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【図解】みかんの木の剪定|初心者でもおいしいみかんを収穫するコツ

樹齢に合った方法で剪定を!おいしいみかんを収穫するための剪定のコツ

みかんの木を育てている方の大きな目標は、おいしいみかんを収穫することですよね。
その目標を叶えるための第一歩が「剪定」です。

しかし
「剪定っていつ何をするの?」
「剪定でどのようなことに気を付ければいいの?」
と思っている方も多いでしょう。

そこで当記事は、みかんの木の剪定をイチからわかりやすく解説します。
具体的には次の内容です。

  • みかんの木の仕立て方
  • みかんの木の剪定時期
  • みかんの木の剪定方法

その他、みかんが実ってからおこなう作業や、普段のお手入れの仕方も解説します。
当記事を読んでいただければ、ひとりでも不安なくみかんの木を剪定できるようになりますよ。
おいしいみかんを収穫するための第一歩として、ぜひ役立ててください。

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みかんの木の基本樹形は枝が放射状に伸びる「開心自然形」

みかんの木の苗を植え付けたばかりなら、まずは樹形づくりからスタートしましょう。
いちばんスタンダードな樹形は「開心自然形」です。
開心自然形は幹から伸びた太い枝から細い枝を放射状に伸ばすように仕立てる方法です。
具体的には下記イラストをご覧ください。
各枝については「みかんの木の剪定方法は苗を植えてからの年数で変わる」のなかで解説します。

開心自然形

開心自然形はみかん剪定の基本の仕立て方です。
苗を植え付けてから実がなるまで、およそ4~5年かけてイラストのような樹形に仕立てていきます。
手順をしっかりマスターして、おいしいみかんの収穫を目指しましょう。

みかんの木の剪定時期は2月中旬~3月頃

みかんの木は新芽が出る前の2月中旬~3月頃に剪定しましょう。
4月頃には、新芽が生長した枝にその年になる実の花芽をつけ始めるからです。
時期が遅れると花芽ごと切ることになるので、時期を逃さないようにしましょう。

もうひとつ、春は新芽を伸ばすためにたくさん栄養分が必要という理由があります。
そのため新芽が出る前に不要な枝葉を取り除いておくのが大切です。
また日あたりや風通しがよくなることで、新芽の生長も促進されるでしょう。

みかんの木の剪定方法は苗を植えてからの年数で変わる

みかんの木の剪定方法は、苗を植えてから何年経っているかで変わります。
以下で年数ごとに解説するので、該当するところをご覧ください。

1年目(苗を植えた年)
地面から40cmくらいの高さで切り戻す

2年目
主枝にする枝を選んで育てる

3年目
亜主枝にする枝を選んで育てる

4年目以降
不要な枝を間引く

1年目(苗を植えた年)

植え付けた直後に地面から40cmくらいのところを切ります。
これは「切り戻し」とよばれる剪定方法のひとつです。
切り戻しをすると、切った部分から新しい枝が出て枝分かれし、樹形が横に広がります。
そして樹高が低く抑えられるので、実が低い位置に付き、後述する摘果や収穫がしやすくなります。

剪定1年目

木は切り戻さないとどんどん上に伸びてしまい、新しい枝も伸びません。
これは「頂芽優勢」といって、先端の芽に栄養を集中させる植物の特性によるものです。
もったいないと思うかもしれませんが、今後の生長のためにとても大切な作業なので、思い切って切り戻しましょう。

2年目

2年目に入ると、1年目に切り戻した部分から太い枝が何本か出てきます。
この枝はみかんの木の骨格になる重要な「主枝」とよばれる枝の候補です。
育ちのいい枝を3本残して、残りの枝を根元から切り取りましょう

剪定2年目1

さらに、主枝にする枝の先端から3分の1くらいのところを外芽の上で切り戻しましょう。
切った部分から「亜主枝」とよばれる新しい枝が出て、さらに樹形が横に広がっていきます。
亜主枝はのちに花芽を付ける大切な枝です。

剪定2年目2

3年目

3年目は、2年目に伸びた亜主枝のなかから何本か選んで育てていきます。
亜主枝にする枝は、なるべく地面に平行な枝を選ぶのがポイントです。
なぜなら、木の樹勢(生長する力)が抑えられて実付きがよくなるからです。

剪定3年目1

上に向かってまっすぐ伸びている亜主枝は生長する力が強く、実をほとんど付けません。
なぜなら、実を付けるための栄養が枝の生長のために使われてしまうからです。
また、栄養が一点に集中してしまうことで、他の枝の実付きが悪くなるおそれもあります。
このように、まっすぐ上に伸びた亜主枝は残してもメリットがないので、根元から切ってしまいましょう。

亜主枝は、主枝1本につき2~3本くらいを目安に残すとバランスがよくなります。
これで開心自然形はほぼ完成です。

剪定3年目

さらに、翌年以降みかんを実らせるための準備も始めましょう。
枝(亜主枝)が伸びるタイミングは春(4~5月)、夏(6~7月)、秋(9~10月)の3回あります。
このうち、花芽は春に伸びた枝(春枝)に付きやすいです。

そのため、基本的には春枝だけを残し、夏枝と秋枝は伸びたらその都度切り取ります。
ただ、春枝しか伸びないこともあるので、その場合は剪定しなくてOKです。
それぞれの枝の位置や、夏枝・秋枝の剪定方法は以下の動画をご覧ください。

4年目以降

樹形がほぼ完成した4年目以降は、みかんを実らせるための作業をしていきます。
あらためてみかんが実るまでの過程を確認しましょう。

  1. 4月頃、前年の春に伸びた亜主枝(春枝)の先端に2~3個の花芽が付く
  2. 花芽から側枝が伸びて、5月上旬頃には先端に花が咲く
  3. 花が満開を迎えたあと、早いと6月下旬頃から実が付き始める
  4. 10~12月頃に収穫時期を迎える

花芽が付いてから実がなるまでをイラストにしたものがこちらです。

剪定4年目

花芽が付いてからは、不要な枝を間引く程度の剪定に留めましょう。
長く伸びた徒長枝や細い枝などは根元から切り落としましょう。
また1本の枝から何本も枝分かれしている場合は、元気な枝を2~3本残して、他は根元から切り落としましょう。

4年目以降は前年の実付きに応じて剪定する

みかんは実がたくさんなる年とあまりならない年を交互に繰り返す「隔年結果」になりやすい果樹です。
隔年結果が起こる理由は次のとおりです。

なぜ隔年結果が起こるの?

簡単にいうと、今年の果実の生長と翌年の花芽の形成が同時におこなわれるからです。
そのため次のような現象が起こります。

  • たくさん実が付いた年:翌年の花芽に回す養分が減り、翌年の果実が少なくなる
  • 実が少なかった年:翌年の花芽に回す養分が増え、翌年の果実が多くなる

ちなみに、実がたくさんなる年は表年、あまりならない年は裏年とよばれます。

このような仕組みから、毎年安定した量を収穫するためには、前年の実付きに応じて剪定方法を変える必要があります。
例えば次のような方法があります。

▼前年が裏年だった場合
翌年は実が多くなる表年になると予想されます。
特に花芽が付きやすい春枝をしっかり伸ばすために、夏枝と秋枝は春枝のあたりまで強めに切り戻しましょう。

▼前年が表年だった場合
翌年は実が少なくなる裏年になると予想されます
剪定は、細い枝や弱い枝、長く伸びた枝など、不要な枝を切る程度にしましょう。

みかんが実ったら摘果が必要

みかんが実ったら、小さいものや傷んでいるものを取り除く「摘果」をおこないましょう。
すべての果実を付けたままにしていると、栄養を奪い合って全体的に小さくなってしまうからです。
また木そのものが弱って来年の実付きが悪くなるおそれもあります。
そのため、よく育った果実だけ残して、生長がよくないものを取り除く作業が必要です。

摘果のやり方

一般的な温州みかんの摘果は6月下旬~7月中旬頃におこないます。
摘果の目安は葉25~30枚につき果実1個です。
おもに以下のような色や形が悪い果実を取り除きましょう。
果実に手を添えて根元を軽くひねるだけで簡単に摘果できますよ。

  • 日焼けして変色している
  • 形が悪い
  • 傷がある
  • 他の果実よりも小さい
  • 果実が重なって付いている

摘果したみかんはジュースにして無駄なく活用

摘果したみかんも色や形などが悪いだけで十分食べられます。
そこで今回は摘果したみかんをジュースに加工する方法をご紹介します。

摘果みかんジュースの作り方
  1. みかんをよく洗って水気をきる
  2. みかんを横半分に切る
  3. ジューサーやしぼり器などで果汁をしぼる
  4. しぼった果汁をこして種を取り除く
  5. 果汁を鍋に入れて温めながら、砂糖を入れてかき混ぜる
  6. 砂糖が溶けたら、火を止めて冷ます
  7. びんに入れて冷やしたら完成

参考:神奈川県―農産物の上手な利用法(最終閲覧日2022年5月31日)

みかんの収穫時期は品種ごとに異なる

みかんの収穫時期は品種ごとに異なります。
せっかく実ったみかんをおいしいうちに食べるためにも収穫時期を知っておきましょう。
今回は一般的な温州みかんを例にご紹介します。

品種ごとの収穫時期(品種は一例)
  • 極早生みかん:10月初旬~下旬頃(ゆら早生、上野早生など)
  • 早生みかん:11月初旬~下旬頃(宮川早生、興津早生など)
  • 中生みかん:12月10~20日頃(石地中生、愛媛中生など)
  • 晩生みかん:12月20日頃~(青島温州、寿太郎など)

参考:苗木の専門店 グリーンでGO!(楽天)(最終閲覧日2022年5月31日)

みかんの木を元気に育てるためには毎日のお世話も大切

みかんの木を元気に育てるためには毎日のお手入れも大切です。
正しいお手入れをしておいしいみかんを収穫しましょう。
今回は特に大切な3つのお手入れとポイントを解説します。

春~夏はたっぷり水やり

苗木のうちは、地植えも鉢植えも春~夏にかけて土が乾いたらその都度たっぷりと水を与えましょう。
成木になったら、地植えの場合は基本的に水やり不要です。
ただ、気温が高くて乾燥している日は、土の様子を見て乾いていたら水を与えましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いたら鉢底からあふれるくらいの水を与えてください。

肥料は年3回与えるのが基本

みかんの木に肥料を与えるタイミングは年3回あります。
肥料を与える時期と時期ごとの目的をまとめました。

・3月頃(春肥)
目的:新芽の生長や開花を促すため

・6月頃(夏肥)
目的:新しい枝や果実の生長を促すため

・10月頃(秋肥)
目的:実を付けて疲れた木の回復や来年の花芽の数を増やすため

与える肥料は緩効性肥料がおすすめです。
緩効性肥料は成分がゆっくりと土に浸透する肥料なので、栄養が行き渡った状態が1年中維持されます。
以下におすすめ商品をご紹介します。
価格は2022年6月3日時点の情報です。

花ごころ レモン・ミカン・柑橘の肥料 500g
価格 404円
おすすめポイント
  • ゆっくりと成分が溶け出す緩効性肥料なので根を傷めない
  • 実付きをよくするリン酸成分を多く配合
  • カンキツ専用肥料なので初めてでも安心して使える

5~7月頃は病害虫対策を念入りに

気温や湿度が高くなりやすい5~7月は、蒸れによる病害虫の被害を受けやすい時期です。
そのため、病害虫対策を重点的におこないましょう。

みかんに付きやすい害虫と対策
  • アブラムシ類
  • 葉の養分を吸うだけでなく、ウイルスが原因になる病気を媒介することもあるので、早めの駆除が大切です。
    数が少ない場合はセロハンテープなどでくっつけて退治する方法があります。
    数が多い場合は果樹用の殺虫剤で駆除しましょう。

  • カイガラムシ類
  • 葉の養分を吸って生育を妨げたり、排泄物が病気の原因になったりします。
    歯ブラシなどでこすって落とし、早めに駆除しましょう。
    湿度の高い場所を好むので、こまめに不要な枝葉を剪定して風通しをよくすることが大切です。

  • ハダニ類
  • ダニと名がついていますがクモの仲間です。
    葉の裏に寄生して養分を吸ってしまうので、放置すると葉が枯れてしまうことがあります。
    ただ、とても小さい虫なので勢いよく水をかけるだけで駆除できます。
    葉の裏にもしっかりと水をかけて洗い流しましょう。

みかんにも安心して使えるおすすめ殺虫剤

害虫駆除のためとはいえ、みかんのような食用の果樹に強い殺虫剤を使うのは、ためらいがある方も多いでしょう。
そこでおすすめなのが食品原料を使った次の商品です。
価格は2022年6月3日時点の情報です。

アースガーデン 食酢100%殺虫殺菌剤 やさお酢 1000ml
価格 774円
おすすめポイント
  • 農薬取締法で安全性が認められた特定防除資材の「食酢」を使用
  • お酢100%なので食べる直前まで使える!
  • お酢の力は害虫駆除予防だけでなく植物の生長にも効果的!

【使用方法】
・葉の表裏や茎にまんべんなく散布してください。
・2、3日おきの散布を約2週間続けることで害虫の増殖を1ヵ月程度抑えます(アブラムシ、ハダニの場合)。散布状況、気象条件(散布後すぐに雨が降るなど)によっては、効果にむらが生じる場合があります。
・日中の高温時はさけ、早朝か夕方に散布してください。
・雨が降った後は効果が薄れるので、再度散布してください。

【散布方法】
・スプレーの先端口のキャップを回し、「SPRAY」にあわせると、近くに広く噴射できます。
「JET」にあわせると、離れた所まで噴射できます。
・使用後は、必ず「OFF」に戻してください。
・逆さスプレーできます。
・薄めずそのまま使えます。

引用元:アース製薬 「やさお酢」商品ページ(最終閲覧日2022年6月3日)

【やさお酢/使い方ガイドムービー】

みかんの木の剪定は「剪定110番」にお任せください

みかんは苗の植え付けから実がなるまで4~5年かかる果樹です。
そのため毎年の剪定がとても大切なのですが、枝の切り方や切る枝の見極めなど、果樹ならではの独特さを大変に感じる方も多いでしょう。

そこで当サイト「剪定110番」の出番です。
剪定110番は全国各地の剪定業者をご紹介するサービスをおこなっています。
ご相談はお電話の他、メールでも受け付けています。
難しい剪定はプロにお任せして、みかんの木の栽培を楽しんでみませんか。

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