庭木や植木を上手に育てたいのであれば、“剪定”から逃れることはできません。余計な枝を間引いて日光を当たりやすくしたり、樹形をキレイに整えたりするためにも、定期的な剪定は必須作業です。
そして剪定は、“どういった剪定ばさみを使うか”によって仕上がりに差が出ることがあります。キレイに剪定をおこないたいのであれば、剪定ばさみの選び方にも慎重になる必要があるでしょう。
そこで今回は、【剪定ばさみの選び方】についてご紹介します。剪定ばさみの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
剪定ばさみの選び方①:種類をしぼる
まずは、剪定ばさみの種類についてご紹介しましょう。剪定ばさみには、いろいろな種類があります。剪定ばさみを購入する際は、種類別の特徴を把握し、自分の用途にあったものを選ぶことが大切です。
剪定ばさみとは
剪定ばさみとは、庭木や植木の“余計な枝や葉っぱ”を切り落とすために使用するハサミのことです。剪定ばさみを使ってこまめに剪定をおこなってあげると、植物はより健康的に生長し、美しい樹形を保つことができます。
「わざわざ剪定ばさみなんて用意しなくても、普通のハサミでカットすればよいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、植物というのはとても繊細なもの。専用のもの以外のハサミを使用して剪定をおこなうと、切り口から雑菌が混入し、大切な庭木が病気にかかってしまうこともあるのです。
その点、剪定ばさみはスパッとキレイに枝を切れるように設計されたハサミであるため、切り口から雑菌が入り込むのを防ぐことができます。また剪定ばさみはグリップや刃の構成に工夫が凝らされており、少ない力でも頑丈な小枝をカットすることができるようになっているのです。
剪定のはさみの種類は大きく2種類
剪定用のはさみには、大きく分けると以下の2種類のものがあります。
・高枝切りばさみ
背が高い植物の剪定をおこなう場合は、“高枝切りばさみ”を使います。高枝切りばさみは柄の部分が長く作られているため、自分の身長より高い木の枝も簡単に切ることができるでしょう。
・剪定ばさみ
比較的丈が短く、手が届く高さにある枝は“剪定ばさみ”を使って切るのが便利です。剪定ばさみは手のひらサイズであるため、片手で使用することができます。
なお今回の記事では、後者の“剪定ばさみ”について、より詳しくご紹介していきたいと思います。
切断方法にも種類がある
“剪定ばさみ“は、切断方法の違いからいくつかのタイプに分かれています。代表的なのは、以下の2タイプです。
・バイパスタイプ
刃渡りが少しでも長くなるように、刃に極力丸みを持たせたものが、バイパスタイプの剪定ばさみです。上下に付いた刃が枝を滑らせるようにカットするため、切り口がとてもキレイに仕上がります。少し扱いが難しいため、素人向けというよりは少し剪定に慣れている方に向いているハサミであるといえるでしょう。
・アンビルタイプ
バイパスタイプと比べて少し薄めの刃が使われているのが、アンビルタイプの剪定ばさみです。片方の刃がナイフ、もう片方の刃がまな板のような役割をしており、あまり力を入れなくてもストンっと枝を切り落とすることができます。力のない女性や、剪定に慣れていない方におすすめの剪定ばさみです。
素人でも扱いが簡単なのがアンビルタイプ、切り口をキレイに仕上げたいならバイパスタイプ、と覚えておくとよいかもしれませんね。
では剪定ばさみの種類がわかったところで、次の章では“よりよい剪定ばさみを選ぶためのポイント”についてご紹介していきます。
剪定ばさみの選び方②:確認するべきポイント
ここからは、剪定ばさみを選ぶ際に確認しておくべきポイントについてご紹介しましょう。市販されている剪定ばさみにはさまざまな種類のものがありますので、しっかり特徴を確認し、納得いくものを選ぶことが大切です。
大きさ
まず確認するべきなのが、剪定ばさみの“大きさ”です。剪定ばさみは片手で使うハサミですので、しっかりと握りやすい大きさのものを選ぶようにしてください。
具体的には、自分の“手のひらの長さ”と同じくらいの大きさのものがよいでしょう。一般的には、女性の場合は18cm前後、男性なら20cm前後のものが目安です。
切れあじ
“切れあじのよさ“も剪定ばさみを選ぶ際に重視すべき要素です。切れあじを確認するときは、一度剪定ばさみを開いたり閉じたりしてみて、その動きを確認してみてください。動きがスムーズで、かつ刃を開閉するときに感じる抵抗が刃先から刃の根元まで均一であれば、切れあじのよい剪定ばさみであると考えることができます。
そのほか、ふっくらとしていてやや厚みのある“はまぐり刃”が採用されている剪定ばさみは、枝を引き裂いていく力が強いため、太い枝をカットするときに軽快な切れあじを発揮します。また、刃の曲線部分は短いものよりも長いもののほうが、切れあじがよい場合が多いです。
使いやすさ
剪定ばさみを選ぶにあたっては、“使いやすさ”も重要な指標のひとつです。剪定は長時間おこなうこともあるので、なるべく重さが軽いのものを選ぶようにしましょう。また刃先側に重心があるものを選ぶと、持ったときのバランスがよく、疲れにくいはずです。
そのほか、刃先の“開き具合“についてもチェックしてみてください。刃先がしっかりと開く剪定ばさみは、太めの枝のカットがしやすいのです。
耐久性
剪定ばさみは安いものではありませんので、なるべく耐久性が高く、長年使えるものを選ぶようにしましょう。植物を切断したときに出る“ヤニ”や“シブ”といった汚れが付着しづらいものやサビにくいものなど、耐久性に優れた剪定ばさみはたくさんあります。
購入時の値段にとらわれず、長い目でみてコストパフォーマンスのよいものを選ぶようにしてください。
メンテナンス・保証
しっかりと吟味して剪定ばさみを選んでも、長持ちさせることができなければ意味がありません。「買ってすぐに刃こぼれが起きたらどうしよう」「すぐに壊れたらどうしよう」といった不安がある場合は、“保証付き”の剪定ばさみを購入するのがおすすめです。
保証付きの剪定ばさみなら、メーカーが定める一定期間中に起きた刃こぼれなどは、無料で修理してもらうことができます。保証期間については、メーカーにより異なるため確認をしておきましょう。
また、剪定ばさみを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスも重要です。次の章では、購入した剪定ばさみのお手入れ方法についてご紹介していきましょう。
剪定ばさみのお手入れ方法
剪定ばさみをこれから購入しようとしている方はもちろん、すでに持っている方の中にも、「剪定ばさみのお手入れをしたことがない」という方がいるかもしれませんね。剪定ばさみは、お手入れをしないとすぐにボロボロになってしまいます。
せっかく選んだ剪定ばさみをより長持ちさせるためにも、ぜひここからご紹介するお手入れ方法を実践してみてください。
刃をとぐ
剪定ばさみは、使っているとだんだんサビや刃こぼれが発生することがあります。そんなときは、砥石(といし)を使って刃をとぎましょう。
砥石は、ホームセンターのほか、ネット通販などでも購入することができます。とぎ方はとても簡単で、お手入れ用の油をなじませたハサミを、砥石に当ててこすっていくだけです。ひととおり研ぎ終えたら、最後に油をしっかりと拭き取りましょう。
なおこのとき、小さいほうの刃の裏側は、とがないように注意してください。小さいほうの刃は鎌(かま)のような形をしていることから“鎌刃”と呼ばれることもあるのですが、この裏側をといでしまうと、ハサミのかみ合わせが悪くなってしまうのです。
刃を洗浄する
植物をカットしていると、どうしても刃先に樹液などの汚れ(ヤニ)が付着してしまいます。刃に付いた樹液を放置しておくと、次第に固まっていき、切れあじも悪くなってしまうでしょう。
そうなる前に、刃先は定期的に洗浄することが大切です。洗浄をおこなう場合は、ホームセンターなどに売っている“刃物用クリーナー”や“ヤニ取りクリーナー”を使いましょう。
刃先に直接クリーナーを塗布し、しばらく放置したら、乾いた布で拭き取ってヤニを落とします。最後にサビを防止するためにお手入れ用の油を少量なじませれば、完了です。
剪定作業と片付けでぐったり……そんな人に
「庭いじりが好き」「剪定が好き」という方も多いでしょうが、忙しいときはそんな気分になれないこともあるでしょう。剪定作業やそれにともなうハサミのお手入れや片付けに、ぐったりしてしまっている方もいるのではないでしょうか。
そんな方には、プロに剪定を依頼してみるのがおすすめです。プロの剪定業者に剪定をお願いすれば、面倒な剪定ばさみのお手入れや、剪定後の後片付けをする必要がありません。
また、プロの職人は剪定方法を熟知しているため、より効果的でより美しい剪定をおこなうことが可能です。「剪定が趣味だから、自分でやりたい」という方も、一度プロの技術を間近で見てみてはいかがでしょうか?今後の剪定の参考になるかもしれませんよ。
剪定業者に依頼する場合の費用相場
剪定をプロに依頼する場合、気になってしまうのがその費用です。剪定を業者に依頼した場合、費用は通常【日当制】もしくは【単価制】で算出されます。
日当制とは、作業員1名あたりの金額に、作業に従事した人数とかかった日数を乗じることによって費用を算出する計算方法です。また単価制とは、何本の木を剪定したか、何mの生垣を剪定したか、といった基準で金額が決まるものになります。それぞれの費用目安は、以下のとおりです。
<日当制の場合>
15,000円~30,000円程度×作業に従事した人数×作業にかかった日数
<単価制の場合>
【庭木】
- 高さ3mまでの木:3,000円~4,000円程度
- 高さ5mまでの木:6,000円~8,000円程度
- 高さ7mまでの木:15,000円~20,000円程度
【生垣】
- 幅1mあたり500円~3,000円程度
以上が相場ですが、詳細な料金は業者によって異なります。たとえば高所の剪定をお願いする場合は、専用の機材や車両を使用することもあり、その分費用が上乗せされることもあるでしょう。
プロに剪定をお願いするときは、必ず事前に見積りをとり、内容を確認しておくことが大切です。ときには複数業者から相見積りをとり、中身を比較してみてもよいでしょう。きっと、一番よい業者がどこであるのかが見えてくるはずです。
「どの業者に依頼すればよいのかわからない」「複数業者から相見積りがとりたい」といった場合は、ぜひ弊社にご相談ください。全国に抱える加盟店の中から、お客様の条件にお応えできる業者をご紹介いたします。見積りは無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
弊社の無料相談窓口では、年中無休・24時間体制でお客様からのお電話をお待ちしております。
まとめ
さて今回は、【剪定ばさみの選び方】や【剪定ばさみのお手入れ方法】についてご紹介しました。庭木や植木を美しく、そして健康的に育てていくためには、剪定作業が欠かせません。その欠かせない作業に必要な“剪定ばさみ”は、きちんと用途に合ったものを選び、定期的にお手入れをおこなうことが重要なのです。
もし少しでも「剪定ばさみのお手入れが面倒だな」と感じるようなことがあれば、ぜひプロに剪定作業を頼ってみてください。プロの剪定職人の手にかかれば、面倒な剪定作業をあっという間に終わらせることができます。仕上がりもとても美しいので、普段は自分で剪定しているという方も、一度勉強のためにプロの技を見学してみるとよいかもしれません。
業者選びにお困りの際は、弊社にご相談ください。スタッフ一同、お客様からのご連絡を心よりお待ちしております。
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