いつものようにトイレを使おうと思ったら、水がなくなっていたというときは、考えられる原因が複数あります。まずはどこに不備があるのか確認しましょう。
トイレの水がなくなる原因が判明していないと、正しい対処をすることができません。そのため、直すどころか症状を悪化させてしまうおそれがあります。
水がなくなるのはトイレタンクか便器内のどちらかです。それぞれどのようなことが原因で水がなくなってしまうのかをご紹介します。自力で対処できないケースもあるので、この記事を参考にして原因をしっかり調べ、適切な対処をおこないましょう。
トイレタンクに水がないときの原因と対処法
トイレタンクの水は流してみるまでなくなっていることに気付かないことがあるでしょう。もし「すぐに一度水が流したい!」という場合は、バケツに大量の水を用意して、勢いよく便器に流してください。
ただし、この方法はあくまでも応急処置です。1回分は流せたとしても、何度も使える対処法ではありません。以下の4つのポイントを調べて、早めに状況を改善しておきましょう。
(1)止水栓を閉めている
止水栓とは、トイレタンクへの給水を調節する蛇口のことをいいます。止水栓が閉まっていると、正しくトイレタンクに水を送ることはできません。
【対処法】
止水栓を開けてトイレタンクに給水しましょう。トイレタンクの止水栓は右に回すと閉まり、左に回すと開けるという場合が多いです。止水栓を開けるときには、マイナスドライバーが必要になることがあるので、事前に用意しておくとよいでしょう。
(2)ゴムフロートがうまく可動していない
通常、トイレの水は、レバーをひねるとタンク内のゴムフロートが持ち上げられて、便器内に水を流すことができる仕組みになっています。しかし、タンク内にあるゴムフロートを持ち上げる鎖が損傷していたり、途中で切れていたりすると、うまく水を流すことができなくなるのです。
また、ゴムフロートに水アカやゴミが付着していたり、ゴムフロート自体が破損していたりすると、レバーをひねっても正常に機能しないことがあるでしょう。
【対処法】
・鎖が原因の場合
新しい鎖に交換しましょう。トイレタンクの鎖はホームセンターなどにいくと購入することができます。
掃除してゴミをきれいに取り除きましょう。 ・ゴムフロート本体が劣化している場合
ゴムフロートを新しいものに交換しましょう。鎖同様、ホームセンターなどで購入可能です。
(3)浮き球がタンク内で引っかかっている
トイレタンク内に設置されている浮き球は、タンク内の水量を調整する役割を果たしています。浮き球が壁などに引っかかっていると、うまく水量を調整できなくなってしまうのです。
【仕組みと対処法】
水位が下がって浮き球が一定の位置から下がると、タンク内の水が減ったことがわかるので、タンク内に給水がおこなわれます。そして、水が一定の位置に達すれば給水が止まる仕組みになっているのです。
しかし、浮き球が引っかかっていると、水が減ったことが給水設備に伝わらないため、タンク内に水が入ってこなくなります。引っかかりを外して元の位置に戻してあげましょう。
(4)ボールタップが故障している
ボールタップとは、トイレタンク内の水を調整している水栓のことをいいます。浮き球の根元部分のことをいい、給水の弁を開閉してタンク内の水量を調整する役割を果たしています。しかし、水アカやゴミが付着していると、ボールタップは機能しません。
【対処法】
ボールタップを取り外して、ブラシなどできれいに掃除しましょう。それでも直らない場合は、壊れてしまっている可能性が高いので、ホームセンターなどで新しいものを購入して交換してください。
便器内の封水がなくなったときの原因と対処法
トイレの便器には常に少し水が張られています。この水は封水といって、排水路から漂ってくるにおいの蓋をする役割があります。封水がなくなってしまうと、排水路から悪臭が漂ってくることもあるため、早急な対処が必要です。
(1)異物や汚れによるつまり
排水管にトイレットペーパーや髪の毛などが溜まってしまうと、トイレの封水がなくなる原因になってしまいます。これは、トイレットペーパーや髪の毛などの細かい繊維がトイレの水を吸い上げてしまうからです。このような現象は毛細管現象と呼ばれています。
【対処法】
・バケツで勢いよく水を流してみたり、お湯を流してみたりすると効果的でしょう。
・ラバーカップ(スッポンとも呼ばれています)を使用してつまりを解消させましょう。使い方は以下の通りです。
(1)トイレの止水栓を止めて放置し、便器の水を減らします。
(2)そしてラバーカップを排水口に密着させて、ゆっくりと押し込みましょう。
(3)限界まで押し込んだらラバーカップを勢いよく引っ張ります。
ラバーカップを使用するときは、水が飛び散ったときのために、周りに新聞紙やぞうきんを敷いておくと安心です。
(2)自己サイフォン作用で水がなくなる
通常、トイレの水は排水管がS字型になっているため、自然と水が溜まる構造になっています。しかし、トイレの水を流したときの勢いが強いと、封水が溜まらなくなってしまうことがあるのです。これを自己サイフォン作用と呼びます。
【対処法】
バケツに水を入れて、直接ゆっくり水を流し込む方法が応急処置としては有効です。ただし、それだけでは根本的解決にならないので、止水栓を少し閉めて流れる水の勢いを調整するとよいでしょう。
水の勢いを調整しても解決しないようであれば、排水管の交換が必要かもしれません。その場合は業者に相談してみましょう。
(3)気圧の変化によって水がなくなる
マンションやアパートに住んでいる方は、排水管の気圧の変化によって、トイレの封水がなくなることがあるようです。
上階の人がトイレで大量の水を流すと、水が流れる力によって排水管内の空気圧が変化して、封水が吸引されてしまいます。これを誘導サイフォン作用といいます。
【対処法】
排水管内の空気圧の変化に対応するには、通気管を設置して外から空気を入れたり、排水管の大きさを変更したりするのがよいです。ただし、賃貸物件は基本的に自己判断で設備を変えたり設置したりすることができないので、大家さんに相談してから対処するようにしてください。
(4)蒸発によって水がなくなる
旅行などで長い間家を空けると、その間トイレの水を流さないので、水が蒸発してしまうことがあります。とくに夏場は、多くの水が蒸発してしまうことがあるでしょう。
【対処法】
一度水を流せば、再び正常に機能する場合が多いです。また、封水の蒸発を予防する薬剤もあるので、今後は旅行前に薬剤を注いでおくとよいかもしれません。
ご紹介した方法で直らない場合は、目に付かないような場所に水がなくなる原因があるかもしれません。早めに業者に相談して適切な対処をしてもらいましょう。
自分で対処できないときは業者に相談しよう
トイレのトラブルは放置しておくと、排水管ごと交換などになってしまうことがあるため、できるだけ早く対処することが大事です。
部品交換程度であれば自分で簡単に修理できる場合もありますが、「失敗してしまうかもしれない」と不安に思う方もいるでしょう。
水回りのトラブルは修理に失敗すれば症状が悪化したり水漏れなどの別のトラブルに発展したりするおそれがあります。少しでも自分で直すことが難しいと感じる場合は業者に修理を依頼するのがおすすめです。
業者した場合の料金
トイレの修理を業者に依頼した場合の料金は、作業内容や扱う部品などによって異なり、目安は以下の表程度です。
部品交換 | 5,940円 |
排水管交換 | 8,820円 |
※料金はトイレの修理をおこなう業者5社のホームページなどに記載されている金額の平均値を算出したものです。(2020年10月時点)
しかし、トイレトラブルの状況によっても料金は異なります。費用面が心配な方は、見積りをとるなどして事前に詳しく費用について確認しておきましょう。
信頼できる業者の選び方
信頼できる業者を選ぶコツはおもに4つです。最低限以下の条件に当てはまる業者に修理を依頼しましょう。
・無料で現地調査をおこなってくれる
・見積り料金が明確に設定されている
・アフターサービスが充実している
注目する点が多いわけではありませんが、修理業者の数が多ければ、信頼できる業者を見つけるのは時間がかかる大変な作業です。早めに対処が必要な場合は、弊社にお電話ください。迅速にトラブル解決に向かえる業者をご紹介します。
トイレの水がなくならないようにするための予防法
トイレは日常的に使用するものです。トラブルはなるべく発生しないようにしたいでしょう。トイレの水がなくなるのを防ぐためには、以下のような点に注意することが重要です。
・一度に大量のものを流さない
一度に多くのトイレットペーパーなどをトイレに流してしまうと、つまりの原因になることがあります。毛細管現象によって封水がなくなる原因にもなるでしょう。
トイレに小さなゴミを流したり大量にトイレットペーパーを流したりしないよう、日ごろから意識してトイレを使ってください。
・トイレタンクのメンテナンスをおこなう
長年使っていると、トイレタンクが汚れてしまい、正常に機能しなくなることがあるかもしれません。そのため、トイレを掃除するときに、トイレタンク内も一緒に確認するとよいでしょう。
ご紹介した対策をおこなうことで、トラブルを防ぐことができる可能性は高くなります。しかし、どれだけ予防をしていても、トラブルが絶対に発生しないというわけではありません。
自分では手に負えないトラブルが起こった場合は、プロの業者に修理してもらいましょう。弊社の相談窓口は年中無休です。いつでもお気軽にご利用ください。