榊はこまめに剪定して、風通しをよくしておくことが大切です。風通しが悪いと、すす病やカイガラムシといった病害虫が発生しやすくなってしまうからです。枝が密集している部分や枯れ枝を見つけたら、その都度切り落としておきましょう。
このコラムでは、榊の剪定やお手入れ方法について解説しています。そのほかにも、いくつかある榊の種類や株の増やし方についても紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
榊の剪定は病害虫予防に効果的!
榊は自然樹形が美しい樹木ですが、剪定をしないと枝が密集して風通しが悪くなってしまいます。枝が混み合うと病害虫の温床となったり、光合成不足で生育不良となってしまったりするかもしれません。
ここでは、神事にも使用される縁起のよい榊を健康的に育てていくために、剪定すべき枝や気を付けるべき病害虫についてご紹介します。
不要な枝はこまめに剪定しよう
榊の剪定は3月~4月、9月~10月におこなうとよいとされていますが、萌芽力が強いため、長く伸びた枝を見つけたら適宜剪定しても大丈夫です。
枝を切ったところから新しく強い枝が再度伸びてくるため、枝の途中で切ってしまっても構いません。高さや幅などを整えるためにおこなう強めの刈り込みにも耐えられます。また、枝が混み合って密集していたり、枯れ枝があったりする場合は、根元や枝分かれ部分から切り落としておきましょう。
榊はこんな病害虫に注意!
榊は以下のような病害虫に注意が必要です。榊に発生しやすい病害虫の症状や対策法をご紹介していきます。
・すす病
すす病菌に感染すると、葉が黒いすすのようなカビに覆われて見た目が悪くなり、光合成のさまたげにもなってしまいます。日当たりや風通しの悪い環境下で発生しやすいため、こまめな剪定をして生育環境を整えることが大切です。すす病にかかったら、殺菌剤を使用基準を守って散布し、被害が拡大しないように対策しておきましょう。
・カイガラムシ
白い殻をまとった虫のようなものが葉などについていたら、カイガラムシの可能性が高いです。カイガラムシの排泄物が先ほど紹介したすす病の原因になることもあります。成虫になると殺虫剤が効きにくいため、割りばしや歯ブラシなどを使ってそぎ落としておきましょう。
病害虫に困ったら……
弊社は、剪定はもちろん、お庭のお困りごとを解決できる業者をご紹介しております。弊社の加盟店のなかから、病害虫に対応できる業者をご紹介することも可能です。被害が大きく自分ではどうすることもできないとお困りなら、ぜひ一度ご相談ください。お電話いただければ、迅速に業者を派遣させていただきます。
榊のお手入れ方法
続いて、榊のお手入れ方法についてご紹介していきます。神棚の榊を長持ちさせるコツについてもご紹介していますので、参考にしてみてください。
明るめの日陰で育てよう
榊は半日陰でよく育つため、明るめの日陰で育てるのが最適です。西日が当たらない日なたでも構いません。ただし、寒さには弱いため冷たい風に当たらないように管理しておくことが大切です。
乾燥が気になってきたら水やりのタイミング
榊は乾燥に強くないので、植え付けてから2年以内は土の表面をよくみて、乾燥していたら水やりをおこなうようにしましょう。地植えの場合は、2年以上たてば水やりの必要はなくなりますが、雨が降らない日が続いて乾燥が気になるようであれば水やりをおこなってください。
水はけがよく肥沃な土を選ぼう
榊は乾燥を嫌いますが、土の水はけがよくないのも根腐れなどの原因になるのでよくありません。赤玉土など水はけのよい土を使い、土が乾いてから新鮮な水を与えるのが理想的です。また、有機質などが豊富な栄養分の多い土を好むため、土に腐葉土や鶏糞などの堆肥を混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合はとくに根腐れが起こりやすいので、赤玉土2に対して、堆肥1の割合でブレンドした土を使用します。地植えの場合、植える場所の土に腐葉土などを2割ほど混ぜるとよいでしょう。
肥料は2月~3月に与えよう
植え付けの際に鶏糞や腐葉土などの堆肥を与えるようにします。そのあとは、年に1回、2月~3月ごろに有機肥料か即効性のある化成肥料を株元に与えておきましょう。
神棚の榊を長持ちさせるには?
榊の切り枝はスーパーや花屋さんなどで1,000円前後で売られていることが多いですが、自宅の神棚にお供えする場合は定期的に交換する必要があるため、継続的に費用がかかってしまいます。そこで、神棚の榊を少しでも長持ちさせるためには、以下のような管理方法を実践するとよいでしょう。
- 水替えは毎日おこなう
- 水替えの際に榊も洗っておく
- 容器(榊立て)は洗って清潔にしておく
- 葉の乾燥を防ぐため、エアコンが直接当たらないようにする
- 弱ってきたら、枝先を切って水揚力を強くする
榊は鉢植えで育てることもできる
ベランダなどちょっとしたスペースで榊を育てるなら、鉢植えでも栽培可能です。ネット通販などでは、もともと鉢植えで販売されているものもあります。榊にはいくつかの種類があるため、お好みの榊を探して栽培してみてはいかがでしょうか。
榊の種類
榊にはいくつかの種類がありますが、ここでは『本榊』『ヒサカキ』『フクリンサカキ』についてご紹介していきましょう。
・榊(本榊)
ツバキ科サカキ属の常緑小高木で、東海より南の暖かい地域に自生しています。東海より南の地域ではこちらが神棚用の榊として使われることが多いです。葉の色は濃い緑色をしており、表面はツルツルしているのが特徴です。
・ヒサカキ
ツバキ科ヒサカキ属の常緑小高木で九州や沖縄など暖かい地域だけでなく、関東より北の地域にも自生しています。関東より北の地域ではこの種類が本榊の代わりとして使われることが多いです。葉は本榊よりも小さく、周りがギザギザしているのが特徴です。
・フクリンサカキ
ツバキ科サカキ属の常緑高木で、サカキの園芸品種(人為的につくられた品種)として知られています。覆輪(ふくりん)とは葉の周囲に細く入る帯のことで、名前のとおり、乳白色の斑が葉の周囲に入っているのが特徴です。
挿し木と種まきの方法
榊の栽培にも慣れてきて、もう少し株を増やしたいなとお考えなら、栽培中の榊の枝を使って増やすことも可能です。挿し木や種まきで株を増やす方法についてみていきましょう。
挿し木の手順
挿し木とは、その年に育った枝を切り取って土に植え、発根させる方法のことです。切り枝の榊を挿し木とすることも可能です。榊を挿し木で増やす場合、6月下旬~7月上旬までにおこないましょう。
- 枝を10~20cmほどの長さで斜めにカットする
- 切り口にたっぷり水を吸わせるため、1時間ほど水につけておく(水揚げ)
- ポットに清潔な土を入れて枝を挿し、空気穴をあけたビニール袋を被せておく
- 直射日光が当たらないなるべく明るい場所で管理する
- 発根したら、鉢に植え替える
種まきの手順
続いて、種まきで増やす方法をご紹介します。使用する種は、12月ごろに完熟した果実から採取しましょう。
- 種は2mmぐらいしかないため、水を入れたボウルのなかで取り出す
- 取り出した種はすぐにまく
種をすぐにまかない場合は、キッチンペーパーを湿らせて種を包み、ビニール袋で密閉してから冷蔵庫で保管するようにしましょう。保管していた種は、翌年の3月~4月ごろに取り出して水でよく洗ってからまくようにします。
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