「わっ!蛇だ!」
家の庭などに突然蛇が現れたら、驚きますしとても怖いですよね。
ましてやその蛇が毒を持つマムシだったらとても危険です。
蛇にはそれぞれ特徴があり、見分けるポイントがいくつかあります。
蛇を見分けるためのポイントを知っておけば、蛇に遭遇しても慌てずに対処できるはずです。
この記事では、毒蛇を見分けて適切な対応がとれるよう、日本でおもに見かける2種類の毒蛇と、毒蛇に似た無毒の蛇2種類の特徴と見分け方を解説していきます。
- ニホンマムシ【毒蛇】
- ヤマカガシ【毒蛇】
- シマヘビ
- アオダイショウ
このほかに、蛇に遭遇した際に取るべき行動も解説しています。
この記事を読めば、遭遇した蛇がどの蛇なのか、毒はあるのかなどを理解でき適切に対処できるでしょう。
蛇の見分け方 1:【毒蛇】ニホンマムシ
毒蛇でもっとも有名なのはニホンマムシです。
強力な毒をもち、蛇による死亡事故のほとんどはこのニホンマムシによるものです。
実は特徴の多い蛇なので、特徴さえ知っていれば簡単に見分けることができます。
毒の有無 | 有毒 |
体長 | 45~80cm |
模様 | 円形の銭形模様 |
特徴 |
|
性格 | おとなしい |
次に、見た目の特徴・判別するためのポイント・生息地について詳しく解説していきます。
見た目の基本情報
1mを超える蛇も多いなか、ニホンマムシは体長約45~80cmと、実は小型の種類です。
体長は短い一方で太さはほかの蛇と変わらないため、外見上は太さが際立って見えるのが大きな特徴でしょう。
三角形の頭部と鋭い目も特徴的で、成体のニホンマムシであればひと目で判別できます。
夜行性なので日中は深い藪や物陰に隠れていますが、時折日光浴をしに日向に出てくることもあります。
強力な毒をもつ蛇ですが、性格はおとなしく、手を出さない限り攻撃してくることはまずないでしょう。
判別するための3つのポイント
マムシを判別するためには、以下の3つのポイント(特徴)をチェックしましょう。
- 三角形の頭で鋭い目つき
- 首が細くずんぐりむっくり
- 体の色は茶色で全身に銭形模様が入っている
次で詳しく解説していきます。
三角形の頭で鋭い目つき
ニホンマムシの確定的な特徴は、鋭い目つきを思わせる縦長の瞳孔(黒目の部分)です。
日本の蛇は昼行性で円形の瞳孔のものが多いため、夜行性動物に特有の縦に細長い瞳孔をもつ蛇はニホンマムシを疑いましょう。
三角形の頭もニホンマムシの特徴です。
ほかの蛇は、どちらかというと長方形や楕円に近い形状ですが、ニホンマムシは頭の後ろが大きく膨れており、三角形になっています。
「毒蛇は頭が三角形」という説があり、実際は迷信ですが、日本ではニホンマムシの特徴と覚えておくべきでしょう。
幼体だと三角形に見えないかもしれませんが、それでも頭が大きく見えるので、十分判別材料にできます。
首が細くずんぐりむっくり
次の判別ポイントは体全体のバランスです。
先ほども解説しましたが、ニホンマムシは体長の短さの割に太さは平均的です。
三角形のように膨らんだ後頭部から首までがくびれて、胴体に向かって太くなっています。
また、胴体から尻尾にかけてもほかの蛇よりも急激に細くなっており、極端にいえばツチノコのように頭と胴体の太さが目立つ、ずんぐりむっくりな体型をしています。
このように聞くとニホンマムシは動きがのろそうなイメージがありますよね。
実際そのとおりで、ほかの蛇よりも移動が遅く、人が近づいても逃げずにジッと動かないでやり過ごそうとする行動上の特徴もあります。
体の色は茶色で全身に銭形模様が入っている
次の判断ポイントは特徴的な体の模様です。
ニホンマムシは明るめの茶色の上に、円形に近い模様があります。
個体差はありますが、5円玉のように円の中に穴がある模様が多いため、銭形模様と呼ばれています。
一見茶色の縞模様のように見えるものもあり、これはあとで紹介するシマヘビやアオダイショウの幼体もとてもよく似た模様のため見間違いしやすいです。
特にアオダイショウの幼体はニホンマムシとよく見間違われますが、アオダイショウのほうが光沢のある鱗をしています。
しっかり観察すれば模様だけでも判別できるでしょう。
自然が豊かな場所に暮らす
夜行性のニホンマムシは藪の中や岩陰など、日中は暗いところに潜んで休みます。
小型の哺乳動物や、カエルやトカゲなどの爬虫類を主食とするため、山や渓流、森など、自然の豊かな場所が主な生息地です。
ニホンマムシは、人が近づいても逃げずにジッとしたままやり過ごす性質があるため、気付かずうっかり踏んでしまって噛まれる危険性があります。
都市部ではほとんど遭遇することはないと思いますが、キャンプや釣り、登山で出かけた先では不用意に藪の中に入らないように注意しましょう。
蛇の見分け方 2:【毒蛇】ヤマカガシ
本州に生息するもう1種類の毒蛇はヤマカガシです。
1972年に中学生が咬まれて死亡する事故が起きるまでは、無毒種の蛇と考えられていました。
性格はニホンマムシよりもおとなしいといわれており、危険を感じるとすぐに逃げていきます。
そのためヤマカガシによる咬傷事例は2020年までの50年間で43件(うち死亡症例5件)と少なくなっています。
※参考:【論文】日本における過去50年間のヤマカガシ (Rhabdophis tigrinus) 咬傷の発生状況:遡及的調査
もしヤマカガシに咬まれてしまっても、毒牙は上顎の奥のほうにしかないため、毒を注入される可能性は低いでしょう。
しかし毒の強さはニホンマムシの数倍といわれています。
体内に毒が入れば死亡するおそれがあるのはもちろん、ヤマカガシの毒が目に入ると失明するおそれもあるため、近づくだけでも危険な蛇です。
※参考:ヤマカガシ|影響(北海道外来種データベース)
毒の有無 | 有毒 |
体長 | 60~120cm |
模様 | 黒色と赤色の斑紋が交互に並ぶ |
特徴 |
|
性格 | おとなしい |
次に、見た目の特徴・判別するためのポイント・生息地について詳しく解説していきます。
見た目の基本情報
ヤマカガシの大きさは全長60~120cmで、日本に生息する蛇のなかでは中型にあたります。
体型に大きな特徴がなく、体色や模様も地域差や個体差が大きい種類で、判別が比較的難しいといわれています。
難しいとはいえよく観察すれば見分けることは可能です。
特徴的なのは鱗の質感で、ザラッとしたツヤのない鱗をもっています。
首の付け根に特徴的な黄色い帯が入っている個体が多く、首元が黄色い蛇はヤマカガシである可能性が高いです。
ただし、個体差が大きいためこの特徴がないからといってヤマカガシではないと断定はできません。
他の特徴とも照らし合わせて見分けましょう。
判別するための2つのポイント
ヤマカガシを判別するためには、以下の2つのポイント(特徴)をチェックしましょう。
- ウロコにツヤがない
- 全身に黒い斑点がある
次で詳しく解説していきます。
ウロコにツヤがない
もっとも判別しやすい特徴はウロコの質感です。
ヤマカガシのウロコには強いキール(隆起)があり、光沢がなくザラザラした質感をしています。
反対に、シマヘビやアオダイショウはウロコにツヤがあり滑らかです。
ウロコの質感を見れば判別しやすいでしょう。
全身に黒い斑点がある
ヤマカガシは全身に黒い斑紋があるのが特徴です。
ヤマカガシの標準的な模様は、黒色と赤色の斑紋が交互に並んだ色鮮やかな見た目のため、比較的容易に判別できるでしょう。
しかし、ヤマカガシは生息地域や個体によって体色の変異が激しい蛇でもあります。
近畿地方から中国地方には青色の個体がいるほか、赤と黒の斑紋がほとんどない個体や、真っ黒に黒化した個体も存在します。
無毒の蛇と間違えるおそれもあるため、疑わしい場合は近寄らないようにしましょう。
森や水辺で暮らす
ヤマカガシの主な生息地は渓流や河川敷、田んぼなどの水辺です。
名前にはヤマとついていますが、実際は山に限らず田舎の人里近くにも生息しています。
エサとなるカエルや爬虫類が少ない都市部にはあまり生息していません。
いたとしても臆病ですぐ逃げてしまうため見かけることは稀でしょう。
蛇の見分け方 3:シマヘビ
ここからは毒蛇と見間違えることの多い、無毒の蛇の特徴と見分け方を解説していきます。
まずはシマヘビです。
シマヘビはその名のとおり縞模様をもつ蛇ですが、幼体と成体で体の色や模様が変わり、幼体はニホンマムシに似ているため見間違われることが多いです。
シマヘビはほかの蛇よりも気性が荒く、ちょっかいを出すと噛まれる可能性が高いため気をつけましょう。
無毒ですが、噛まれると当然痛みもありますし、破傷風菌を持っている場合もあります。
※参考:知っておこう ヘビの基礎知識(小樽市)
毒がない=安全というわけではないため注意してください。
毒の有無 | なし |
体長 | 80~150cm |
模様 | 背中に4本の黒い縦縞 |
特徴 |
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性格 | 気性が荒い |
次に、目の特徴・体の特徴・生息地について詳しく解説していきます。
目の特徴
シマヘビを見分ける際のポイントは、赤い虹彩のある目です。
人間でいう白目の部分が赤みを帯びています。
ほかの蛇の虹彩は黄色や緑に近い色ですが、シマヘビは赤っぽく、オレンジや赤茶色に近い色をしています。
シマヘビの瞳孔はほぼ円形か、縦長の楕円形で、幼体の頃は縦長に近いですが、成長するにつれて円形に近くなっていきます。
体の特徴
シマヘビの体長はおよそ80~150㎝と、やや大型で体色は緑と黄色に近い、暗めのクリーム色のような色をしています。
背中に4本の縦縞模様がありますが、幼体と成体で縞の向きが変わります。
幼体の模様は横縞ですが、成体になると頭から尻尾の先まで、黒い縦縞模様に変化するのです。
なかには縞模様がない(薄い)個体もいます。
また、体が真っ黒に変異した黒化個体というものがあり、黒化したシマヘビはカラスヘビと呼ばれることもあります。
どの種類でも起こる現象ですがシマヘビは特に起こりやすく、体も虹彩も真っ黒になるため体色や模様での判別が困難になります。
地表を好み河川敷や畑などに暮らす
シマヘビは主食とする動物が幅広いため、比例して生息地も広く、草原や森林、田畑はもちろん、河川敷など比較的都市部の近くでも見られます。
シマヘビは地上性と呼ばれる性質があり、木登りや泳ぎ、地中の移動が苦手で、基本的に地表を移動します。そのため壁の多い都市部では壁を越えられず、エサの確保ができなかったり、道路で轢かれたりと生存が難しく、都市部で見かけることが減ってきているようです。
蛇の見分け方 4:アオダイショウ
アオダイショウは日本固有の種類で、都市部でも見かけることができる、もっともメジャーな蛇です。
性格は穏やかで毒もありません。
昼行性で生活圏や活動時間も人と近く、人間を見慣れているため、人間に対する警戒心は薄いといわれています。
アオダイショウの成体は見分けやすいですが、幼体の時期は灰色で色や模様がニホンマムシと似ており、見間違われることが多いです。
毒の有無 | なし |
体長 | 100~250cm(最大約300cm) |
模様 | 不明瞭な縦縞 |
特徴 |
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性格 | おとなしい |
次に、目の特徴・体の特徴・生息地について詳しく解説していきます。
目の特徴
アオダイショウの虹彩は、その名前のとおり青や緑に近い色をしています。
カーキ色、オリーブ色というとイメージしやすいかもしれません。
瞳孔は円形で、大将という名前のイメージには合わない、つぶらでかわいらしい顔つきをしています。
かわいらしい見た目と穏やかな性格から、ペットとしても人気があります。
体の特徴
アオダイショウの体長は1~2.5mと大型で、3mを超える個体の記録もあり、日本最大の蛇といわれています。
幼体は灰色か茶色の下地の上に、ニホンマムシとよく似た、横縞にも見える円形の斑紋をもっています。
模様があまりに似ているため、身を守るためにニホンマムシに擬態しているのではないかという説があるほどです。
成体になると模様は消え、体色は名前の由来となった青緑、暗めのオリーブ色になります。
ほぼ単色に見えますが、濃淡のグラデーションのある縦縞がシマヘビのように入っています。
木登りが得意で家の近くで暮らす
アオダイショウは人と暮らす蛇ともいわれており、ネズミが主食で穏やかな性格のため、昔は益獣や守り神として大切にされていたこともあるそうです。
樹上性の蛇で、木登りが得意なため、都市部でも問題なく暮らすことができます。
さらに都市部には天敵となるタヌキやキツネなどの哺乳動物がいないため、現在は山や森よりも、民家や公園など、人里で見かけることのほうが多いといわれています。
蛇に遭遇したら…まずは「放置」すべき
もしも蛇に遭遇したら、刺激しないように距離を取りましょう。
多くの蛇は自分から攻撃してくることはほとんどありません。
毒蛇でないとわかった場合でも、むやみに刺激するのはやめましょう。
無毒の蛇でも噛まれると雑菌による病気や感染症になる危険性があります。
人目に付くところは天敵である鳥からも狙われやすい、蛇にとって危険な場所です。
長時間とどまろうとはしないはずなので、蛇に遭遇したらペットや子供を近づかせないようにして、どこかへ逃げるのを待ちましょう。
害獣に関するご相談はお気軽に
敷地内で蛇を頻繁に目撃するようであれば、近くに住み家や餌場があるのかもしれません。
子供やペットがいる人、蛇が苦手な人にとっては無毒な蛇でも不安でしょうから、早めに駆除することをおすすめします。
しかし自分で駆除するのは咬まれる可能性があるためとても危険です。
自治体も蛇の駆除は受け付けていないところがほとんどです。
駆除が必要な状況になったり、頻繁に遭遇して危険を感じたりするようなら害獣駆除業者に依頼しましょう。
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まとめ
この記事では本土に生息し、比較的よく見かける蛇の見分け方を紹介してきました。
どの蛇も、何もしない限りは実害がないものばかりですが、やはり危険性はあります。
蛇に遭遇したときは、たとえ無毒の蛇でも手を出さないようにしましょう。
もしも蛇を見かけて不安や危険を感じるようなら、自分で対処するのは避けて、業者に駆除を依頼することをおすすめします。