ツゲの剪定は年に2回おこないます。また、剪定の際にはバッサリと枝を切る刈り込み剪定をおこなうことで、風通しをよくして健康的でキレイなツゲを育てることができます。
しかし、ツゲの剪定に慣れていない方だと、剪定の時期や剪定方法がわからないということもあるでしょう。間違えた作業をおこなうと、ツゲが枯れてしまうこともあります。
また、庭木と生垣では剪定方法が異なります。
適した時期と樹形に合わせた方法で剪定をおこなうことが大切です。
この記事では、庭木と生垣それぞれの剪定方法、適した時期や注意点についてご紹介しております。基本的な育て方についてもまとめておりますので、ツゲを元気に美しく育てたいという方はぜひ参考にしてください。
庭木と生垣で異なるツゲの剪定方法
ツゲは萌芽力が強く、勢いのある元気な木です。大きく育ちやすく、樹形も乱れやすいです。
樹形が乱れてしまうと、見た目もきれいでなくなってしまいます。また、日当たりや風通しも悪くなり、病害虫が発生する原因にもなってしまいます。
ツゲを健康に育てるためにも、剪定はしっかりおこないましょう。
まずはツゲの剪定に適した時期と剪定方法について解説します。庭木と生垣では剪定の方法が異なりますので、ご自宅のツゲにあった方法でおこなってください。
【剪定方法1】庭木のツゲ
庭木として植えたツゲは、玉づくりといって丸形に仕立てる方法が一般的です。他にも、玉づくりの派生で、玉散らしというひとつの木にいくつも玉を作る方法や、トンガリ帽子のような円錐型、半球型などさまざまな樹形があります。また、工夫をこらして動物型のトピアリーとして仕立てることもできます。
庭木のツゲは、剪定ばさみで自分の好みの形に刈込むことができます。しかし、好みの形を作ろうとなるとしっかり完成図をイメージし、全体を見ながら切らないとバランスが悪くなってしまうので気を付けましょう。
剪定をするにあたって、上にボリュームを持たせて頭でっかちにしてしまうと倒れやすくなってしまいます。全体のボリュームに気を付けて剪定することが大切です。木の上のほうが日当たりも良く芽が伸びるため、上のほうを強剪定(バッサリと短く刈込む)することがおすすめです。
また、健康に育てるためにも内側の込み入った枝や下向きに生えているもの、色の悪い枝を見つけたら「間引き剪定(透かし剪定)」という作業をおこないます。込み合った枝を切る作業をおこなうことで風通しや日当たりがよくなり、健康的に育てられますよ。
- 完成した樹形をイメージしてから剪定をおこなう
- 全体のボリュームに気を付ける
- 上のほうを強剪定する
- 不要な枝は間引き剪定をする
【剪定方法2】生垣のツゲ
生垣として植えたツゲを剪定するには、剪定ばさみや植木用の電動バリカンを使用して刈り込みます。箱型に剪定をおこなう場合には、しっかりと均一になるように全体のバランスを見ながらおこないましょう。
生垣の場合にも間引きをおこないますが、あまり間引きをしすぎて内部がスカスカになってしまっては目隠しの意味がありません。切りすぎないように気を付けて剪定をおこなってください。
また、身長を超えてしまう大きさだと脚立などを利用することになり、手間と時間、危険も増えます。自分で剪定をおこなう場合には身長より小さく刈り込むことがおすすめです。
- 全体のバランスを見ながら刈り込みをおこない樹形を整える
- 自分の身長よりも小さく刈り込むことで手入れがしやすくなる
剪定はプロにお任せするのも手段のひとつ
ツゲを育てるには、剪定も欠かせません。ツゲはよく枝を伸ばすため、剪定をしないと日当たりや風通しが悪くなり、害虫や病気の原因になってしまいます。
また、弱った枝や他の枝の生長を邪魔する枝を剪定で間引くことにより、養分を他の部分にいきわたらせ、健康に育てることができます。
ツゲの剪定は自分でおこなうこともできます。しかし、木が大きく育ってしまい脚立が必要な場合や、しっかりときれいな樹形に剪定するのは難しそうと感じられるかもしれません。
そんなときには、無理せずプロに相談することがおすすめです。大きく育ったツゲでも、プロの技で美しく仕上げてくれますよ。
剪定110番では、ご要望をお伺いしたうえでそれに合わせて対応可能な加盟店をご紹介しております。年中無休でご相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
ツゲの剪定をするときに知っておきたいポイント
ツゲの剪定をおこなうときに知っておきたいポイントをまとめました。剪定は時期を誤ると木を枯らしてしまうこともあります。そのようなことがないように、しっかり確認しておきましょう。
枯らさないコツは弱ったツゲを剪定しないこと
剪定は樹木に大きなダメージを与えます。
生長時期など樹木が元気なときは修復が早く、より強い木に育てることができますが、弱っているときに剪定をしてしまうと修復する力がなく、そのまま枯れてしまうことがあるのです。
そのため、弱っているときの剪定はおすすめしません。もし枝が飛びだしているなど樹形が乱れているときには、その部分だけ剪定をおこないましょう。
木の元気がないと気づいたときには、害虫の被害や病気にかかっていないか、水や栄養は十分足りているかなどを確認して、対処をおこなってください。
ツゲの剪定は年2回がおすすめ
ツゲの剪定は年に2回、6月と9月におこなうのがおすすめです。
ツゲの剪定で役立つ道具
ツゲの剪定をおこなうのに欠かせないのが、「剪定ばさみ(刈り込みばさみ)」です。ツゲの剪定は、細く多く茂る枝をしっかり切るため、このハサミを使って樹形を整えバサバサと切っていきます。
生垣を剪定する場合には、植木用の電動バリカンがあると便利です。広い範囲を剪定ばさみで刈ることは大変労力が必要です。時間短縮ができて、まっすぐ整えやすい電動バリカンをおすすめします。
ツゲの基本的な育て方
ツゲを元気に育てるために必要なことを紹介します。当たり前のことから、気を付けておきたいことまで解説しますので、育てる際に参考にしてください。
ツゲとイヌツゲの見分け方
ツゲはツゲ科ツゲ属の常緑樹です。
葉や樹木の大きさなどが似ていることからイヌツゲと間違われやすく、盆栽や庭木などの売り場には、イヌツゲがツゲとして売られていることがあります。しかし、属性の違う別の植物です。
ツゲとイヌツゲでは剪定時期や方法が異なります。
どちらも黒色の実なので、パッと見ただけでは見分けることは難しいかもしれません。しかし葉の生え方や花には細かい違いがあるので、間違いえた手入れをしないよう確認しておきましょう。
ツゲ | イヌツゲ | |
属性 | ツゲ科ツゲ属 | モチノキ科モチノキ属 |
葉 | 左右対称 | 互い違い |
花 | 花弁がなく雌花が伸びている | 4枚の花弁の花 |
実 | 熟れるとはじけて種が飛び出す | 実ははじけない |
ツゲを育てる環境
ツゲは日当たりのよい場所を好むので、よく日の当たる場所に植えましょう。アルカリ性の土壌だと葉がきれいに育ちますが、中性でも育てることができます。しかし、酸性に寄ってしまうとツゲが弱ってしまうため、石灰を撒いて中和させましょう。
水やり・肥料の頻度
水やりは、地植えであれば雨だけで育てることができます。日照りの強い日や雨の降らない日が続いて乾燥しているときには、水をやりましょう。
肥料は、2月に寒肥を与えます。油粕か腐葉土、たい肥などを周辺の土に混ぜ込むと新芽がよく育ちますよ。
ツゲの成長には正しいお手入れが大切
ツゲを元気に育てるためには、正しいお手入れも大切です。もし自分でのお手入れに疑問や不安があれば、プロに相談するのもよいでしょう。プロであれば元気に育てるための正しい手入れや剪定をしてくれます。
弊社ではご依頼前のご相談も対応しております。現地調査を無料でおこなうことも可能ですので、ご納得のうえ、依頼いただくことができます。まずはお気軽にご相談ください。
ツゲを健康に育てるために気を付けたい病害虫
病害虫の被害にあうと、大切に育てたツゲが弱ってしまったり、枯れてしまったりすることがあります。ツゲに起こりやすい病害虫についてご紹介しますので、被害にあわないよう原因や予防について確認しておきましょう。
害虫は見つけたら早めに退治
ツゲに害虫がいた場合は、植物用の殺虫剤を使用して早めの対処が大切です。
大した被害はないだろうと放置していると、害虫の大量発生などにより木を枯らし、他の木にも被害がおよんでしまうおそれがあります。
ツゲノメイガ
ツゲノメイガはツゲだけを食べます。幼虫のときにツゲにつき、ツゲを植えたら必ず現れるといわれるほどよく出現します。
北海道から九州までに分布し、食害によって枯れることもあるため、薬剤などを用いて早めに駆除をおこないましょう。
ハダニ
風通しの悪い場所に発生します。ハダニが発生すると葉の調子が悪くなり、ツヤがなくなり葉が変色します。
ハダニは水に弱いため、基本的に水をかけることで駆除することができます。しかし、水をかけても駆除ができなかった場合は、薬剤を使用して駆除をおこないましょう。
これらの害虫は、ツゲが枯れてしまう原因となるおそれがあるため、見つけ次第駆除をおこなうようにしてください。
ツゲの枝が枯れる症状に要注意
ツゲは風通しが悪いときに枯枝病にかかることがあります。枯枝病とは、剪定後の枝などの傷から褐色の病斑が現れ、徐々にツゲを枯らしてしまう病気です。
見つけたときには、枯れた部分を刈り取ることで進行を防ぐことができます。
予防するには、間引き剪定をおこなって風通しをよくしたり、剪定の際にハサミを火であぶるなどして消毒したりしておくことが大切です。
詳しくはテキストをご覧ください。
病気や害虫で弱った枝は剪定で早めに取り除く
病気や害虫の被害をそのまま放置していると、気づいたときには枯れているなど、被害が大きくなってしまうことがあります。そんな事態を防ぐためには、日ごろからツゲの手入れをおこない、病害虫の好まない環境を作ることが大切です。
もし自分でおこなう手入れに不安があるときというには、プロに相談してみましょう。プロの視点から育てるポイントなど相談に答えてもらうこともできますよ。
弊社では電話窓口を設けています。剪定や手入れでお困りでしたら、まずは弊社までお気軽にご相談ください。依頼者のご要望にそった剪定のプロをご紹介いたします。