「熱割れでガラスが割れた!何もしていないのに……」
熱割れによって急に割れたガラスの修理費用をどうしようかと、困っているのではないでしょうか?
そんなときは、ご家庭で加入している火災保険が使えるか確認してみてください。
保険会社の加入プランにもよりますが、火災保険は熱割れも対象になっている場合があるからです。
この記事ではガラスの熱割れを保険で対応する場合に、知っておくべき以下の情報を詳しく解説します
条件を満たせばガラスの修理費用を節約できるため、ぜひ参考にしてみてください。
- 火災保険が熱割れに対応する理由
- 保険金の適用条件
- 熱割れ修理費用の相場
- 熱割れ発生時に確認すべきこと
- 火災保険の申請手順
- 保険金の振り込み日
- 熱割れの原因と対策
目次
ガラスの熱割れは火災保険で対応できる
「火災保険って火事にしか使えないんじゃないの?」と思いがちですが、じつは災害や事故などの損害に対応しています。
そのなかに「不測かつ突発的な事故」という項目があり、熱割れもその項目に該当するものとして補償している保険会社は多いです。
たとえば、大手保険会社である損保ジャパンでは、熱割れに関して以下のように回答しています。
Q.窓ガラスが熱割れの被害にあった場合、不測かつ突発的な事故として支払対象になりますか?
A.支払対象になります。
熱割れはガラスが熱によって割れる自然現象であり、不測かつ突発的な事故として扱います。
※損害の額が自己負担額以下の場合は保険金の支払いの対象となりませんのでご注意ください。引用:損保ジャパン
また、保険会社によっては特定のプランに加入していないと熱割れで補償が受けられない場合があります。
現在契約中の火災保険では熱割れに対応しているか、保険会社への問い合わせなどで確認しましょう。
修理費用が安いと保険金が下りない場合がある
熱割れは火災保険の対象になりますが、ガラスの修理費用が免責金額より安い場合は保険が下りないため注意が必要です。
免責金額とは、簡単にいうと「保険会社が責任を負わない金額」のことです。
たとえば、免責金額が3万円だった場合、3万円を超えるかそれ以下かが保険金が下りる基準となります。
さらにイメージしやすいように以下のシミュレーションを作りましたので参考にしてみてください。
修理費用が5万円だった場合
→自己負担3万円 保険金2万円
→自己負担1万円 保険金なし
このように、修理費用がそもそも安い場合は保険の適用外で、修理費用はすべて自己負担となります。
修理費用が安くて保険が受けられなくなった場合、少しもったいないと思うかもしれません。
ただ、保険が適用されても結局は免責金額分の費用は支払うことになります。
そのため、修理費が安いパターンのほうが出費が少ないので残念がる必要はないでしょう。
改定による免責金額引き上げに注意!
2022年10月、多くの保険会社で火災保険料の値上げや改定が実施されました。
それにともない、免責金額の引き上げもされている場合があるため注意が必要です。
たとえば大手保険会社の損保ジャパンでは「不測かつ突発的な事故」といった一部の事由の免責金額が引き上げられています。
2022年10月1日以降保険始期契約
自己負担額 0円・1万円・3万円 を選択した場合でも、「不測かつ突発的な事故」の自己負担額は、選択 した自己負担額に関わらず5万円となります。引用:損保ジャパン
2022年10月以降の改定で、ご家庭の火災保険の契約内容に変更はないか必ず確認してください。
ガラス交換の費用相場は約36,000円
「ガラス交換にいくらかかるのか依頼前にイメージしておきたい」という方もいるでしょう。
弊社の過去3年間の実績によると、ガラス交換費用の平均は35,632円(※)となりました。
あくまで参考としての情報ですが、ガラスの交換費用は3万円前後と考えましょう。
※実績データの詳細
集計期間:2019年1月~2021年12月(5,964件)
集計対象:弊社運営サイト全体におけるガラス修理・交換の施工実績
集計方法:対象の平均値を算出(※)し、小数点以下を四捨五入
※大規模な施工など特殊なケースを除く費用の平均値を算出するため、上下2.5%の施工費用を異常値として集計対象から除外しています。
※価格は税込価格です。
熱割れしたガラスを修理する場合、基本的にはガラス交換にて修理することになります。
ガラス交換費用相場は種類やサイズなどの要素で変わります。
具体的な金額を知りたいならガラス修理業者での見積りが必要です。
熱割れが起きたら被害状況を確認しよう
保険会社やガラス修理業者に説明する必要があるので、火災保険が適用されるかを問わず、状況の把握が大切です。
熱割れでガラスが割れたら、まずは「本当に熱割れでガラスが割れたのか」「被害状況はどのくらいか」を確認しましょう。
熱割れをしているガラスは、下記イラストのようにガラスの縁から線が伸びるような割れ方です。
1本線の非分岐破壊と、枝分かれをする分岐破壊の2つのパターンがあるので確認してみてください。
また、割れたガラスを確認するときは絶対に割れた部分を触ってはいけません。
下手に触ると割れが広がり、破片でケガをするおそれがあります。
ガラスの割れ方をメモしておく、スマホで写真に残すくらいにしましょう。
火災保険の申請手順
火災保険でガラスの修理費用を補償するには、以下3つの手順にしたがって手続きを進めていきます。
- 保険会社に相談する
- 修理業者に見積もりを取る
- 必要書類をそろえて提出する
1.保険会社に問い合わせる
まずは、火災保険の申請の意思を保険会社に伝えてください。
お問い合わせ手段は、保険会社の公式サイトまたは電話となります。
なお、お問い合わせには本人確認として保険証券番号が必要です。
保険証券番号は契約書類や公式サイトのマイページで確認できます。
わからない場合は、契約したときの代理店で対応してもらいましょう。
2.修理業者に見積りを取る
次に、ガラス修理業者に修理費用の見積りと書類作成の準備を依頼します。
依頼するときはガラスの被害状況と火災保険を申請する旨を伝えましょう。
依頼したら、被害状況の確認と修理費用の見積りのためガラス修理業者が現地に行きます。
ガラス修理業者がスムーズに調査できるよう、スケジュールを空けておくなどの準備をしましょう。
3.必要書類をそろえて提出する
熱割れが原因で火災保険を申請する場合、自分で用意する書類は基本的に以下の3つです。
保険金請求書は公式サイトからのダウンロードか保険会社への問い合わせで入手可能です。
書類の種類 | 提出書類として使えるもの |
---|---|
保険金を請求する書類 | 保険金請求書 |
被保険者を証明する書類 | 建物登記簿謄本、売買契約書の写し、登記事項等証明書など |
被害原因を証明する書類 | 事故状況説明書、罹災証明書、交通事故証明書、請負契約書の写し、原因調査報告書、盗難届出証など |
参考:損保ジャパン
ガラス修理業者に用意してもらった書類と上記書類をそろえたら、保険会社宛てに書類を提出します。
保険金の振り込みは請求完了日を含む30日以内
提出した書類をもとに保険会社の審査がはじまり、承認されれば保険金が支払われます。
保険金が支払われるまでの期間は、保険法では請求完了日を含む30日以内です。
保険法では、保険金の支払期限を定める場合、保険金の支払いのために必要な事項を確認するための合理的な期間(これを「相当の期間」と規定しています。)を経過する日を保険金の支払期限とするとしています(注5)。この合理的な期間について、損害保険の約款では一般的に、請求完了日からその日を含めて30日と定めています。
熱割れが再び起きないために知るべきこと
ガラス修理業者に依頼してガラスを交換してもらったら、それで終わらせずに今後の対策をしましょう。
熱割れの原因を対策しない限り、再び熱割れが起きてしまうかもしれません。
これからご紹介する熱割れの原因と対策方法を知って、熱割れを未然に防ぐことが大切です。
熱割れの原因は「温度差」にある
熱割れはガラスの温度差により起こる現象です。
ガラスの温度が低い状態で日光などが当たると、その部分の温度が上がり、熱膨張を起こします。
しかし、ガラスのエッジ部分は温度が上がりにくく、低温のままの状態です。
低温のままのエッジ部分に温度が上がったガラスの熱膨張の力が加わると、引張応力が発生します。
その力にガラスが耐え切れなくなると、以下イラストのようにエッジ部分から割れてしまうのです。
今すぐできる熱割れ対策3つ
ガラスに温度差が発生することで起きる熱割れは「ガラスの温度差の発生を防ぐ」または「ガラスの耐久度を上げる」ことで対策できます。
具体的には、以下の工夫をすることで対策できるので、実践できそうなものに取り組んでみてください。
- シェードやカーテンで熱を遮断する
- エアコンの風が当たらないように位置を変える
- 耐熱性の高いガラスに交換する
熱割れの詳細な原因や対策についてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
熱割れは火災保険で対応でき、修理費用が免責金額を上回るなら保険金を受け取ることができます。
保険会社とガラス修理業者の相談の上、必要書類を準備してから申請をおこないましょう。
また、必要書類の一部にはガラス業者に作成してもらうものもあります。
火災保険に詳しい業者に依頼したほうが手続きもスムーズです。
ガラス110番では、火災保険のことに詳しいガラス修理業者も紹介できますので、もしお困りでしたらお気軽にご相談ください。