「トイレから急に下水のような嫌なニオイがする……」とお困りですか?
トイレから下水臭がするときは、本来遮断されるはずの下水管からのニオイが、トイレに上がってきてしまっている状態です。
便器内やその周辺で何らかのトラブルが起きていることが考えられます。
トラブルの原因はさまざまありますが、なかでも多いのが排水トラップの水(封水)が少なくなってしまう「封水切れ」です。
封水切れが原因の場合、便器に水を補給して水位を正常に戻し、換気をするだけですぐに下水のニオイが消える可能性があります。
当記事では、封水切れが起こる原因や対処法、封水切れ以外の原因についても詳しく解説していきますのでぜひ参考にしてください。
当記事を読めば、急なトイレの下水臭でも慌てず適切に対処することができ、安心して普段の生活を取り戻すことができるでしょう。
トイレが下水臭い!原因の多くは【封水切れ】
トイレが下水臭くなってしまう原因で特に多いのは「封水切れ」といわれる現象です。
通常、トイレの便器の中は常に水がたまった状態になっていますよね。
この便器にたまっている水のことを封水というのですが、何らかの原因で封水が減少してしまうことがあります。
これを封水切れといいます。
封水は下水管にたまった悪臭や、害虫などの侵入を防ぐ蓋の役割をしているため、封水切れが起こると、トイレに下水臭が上がってきてしまい不快なニオイが充満してしまうのです。
封水切れが起こる原因はさまざまあります。次の章で対処法とあわせて詳しく解説しますので参考にしてください。
【封水切れ】が起こる原因と対処法
封水切れが起きてしまう原因はおもに以下の4つです。
- 封水の蒸発
- 毛細管現象(トイレのつまり)
- 誘導サイホン作用
- 自己サイホン作用
原因によっては自分で対処できる場合と、業者や管理人に相談したほうがいい場合がありますので、注意しましょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
原因①「封水の蒸発」
封水は長期間トイレの水を流さない状態が続くと蒸発してしまい、下水臭が発生する原因になります。
例えば、「旅行などで不在の日が続いた」、「賃貸物件で契約開始日から入居するまでの期間が長かった」などの状況で起こりやすい現象です。
特に真夏の暑い日などは蒸発スピードが上がるため、長期不在で封水切れが起きやすくなります。
蒸発が原因の封水切れであれば、水を足すことで下水臭が解決します。
夏場や長期不在することがわかっている場合は、封水の蒸発を防ぐため「便器の蓋をしめておく」「外出前に水を補給する」で予防しましょう。
原因②「毛細管現象(トイレのつまり)」
長期間トイレを使わなかったわけでもないのに、便器の中の封水が少なくなっている場合は、毛細管現象やトイレのつまりが原因になっている可能性があります。
「毛細管現象」とは便器の奥に流し切れなかったトイレットペーパーなどが引っかかり、水を吸い上げることで封水が少なくなってしまう現象です。
- 水を流してみる
- ラバーカップでつまりを解消する
- 固形物をつまらせた場合は手で取る
毛細管現象が封水切れの原因なら、水を流せば封水が戻ることもあります。
水を流しても封水が少ないままの場合はラバーカップを使ってつまりを解消しましょう。
ただし、ラバーカップで対処できるのは、水に溶けるものがつまったときだけです。
固形物や、水に溶けないものをつまらせたときにラバーカップを使うと、押し流してさらに奥でつまらせてしまうおそれがあります。
水に溶けないものがつまった場合は、ゴム手袋をつけ手で取り除いてください。
【参考】TOTO-故障診断
ラバーカップを使ったつまり解消の方法は、以下の記事に詳しく記載されていますので、ぜひ参考にしてください。
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【水110番 トイレ すっぽんの記事】
対処法を試しても封水が戻らない場合は、専門業者に相談しましょう。
原因③「誘導サイホン作用」
2階建て以上の家や集合住宅で起こりやすい「誘導サイホン作用」という現象も、封水切れの原因のひとつです。
誘導サイホン作用は、上階から一気に大量の水が流れ落ちてくることで排水管内の圧力が低くなり、トイレの封水が排水管へ吸いだされしまう現象のことです。
・個人での対処はできないため、専門業者か管理人に相談する
この現象の対処法としては、排水管内の空気圧の変動を少なくするために通気管の設置や排水管の交換が必要になります。
しかし、これらの作業は個人ではできません。
専門業者や管理会社に相談しましょう。
原因④「自己サイホン作用」
「自己サイフォン作用」とはトイレの水を流す際に一気に排水管に流れることで、本来便器内にたまるべき水も一緒に排水管に流れていってしまう現象です。
この現象は器具とトラップの組み合わせが悪いときや、排水管の配管が適切でないときに起こりやすい現象です。
そのため、新築であっても設計ミスなどで起こる可能性があります。
- 便器内にバケツなどで水を補給する
- 何度も自己サイフォン作用が起こる場合は専門業者や管理会社に相談
自己サイフォン作用が原因でトイレが下水臭くなっているときは、便器内に水を補給することで解決する可能性もあります。
しかし、トイレを使うたびに自己サイフォン作用が起きてしまう場合は、設計ミスや排水管の不具合が考えられるため、専門業者や管理会社に相談するようにしましょう。
封水切れ以外の原因は3つ
封水切れはしていないのに、トイレが下水臭くなっている場合は封水切れ以外の原因を疑いましょう。
封水切れ以外の原因は以下の3つが考えられます。
- ユニットバスのお風呂側の封水切れ
- 通気管と排水管の不具合
- 床排水トラップの不具合
次でそれぞれ詳しく解説していきます。
ユニットバスのお風呂側の封水切れ
賃貸物件などに多い、トイレとお風呂が一緒になっているタイプのユニットバスを使用している場合は、お風呂側の封水切れが原因で下水臭がしてしまうことがあります。
- お風呂側の封水が少なくなっていたら水を補給する
- 排水トラップのゴミを除去し掃除をする
トイレ側の封水に問題がない場合は、お風呂側の封水が少なくなっていないか確認しましょう。
お風呂側の封水を確認する方法は、浴槽の外の床に排水口のカバーがあると思いますので、そのカバーをはずして確認してください。
中の目皿は反時計回りに回せば外れるようになっています。
もしもお風呂側で封水切れが起きていたら、お風呂の水を流し、排水トラップに水を流せば解決する可能性が高いです。
排水トラップに髪の毛やゴミがたまっていると、毛細管現象により封水が流れ、封水切れが起きてしまうことがあります。
排水トラップにはゴミが流れていかないようにゴミ受けを設置し、定期的に掃除をおこないましょう。
排水トラップに水を補給したり、ゴミを掃除しても封水が戻らない場合は業者や管理会社に相談するようにしてください。
通気管や通気弁の不具合
トイレの通気管や通気弁の不具合が原因で封水が切れ、下水臭がトイレに漏れ出してしまうことがあります。
2階建て以上の建物の場合、トイレの排水管には通常「通気管」や「通気弁」が設置されています。
通気管や通気弁は、排水管内の圧力を調節して排水をスムーズにしたり、封水切れが起きないようにする役割があるため、とても重要です。
通気管や通気弁に不具合が起きていたり、破損していたりすると、排水管内の圧力が変化しトイレの封水を排水管に吸いだして封水切れが起きてしまうことがあります。
また、通気管や通気弁が設計ミスにより適切に設置されていない場合にも、下水臭が発生することがあります。
・個人での対処はできないため、専門業者か管理人に相談する
通気管や通気弁の不具合は、自分で対処するのは難しいため専門業者や管理会社に相談しましょう。
床排水トラップの不具合
床がタイルで作られているトイレの場合、床に排水トラップが設置されていることがあります。
この排水トラップが原因で、下水臭がすることがあります。
トイレの床にある排水トラップにはワンとよばれる蓋があり、まわりには封水がたまっています。
この蓋と封水により下水臭が上がってこないようにしていますが、蓋がずれたり、封水が切れたりすると下水臭が漏れ出してしまうことがあるのです。
- 蓋(ワン)がずれていたらもとに戻す
- 封水が少なくなっていたら水を補給する
床排水トラップがある場合は、蓋がずれていないか確認しましょう。
封水が少なくなっている場合は水を補給してください。
床排水は定期的に掃除や補給をすることで、下水臭を予防することができるでしょう。
自分での対処が難しいときはプロに依頼しよう
ここまで、トイレの下水臭の原因や対処法をご紹介してきましたが、
「自分でできる対策をしても解決できない」
「自分での対処が難しい」
場合は、専門業者に相談・依頼することをおすすめします。
アパートやマンションなど集合住宅に住んでいる方は、管理会社によって対処法や費用負担などが異なります。
そのため、管理会社に断りなく勝手に業者依頼してしまうと、あとから管理会社とトラブルになる可能性があるため注意が必要です。
トラブルを避けるため、集合住宅にお住まいの方はまずは管理会社に相談するようにしてください。
水トラブル専門の業者であれば、トイレが下水臭い原因をしっかりと調査し、適切な対処でトイレの下水臭をすぐに解消してくれるはずです。
業者を選ぶ際は【相見積り】を取り、複数社を比較して料金が適切か判断しましょう。
業者選びに迷った際は水道局指定工事店を選ぶと安心です。
法令や条例で定められた排水設備工事関する技術や技能を持っている、市に認められた業者(工事店)のことです。
不当な工事費用の請求や手抜き工事など防ぎ、市民が安心して工事を依頼できるように信頼できる業者を市が指定しています。
水道局に認められている工事店であれば、必要な知識と技術を持った信頼できる業者と判断することができます。
そのため、高額な費用を請求されたなどのトラブルにあう心配がないでしょう。
トイレトラブルでお困りの際は水110番におまかせください
業者選びでお悩みの場合は、ぜひ一度弊社水110番へご相談ください。
水110番は日本全国に加盟店を持ち、お客様のお悩みに合わせ適切な業者をご紹介しています。
トイレのトラブルは緊急性が高いものが多いです。
そういった「今すぐ来てほしい!」というご依頼にもすぐに対応できるよう、コールセンターは24時間365日体制でお電話を受け付けております。
トイレの下水臭のほかにトイレのつまりなどさまざまなトイレトラブルに対応しております。
トイレトラブルでお困りの際はお気軽にご相談ください。
また事前調査、お見積りは無料※で承っておりますので、業者に依頼するのが初めてという方も安心してご利用いただけます。
相見積りの際はぜひ水110番もご検討ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積り・キャンセルに費用をいただく場合がございます。
トイレが下水臭いときのQ&A
Q.パイプユニッシュは効果ある?
A.パイプユニッシュはトイレの下水臭には効果が期待できませんが、ヌメリ汚れによるニオイに効果がある商品はあります。
パイプユニッシュは、髪の毛や皮脂、石鹸カスなどのつまりに効果がある製品のため、トイレの下水臭には効果が期待できません。
なぜなら、トイレの下水臭の原因は封水切れや、トイレットペーパーなどのつまりによるものだからです。
パイプユニッシュのラインナップのなかには、トイレにも使用できる「パイプユニッシュ ブリーチフリー」という製品があります。
しかしこちらの製品が効果があるのはヌメリ汚れによるニオイとなっているため、下水臭には効果が期待できないでしょう。
パイプユニッシュシリーズは下水臭には効果が期待できませんが、ヌメリ汚れによるニオイが気になる場合はパイプユニッシュ ブリーチフリーを使用してみてはいかがでしょうか。
Q.雨が降ったあとにトイレが下水臭くなるのはなぜ?
A.雨が降った影響で下水道管に空気とトラップ封水が吸い込まれるのが原因です。
雨水と汚水でいっぱいになった下水道管の水が、雨がやんだことで勢いよく排水されるようになると、下水道管内の気圧が急激に下がります。
すると、排水管にたまった空気と一緒にトイレのトラップ封水まで下水道管に吸い込まれてしまい、封水切れが起きてしまうのです。
そのため、雨が降ったあとには下水道のニオイがトイレに上がってきてしまうことがあります。
雨が降ったあとにトイレのトラップ封水が少なくなっていた場合は、水を足してください。
トイレに充満した下水のニオイは、封水に水を足し換気をすれば解消されます。