フェンスやアーチを作ってお庭を彩るつるバラには、きれいな花と形を保つために剪定と誘引が必要です。しかし、剪定や誘引などのお手入れは、時期や方法を間違えると、バラの成長や花つきに悪影響を与えてしまうおそれがあります。
きれいな花を咲かせて、理想のつるバラに仕上げるためには、つるバラの育成に関して正しい知識を学ぶ必要があるのです。このコラムでは、つるバラの正しい剪定や誘引、日ごろのお手入れの方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
つるバラの剪定方法
つるバラの剪定は、適した時期に正しい手順でおこなうことが大切です。時期や手順を誤ると、木を傷めたり花の数が減ったりします。
ここからは、つるバラの剪定に適した時期と方法、きれいに剪定をおこなうためのコツを解説します。業者に剪定を依頼した際の費用相場もご紹介しますので、業者利用の際の参考にしてください。
つるバラの剪定をおこなう時期
つるバラの剪定は、休眠期である冬におこないます。新芽が出始める2月中旬までに終わらせておく必要があるのですが、理想の時期は12~1月中旬です。
剪定時期が遅れると、切り口から樹液が出て止まらなくなったり、出てきた新芽を落としてしまったりするおそれがあります。そういった危険性を防ぐためにも、適切な時期に剪定をおこないましょう。
さらに、冬の早い時期に剪定をおこなえば、不要な芽を早く落とすことができます。不要な芽がなくなったことにより、開花させたい芽に効率よく栄養が行き渡るというメリットもあるのです。
つるバラの剪定方法
つるバラの剪定は、まずすべての葉を取り除きます。それから、その年に伸びた新しい枝を残すように剪定していきます。
細い枝や、黄色い枝、柔らかい枝を根元から落として、太くしっかりと育っている枝に栄養が集中するようにします。太くて新しい枝は、芽をふたつほど残すようにして、芽の上5ミリメートルくらいのところで平らに切りましょう。
枝先についても、あまりに細い部分は不要です。鉛筆くらいの太さの場所まで切ってしまいましょう。その際も、枝先についている芽から5ミリメートルくらい上の部分で切ります。
つるバラをきれいに剪定するには
つるバラの剪定は、木の成長具合とともに、全体のバランスを見て作りたい形に合うようにおこなわなければなりません。慣れない人がおこなってしまうと、バランスの悪い木になってしまうおそれがあります。
そのため、バランスのよいきれいな剪定をしたい場合は、プロの業者に依頼しましょう。つるバラに関する知識があるのはもちろん、作りたい形やお庭全体のバランスまで考慮した剪定が期待できるでしょう。
剪定費用の相場は約20,000円です。費用相場はあくまでも目安で、つるバラの大きさや、剪定にかかる時間などで異なります。さらに、出張費や剪定後の枝の処分費が別でかかることもあるので、詳しい費用は業者に確認する必要があります。
剪定業者選びに迷う方は、弊社にご相談ください。全国に数多く存在する加盟店スタッフのなかから、見積りを無料でおこなうことができる業者をご紹介いたします。いくつかの業者から見積りをとって比較することもできますので、まずはお電話ください。
つるバラをきれいに咲かせるために必要な手入れ
つるバラに必要なお手入れは、剪定だけではありません。水や肥料の与え方など、植物を育てるうえで基本的なことに関しても、つるバラに合ったやり方をしなければならないのです。さらに、つるバラにはとくに気をつけるべき病害虫もあるため、その対策もしなければなりません。
ここでは、剪定以外に必要なお手入れ内容や、つるバラの健康を保つために気をつけるべき病害虫などについて詳しくご紹介します。
剪定以外のつるバラの手入れ
つるバラは、日当たりや風通しのよい場所で育てましょう。鉢植えで育てる場合は、土の表面が乾いたら水やりをしてください。庭に直接植えている場合は、雨で十分ですが、雨の少ない時期はこまめに土の様子を確認して、乾燥していたら水やりをおこなうようにしましょう。
肥料は、つるバラの生育期である4~10月に、月に1回与えます。ただし、多過ぎる肥料はつるバラが根から枯れる原因になります。つぼみや花をつける時期は、肥料は与えないようにしましょう。
開花後の成長を促すための肥料は、開花の終わる5月ごろに1回与えます。そして、12~1月にも、次の春に向けての栄養として発酵油かすなどの寒肥を1回与えましょう。
そして、開花後の肥料を与える前には、花がら切りもおこないましょう。花が枯れ始めた枝を落とすのですが、このときに落とす枝は、理想の形からはみ出るように伸びた枝です。
つるバラで気をつけたい病害虫
つるバラを育てる場合は、病害虫にも注意しなければなりません。
つるバラがかかりやすい病気は、黒星病(くろぼしびょう)とうどんこ病です。黒星病は、雨の多い時期に発生する、葉に黒い斑点ができる病気です。葉は次第に黄色く変色し、最後には落ちてしまいます。多くの葉が落ちてしまうと、成長の勢いが弱まり花つきが悪くなってしまいます。
うどんこ病は、春や秋ごろに新芽につきやすい病気です。粉を吹いたように葉や新芽が白くなります。ついている白いものはカビの一種で、新芽やつぼみがしぼんでしまうため、開花しにくくなります。葉を落とすことはありませんが、成長の妨げになってしまう病気です。
つるバラを狙う害虫として挙げられるのは、アブラムシやカミキリムシなどです。アブラムシは春と秋に新芽などに発生し、樹液を吸うことで木の成長を妨げます。カミキリムシは成虫が夏に飛んできて、枝をかじって枯れさせてしまいます。その後、幼虫が幹の中心を食べることで、木全体が傷んで弱り、枯れてしまいます。
じめじめしたつるバラには病気が出やすく、葉が密集した状態では害虫の存在になかなか気づかず、木を傷めてしまいます。つるバラを育てる際は、乾燥を防ぐ程度の水やりをおこない、風通しのよい状態を保ちましょう。
つるバラをきれいに咲かせるポイント
つるバラを健康に育てるためには、乾燥を防いで適度に肥料を与える必要があるほか、全体のバランスや新芽の成長に合わせて花がら切りをおこなうなど、時期ごとにさまざまなお手入れが必要です。
お手入れを怠れば、病害虫にむしばまれて、大切なつるバラが傷んでしまうおそれがあります。しかし、日ごろのお手入れから剪定までのすべてを自分でおこなうのは大変です。
時期の決まっている剪定だけでも、業者に依頼して自身の負担を少しでも減らしてはどうでしょう。業者選びも面倒だという方は、弊社にお電話いただければ、すぐにプロの剪定業者をご紹介します。いくつもの業者を調べる手間がなくなるので、ぜひご活用ください。
つるバラを誘引してアーチに仕立てる方法
公共施設でも見かけることのあるつるバラのアーチは、剪定や日ごろのお手入れをしっかりとおこなっていても、正しく誘引できなければ作ることはできません。
つるバラの誘引は、剪定と同じ時期におこなうのですが、作りたい形によって誘引の仕方が異なります。ここでは、アーチを作る際の誘引方法と、アーチに向いているつるバラの種類などをご紹介します。
つるバラの誘引方法
つるバラは、寒くなればなるほど枝が硬くなってしまうため、剪定と同じ12~1月中旬におこないます。順番としては、まず剪定をおこなってから、誘引をおこなって形を整えます。
アーチを作る場合は、アーチの側面に太く長い枝をS字を描くように配置して、麻ひもで固定します。残った細めの枝や短い枝は、空いたスペースに配置して全体のバランスを整えます。その際に枝が込み合う場合は、枝の先端を落とすか、不要なものは根元から切り落としましょう。
バラがアーチ全体を覆うまでには、約1年かかります。バラが傷んだり枯れたりしないように、日ごろのお手入れに注意しながら育てましょう。
アーチにおすすめのつるバラの種類
つるバラには種類があり、すべてのつるバラがアーチに向いているわけではありません。そこで、アーチを作るのにオススメなつるバラを2種類ご紹介します。
・ドンファン
暗めの赤色をしたベルベットのような質感の存在感のあるバラで、人気の高い品種です。トゲが少ないので、人が近くを通るアーチにしてもトゲが刺さるような危険性が低いでしょう。
・ノアゼット
白や黄色、ピンクなどさまざまな色の花が咲くバラの種類です。枝が変にクセもなく伸びるため、家庭用のつるバラとして人気が高く、アーチを作るのにも向いています。
つるバラのアーチを作るときの注意点
つるバラのアーチを作る際は、いくつか注意点があります。
・バラのトゲ
バラのアーチは、お庭や玄関などの人がよく通る場所に作る場合は、トゲに注意が必要です。トゲの多い種類でアーチを作ると、トゲのお手入れを頻繁におこなわなければなりませんし、服や髪に引っかかるおそれがあります。
・設置場所
雨風のよくあたる場所に設置すると、強風によってアーチが倒れるおそれがあります。周囲に雨風をよけられるような高い建物がある場所に、アーチの脚元をしっかりと固定して設置しましょう。
・鉄製アーチのサビ
鉄製のアーチを利用する場合、強度はありますが、年月が経つとサビが発生します。年に1度はサビ止めを塗るなど、定期的にアーチのメンテナンスをしましょう。
剪定は、つるバラをきれいに咲かせるために必要な作業で、かつバラの成長などを左右する重要な作業です。自分で剪定することに少しでも不安のある方は、無理をすることなく、楽しくつるバラを育てるためにも、頼れる作業はプロに頼りましょう。
業者選択に不安がある場合は、弊社にお問い合わせください。業者による迅速な剪定が必要な場合は、ご要望やご予算に沿うような範囲でもっとも適切な業者をご紹介いたします。
また、すぐに剪定が必要な場合でなくとも、剪定に関する疑問や不安のご相談は年中無休で対応しておりますので、もし何かお困りのことがございましたらぜひ一度ご利用ください。
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