深夜や明け方に頭上から聞こえる物音。
あなたの家の屋根裏にも、イタチが住み着いてはいませんか?
イタチ被害に気付いたら、できるだけ早く追い出すことが大切です。
放っておくと騒音はもちろん、強烈な悪臭や天井の汚れ、食料品の食い荒らしに悩まされることになりかねません。
この記事では、イタチ被害の危険性を理解してすぐに対処できるように、次の内容を解説します。
- イタチ被害の実態
- 屋根裏からイタチを追い出す方法
- 捕獲駆除の方法と注意点
読み終えれば安全で確実な解決策がわかり、イタチの気配におびえる心配がなくなるはずです。
イタチ被害にお困りの方は、ぜひ参考にして対策をおこなってください。
イタチがもたらす5つの被害
イタチが家に侵入すると、次の5つの被害が発生するおそれがあります。
- 騒音
- 悪臭
- 建物の汚損
- 食い荒らし
- 人やペットへの攻撃
騒音
イタチは夜中に屋根裏を走り回って騒音を出すことがあります。
これは、イタチが高い運動能力をもつ夜行性の動物だからです。
イタチは垂直な壁でも登れるほど高所への移動が得意で、家屋の屋根裏にも住み着きます。
昼間は巣穴で休息して日没後に活発に活動するため、深夜にドタバタと大きな音を立てて安眠を妨害してしまうのです。
(参考:豊中市「イタチによる被害の対策について」)
悪臭
イタチに住み着かれると、やがて強烈な悪臭に悩まされることになります。
これには、次のようなイタチの生態や習性が関係しています。
- 肉食寄りの雑食
- ためフンをする
- 臭腺から分泌液を出す
イタチは雑食性の動物ですが、なかでも鳥類や小型の動物、昆虫などを好んで食べる肉食の傾向があり、臭いの強いフンや尿をします。
しかも、「ためフン」といって決まった場所で排せつをする習性があるため、イタチに住み着かれた屋根裏では山盛りのフンが見つかることも多いです。
さらに、イタチは驚いたり危険を感じたりすると、こう門付近の臭腺から強烈な臭いの分泌物を出して威嚇します。
うっかりイタチを刺激すれば、鼻が曲がるような臭いを付けられてしまいかねません。
(参考:枚方市「イタチについて」)
イタチの臭いに関しては、こちらの記事でより詳しく解説しているので参考にしてください。
建物の汚損
イタチのためフンは建物にも被害を与えます。
屋根裏でフン尿をされると天井にシミができ、建材が腐ってしまうこともあります。
また、イタチは屋根裏の断熱材をほぐして巣を作ることも多いです。
住み着いたイタチを放置して被害が進行すれば、天井板や断熱材の交換など、大がかりなリフォームが必要になってしまうでしょう。
食い荒らし
イタチは雑食性で肉・魚・野菜・果物などなんでも食べるため、食害も発生しやすいです。
家屋に住み着いたイタチは、キッチンに侵入して食料品を食べたり、ゴミを荒らしたりすることがあります。
人やペットへの攻撃
かわいい見た目とは裏腹に、イタチの性格は凶暴です。
人に対しては積極的に襲ってくることはないですが、触ろうとすればかみついたり引っかいたりと攻撃してくるおそれがあります。
イタチを見かけても不用意に近付かないようにしましょう。
体の小さな犬や猫は致命的な傷を負わされることもあるため、イタチと遭遇させてはいけません。
(参考:大東市「イタチについて」)
屋根裏のイタチ被害は追い出し&封鎖で解決!
上記のような被害を防ぐために、屋根裏にイタチが侵入したときにはすぐに追い出しましょう。
そして、再び入って来ないように、侵入口を塞ぐことも忘れないでください。
- 嫌がるものを使って追い出す
- フン尿を掃除する
- 侵入されやすい場所を塞ぐ
嫌がるものを使って追い出す
まずは、イタチの嫌がる匂いや光を使って追い出しましょう。
匂い
イタチは嗅覚が優れているため、強い匂いを嫌がります。
ホームセンターやドラッグストアで手に入る次のような液体を、スプレーボトルに入れて直接散布するか、丸めた新聞紙に染み込ませて置きましょう。
- クレゾール石けん液
- 木酢液
- 漂白剤
- お酢
クレゾール石けん液は医療現場や公衆衛生に広く使われている殺菌消毒剤で、「クレゾール臭」と呼ばれる独特の匂いがします。
原液では匂いや刺激が強すぎるため、33倍(3%)程度に水で薄めてください。
(参考:Y’s Square「4)フェノール系」)
木酢液は炭焼きの煙を冷却して作られた液体で、焦げたような刺激臭がします。
木酢液も匂いが強いため、水で薄めて調節しましょう。
殺菌作用のある2~100倍での使用がおすすめです。
(参考:デジタルおかやまだいひゃっか「木酢液の効能と使用方法について」)
漂白剤やお酢は匂いが弱いため、原液のまま使用してください。
他に、「イタチ用」「害獣用」などと書かれた市販の忌避剤(きひざい)や、害虫用のくん煙剤もイタチの追い出しに利用できます。
忌避剤やくん煙剤を使う際は、こちらの記事も参考にしてください。
光
イタチは強い光を嫌がります。
そのため、クリスマスのイルミネーションなど、チカチカと点滅するライトでも追い払える場合があります。
ただし、赤色や青色のように濃い光はイタチの目に届きにくく、効果がありません。
白色の明るいライトを設置して、夜間に点灯しましょう。
電球の間にアルミホイルをつり下げれば、光が反射してより明るくなります。
屋根裏でライトを使用する際には、火災に十分に注意してください。
白熱電球は点灯時に熱くなってしまうためLEDライトを使用し、周囲に燃えやすいものを置かないようにしましょう。
(参考:大阪府「イタチでお困りの方へ」)
フン尿を掃除する
匂いや光でイタチを追い出すことに成功したら、イタチがいた場所をきれいに清掃しましょう。
イタチのフン尿は強烈な臭いがしますし、放置すれば雑菌やカビ、害虫が繁殖するおそれもあります。
- ゴム手袋・マスク・ゴーグルを着用する
- ほうきとちり取りでフンをきれいに取り除く
- フン尿があった場所を消毒液で拭く
- 消臭剤や殺虫剤をまく
イタチのフンにはさまざまな病原菌が含まれているおそれがあります。
直接触れたり吸い込んだりしないように、手袋やマスク、露出の少ない衣服を身に着けましょう。
集めたフンは袋に入れて口をしっかりと縛り、地域のゴミ収集のルールに従って処分してください。
殺菌消毒には、追い払う方法でご紹介したクレゾール石けん液や漂白剤の他、消毒用アルコールや、逆性石けんという殺菌剤も有効です。
拭き上げただけでは臭いが取れないときには消臭剤を、害虫が発生しているときには殺虫剤も散布します。
侵入されやすい場所を塞ぐ
イタチの追い出しとフン尿の清掃が完了したら、再び屋根裏に侵入されないように隙間を塞ぎましょう。
イタチの侵入口になりやすいのは、次のような場所です。
- 屋根と壁の隙間
- 換気扇や換気口
- エアコンの管
- 外壁に開いた穴
イタチは3センチメートル四方以上の大きさがあれば出入りできるため、網目の細かい金属製のネットなどで小さな隙間も確実に塞いでください。
また、イタチは床下の換気口から侵入し、壁を通って屋根裏へと移動することもあります。
屋根まわりだけでなく、低い位置にある隙間も見逃さないようにしましょう。
(参考:豊中市「イタチによる被害の対策について」)
追い出せないときは捕獲駆除
イタチの嫌がる匂いや光を使っても、必ずしも屋根裏から追い出せるとは限りません。
匂いや光に対する感受性は個体によって違い、慣れてしまえば大した脅威にもならないからです。
もしもイタチを追い出せないなら、箱わなを使って捕獲駆除する方法もあります。
箱わなは、箱の奥に置いた餌を取ろうと踏み板を踏んだり、仕かけを押したりすると扉が閉まる仕組みです。
設置自体は簡単で、無料で箱わなの貸し出しをおこなっている自治体もあります。
例えば、大阪府枚方市では、家屋へのイタチの侵入被害が発生している場合、次の条件で箱わなを借りられます。
貸し出し条件
(1) 貸し出し期間は、原則2週間となります。
(2) 設置できるのは、自宅敷地内の家屋、畑など借受者の管理地になります。
(3) 捕獲後、借受者により放獣していただきます。(人家より離れた緑地や山中、河川敷などへ)
(4) イタチ以外の動物(猫など)を誤って捕獲した場合も、借受者によりすみやかに放獣していただくことになります。
(5) その他、事故の無いように借受者により捕獲器の運用管理を行っていただきます。
(6) 市で、捕獲器の設置、回収やイタチの引き取りはしません。
(7) 捕獲器は、市環境政策室(環境保全担当)まで受け取りに来ていただき、使用後は返却していただきます。出典:枚方市「イタチについて」
イタチを屋根裏から追い出せずにお困りの方は、箱わなを借りられないかお住まいの地域の自治体に相談してみてください。
箱わなを借りられたときは、次の注意点を確認したうえで適切に捕獲駆除をおこないましょう。
イタチ駆除の注意点
イタチの捕獲駆除をおこなう際には、
- 法律を守ること
- 捕獲後の処理まで責任をもつこと
の2点に注意が必要です。
無許可の捕獲は法律違反のおそれ
イタチは、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)という法律で守られており、無許可での捕獲や殺傷は原則禁止されています。
違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があるため、むやみに捕獲駆除をおこなってはいけません。
ただし、次の条件に当てはまればイタチを捕獲できます。
- 狩猟制度に基づいて有資格者が捕獲する場合
- 学術研究を目的として環境大臣や知事の許可を受けた場合
- 農林水産や生態系への被害防止を目的として捕獲する場合
(参考:大阪市「有害鳥獣の捕獲許可の手続き」)
屋根裏への侵入被害が確認されたイタチの捕獲は、上記の3の条件に該当する可能性があります。
お住まいの地域の自治体に申請して、捕獲の許可をもらってください。
捕獲後の処理まで責任をもつ
箱わなで捕まえたイタチは、ご自身で責任をもって処分しなければいけません。
箱わなの貸し出し条件にもあるとおり、人家から離れた緑地や山中、河川敷への放獣が基本です。
(参考:枚方市「イタチについて」)
「怖くてわなにかかったイタチに近付けない」
「車がなくて遠くに放しに行けない」
という方はご自身で駆除しようとせず、捕獲後の処理まで任せられる業者に依頼しましょう。
迅速・確実・安全なイタチ対策なら業者依頼がおすすめ
「屋根裏にいるイタチをすぐに追い出してほしい!」
「確実な対策でイタチ被害の再発も防いでほしい!」
そうお考えなら、害獣駆除業者への依頼がおすすめです。
多くの害獣駆除業者では、次のような施工に対応しています。
- 薬剤を使った追い出し
- 法律を守った捕獲駆除
- フン尿の清掃・消毒
- 侵入口の封鎖
イタチの生態を熟知した業者に任せれば、侵入口の特定も追い出し作業もスムーズです。
法律に違反する心配もなく、捕獲後のイタチの処理に困ることもありません。
清掃や消毒までおこなってくれる業者なら、雑菌いっぱいのフン尿に触る必要もないため安全で安心ですね。
害獣駆除110番に全部まとめてお任せください
「手間をかけたくないし、業者に任せたいけどどこに頼めばいいかわからない」
とお困りの方は、ぜひ害獣駆除110番をご利用ください。
害獣駆除110番は日本全国の加盟店と協力して、イタチをはじめとする害獣被害の早期解決をサポートしています。
- プロによる現地調査・見積りが無料
- 人体に無害な薬剤を使った追い出し
- 駆除後の清掃・消毒を実施
- 侵入経路を封鎖して再発を防止
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積り・キャンセルに費用をいただく場合がございます。
害獣駆除110番では、法令を遵守した安全で確実なイタチ駆除をおこなっています。
しかも、事前調査からイタチの追い出し、清掃・消毒、再発防止の対策まで、全部まとめて任せられるため手間がかかりません。
実際に契約するかどうかは、お見積りを確認したうえでじっくりとご検討いただけます。
お電話やメールでのご相談は24時間365日無料で承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
イタチかどうかは見た目や痕跡で特定できる
「屋根裏に住み着いている動物がイタチかどうか判断できない」
とお困りの方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、見た目や痕跡からイタチ被害を特定する方法をご紹介します。
日本に生息するイタチは「ニホンイタチ」と「チョウセンイタチ(シベリアイタチ)」のほぼ2種類です。
なかでも住宅街での被害の多くを占めるチョウセンイタチの特徴をまとめました。
見た目 |
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鳴き声 |
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足跡 |
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フン |
|
(参考:国立研究開発法人 国立環境研究所「侵入生物データベース」)
ニホンイタチの特徴と見比べたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
見かけた動物や痕跡が上記の特徴に当てはまらないなら、他の害獣が住み着いているおそれがあります。
アライグマやタヌキ、ハクビシンではないか、こちらの記事も参考にして特定してください。
なお、害獣駆除110番では家屋に住み着くさまざまな害獣への対策に対応しています。
「どの害獣の被害に遭っているかわからない」という場合でも、お気軽にご相談ください。
イタチ被害のQ&A
イタチの被害に関してよくある4つのご質問にお答えします。
Q.イタチに触ると感染症になるって本当?
A.感染症になる危険性があります。
イタチの体にはマダニやノミなどの害虫が寄生していることが多く、感染症を媒介することがあります。
(参考:枚方市「イタチについて」・東京健康安全研究センター「マダニにご注意! ~マダニQ&A~」)
また、イタチと同じイタチ科に属するフェレットが野生化し、捕獲しようとした警察官がかまれて感染症になる事故も発生しています。
(参考:西日本新聞「17年前フェレットにかまれる 感染症で今年死亡、警部補公務災害に」)
野生動物はさまざまな雑菌を保有しているため、むやみに触ったり近付いたりしないようにしましょう。
Q.冬になればイタチ被害は収まる?
A.冬でもイタチ被害は発生します。
イタチは冬眠をしません。
繁殖期の春~夏に比べれば活動は緩やかになりますが、寒さをしのげる屋根裏に住み続け、フン尿被害を拡大させることもあるのです。
Q.道端で見かけたイタチは放っておいてもいい?
A.「家屋に住み着く」「畑を荒らす」などの実害がなければ駆除の必要はありません。
イタチは鳥獣保護管理法で守られています。
そのため、道端で見かけたからといって、勝手に捕まえたり傷付けたりしてはいけません。
家屋への侵入被害や農林水産への被害が確認された場合のみ、許可を取って捕獲駆除をおこないます。
ただし、見かけたイタチがご自宅に侵入しないように、屋根や換気口などの隙間を塞ぐ対策はおこなっておいたほうがよいでしょう。
Q.イタチ被害が多い地域はどこ?
A.イタチ被害は西日本に多く、なかでも大阪はイタチの捕獲数が突出して多いです。
大阪のイタチ捕獲数がこれほどまでに多い理由は、
- 昭和初期に毛皮採取目的で繁殖したイタチが尼崎や明石で放された
- 古い木造家屋が密集する住宅街が多い
- 水路が多い
などが関係していると考えられています。
(参考:日本経済新聞「イタチ捕獲、大阪が断トツ 大量の巣と餌が原因?」)
古い木造家屋は隙間が多く、イタチに侵入されやすいです。
また、イタチは泳ぎが得意で、水辺に生息するカエルやザリガニ、ドブネズミなどを好んで食べます。
大阪以外の地域でも、隙間ある家屋や水辺の近くにお住まいの方は、イタチ被害に遭いやすくなるおそれがあるので注意してください。