傾いている木はまっすぐに生えている木と比べると重心や形が異なるため、自力で伐採できる方でもどう伐採すればよいか悩みますよね。ここでお伝えしたいのは、傾いた木の伐採を素人がやるのは危険だということです。もし伐採しなければならないときはできるだけ業者に依頼してください。それでは、どうして傾いた木の伐採が危険なのか見てみましょう。
目次
傾いた木の伐採が危険な4つの理由
「素人による傾いた木の伐採は危険」というのは、どのくらい危険なのでしょうか?もしかしたら「傾いた木でも、ちょっと方法を考えればうまく伐採できそう」と思ってしまうかもしれません。しかし、傾いた木とまっすぐな木の重心は大きく異なるため、予期せぬ事故につながるおそれがあるのです。では、木が傾いているとどのような危険があるのか具体的に見てみましょう。
【1】倒れる方向を決めるのが難しい
傾いている木を伐採する際、倒したい方向と木の重心が異なるため、受け口を入れる向きが定まりません。重心が安定していないため、斧やのこぎりではなくチェンソーを使ってツルに穴を空けるなどの技術も必要になります。
【2】縦割れを起こして勝手に倒れるおそれ
傾いている木に受け口を入れると、縦に亀裂が入る「縦割れ」という現象が起きます。この状態は非常に危険です。いつ木が倒れてもおかしくない状態で、重大な事故につながるおそれがあるからです。
【3】倒れるタイミングを見極めるのが難しい
重心が傾いていると、いつどのように倒れてくるのか見極めることが非常に難しいです。作業中や別の作業へ移行する途中で思わぬ方向に倒れてしまい、重大な事故につながるおそれがあります。
【4】まっすぐな木の伐採よりも大掛かりになる可能性
木が山の斜面に生えていたり、建物の方向に傾いていたりすると、傾きとは真逆の方向に木を倒さなければならない場合があります。木の規模が大きいと、何百キログラムもある木をロープで引っ張ったり、重機を使ったりしなければなりません。このような規模の木を伐採するとなると、素人による伐採は非常に難しいといえるでしょう。
業者に伐採してもらうのが安全
以上の理由から、傾いた木を自力で伐採することは非常に危険だということが分かりました。安全で確実に伐採するには、できるだけ業者に伐採してもらうことを強くおすすめします。業者は伐採に関する知識が豊富なだけでなく、どんな木でも伐採できるようさまざまな器具を取り揃えているため、安全に素早く伐採してくれます。
安全・確実に作業してくれる業者を選ぶ4つのポイント
それでは伐採を依頼しなければならなくなったとき、どのような業者に依頼すればよいのでしょうか?ここでは、業者を選ぶときに着目する4つのポイントをご紹介します。
【1】地域のことを理解している業者を選ぶ
伐採業者の中には全国にチェーン展開している業者もいれば、小規模で経営している業者もいます。しかしどちらかが優れている、と言い切ることはできません。例えば大手の業者なら雇用されている職人が多いので、スケジュールの調整や連絡がしやすいということがメリットとしてあげられるでしょう。
一方で、小規模の業者なら雇用されている職人の数が少ない分、派遣や料金がシステム化されていない場合が多いです。また、その地域に長く住んでいる職人が多いため、細かいことも気軽に相談できたり、自分の庭のことを知り尽くしてくれたりといったメリットがあります。
なかでも地域のことを理解してくれるというのは大切なポイントです。伐採は周辺に住んでいる住民や地形など配慮しておこなわなければならないからです。地元の業者なので対応がスムーズであるのも大きなメリットでしょう。
【2】実績を確認する
傾いた木の伐採は難易度が高いため、やはり経験が豊富な業者に依頼するのがよいといえます。そこで、実績や口コミを確認することをおすすめします。どのくらい経験が豊富なのか、伐採作業が丁寧なのかが分かるからです。実績はホームページなどで公開している業者もいるので、ぜひチェックしてみましょう。
【3】丁寧に対応してくれるか見極める
伐採に関する悩みや相談を聞いてくれるかどうかも大切です。とくに、伐採作業について打ち合わせをしっかりしておかないと、「こんなこと頼んでない」「思っていた内容と違う」といったようなトラブルにつながる可能性があります。それを防ぐために、しっかりと相談させてくれるかどうかは大切な要素といえるでしょう。
また、丁寧な対応で、気兼ねなく声をかけることができる雰囲気作りを心掛けているかチェックしておきましょう。
【4】相見積もりをとって相場を見極める
伐採の費用は、木の状態によって大きく異なるので自分で費用を見極めることは簡単ではありません。そこで、複数の業者で見積もりをとる「相見積もり」をおすすめします。相見積もりをとることで、費用の相場が分かるだけでなく、実際に業者の対応を見比べることができるため、自分にとってよりよい業者を選ぶための選択肢を増やすことができます。
弊社「伐採110番」では相見積もりをとるために複数の業者を紹介することが可能です。お見積もりは無料で承りますのでお気軽にご相談ください。
やむを得ず自分で伐採する場合
業者に依頼するための費用が用意できず、できるだけ自分で木を伐採したいという場合もあるかもしれません。木の規模が小さければ危険度は比較的低くなるため自分で伐採することができます。しかし、まっすぐな木と比べると危険であることに変わりはないので十分に注意しましょう。
自分で伐採できる木の目安
素人が自分の力で伐採できる木は「長さ3メートル・太さ20センチメートルまで」といわれています。これは万が一事故が起きてしまってもとっさに自力で木を支えることができる木の大きさといわれています。
用意するもの
・チェンソー
傾いた木は、重心に合わせた方法で伐採する必要があります。そこで、どんな角度でも木を切ることができるチェンソーを使います。のこぎりや斧を使うこともできますが、難易度が高くなるためあまりおすすめすることはできません。
・くさびとハンマー
受け口や追い口を支えるのに必要です。
・ロープとはしご
木の重心と逆方向に受け口を作る場合、ロープを使って幹と重たいものを結びつけ固定する必要があります。また、傾いている方向に受け口を作っている途中で木が倒れてこないよう支えるのにも役立ちます。
木の重心を意識して伐採する
傾いた木の伐採は、重心と倒れるタイミングに気をつける以外、まっすぐな木の伐採方法と変わりません。重心と逆方向に受け口を作る場合は、ロープなどを使って倒したい方向に引っ張り、固定しておきましょう。
(1)木を倒す方向に受け口を作る
まっすぐな木を伐採するのと同じように受け口を作ります。木の傾きと逆方向に倒す場合、縦割れなどを起こさないようロープで固定しておきましょう。
(2)追い口を入れる
木の重心に十分に注意して追い口を入れます。思わぬ方向に倒れてしまわないよう、一気に切り込みすぎないように十分に注意しましょう。
(3)くさびを使って傾きを調整する
ツルの厚さを調整しながら、狙った方向に傾くよう追い口にくさびを打ち込みます。
(4)木を倒す
予期せぬタイミングで倒れないよう注意しましょう。
たとえ自分で伐採できる大きさの木でも倒れると家や車などにぶつかりそうな木を自分で伐採するのは事故につながる可能性が高くなります。無理をせず業者に依頼しましょう。