紫式部を健康的に育てるためには、こまめな剪定が大切です。
紫式部は生長のスピードが早いので、放っておくと枝が伸び放題になり、樹形が乱れてしまいます。また枝の数が増えて混みあうと風通しが悪くなって、病気にかかりやすくなったり、害虫が発生しやすくなったりしてしまいます。
当記事でご紹介する剪定時期や方法を参考に、紫式部の剪定に挑戦してみましょう。さらに紫式部のお手入れのポイントも解説しますので、剪定と合わせて、紫式部の日々の健康維持にお役立てください。
目次
紫式部の剪定時期と剪定方法
紫式部の剪定は冬(葉が落ちてから翌春までの間)におこないましょう。紫式部は冬の間は休眠状態になるので、この時期であればあまり株に負担をかけずに済みます。また冬の間は花芽がついていないので、基本的にどの枝を切っても問題ありません。そのため剪定初心者の方でもやりやすいといえるでしょう。それでは紫式部の剪定方法を見ていきます。
紫式部の剪定に使う道具
紫式部の剪定では以下のものを準備しましょう。剪定ばさみはホームセンターやネット通販などで購入することができます。
- 剪定ばさみ
- 軍手
- ゴミ袋
紫式部の剪定方法
ここからは紫式部の剪定方法をご紹介します。紫式部の剪定では、以下のような不要な枝をつけ根から切り落としましょう。とくに長く伸びた枝には花芽がつきにくく、樹形を乱す原因にもなるので、切り落としてください。
- 内側を向いた枝
- まっすぐ上に伸びた枝
- 枯れた枝
- 重なった枝
- 長く伸びた枝
また紫式部は春以降に新しく伸びる枝に花芽をつけ、初夏にかけて開花します。よって、この剪定をしている冬の段階で、その年の春にすでに花を咲かせた枝は切ってしまっても問題ありません。
業者に剪定を依頼するのもおすすめ!
「切る枝を間違えてしまったらどうしよう」と不安に思う方や、「自分で剪定してみたけどうまくいかない」「仕上がりが悪くなってしまった」とお悩みの方は、剪定業者に相談してみましょう。弊社では加盟店の中からお客様に最適な業者をご紹介いたします。
紫式部のお手入れのポイント
ここでは紫式部のお手入れのポイントをご紹介します。きれいな花を咲かせるための参考書としてぜひお役立てください。
栽培に適した環境
紫式部は半日陰でも育ちますが、よりきれいに花を咲かせたいのであれば、真夏の強い西日は避けたうえで、日当たりのよい場所で育てるのがおすすめです。温度については、暑さ寒さともに耐性があるので、あまり気にしなくても問題ありません。
水やりの頻度
紫式部はやや湿った土地を好みます。地植えの場合は基本的に雨水だけで問題ありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いていたらその都度水やりをしましょう。夏場は土が乾燥しやすいので、地植えも鉢植えも、様子を見ながらこまめに水やりをします。
肥料を与える頻度
地植えの場合は年に1回、2月ごろに油かすなどを与えます。鉢植えの場合は2月と8月に緩効性化成肥料を与えるとよいでしょう。
鉢植えの紫式部は植え替えを!
鉢植えの紫式部は2年に1回程度のペースでひとまわり大きい鉢植えに植え替えをします。植え替えの時期は、紫式部の落葉が始まって休眠に入る9~12月の間がよいです。
病害虫対策
紫式部につきやすいのはカイガラムシです。カイガラムシは葉の養分を吸い取って枯らしてしまうので、早めの対処が大切です。カイガラムシを見つけたら歯ブラシなどでこすり落とすか、薬剤を使って駆除しましょう。予防するためには、剪定で風通しのよい環境を作っておくことが重要です。
紫式部がかかりやすい病気はうどんこ病です。うどんこ病にかかると葉の表面がうどんこをまぶしたように白くなり、病気が進行すると葉が枯れて落ちてしまいます。もし白っぽくなっている葉を見つけたらその葉を取り除いておきましょう。予防には、風通しのよい環境を作ることが大切です。
剪定枝を使って紫式部を増やしてみよう
「もっと紫式部を増やして華やかにしたい」と思った方は、剪定したときに出た剪定枝を使う「挿し木」に挑戦してみましょう。ここでは紫式部を挿し木で増やす手順をご紹介します。
挿し木に必要なもの
挿し木に必要なものは以下のとおりです。
- 剪定枝(挿し穂)
- 土を入れた鉢植え
- 水を入れたグラス
挿し木の時期
挿し木をおこなうのに適した時期は4~6月ごろです。4月ごろにおこなう場合は冬に剪定した枝を、6月ごろにおこなう場合はその年伸びた枝を使うのがよいでしょう。その年伸びた枝を使う場合は、葉がついていることがあるので、いちばん下の節の葉を取り除いておいてください。
挿し木の手順
挿し木は4ステップでおこないます。以下を参考に挑戦してみてください。
- 挿し穂を約2時間水に浸す
- 1の挿し穂を鉢植えに挿す
- 挿した挿し穂にたっぷり水を与える
- 半日陰で水をきらさないように管理する
挿し木をおこなってから約1か月で発根します。発根したらひとまわり大きな鉢植えに植え替えて引き続き育てていきましょう。
【豆知識】紫式部とコムラサキの違い
名前が似ている紫式部とコムラサキですが、じつはそれぞれ違った特徴をもっています。その違いを以下にまとめましたので、豆知識としてご覧ください。
・紫式部の特徴
紫式部は上に向かって枝が伸びていきます。また葉の縁にギザギザがあるのが特徴です。さらに実はまばらになり、花は葉と同じ場所につきます。
・コムラサキの特徴
コムラサキは枝が下に垂れてしだれています。葉の縁にはギザギザがありますが上半分しかありません。実は固まってびっしりとつきます。花は葉から少し離れてつくのが特徴です。
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