庭を華やかにさせる庭木。これらのお手入れは大変ですが、正しいお手入れをすることでより一層きれいな木に育てることができます。しかし剪定方法や剪定時期を誤ってしまうことで、木の健康が損なわれる危険性もあります。
ここでは剪定の種類や気を付けるべきポイント、剪定に適した時期や剪定後のお手入れ方法などについてご紹介します。庭木のお手入れにお悩みの方、これから庭木を育てようとお考えの方などはぜひ参考にしてみてください。
庭木の基本的な手入れ方法
そもそも庭木はなぜ手入れするのでしょうか。それは、庭木の形を整え見栄えをよくするため、また木の成長促進や害虫予防のためです。庭木の手入れでは剪定をおこないます。剪定することで木を良い状態に保つことができるのです。
剪定には「透かし剪定」「切り戻し剪定」「切り詰め剪定」「枝おろし剪定」「刈り込み剪定」などさまざまな種類があります。それぞれの剪定内容とおこなうタイミングを紹介します。ご自分の庭木の状態に合わせて、どのような剪定をするのかを選択しましょう。
●透かし剪定
透かし剪定では混みいった枝を透かしてさっぱりさせます。切り落とす枝は根元から切るのがポイントです。
この透かし剪定は、枝が伸びて混みいっていると感じたときにおこないます。増えすぎた枝によって日光が遮られ、成長が妨げられることがあるからです。
●切り戻し剪定
切り戻し剪定では枝から分岐して出てきた若い枝を残し、古い枝を切り落とします。切り落とす古い枝は根元から切らず、途中から切り落とすのがポイントです。途中から切ることでそこから新しい枝が生え始めます。
この切り戻し剪定は、ボリュームが出すぎてしまったため木を小さくしたいというときにおこないます。
●切り詰め剪定
切り詰め剪定では枝の先を切り落とします。枝は古い枝でも新しい枝でも構いません。比較的若い枝を切り落とす際は、芽の上から3㎜ほどの位置を、伸ばしたい方向に斜めに切り落とすのがポイントです。
切り詰め剪定は、成長し葉が茂った樹冠の大きさを整えることができます。芽より先を長く残すことで、残した部分が枯れてしまうこともあるので注意しましょう。
●枝おろし剪定
枝おろし剪定では、枝の付け根から太い枝を切り落とします。太い枝は枝切ばさみで切るのが難しいため、先にノコギリで切れ込みを入れてから切り落とします。枝落とし後に腐敗するのを防ぐために、切った部分にペンキや抗菌癒合剤を塗りましょう。
枝おろし剪定は、植え替え後におこなうことが多いです。太い枝が減ることで木全体の栄養が根に回りやすくなるからです。
●刈り込み剪定
刈り込み剪定では余分な枝を落とし、枝葉の表面を切っていくことで木を整形します。この作業では刈り込みばさみやバリカンを使用します。広範囲を切っていくことで木全体の密がそろいます。
木の形を整えたい、生垣の形づくりをするときなどには刈り込み剪定をおこないます。
剪定の時期は夏と冬
剪定は基本的に夏と冬におこないます。夏におこなう剪定を「夏季剪定」、冬におこなう剪定を「冬季剪定」と呼びます。それぞれについて紹介していきます。
●夏季剪定
夏の剪定では大幅に木や葉を減らすことなく、気になる枝などを切り落とす程度の軽剪定をします。軽剪定では風通りがよくなる、日差しが主幹まで届くといった効果があります。木全体の形を整えるという目的もあります。
●冬季剪定
冬季剪定では、春になり木が活動し始めるための準備をおこないます。夏季剪定とは違い、枝や葉を大きく減らす基本剪定をおこないます。木の種類によっては活動し始める時期が5月ごろのものもあります。その場合は、冬季剪定を3月や4月におこなうこともあります。
夏真っ盛りの時期は避けましょう
夏季剪定は暑くなり始めた時期におこないますが、8月など夏真っ盛りに剪定をするのは避けましょう。
夏の木は元気で、剪定をしてもすぐにそこから枝が生え始めます。真夏に剪定をすると、せっかく形を整えても新たに枝が生え、すぐに形が乱れてしまうこともあります。また一番の問題は切り口から新しく枝が生え始めることで、多くの養分を使用してしまうことです。養分に余裕がなくなることで葉の量が減って幹が日焼けをしたり、衰弱したりする危険性があります。
真夏に剪定をすると木の養分に余裕がなくなり、木が弱ってしまうことがあるのです。剪定は夏真っ盛りになる前におこない、それも軽剪定程度にしておくのがよいでしょう。
剪定後のお手入れも大切です
木の成長促進のための剪定や、形を整える軽剪定をしたあとにも木のお手入れは残っています。大掛かりな作業ではありませんが、細かな手入れをすることで木の健康を守ることができます。
剪定後には花がら摘みや古葉かきをおこないます。しおれてしまった花や古い葉を積んであげることで、害虫予防や次に咲く花や葉に栄養を与えることができます。また木全体への風通しがよくなります。
花がら摘みだけでなく芽かきや摘心もおこないましょう。これは新芽やつぼみなどを少し減らす作業です。もともと新芽やつぼみの量が少ない場合はしなくてもよいですが、今の量のまま生え始めると見栄えが悪くなると予想されるときにはおこなったほうがよいでしょう。また新芽やつぼみの量が減ることで、残った新芽やつぼみに栄養が行き渡りやすくなります。
庭木のお手入れは無理せず行いましょう
自分の庭木ですから、お手入れも自分でおこないたいという方も多いでしょう。しかし、剪定やお手入れは体力のいる作業です。庭木が1本だけというのならよいかもしれませんが、複数ある庭木を一人で管理するのは大変です。
庭木のお手入れは、業者を上手に利用するのがおすすめです。大掛かりな冬季剪定は業者へまかせ、夏季剪定などの細かな手入れは自分でおこなうなど、大変な作業のみを依頼する方法もあります。自分が大変だと思う作業のみを業者へまかせるなど、上手に業者を利用して、庭木の健康状態を保つのがよいでしょう。
まとめ
庭木のお手入れは体力や根気のいる作業です。しかし、丁寧にお世話をした木には愛情がわいてくるものです。大切な庭木の見栄えを良くし、健康を保つためには正しい剪定をすることが大切です。剪定ごとのポイントを参考にし、木の種類や状態に合わせたお手入れをおこなってください。
どのような剪定をおこなったらよいのかわからない、害虫対策をしたいなどのお悩みがあるときは、ぜひ剪定のプロへご相談ください。