方法
樹木が枯れたかどうかは、時間が経たない限り見た目にはわからないものです。見てもわからないので、触ることで木の状態を確認しましょう。本当に枯れているかどうか確かめるには、ふたつの方法があります。
・枝を折ろうとしてみて、簡単に折れたら枯れている
枯れた枝は、折ろうとすると簡単に折れてしまいます。パキポキと枝が乾いた音を立てて折れるようであれば、その木は枯れてしまっている可能性が高いでしょう。さらに内部が白く乾燥していたら、少なくともその「枝」は枯れています。
枝を折ろうとしてもしなりがあって折れない場合、その枝は枯れていません。折れても樹皮が緑色を帯びていたり、湿り気があったりすれば枝まで養分が通っている証拠です。その木は元気に生きています。
・樹皮を剥いでみて茶色かったら枯れている
また、幹や太い枝の皮を、カッターナイフなどで部分的に剥がしてみると、枯れているかどうかがわかります。皮を剥いだときに内部が材木のように茶色く、ぱさぱさとしていたら、残念ながらその木は枯れています。幹がこの状態であれば、木全体が枯れているということです。
剥がした樹皮が緑色で、木の中が緑色でみずみずしいときは、その木はまだ枯れていません。末端の枝を折ってみて枯れているかもしれないと思っても、木の中心の幹は枯れていないこともあります。ふたつ紹介した確認方法を併用して枯れているかどうかを見極めましょう。
【症状1】葉の色が黄色や茶色になっている
木に詳しい方は、シマトネリコの葉が黄色くなっているのをみつけると不安になるかもしれません。シマトネリコは南国の木なので、紅葉をしたり葉が散ったりすることは、本来はないのです。
このことを知っていると、病気や枯れてしまったかもしれないと考えるのは自然なことです。
しかし、葉が黄色や茶色に変色しても冬に気温が下がる地域であれば慌てることはありません。関東よりも北の地域や、寒くなる標高の高い場所では、シマトネリコの葉が冬に変色することもあるのです。
シマトネリコの葉が黄色に変色しているときは、必ずしも病気や枯れてしまったわけではないことがあるので、過度に慌てなくても大丈夫です。
【症状2】葉がぱらぱら落ちている(古い葉と新しい葉が入れ替わる)
冬に寒くなる地域では、普通は変わるはずのない葉の色が変わるとお伝えしましたが、その他にも寒い地域では普通は落ちるはずのない葉が落ちることがあります。しかし、これも寒さによるもので、病気や寿命ではない場合が多いです。
葉が散っても新しい葉がまた生えてきますので、気長に待ちましょう。
もし本当に枯れているのがわかったら、早めに伐採したほうがよいです。枯れた木はもろくなり、強風で枝や幹が折れてしまうと危険です。折れた木が人や電柱などに当たると大きな被害が出てしまいます。
伐採が必要なときは、弊社の業者紹介を利用して、伐採業者を探してみてください。相談や現地調査を含めて、見積りの算出までの手続きは無料で対応させていただきます。詳しくは無料の電話相談窓口から気軽にご相談ください。