剪定には「基本剪定」と「軽剪定」の2種類があります。
基本剪定は枝や葉を大きく切って植物の形を整える剪定のことです。対する軽剪定は日当たりや風通しをよくするために枝や葉を軽く整える剪定のことです。
それぞれの剪定をおこなう時期は植物の種類によって異なるので、剪定したい庭木に適した時期を確認しましょう。当記事では剪定の基礎知識から実際の剪定手順まで解説します。また業者による剪定費用相場もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
【植物の種類別】基本剪定・軽剪定の時期
すでにお伝えしたように、剪定には基本剪定と軽剪定の2種類があります。ここではそれぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
・基本剪定
太い枝やたくさんの枝をバッサリと切る剪定方法です。大きくなった木を小さくまとめたり、形を変えたりする目的でおこないます。また、強く切ることで新芽の生長を促す効果もあります。多くの枝を切られてしまうので、基本剪定は木にとって負担が大きい剪定方法です。
・軽剪定
枝不要な枝葉を間引いたり、伸びすぎた枝を適度に短く切る軽めの剪定方法です。日当たりや風通しをよくし、病害虫を予防します。基本剪定に比べると木に与える負担が小さいので、木の生長によって枝葉が伸びて樹形が乱れてきたらその都度おこないましょう。
以下では、植物の種類別に、これらの剪定をおこなう時期を解説します。
常緑樹の剪定時期
1年中葉をつけている常緑樹は、広くて光沢のある葉をもつ「常緑広葉樹」と針のように細長い葉をもつ「常緑針葉樹」にわかれます。それぞれの剪定時期は以下のとおりです。
〇常緑広葉樹
・基本剪定は3~6月、軽剪定は8~10月
例)ツバキ、キンモクセイ、サザンカ
〇常緑針葉樹
・基本剪定は3~5月、軽剪定は10~11月
例)マツ、スギ、ヒノキ
常緑樹は寒さに弱いので基本剪定も軽剪定も真冬以外でおこないます。ただし常緑針葉樹は寒さに耐性があるため、負担の少ない軽剪定であれば冬場におこなっても問題ありません。
落葉樹の剪定時期
秋になると葉が落ちる落葉樹も、常緑樹と同様に「落葉広葉樹」と「落葉針葉樹」にわかれます。それぞれの剪定時期は以下のとおりです。
〇落葉広葉樹
・基本剪定は12~2月、軽剪定は3~6月または9~10月
例)ハナミズキ、モミジ、ヤマボウシ
〇落葉針葉樹
・基本剪定は12~3月、軽剪定は3~6月または9~10月
例)イチョウ、メタセコイア、カラマツ
落葉樹は冬になると葉を落とし休眠に入るので、負担の大きい基本剪定は冬場におこないます。軽剪定については枝葉が伸びてきたらその都度おこなうのがよいですが、真夏の生長期は負担が大きくなりやすいのでできる限り避けるようにしましょう。
花木・果樹の剪定時期
花木や果樹の剪定時期はこれまでご紹介した常緑樹、落葉樹とは少し異なります。花を咲かせる「花木」は、花が咲き終わった直後に基本剪定をおこないましょう。軽剪定は冬から春の間におこなうのが基本です。
果実の収穫が目的の果樹は、12~2月に軽剪定をおこないましょう。不要な枝や葉を切って風通しや日当たりをよくすることで病害虫を予防し、実つきをよくさせます。ただし、種類によっては剪定時期が前後する場合があるので、必ず確認してください。
わからないことは業者に相談!
このように剪定時期は植物の種類によって異なります。剪定時期を間違えると植物が弱ってしまうおそれがあるので、正しい時期に正しい方法でおこなうことが大切です。もし剪定に関してわからないことがあったら業者に相談してみましょう。剪定業者をお探しのさいはぜひ弊社にお電話ください。
剪定で切る枝の種類と剪定のコツ
次は剪定で切る枝の種類を確認しましょう。剪定で切る枝は以下のような枝です。迷ったときの参考にしてください。
・平行枝
ほかの枝と重なるように伸びた枝
・徒長枝
幹や太い枝から極端に勢いよく伸びた枝
・車枝
1ヶ所からたくさんの枝がわかれている枝
・絡み枝
ほかの枝に絡みついている枝
・ふところ枝
幹の方向に向かって伸びている枝
・下がり枝
地面に垂れ下がっている枝
・ひこばえ
その植物の根本から出ている細い枝
以下では、このような枝を切るときのコツをご紹介します。
コツ1.根本から切る
枝を切るときは根元から切りましょう。枝の途中で切るとその部分が枯れ込んだり、切った部分から変な方向に枝が伸びて前よりも樹形が乱れたりするおそれがあります。
コツ2.外芽を残して切る
樹形を横に広げたいときは、あえて枝の途中で切って新しい枝を出させる「切り戻し」をおこないます。枝は芽が出ている向きに沿って伸びていくので、外芽(外側に向いた芽)の少し上で切るのがポイントです。
コツ3.太い枝はなるべく切らない
太い枝を切ってしまうと木に大きな負担がかかります。最悪の場合、枯れてしまうこともあるので、どうしてもという場合以外は切らないほうが無難です。
剪定で使う道具と剪定の手順
ここからは実践編です。まずは剪定に使う道具を確認しましょう。。はさみ類を使うときは傷口から雑菌が侵入しないよう、熱湯などで消毒をしておくのがポイントです。
・剪定ばさみ
植物の剪定で枝を切るのに使う基本的な道具です。基本的には直径2cm程度までの枝を切ることができます。
・刈り込みばさみ
生垣などを仕立てるときに、枝葉を刈りそろえるのに使います。
・ノコギリ
剪定ばさみでは切れない太い枝を切るときに使います。
・植木ばさみ
剪定ばさみよりも刃先が細く、込み入った場所の枝を切るときや細かい作業をするのに向いているはさみです。
・園芸用脚立
背の高い植物を剪定するときに使います。バランスを崩しにくい3脚タイプがおすすめです。
さらに、手をケガから守る軍手と剪定枝を入れるゴミ袋も用意してください。道具をそろえたら、実際に剪定をおこなってみましょう。
基本剪定の手順は3ステップ
ここでは基本剪定の手順をご紹介します。基本剪定の手順は3ステップです。以下を参考に挑戦してみましょう。
1.元気のない枝を切る
まずは葉のついていない枝や細い枝など、弱々しく元気のない枝から切っていきます。
2.邪魔な枝を切る
次は「剪定で切る枝の種類と剪定のコツ」でご紹介した枝を切っていきます。
3.全体のバランスを見ながら調節する
ある程度枝を切り落としたら、全体を見て仕上げをしましょう。まだ混み合っている部分があれば間引いておきます。
以上で剪定は完了となります。
業者に依頼した場合の費用相場
最後に、剪定を業者に依頼する場合の費用相場についても見ておきましょう。多くの業者は木の高さごとに料金を設定しています。
【庭木1本あたりの剪定料金の相場】
- 低木(3m未満):約700円~3,000円
- 中木(3~5m程度):約3,000円~5,000円
- 高木(5~7m程度):約6,000円~1万5千円
- 7m以上の木:応相談
上記の費用はあくまで相場なので、詳細な費用を知りたい場合は業者から見積りをとりましょう。そのさいは相見積りをとり、しっかりと比較して業者を選ぶことが大切です。弊社ではさまざまな剪定業者をご紹介しておりますので、相見積りのさいはぜひ弊社がご紹介する業者もご検討ください。