「たまに便器と床の境目に、水たまりができている。家族にも確認してみたが、どうやら水漏れしているようだ……」
トイレの床の水漏れが起きている場合、まずは水漏れ箇所を特定することが大切です。トイレには水漏れしやすい箇所がいくつかありますが、原因を特定しないと修理にとりかかることができません。
このコラムでは、トイレの水漏れしやすい箇所・水漏れ箇所別の対処法について解説しています。そのほか、トイレの水漏れ修理を業者に依頼したときの費用相場やマンションのトイレが水漏れしている場合の対処法についても解説していますので、あわせてご覧ください。
また、水漏れでお困りの際には【水漏れ原因の調査・修理方法】、床以外の水漏れ症状についてもまとめた【トイレの水漏れ原因と修理方法】もお役に立つはずです。
目次
トイレの水漏れしやすい箇所をチェック!
「最近、トイレの水漏れがたまにある。まずは何をすればよいのか……」
トイレから水漏れしているときは、まず水漏れの原因を特定しましょう。原因ごとに、水漏れの対処の仕方が異なります。
ここでは、トイレの水漏れの原因を箇所別にご紹介します。ぜひ、自宅のトイレが水漏れする原因を特定するときの参考にしてください。
ただし、水漏れ箇所によっては、自分で直せない場合があります。そのときは、業者に依頼して直してもらいましょう。
1.便器と床の隙間
便器と床の隙間(すきま)から水漏れしているときは、おもに4つの原因が考えられます。
- 床下にある排水管が劣化、または破損している
- 便器の設置の仕方に問題があった
- フランジパテの劣化
- 便器のひび割れ
※フランジパテとは、便器と床下にある排水管を接続するときに使う部品
水漏れの原因を調べるために、便器のなかに絵の具などで色をつけた水を垂らしてみましょう。便器と床の隙間から色のついた水がでてこなければ、床下にある排水管が劣化・破損し、そこから水漏れしているおそれがあります。
その場合は、床板を外して調査する必要があり、素人には難しいので、業者に依頼することをおすすめします。
フランジパテの劣化が水漏れの原因であれば、自分で新しいものに交換して修理することができます。修理の方法については、【トイレの水漏れ箇所別の対処法】で説明いたします。
2.給水管・洗浄管
給水管とは、トイレの止水栓とタンクをつなぐパイプのことです。排水すると、止水栓から給水管を通じてタンク内に給水されます。
洗浄管とは、タンクと便器をつなぐ太いパイプのことです。それは、基本的に和式トイレで使われています。
そんな給水管・洗浄管から水漏れする原因の多くは、以下のふたつです。
- 接続部分に取り付けられているパッキンが劣化している
- 接続部分を締めつけて固定しているナットが緩んでいる
3.タンク内
タンク内で水漏れすると、「ポタポタ」または「チョロチョロ」という音がすることが多いです。その場合、以下のふたつの原因が考えられます。
・ボールタップの故障または浮き球の不具合
ボールタップは、給水管と洗浄管との間にある部品で、浮き球ともつながっています。浮き球は、タンク内の水位を調整するための球体の部品です。それは基本的にプラスチックでつくられています。排水すると、タンク内の水位とともに浮き球も下がります。
すると、ボールタップの止水弁が開いて、洗浄管から水がタンク内に流れるのです。水位が上昇し浮き球が上がると、ボールタップの止水弁が閉じ、洗浄管からの給水が止まります。
しかし、ボールタップが故障、または浮き球の根元の棒が下に曲がっているなどの不具合があると、止水弁がきちんと閉じないことがあります。止水弁が閉じないと、その度合いによって、洗浄管から「ポタポタ」または「チョロチョロ」と給水が止まらなくなるのです。
・フロートバルブが引っ張り上げられている
フロートバルブは、タンクの底にある黒色の部品で、ボール型またはボールを半分に切った形をしています。排水レバーとフロートバルブは鎖でつながっています。排水レバーをまわすと、フロートバルブが鎖に引っ張り上げられ、タンクの底から排水がされるという仕組みです。
しかし鎖が絡まるなどの原因で、フロートバルブが引っ張り上げられた状態が続くと、タンクの底の排水口が開いたままになり、水位が上昇しません。水位が上昇しないと浮き球も上がらないので、ボールタップの止水弁が閉じず、洗浄管からの給水が止まらなくなるのです。
4.ウォシュレット
ウォシュレットを使用している場合、以下の原因で水漏れします。
- お尻を洗うためのノズルの劣化
- 温水タンクの不具合
- ウォシュレット本体と給水ホースを接続するナットの緩み、パッキンの劣化
- 給水フィルターの劣化・ゴミのつまり
- バルブユニットの故障
- ウォシュレット本体内部の部品が故障し、操作ボタンから水漏れする
ノズルの劣化が原因の水漏れは、自分で新品に交換すれば直ることがあります。その交換方法については、【トイレの水漏れ箇所別の対処法】で説明いたします。
ノズルの交換以外の機械的な修理は、水道工事業者では対応できないことが多いです。その場合、基本的にウォシュレット本体を交換することになります。
ここまで読んでみて、トイレの水漏れ箇所が見つからない、自分で探す自信がないという方は、プロの水道工事業者に依頼して点検してもらいましょう。
トイレの水漏れ箇所別の対処法
トイレの水漏れは、その原因ごとに対処法が異なります。原因によって自分で対処できるものもあれば、業者に依頼しないと対処できないものもあるのです。
ここでは、自分でできるトイレの水漏れの対処法を、箇所別に解説していきます。では順にみていきましょう。
1.便器と床の隙間
便器と床の隙間から水漏れする原因がフランジパテの劣化である場合、自分でその部品を交換して修理することができます。
フランジパテはネット通販やホームセンターなどで購入することができます。その価格は、200円~300円ほどですので、自分で交換する場合は経済的にもそれほど負担にはならないでしょう。フランジパテの交換手順は、以下のとおりです。
1.止水栓を閉めてタンク内への給水を止める
※止水栓:トイレの壁にある水量を調整するための水栓
2.レバーをまわして排水し、タンクを空にする
3.床に漏れないように、便器内の汚水をバケツや灯油ポンプなどを使い、すべてくみ出す
4.モンキーレンチなどを使ってナットを緩め、タンクと接続している給水管を外す
5.便器を固定しているボルトのナットを緩め、ボルト・ビスを外す
6.タンクを持ち上げ、床に敷いたタオルの上に横向きに寝かせる
7.フランジが床からとれないように便器をゆっくり外す
※フランジとは便器と排水管をつなぐための部品で、上からみると円い形をしている
8.便器とフランジを接着しているフランジパテをマイナスドライバーを差し込んで剥がす
9.新しいフランジパテをフランジと便器の間に挟み込む
10.1~8を逆の手順でおこない、水漏れがないことを確認したら作業完了
この手順をみると、フランジパテの交換を個人でおこなうのはとても手間がかかります。正確に便器を取り付けることができない場合、水漏れが悪化する可能性もあります。
ここまで読んでみて、フランジパテを自分で交換する自信がない、便器の脱着作業が面倒だという方は、プロの水道工事業者に依頼するとよいでしょう。
2.給水管・洗浄管
給水管・洗浄管から水漏れする原因がパッキンの劣化の場合、自分で新しいものと交換して直すことができます。パッキンの交換手順は、次のとおりです。
1.マイナスドライバーなどで止水栓を閉めて、給水を止める
2.給水管・洗浄管の接続部分に使われているナットを、モンキーレンチなどで時計と反対の方向にまわして緩める
3.既存のパッキンを新しいパッキンに交換する
4.1~2を逆の手順でおこない、止水栓を開ける
給水管・洗浄管から水漏れがなければ、作業は終了です。
3.タンク内
浮き球の根元の棒が下に折れ曲がっていることが原因で、洗浄管からの給水が止まらない場合は、棒を上に曲げるなどの調整で直ることがあります。ゴムフロートの鎖が絡まっている場合は、基本的にそれをほどくことで直ります。しかし、そのようなタンク内の部品を調整しても水漏れが直らない場合は、部品の交換が必要かもしれません。ここでは、自分でゴムフロートを交換する手順をご紹介します。
1.タンク内への給水を止めるために、止水栓を閉める
2.タンク内の水を空にするために、レバーをまわして排水する
3.古いゴムフロートを鎖から外し、新しいものと交換する
4.止水栓を開け、タンク内に給水する
5.タンク内の水の量が標準水位になるように、ボールタップの付け根にある水位調節リングで給水が止まる位置を調整して作業完了
※手順5ですが、つまみを引き上げてから次の操作で水位を調整します。
- 水位を1cm上げるときは、つまみを向かって右側に90度まわす
- 水位を1cm下げるときは、つまみを向かって左側に90度まわす
※標準水位は、オーバーフロー管の先端から約3cm下に表示されています。オーバーフロー管はタンクの中央にあるパイプ状の部品です。
4.ウォシュレット
ウォシュレットのノズルが劣化すると、水が流れ続けて止まらなくなるおそれがあります。その場合、ノズルを新しいものに交換しますが、基本的に自分で修理することができます。まずはノズルが原因かどうか次の項目を試してみてください。
- リモコンで操作するタイプであれば、リモコンの電池を新しいものに交換してボタンを押してみる
- ノズルにゴミがたまっていれば掃除してみる
これらの項目を試してみても水漏れが直らない場合は、ノズルを交換してみてください。ノズル交換は自分でも可能です。
ノズルをホームセンターやネット通販で購入したら、交換していきます。その交換手順を以下に示しました。製品によって異なる場合もありますので、詳細な手順は製品の取扱説明書でご確認ください。
1.タンクとウォシュレットへの給水を止めるために、止水栓をマイナスドライバーで閉める
2.漏電防止のため、ウォシュレットの電源プラグを抜く
3.劣化したノズルの先を指でつまみ、左にまわして引き抜く
4.新しいノズルを差し込み、右にまわす
5.説明書に書いてある方法でノズルを収納する
6.電源プラグを差し込み、止水栓を開いても水漏れがなければ作業完了
トイレの水漏れ修理を業者に依頼したときの費用相場
トイレの水漏れを自分で修理できなかった場合、水道工事業者に依頼することになります。その場合の費用相場を水漏れ箇所別に、以下にまとめてみました。
〇便器と床の隙間からの水漏れ
- ひび割れた便器を新品に交換(トイレ本体の代金を含まない):約3万円~約5万円
- 便器脱着:約2万円
〇給水管・洗浄管からの水漏れ
- パッキンの交換:約1万円
〇タンク内の水漏れ
- フロートバルブの交換、フロートバルブについている鎖の交換:1万円前後
- 割れた浮き球の交換:約9,000円
- ボールタップの交換:約8,000円~約1万円
- 水位の調整:約8,000円
〇ウォシュレットの水漏れ
- 給水ホースとウォシュレット本体の接続部分にあるパッキンなどの交換:およそ8,000円
- ウォシュレット本体の交換費用(本体代金を含まない):約7,000円~約1万5千円
ただし、これらの費用相場は目安にすぎません。正確な金額を知りたい方は、水道工事業者から見積りをとることをおすすめします。
マンションのトイレが水漏れしている場合は?
マンションなど賃貸住宅のトイレが水漏れしているときと、持ち家の場合とは対応の仕方が異なります。賃貸契約の内容や水漏れの原因などによって、修理費用を負担する人が変わります。
基本的には、修理費用を負担するのは貸主です。しかし、自分で修理しようとしてトイレの部品を壊したなど、借主の過失が原因で水漏れした場合は、借主が修理費用を負担することになる場合があります。
マンションのトイレが水漏れしているのを発見したら、まずは大家さんや管理会社に連絡し、修理費用をどちらが負担するのか確認しましょう。
もし、自分が修理費用を負担することになった場合、どの水道工事業者に依頼してよいかわからないという方は、ぜひ弊社にご依頼ください。ご依頼いただければ、お近くの業者をすぐにご紹介いたします。ぜひ一度ご連絡ください。
まとめ
トイレの水漏れがたまに起きる場合は、まずこのコラムで紹介した4つの水漏れしやすい箇所を確認し、原因を特定します。
原因を特定し、自分で修理できそうであれば、パッキンやノズルの交換などここで紹介した方法を試してみてください。ただし、水漏れの原因によっては、自分で修理できないものあります。
自分で修理するのが難しい、自分で修理するのは面倒だという方はプロの水道工事業者に依頼するとよいでしょう。その場合は、ぜひ弊社にご依頼ください。
ご依頼いただければ、弊社に加盟する経験豊富な業者が、適切に対処いたします。もちろん通話は無料ですので、お気軽にご連絡ください。