「害獣が発生する原因は何なのだろうか?」
発生する原因は害獣の種類によりけりですが、共通している部分もあります。
具体的にいいますと、エサが楽に手に入る、水源が豊富、人里の周辺には天敵がほぼいない、地球温暖化の影響、鳥獣保護管理法、この5つが発生原因とみて間違いないでしょう。
そこでこの記事では害獣が発生する共通の原因や、害獣別の発生要因も細かく解説します。
もちろん、それぞれ種族別で対策方法もご紹介していますので、参考にしてくださいね。
そのいっぽうで、もしも今すぐに害獣を取り除きたいのであれば害獣駆除110番にご相談ください。
迅速に対応いたします。
農作物が被害に!害獣が発生する共通の原因
ネズミやハクビシンなど、害獣が発生する共通の原因は以下の5つです。
- ✓エサが楽に手に入るから
- ✓水源が豊富だから
- ✓人里の周辺にはヘビやキツネなどの天敵がほぼいないから
- ✓地球温暖化の影響で積雪量が減り活動範囲が広くなったから
- ✓鳥獣保護管理法の影響でむやみに駆除できないから
エサが楽に手に入るから
害獣が発生する大きな要因はおいしいエサが楽に手に入るからです。
いわば人里は害獣にとって、都合の良いエサ場になってしまっているわけですね。※1
害獣からすると、エサは本来であれば苦労して手に入れるもの。
しかし『人や家畜が食べられるもの=害獣も食べられるもの』ですから、害獣は躊躇なくそれらを食べていきます。
それに付け加えて人里で手に入るエサ(野菜や果実など)は普段食べているドングリなどよりも糖度が高い、つまりは甘くておいしいと感じるハズ。
普段食べているモノよりもおいしいエサが手に入るわけですから、害獣からすると行くのは必然と言えます。
※1兵庫県森林動物研究センター|獣害対策の基本は、野生動物にとってよい餌場で無くすこと
水源が豊富だから
人が住んでいる地域は水源が基本的に豊富です。
生物が生きるうえで水は欠かせない要素だからです。
そして、水がないと生きてはいけないのは害獣にとっても同じこと。
理想のエサ場に水飲み場まで備わっているとあれば、そこに住み着くのは無理もありません。
人里の周辺にはヘビやキツネなどの天敵がほぼいないから
人里の周辺は基本的に開拓されています。
そのため害獣にとって天敵となるヘビやキツネ、猛禽類はいないことがほとんどです。
天敵がいないということは安全性が高いわけですから、害獣にとってありがたい環境であると言えます。
とくに住宅の屋根裏は天敵の出現率が低く、かつ暖かい環境ですから子育ての場として重宝されることがあります。
その結果、害獣は屋根裏で赤ちゃんを出産することも少なくありません。※2
住みつかれる前に木酢液などを使って対処しましょう。
※2JA東京みどり|獣害に備える~ハクビシンとアライグマの基礎知識~
地球温暖化の影響で積雪量が減り活動範囲が広くなったから
地球の気温はこの100年間で0.85度上昇したと言われています。
その結果、山々の積雪量が減少しました。
とくに東日本の日本海側においては、1962年から 2017年までの期間でみると 12.3%/10年の割合で降雪が減少している※3と公表されています。
降雪が減少した結果、動物の活動範囲が広大化し、人里に顔を出す害獣が増えたのです。
鳥獣保護管理法の影響でむやみに駆除できないから
一部の害獣は鳥獣保護管理法で守られています。
鳥獣保護管理法とは、生物および生物が生息する環境の保全を目的として作られた法律のこと。
被害をもたらしている害獣がもしもこの法律の保護下にあれば、一般人が自分の判断で勝手に駆除することができないのです。
なお鳥獣保護管理法で守られている主な動物は以下のとおり(鳥は除く)。
- ✓ハクビシン
- ✓アライグマ
- ✓イタチおよびチョウセンイタチ(オスのみ)
- ✓イノシシ
- ✓ニホンジカ
- ✓ユキウサギ
- ✓タイワンリス
- ✓シマリス
- ✓ツキノワグマ
- ✓ヒグマ
- ✓アライグマ
- ✓キツネ
- ✓テン(亜種ツシマテン以外)
- ✓ミンク
- ✓アナグマ
- ✓ヌートリア
- ✓ノイヌ
- ✓ノネコ
ハクビシンやアライグマは作物を荒らす害獣として知られていますが、このように鳥獣保護管理法で守られています。
そのため、こういった動物を狩猟するには資格や行政からの許可が必要なのです。
そして法律の下に保護および管理されている間に繁殖が進み、個体数が増加。
その結果、日本各地で害獣が発生するようになったのです。
狩猟に必要な資格
鳥獣保護管理法で指定されている害獣を狩猟するには、以下の資格および狩猟税が必要です。
【資格と狩猟税】
資格名 | 狩猟税の金額 | 県民税の所得割の納付を要しない者である場合の金額 |
網猟免許 わな猟免許 |
8,200円 | 5,500円 |
第一種銃猟免許 | 16,500円 | 11,000円 |
第二種銃猟免許 | 5,500円 | – |
このように管理下にある鳥獣を狩猟するには資格だけではなく、税金が必要となります。
この税金の高さも狩猟ハードルを押し上げている要因と言えるでしょう。
「資格がいる上に税金も取られるのでは、自分でやる気にはならないな」ということであれば、害獣110番にお任せください。
迅速に対応させていただきます。
捕獲の申請手順
狩猟ではなく捕獲をする場合でも、以下の申請手順を踏む必要があります。
- 狩猟者登録申請書を都道府県に提出
- 狩猟免状の提示
- 損害賠償能力を証明するもの(損保保険会社の証明書など)
- 自身の写真
- 登録手数料(1,800円)の支払い
- 狩猟税の支払い
つまりは捕獲する際も今すぐに実行できるわけではなく、行政からの許可が出るまでは待機しなければならないということ。
待機している間に被害が拡大するおそれがあります
そんなときは害獣駆除110番にお電話ください。
迅速に対応させていただきます。
ネズミが発生する理由と対策方法
ここではネズミに関する情報をご紹介します。
- ✓ネズミの発生原因
- ✓ネズミの対策方法
ネズミの発生原因
ネズミが発生する原因は以下の3つです。
- ✓わずかな隙間でも侵入できる
- ✓繁殖力がズバ抜けて高い
- ✓町内会単位のネズミ駆除活動がなくなった
わずかな隙間でも侵入できる
小さな隙間からでも家内に侵入できることが、発生原因の1つと言えます。
ネズミは体が小さな生き物です。
他の害獣では侵入できないようなわずかな隙間でも、難なく侵入できます。
そのためほんの小さな隙間からでも侵入されることが多々あるのです。
繁殖力がズバ抜けて高い
害獣はもともと繁殖力が高いものなのですが、その中でもネズミは別格に高いです。
ネズミは生後3か月から出産が可能となり、かつ条件次第では6~7回の分娩/年をおこないます。
それだけでなく、いちどの出産で6~10匹を出産します。※4
つまり理論上では、2匹のつがいから約9,400匹/年増えるということ。
この繁殖力は他の害獣ではなかなかお目にかかれません。
この異常なほど高い繁殖力が、ネズミ発生原因の1つであると言えます。
町内会単位のネズミ駆除活動がなくなった
町内会単位でのネズミ捕り作業がなくなったのも要因の1つと言えます。
昔は伝染予防法のもと、地域単位でネズミ捕りを行うのが恒例でした。
しかし月日が流れるにつれ地域の連帯感は徐々に薄れていき、個人単位で行われるように。
やがては多くの人がねずみ対策に関心を持たなくなったとされています。※5
上述したように、ねずみはただでさえ繁殖力が異常に高い生き物です。
そのため組織単位での駆除活動がなくなってしまえば、ネズミの数は日に日に増えていくのは想像に難くありません。
こういった時代の遍歴も、ネズミが発生しやすくなった原因と言えます。
ネズミの対策方法
ネズミの対策法は主に2つです。
- ✓防鼠構造を取り入れる
- ✓殺鼠剤を用いる
防鼠構造を取り入れる
防鼠構造とはネズミが建物内に侵入できない仕組みを言います。
具体的には以下のような場所に金網を張ることを言います。
- ✓扉の隙間
- ✓壁のひび割れ
- ✓換気扇の隙間
- ✓通気口
- ✓網戸の隙間
こういった箇所に目合い1mmの金網を設置すれば、ネズミの侵入を防げるでしょう。
殺鼠剤を用いる
殺鼠剤を用いて駆除しましょう。
殺鼠剤とはエサに擬態した駆除用の薬剤のことです。
殺鼠剤をネズミに食べさせることで、駆除が可能です。
殺鼠剤を設置するときは、ネズミが頻繁に行き来する証であるラットサイン※を目印に置くとよいでしょう。
※ネズミの足跡やかじり跡などのこと
そうすれば効果的な駆除が可能になります
ハクビシンが発生する原因と駆除方法
ここではハクビシンが発生する原因とその対策法を解説します。
- ✓ハクビシンの発生原因
- ✓ハクビシンの対策方法
ハクビシンの発生原因
ハクビシンが発生する原因は以下の2つです。
- ✓ワイヤーやロープから伝ってくる
- ✓庭の木々から伝ってくる
ワイヤーやロープから伝ってくる
ハクビシンはワイヤーやロープを伝って侵入する傾向にあります。
なぜならハクビシンはワイヤーのような細い糸の上でも、スイスイと歩けるからです。※6
ワイヤーやロープを自宅付近に設置しているのであれば、ハクビシンはそこから自宅へ侵入してきます。
そのため自宅でハクビシンが発生する要因の1つに、ワイヤーやロープが絡んでくることもあるのです。
庭の木々から伝ってくる
ハクビシンが糸のように細いものを伝って侵入してくるのは上述した通り。
そのためワイヤーやロープに限らず、自宅付近に木々がある場合も要注意です。
その木々から伸びている小枝を伝って自宅に侵入されるかもしれないからです。
そんなときは木々を迅速に伐採することを強くおすすめします。
ハクビシンの対策方法
ハクビシンの対策法は以下の2つです。
- ✓ワイヤーやロープに有刺鉄線を巻き付ける
- ✓小枝を伐採する
ワイヤーやロープに有刺鉄線を巻き付ける
ワイヤーやロープに有刺鉄線を巻き付けてしまいましょう。
そうすればハクビシンは伝ってくることができませんよ。
なお、鉄線はネットショッにて3,000円前後(約20m)で売られています。
購入する際の参考にしてくださいね。
小枝を伐採する
木々が庭にあるものなのであれば、枝を伐採してしまいましょう。
そうすればこちらに渡ってくることを防げます。
もしも自分で伐採することを面倒に感じるのであれば、伐採110番にお任せください。
迅速に対処いたします。
ただし伸びてきている枝が自宅敷地外の木々からである場合、自分の判断で勝手に伐採することは民法第233条第1項で禁止されています※7。
そういったものの所有権は自分にはないからです。
しかしだからと言って、このまま枝を放置することもできませんよね。
そんなときは行政に相談してみましょう。
事情を話せば対応してくれるかもしれません。
アライグマが発生する要因と捕獲方法
ここではアライグマの発生原因と対策法をご紹介します。
- ✓アライグマの発生原因
- ✓アライグマの対策方法
アライグマの発生原因
アライグマが日本各地で発生するようになった原因は以下の2つです。
- ✓施設からの脱走や飼育ほうき
- ✓執着心が強い
施設からの脱走や飼育ほうき
そもそもアライグマは北米原産の動物であり、日本には存在しない生物でした。
しかしペットブームの影響もあり、アライグマは昭和後期に日本へ輸入および販売されるように。
ここまではよかったのですが、その後アライグマが飼育施設から脱走する事件が全国各地で相次いだのです。
それだけでなく、アライグマは気性が荒いこともあって飼育放棄する飼い主が続出。
その結果、全国各地でアライグマが野生化し、至るところで発生するようになったのです。
執着心が強い
アライグマは執着心が強い生き物です。
食べた物の味を一度でも気に入ると、それをなんとしても食べ続けようとする傾向があります。※8
自分が気に入った食べ物の味を忘れることができないアライグマは、同じ場所になんども発生するのです。
アライグマを捕獲する際は、この習性を逆手に取るとよいでしょう。
具体的な方法は次でご紹介しますね。
アライグマの対策方法
アイラグマ対策は主に2つあります。
- ✓油脂性が強くて甘いものを撒き餌として使う
- ✓3月~6月に対策を実施
油脂性が強くて甘いものを撒き餌として使う
食べ物に対する執着心が強いことを逆手に取り、撒き餌でアライグマをおびき出しましょう。
その際は油分が豊富で甘い香りを放つものを撒き餌に使ってください。
アライグマはこういった食べ物が大好き※9なため、誘引効果が高まるからです。
具体的には以下の食べ物を使うとよいでしょう。
- ✓ドーナツ
- ✓菓子パン
- ✓インスタント麺
- ✓ピーナッツ
- ✓唐揚げ
- ✓するめ
撒き餌を使ってアライグマをおびき出すときはこれらのエサ、もしくは頻繁に食害に遭う食べ物を使ってくださいね。
他の食べ物を使うよりも効率よく誘引できますよ。
ただし、乾燥したり湿気たりした食べ物をアライグマは好みません。
もちろん、腐った食べ物も食いつきがよくないです。
設置するエサの鮮度には常に気をつけてください。
3月~6月に対策を実施
アライグマの捕獲率は暖かい時期のほうがダントツで上がります。
とくに野外にエサ(果実やカエルなど)が揃い始める3月~6月は捕獲の適期と明記されています。※10
外にエサがそろうことで、アライグマの行動が活発になるからです。
アライグマ対策を行うのであれば、この時期におこないましょう。
そうすれば効率よく捕獲できますよ。
イタチが発生する理由と対策方法
ここではイタチの発生原因と対策方法を解説しますね。
- ✓イタチの発生原因
- ✓イタチの対策方法
イタチの発生原因
イタチが自宅に発生するようになったら、軒下や瓦から入ってきているのかもしれません。
実際に、こういった狭い隙間からイタチが侵入するケースは数多く発生しています。※11
自宅内にイタチを見かけた際は、軒下や瓦に隙間が発生していないか確認しましょう。
もしも発生しているのであれば、ネズミのときと同様に金網を貼り付けるとよいでしょう。
そうすればイタチの侵入を防げます。
イタチの対策方法
自宅内からイタチを追い出したいときは、以下のモノを使ってみてください。
- ✓木酢液
- ✓竹酢液
- ✓クレゾール石鹸液
- ✓漂白剤
イタチはこれらのニオイを嫌がる傾向にあります。※12
そのためこの4つを使えばイタチを追い出せるかもしれません。
試してみてくださいね。
なお、木酢液・竹酢液・クレゾール液・漂白剤の使い方は以下のとおりです。
- 布もしくは新聞紙に染み込ませる
- 染み込ませたものを小皿に置く
- イタチが好む天井裏や狭い場所に置く
これで完了です。
もしもこの方法でイタチを追い出せないのであれば、害獣駆除110番にご相談ください。
迅速に対処いたします。
イノシシが発生する原因と駆除方法
ここではイノシシの発生原因と対策方法をご紹介します。
- ✓イノシシの発生原因
- ✓イノシシの対策方法
イノシシの発生原因
イノシシの環境適応能力の高さが発生原因となっています。
イノシシは大抵の環境には適応できるために、特定のなわばりを持ちません。※13
自分にとって本当に都合の良い土地を見つけるまでは、各地を放浪する傾向があるのです。
そしていったん気に入った土地(エサが入手しやすいなど)を見つけると、その高い適応力を発揮し、そこに住み着きます。
これが全国各地でイノシシが発生する原因と言えます。
イノシシの対策方法
イノシシ対策で有効なのは電気柵です。
静岡県農林技術研究所によりますと、電気柵を用いて対策を行った結果、柵内への侵入率はわずか16.9%にまで低下したという研究結果があります。※14
【柵内への侵入率】
防止策 | 柵内への侵入率 |
電気柵 | 16.9% |
ワイヤーメッシュ | 41.5% |
このように、電気柵を用いることで高い侵入防止効果を得ることがわかります。
そうなると電気柵を利用しない手はありませんよね。
イノシシ対策をするのであれば、まずは電気柵を設置するのがよいでしょう。
タヌキが発生する要因と捕獲方法
タヌキが発生する原因と対策方法を解説します。
- ✓タヌキの発生原因
- ✓タヌキの対策方法
タヌキの発生原因
タヌキが発生する原因は以下の2つです。
- ✓生ごみが誘引剤となってしまっている
- ✓果実を外に持ち出して食べるため被害に気付きにくい
収穫残渣や生ごみが誘引剤となっている
収穫残渣(収穫の際の取りこぼし)のくず野菜やくず果実、ゴミ捨て場に捨てた生ごみがタヌキの誘引剤となります。
こういったものを放置するとタヌキに餌付けしているのと同じです。※15
タヌキが住み着く前に、収穫残渣や生ごみを速やかに処理しましょう。
果実を外に持ち出して食べるため被害に気付きにくい
上述したように、タヌキは収穫残渣や生ごみを外に持ち出して食べます。
そのためタヌキの被害に気付くのが遅れることはめずらしくありません。※16
そのため「被害に気づいたときにはタヌキが大量に発生していた」といったことも十分にあり得ます。
このことから、被害の気づきにくさもタヌキが発生する原因の1つと言えます。
タヌキの対策方法
タヌキは基本的にリンゴなどの果実を好みます。
そのためアライグマのときと同様に、果実を使ってタヌキを誘引し捕獲するのがよいでしょう。
なおタヌキは雑食ですので、基本的になんでも食べます。※17
そのため撒き餌に使うのはリンゴではなく、他の果実や野菜でもOKです。
都合がよいものを選んでくださいね。
シカが発生する理由と対策方法
シカが発生する原因と対策方法を解説しますね。
- ✓シカの発生原因
- ✓シカの対策方法
シカの発生原因
シカが発生するようになった原因は以下の2つです。
- ✓過去の保護政策
- ✓捕食者の絶滅
過去の保護政策
保護政策があったことが大きいと言えます。
その昔日本ではシカを捕獲し食すという文化が盛んでした。
そのこともあり日本全国でシカの乱獲が発生。
するとシカの個体数が大きく減少し、絶滅を危惧されるようになりました。
これを重く見た日本政府は、1978年にオスジカの捕獲数を法律によって1日1頭にまで大きく制限。※18
この政策のかいもありシカの個体数は年々増加、いや激増しました。
事実、1978年と2003年の25年間でシカの分布図は70%以上も拡大したことが公表されています。※19
それに付け加えてシカは鳥獣保護管理法の庇護下にあります(ニホンジカのみ)。
この2つの保護政策がシカの個体数を大きく増加させ、日本各地で発生させる原因になったと言えるのです。
捕食者の絶滅
シカを捕食するオオカミがいなくなったことも発生原因の1つ。
かつて日本にはシカを捕食するオオカミがいましたが、明治末に絶滅したとの説が有力です。
オオカミが絶滅した原因は諸説ありますが、明治時代のシカの乱獲が要因の1つとされています。
人の手によってシカが乱獲されたことにより、オオカミの食べるものが激減したからです。
シカの保護政策を実施するかたわらで、捕食者であるオオカミが絶滅したのですからシカが激増するのも無理はありません。
そして問題はココから。
需要と供給のバランスが崩れたことでシカは激増したわけですが、その影響により森でシカの食べるものが激減しています。
事実、シカの過剰採食により森の植生が減少し、最悪の場合だと山腹崩壊すら招いていることも。※20
こうなるとシカは森で食べ物を探すのが困難になります。
その結果、シカは食べ物を求めて人里へ出てくることが多くなったのです。
シカの対策方法
シカ柵を用いるのが効果的です。
シカ柵とは100~200㎡の小区画の柵を複数個所に設置する手法のこと。
シカは視覚的に狭い場所へ侵入することを本能的に警戒する傾向にあります。※21
そのため小区画の柵を設置するのは、シカ対策として有効なのです。
ただし、これを1人ですべて実行するのはとても大変です。
行政などに相談して、協力要請をするのがよいでしょう。
害獣が発生する原因は結局人間?
これまでにネズミやシカなど、数多くの害獣の発生原因に関して解説してきました。
するとすべての要因ではないにしろ、人が発生原因となっていることがいくつもありましたね。
そもそも本来であれば、野生動物と人間の暮らす地域はある程度離れていることが望ましいとされています。
人間の住んでいる環境が動物たちにとって暮らしやすいかと言われれば決してそうではないということは、誰にでも容易に想像が付くでしょう。
本来野生動物は自然の中で、自然が作ったものを食べて暮らしているのが望ましい姿です。
しかし人口の増加などもあり、年々害獣と人間の暮らす場所が近くなりつつあります。
人間が野生動物のいる環境に住処を作ってしまっているということも原因ですが、不法投棄などで、害獣が人間の食べ物の味や匂いを覚えてしまったことが発生原因になることも。
それだけでなく、人間が放った外来種が自然の生態系を壊すことが原因となる場合もあります。
上記以外にも害獣が発生してしまう要因はありますが、害獣が発生しないよう講じるべき基本的対策は以下の3つが考えられます。
- ✓生ゴミは収集日を守って出すこと
- ✓不法投棄をしないこと
- ✓ペットは責任をもって飼うこと(アライグマにならって害獣を解き放たないこと)
これらが害獣発生を防ぐうえでの最善の行動となります。
可能な限りは相手を攻撃しないで済むように、事前策を講じましょう。
まとめ|害獣の発生原因を理解し対策すべし
ネズミやシカなど、害獣が発生する原因がわかりましたね。
その中には自分で防げる案件もいくつかありました。
自分で防げることであれば、可能な限り防ぐのがよいです。
そうすれば害獣の発生を少しでも抑えることができます。
事実、生ごみの放置や金網の設置などは自分でできることですし、害獣被害を防ぐうえでの効果的な処置として、数多くの行政で紹介されています。
このことから、やはり自分でできることはすべきと言えます。
しかしそうは言っても、事前策をいくら講じても害獣が発生することも多々ありますよね。
そんなときは害獣駆除110番にお任せください。
迅速に対応させていただきます。
参考文献(閲覧日はいずれも2021年3月26日)
AgriKnowledge
※3地球温暖化が日本の雪に及ぼす影響
※6ハクビシンは綱渡りが得意であり、侵入防止経路として配慮が必要である
※14静岡県三ケ日地域における野生獣類によるミカンほ場の侵入状況
東京福祉保健局
※4行政担当者のためのねずみについてよくある質問&回答集
※5都民のためのねずみ防除読本
関西広域連合|アライグマ防除の基本的な考え方
※8※9被害が深刻化するメカニズム
※10アライグマ捕獲の手順
吹田市役所
※11※12イタチの被害について
長崎県庁
※15※16タヌキの生態と対策について
林野庁|森林における鳥獣被害対策のための-森林管理技術者のためのシカ対策の手引きガイド
※18シカが少なかった時代
※19シカが激増する時代
※20シカによる森林生態系への影響
※21森林被害軽減対策