「洗濯物を干そうとベランダに出たら片隅に何かのフンが!」
「最近同じ場所でフンをされるようになってしまったけど、もしかしてハクビシン?」
と、ご自宅に野生動物のトイレスポットができてお困りではないですか?
見つけたフンがハクビシンのものなら、敷地内に入らせない対策をおこなわなければいけません。
ハクビシンには決まった場所にフン尿をする習性があり、侵入を許せばこの先も山盛りのフンをされ続けてしまうおそれがあるからです。
フン害の早急な解決のために、この記事では次の内容を解説します。
- 他の動物のフンとの見分け方
- ハクビシンにフンをさせない対策
- ハクビシンのフンを安全に清掃・消毒する方法
読み終えれば、ハクビシンのフンかどうかを判断して、適切な対処ができるようになります。
「もう二度とフンをされたくない!」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてハクビシンを撃退してください。
ハクビシンのフンの特徴
ハクビシンのフンかどうかは、次の4つの特徴から総合的に判断できます。
- 大きさ
- 臭い
- 色
- 場所
大きさは5~15センチメートル程度
ハクビシンのフンは5~15センチメートルほどの大きさで、丸みのある細長い形をしています。
甘い果実や野菜を好んで食べるため、フンの中に種子がたくさん混じっているのが特徴的です。
フンの臭いは少なめ
ハクビシンのフンはあまり臭いません。
これは果実を多く食べるからで、なんと甘い香りがすることさえあります。
ただし、ハクビシンの尿は強いアンモニア臭を放ちます。
フンと同じ場所で尿もするため、いくらフンが臭わなくても結局強烈な悪臭が漂ってしまうのです。
(参考:町田市「アライグマ・ハクビシンに気をつけましょう」)
色は餌で変わる
ハクビシンのフンの色は黄土色~こげ茶色で、食べたもので変わります。
実は、ハクビシンは果実や野菜だけでなく、昆虫や小動物なども食べる雑食性の生き物です。
そのため、色味だけでハクビシンのフンかどうかを判断するのは難しいでしょう。
同じ場所にためフンをする
ハクビシンには決まった場所にフン尿をする「ためフン」という習性があります。
ハクビシンのためフンは餌場やねぐらの近く、ねぐらの中で見つかることもあり、住宅街では次のような場所で発見されることが多いです。
- ベランダ
- 屋根の上
- 屋根裏
- 庭の隅
- 側溝
ベランダや庭などの目に付く場所にフンをされるのも不快ですが、屋根裏でためフンをされるとさらに厄介です。
住み着かれないためにも、ご自宅の周辺でハクビシンのフンを見つけたら早急に対策をおこなうことをおすすめします。
また、「付近で野生動物を見かけた」「足跡や食害の跡を見つけた」という場合には、フンをした犯人がハクビシンかどうかをより確実に判断できます。
こちらの記事を参考に、ハクビシンの見た目や痕跡の特徴と比べてみてください。
フンをされないための対策はのちほど詳しく解説しますが、すぐにでもフン害を止めたいというときは、業者へ相談するとよいでしょう。
害獣駆除110番ではいつでもご相談いただけるよう、24時間お電話を受け付けております。ご依頼前の相談でも対応しておりますので、ぜひお気軽にお電話ください。
他の動物のフンと見分けるポイント
「ハクビシンのフンの特徴とは違う気がする……」
「他の動物のフンじゃないか見比べたい」
という方のために、住宅街でも見つかることの多いイタチ・タヌキ・アライグマ・ネコのフンの特徴をご紹介します。
イタチのフンは先端が細くねじれている
- 大きさが6ミリメートル程度と小さい
- 先端が細くねじれている
- 動物の毛が混じっている
- 臭いが強烈
- ためフンをする
見つけたフンが上記の特徴に該当するなら、こちらの記事を参考にイタチへの対策をおこなってください。
タヌキのフンは丸っこくてとてもクサい
- 大きさは2~3センチメートル程度
- 丸っこい形
- 動物の骨や植物の種子が混じっている
- 臭いがとても強い
- ためフンをする
タヌキのフンの見分け方と対処法は、こちらの記事でより詳しく解説しています。
アライグマのフンはためフンされていない
- 泥状や固形状など餌によって形が変わる
- 昆虫の破片や動物の骨が混じっていることがある
- ためフンはしない
「アライグマの被害かも……」と思った方は、こちらの記事を参考にして対処してください。
ネコのフンは芝生などの軟らかい場所にある
- 直径2センチメートル程度の棒状、または丸っこい形
- 臭いがとても強い
- 花壇・砂・芝生などのやわらかい場所でする
ネコは愛護動物として殺したり傷付けたりすることが禁止されています。
ネコにフンをされてしまうときには、木酢液やミカンの皮、ミントなど、ネコの苦手な匂いのするものを置いて追い払いましょう。
(参考:埼玉県「猫が庭などに入らないようにする方法」)
ハクビシンにフンをさせないための対策方法
ご自宅で見つけたフンがハクビシンのものだったら、これからもフンをされ続けるおそれがあります。
すぐに対策をおこなってフン害を防ぎましょう。
ハクビシンのフンを防ぐ方法には、寄せ付けない対策と物理的に侵入できなくする対策の2つがあります。
寄せ付けない
ハクビシンを寄せ付けない対策は、
- 嫌いな匂いで遠ざける
- 餌となるものを置かない
この2つを同時におこなうことが大切です。
ハクビシンは嗅覚が優れているため嫌いな匂いに敏感に反応しますが、餌が豊富にあるなど魅力が上回れば寄ってきてしまうからです。
忌避剤を使う
ハクビシンのフン害にお困りなら、まずは市販の忌避剤(きひざい)を使用してみてください。
ハクビシンの嫌いな匂いが配合された忌避剤をまけば、寄り付かなくなる場合があります。
使いやすくておすすめなのはこちらの商品です。
※「忌避一番®」は、フタワ株式会社の登録商標です。
木タール・木酢液・ニンニク・ハバネロなど、ハクビシンが嫌う匂いが配合された液状の忌避剤です。
大さじ1杯ずつを約2メートル間隔で、次のような場所に置いてください。
- 敷地の境界の地面
- 建物の周りの地面
- 塀の上
- ベランダ
- 屋根の上
コンクリートやアスファルト、ゴム、プラスチック、塗装した場所はシミが残ってしまうおそれがあるため、容器に入れて設置しましょう。
- 敷地をぐるりと囲むように設置する
- ベランダや屋根への経路に設置する
- フンをされた場所に設置する
ご自宅の敷地内でハクビシンにフンをさせないためには、侵入する隙を与えてはいけません。
敷地全部を囲うように忌避剤を置いてください。
建物の周囲や塀の上など、ベランダや屋根への経路となる場所も忌避剤でガードします。
ハクビシンは木登りが得意で垂直な雨どいもラクラク登ってしまうため、建物自体に近付かせないことが大切です。
そして、フンを見つけた場所にも忌避剤を設置しましょう。
ハクビシンのためフンを防ぐには、一度フンをされた場所への入念な対策が必要です。
忌避剤でのハクビシン対策は、こちらの記事でより詳しく解説しています。
餌になるものを置かない
家の周りにハクビシンの餌となるものを置かないようにしましょう。
いくら忌避剤で遠ざけようとしても、餌があるとなかなかいなくなってくれません。
- 食料品
- ペットの餌
- 生ごみ
- 庭木に実った果実
このようなものはハクビシンの餌になるため、すぐに撤去してください。
物理的に侵入を防ぐ
寄せ付けない対策では防ぎきれないときには、物理的に侵入できなくする対策をおこないましょう。
ベランダや屋根への侵入防止には、次の2つの対策が有効です。
- ベランダをネットで囲う
- 屋根への動線を断つ
ベランダをネットで囲う
「ベランダに繰り返しフンをされる」
というときには、ベランダの開口部全体に防獣ネットを取り付けて侵入できないようにするとよいです。
- 目が細かく強度が高いネットを選ぶ
- 隙間なく設置する
ハクビシンは次のような狭い隙間を通り抜けられます。
- 1辺8センチメートルの正方形
- 直径9センチメートルの円形
- 6×12センチメートルの横長の長方形
わずかな隙間でもこじ開けて侵入してしまうため、ハクビシンにかみ切られない強度のネットを隙間なく張ることが大切です。
「ハクビシン用」「動物用」「防獣」などの表記のあるネットを選び、ベランダの上下左右にぴったりと付けるように設置してください。
※「ダイオ アニマルガードネットⓇ」は株式会社イノベックスの登録商標です。
こちらの商品は白色で目立ちにくいため、景観を乱したくない方にもおすすめです。
取り付けには、凹凸面にも固定できるスッポンフックが便利です。
フックの裏に付いた接着剤を熱で溶かして貼り付けます。
接着剤はドライヤーなどの熱で温めればはがせますが、跡が残るおそれもあります。
賃貸住宅にお住まいの方は、設置前に念のため管理者に確認を取ったほうが安心です。
作業時はやけどや高所からの落下に十分に注意してください。
屋根への動線を断つ
屋根へとつながる動線を断って、ハクビシンが登れないようにすることも大切です。
有効な方法を2つご紹介します。
- 庭木の枝を切る
- 有刺鉄板を取り付ける
ハクビシンは庭木を登って屋根やベランダへと飛び移ることがあるため、建物の近くに伸びている枝は切りましょう。
また、雨どいを登らせないようにするには、トゲトゲの付いた有刺鉄板が効果を示します。
ハクビシンにフンをされた屋根やベランダへと続く雨どいをよく見ると、小さな5本指の足跡が付いていませんか?
もしも足跡が見つかったなら、そこはハクビシンの通り道です。
雨どいに巻き付けるように有刺鉄板を取り付ければ、ハクビシンの侵入を阻止できます。
有刺鉄板は、フンをされた場所に直接置いても効果があります。
トゲトゲの上には乗れないため、ハクビシンはトイレの場所を変えざるを得なくなるのです。
【関連記事】自分ですぐできる!うるさい足音を一瞬でなくせるハクビシン駆除方法
ご紹介した対策は、ご自分でできるものばかりです。しかし、自分で対策をすることに不安を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、無理せず業者へ相談することがおすすめです。
害獣駆除110番では、ご依頼前の相談にも対応しております。
納得してご依頼いただけるよう、現地調査や見積りに無料※で対応している加盟店をご紹介していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
直接触るのは危険!ハクビシンのフンの清掃・消毒方法
ハクビシンにフンをされてしまったときには、すぐに清掃と消毒をしましょう。
ハクビシンのフン尿は悪臭を放つだけでなく、放置するとハエやダニが大量発生するなどの二次被害も発生しかねないからです。
安全な掃除手順
- ゴム手袋・マスク・ゴーグルを装着する
- ほうきとちり取りでフンを取り除く
- 消毒をする
- ゴム手袋・マスクを処分する
ハクビシンのフンにはさまざまな病原体が含まれています。
直接触れたり吸い込んだりしないように、手袋やマスク、ゴーグルで守り、汚れてもよい服を身に着けてください。
フンが少しでも残っていると悪臭や害虫発生の原因となるため、ほうきとちり取りできれいに除去しましょう。
掃除機は吸い込んだフンが粉砕され、排気に乗って病原体が排出されてしまうため使用してはいけません。
フンの処分方法は自治体によって異なります。
可燃ごみで回収してもらえることが多いですが、必ずお住まいの地域のルールを確認してください。
フンの除去後の消毒には、逆性石けんがおすすめです。
殺菌力が優れていて、医療現場の殺菌消毒剤としても使用されています。
200~500倍に薄めて布に染みこませて拭くか、霧吹きで散布しましょう。
臭いの原因となる雑菌も殺菌できるため、消臭効果も期待できます。
ほうきやちり取り、ゴーグルも消毒し、ゴム手袋やマスクは処分します。
(参考:JA東京みどり「獣害に備える~ハクビシンとアライグマの基礎知識~」)
なお、腐食した屋根や天井は崩れ落ちる危険性があります。
長期間フン尿がたまっていた場所の掃除は、無理に自分でしないで清掃業者や工務店に任せましょう。
ハクビシンのフンに含まれる感染症の原因菌
ハクビシンのフンには次のような感染症の原因菌が含まれています。
- 疥癬(かいせん)
- 皮膚糸状菌症
- ツツガムシ病
- レプトスピラ症
- トキソプラズマ症
また、ハクビシンのフンからは、次のような食中毒の原因菌も見つかっています。
- サルモネラ菌食中毒
- カンピロバクター食中毒
- エルシニア食中毒
(参考:東京都環境局「アライグマ・ハクビシンに関する主な人獣共通感染症」)
ただし、ハクビシンから人への感染例はないため、必要以上に怖がらなくても大丈夫です。
屋根裏に入ったハクビシンを早期に追い出して、正しい方法でフン尿の清掃・消毒をおこなうことが感染症の防止にもなります。
(参考:日本獣医学会「ハクビシンの糞について」)