スーパー経営での万引き対策は重要な課題の1つ。数十円・数百円といった少額の被害でも、毎日何度も繰り返されれば結果的に大きな被害額となります。万引きによる被害は取り戻すことができませんし、万引き被害によりお店の経営が危ぶまれることになるかもしれません。
経営者としては、何としても対策を練り万引きを防止したいところですよね。そんな万引き防止として最初に思い浮かぶ対策といえば、おそらく防犯カメラの設置ではないでしょうか。
実際に、防犯カメラが万引きの抑止力となり被害が減少するケースは多々あります。ただ、今回ご紹介したいのは防犯カメラの設置で得られる効果は万引き防止だけではない、ということです。
防犯カメラを設置することで、みなさんが思っているよりも多くの効果を得ることができます。それではスーパーに防犯カメラの設置を検討されているかたに向けて、防犯カメラ設置のメリットをはじめ、おすすめの設置場所やカメラの種類など、防犯カメラの魅力をお伝えします。
目次
防犯カメラの設置で得られる効果
スーパーに防犯カメラを設置することで、どのような効果が得られるのでしょうか。ひとつひとつ、ご紹介していきます。
窃盗などの事件の防止
万引きや未払いを完全になくすことは困難です。ですが、防犯カメラの設置により万引きをしにくい環境をつくることは可能です。目につくところに防犯カメラがあるだけで、窃盗事件の抑止力となります。
一度万引きが成功すれば、万引き犯は何度もそのお店を狙って窃盗を繰り返すこともあるようです。また、万引きしやすい店として認知されることで、さらなる被害をもたらすおそれもあります。
そういった環境の中防犯カメラが取り付けられることで、万引きしにくい、対策をされている、そういった意識を万引き犯に植えつけることができるのです。
トラブル・迷惑行為発生を抑制
防犯カメラの設置は、トラブルや迷惑行為の発生を抑制する効果もあります。不特定多数の人間が出入りするスーパーでは、迷惑行為をおこなう来店者もいることでしょう。とくに、近年問題となっている商品への異物混入といった迷惑行為は見逃せるものではありません。
他にもお客様同士のトラブルや商品の開封など多くの迷惑行為がありますが、防犯カメラによって迷惑行為の監視をアピールすることは十分な抑止力となります。
問題発生時の証拠の確保
何か問題が起こったときに、口で状況を説明しても証拠にはなりません。ですが、防犯カメラで問題発生時の状況を録画しておけば、証拠として提出することができます。目に見えるかたちでの状況説明ができます。
防犯カメラの映像は通常一週間から一カ月単位で保存します。店舗によっては一年単位で保管をしている場合もあるそうですよ。映像の用途や設置場所などを考慮して映像の保管期間を設定するとよいでしょう。
従業員の意識向上・内引き防止
防犯カメラは来店者のみに向けられているわけではありません。店舗で働く従業員の行動も映しています。録画した映像は仕事を効率的に回すための参考に使うこともできますし、防犯カメラで撮られているという意識から、仕事効率の上昇にも一役買うことでしょう。
多くはない問題ですが、備品の持ち帰りや内引きなどの職場内でのトラブルを防ぐ効果もあります。来店者の監視として考えられがちな防犯カメラですが、従業員内の意識の向上としても役立つのです。
人件費の削減
防犯カメラの設置は、人件費の削減にも効果的です。万引き被害に悩まされている店舗では、万引きを監視する万引きGメンをおいているところもあるのではないでしょうか。たしかに人の目で監視していれば、かなりの万引き被害を抑えることができるでしょう。
ですが、それにともなって万引きGメンの雇用による人件費は莫大です。万引きGメンを雇用した場合と防犯カメラを設置した場合では、費用対効果を考えると防犯カメラに軍配が上がるのではないでしょうか。
防犯カメラをマネジメントに活用!
近年では防犯カメラの映像の精度が上がったこともあり、マネジメントでの活用法が生まれています。実際に、どんな活用法があるのかご紹介いたします。
リアルタイムで販売状況をチェックする
スーパーの陳列は、気温や天候・お客様の出入りによって変更していく必要があります。ですが、そのような陳列のノウハウをもつ従業員はそう多くはありません。映像の精度が高い防犯カメラを設置することで売り場の状況を細かく確認することができ、売れ行きや客層をカメラでチェックしながら陳列の指示を出すことが可能となるのです。
遠方のベテランスタッフから即座に指示を仰ぐ
防犯カメラの映像をインターネットに繋ぐことで、遠方にいるベテランのスタッフからの指示を受けることも可能になります。遠方のベテランスタッフから即座に指示を受けることで、売れ筋のチャンスを逃さずに商品を陳列することができます。
お客様や従業員を映すのではなく、商品の売れ行きを映すという新しい防犯カメラの使い道です。
従業員の動きを録画し効率的な指導につなげる
防犯カメラで従業員の動きを録画することで正しく作業されているか確認ができますし、また何か問題があった場合も映像をもとにわかりやすく指導することができます。
店舗の状況に応じて必要な人員を必要な場所へ向かわせることができますので、人員や人件費の削減にもつながります。
スーパーの防犯カメラ設置におすすめの場所と種類
さまざまメリットや使い道のある防犯カメラですが、いったいどんなカメラをどんな場所に設置したらよいのかわかりませんよね。場所別に、おすすめの防犯カメラをご紹介いたします。
【出入口】目立ちにくいドーム型
出入口には、目立ちにくく監視方向がわかりづらいドーム型の防犯カメラを設置しましょう。壁に取り付けることが可能なタイプもありますが、天井への直付けや埋め込みが一般的です。赤外線照射対応のものを選べば、閉店後の暗い店舗であっても暗視カメラとして撮影が可能です。
【通路・レジ近く】存在感あるボックス型
通路やレジの近くには存在感のあるボックス型の防犯カメラを設置しましょう。大き目で四角い形状ですので、カメラの存在を来店者へアピールすることができます。取り付け金具を使って天井や壁に設置します。店内だけではなく店外への設置も可能ですが、その場合は防滴・防雨のためハウジングというケースに収納した上で設置してください。
【バックヤード】首振り可能のネットワークカメラ
バックヤードには首振りが可能なネットワークカメラを設置しましょう。首振りが可能なものを選ぶことで、上下や左右、広い範囲を一台でカバーすることが可能です。映像に動きがあればメールで通知してくれる動作検知機能をもつネットワークカメラもありますので、閉店後のバックヤードの防犯対策にも一役買ってくれます。
スーパーに防犯カメラを設置するときのコツ
防犯カメラは正しく設置できればより効果的です!スーパーに防犯カメラを設置するときのコツをご紹介します。設置の際には、ご参考にしてください。
出入口には高画素カメラを
店舗の出入口には来店者の顔がしっかり映る高画素のカメラを設置しましょう。何か問題が起こったときに、きちんと顔を識別することができる証拠映像が残っているかどうかは非常に重要なことです。従来のアナログカメラではなく、ハイビジョンの撮影が可能な高画素カメラを選ぶとよいでしょう。
店内の死角をなくす
いくら防犯カメラを設置していても、設置していない場所があっては万全とはいえません。すべての売り場の通路に設置しましょう。また、防犯カメラの死角となる場所をつくってはいけません。カメラを取り付ける際にカメラの視線を交差して設置することで、死角をなくすことができます。
エレベーターやパーキングエリアにも設置すると安心
人の目が少ないエレベーターやパーキングエリアでは、ちょっとした出来心やイラズラで、マナーに反する行為や犯罪行為がおこなわれることがあります。防犯カメラの設置はそのようなイタズラや犯罪行為の抑止力となりますので、来店者の安心や安全のためにも設置をおすすめします。
効果的な設置は業者に相談しましょう!
これまで、スーパーに防犯カメラを設置するメリットやおすすめのカメラの種類、また設置の際のコツなどお伝えしてきました。一見簡単そうな防犯カメラの設置ですが、「取り付けるカメラの種類や機種の選定」「設置場所の選定」「死角をなくすカメラ配置」「安全な取り付け」など、さまざまな課題があります。
そのような課題をクリアするのは、防犯カメラの知識や経験がない私たちには難しいものです。そこで、防犯カメラを設置してくれる専門の業者への相談をおすすめします。専門の業者であれば目的に合った防犯カメラの選定や適切なカメラ配置など、プロの視点からアドバイスをくれます。
せっかく防犯カメラを取り付けるのなら、きちんと効果を出したいですよね。防犯カメラの導入を検討されているのなら、まずは専門の業者に相談をしてみましょう。
まとめ
今回は、スーパーに設置する防犯カメラのあれこれをご紹介しました。単に来店者を監視するだけではなくさまざまな使い方ができることをお伝えしましたが、それも正しく防犯カメラを使うことができての話です。
「目的に合ったカメラの選定や設置場所、死角をつくることのない配置」それらがそろってはじめて、防犯カメラは本来の役割を果たすことができます。また、使い方によっては本来の役割以上のメリットを私たちに与えてくれるのが防犯カメラです。
防犯カメラの設置によって、新たな店舗の運営方法がひらけるかもしれませんね。防犯カメラの導入を検討されているのなら、まずは専門の業者に相談してみましょう。