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2020.08.26更新

火災保険は“倒木”にも適用できる?被害状況で変わる適用条件を解説

火災保険は“倒木”にも適用できる?被害状況で変わる適用条件を解説

「庭木が台風で倒れた!」
「隣の敷地の木が倒れてきた……」
「近くに大きな木があるけど、台風とかで倒れないかな……」

台風や地震などの災害が非常に多い日本。いつ起きるかわからない倒木、もし庭木が被害に遭ってしまった際にかかる費用を考えると、できれば火災保険の補償を受け取りたいもの……。

結論からいえば基本的に倒木被害に対して、火災保険は適用されます
しかしこれには例外もあるため、注意が必要です。

保険会社やプラン次第では『この原因のときはダメ』・『この加入状況だったら保険適用外』など、さまざまな要因で火災保険が使えなくなることも。たとえば地震による倒木の場合、火災保険では対処できないケースが多い、ということをご存じでしょうか?

まずは一度、『どんな状況なら火災保険が倒木に適用されるのか』、その例をしっかり確認しておきましょう!

補償を受けられる?火災保険が『倒木』で適用される3つの条件

火災保険を倒木被害で適用するには多くの場合、以下の3つの条件を満たすことが大切です。

  • 火災保険の補償対象に『建物』は入っているか?
  • 倒木原因は『風災』や『雪災・雹(ひょう)災』もしくは『自然倒木』か?
  • 免責金額があればそれ以上の損害が出ているか?

それぞれ、以下でくわしく解説していきます!

火災保険の補償対象に『建物』は入っているか?

まず大前提として、火災保険において庭木は『建物』として扱われます。

火災保険にはその対象として『家財』と『建物』の2つがありますが、庭木をはじめとする樹木は家財ではなく建物です。庭木が建物、というイメージは湧きにくいですが、これは木が根を張って動かせないことから来ています。

多くの方は建物を対象に保険加入しているかとは思いますが、まずは念のため、ここから確認しておきましょう。

倒木原因は『風災』や『雪災・雹(ひょう)災』、もしくは『自然倒木』か?

倒木を引き起こす原因は、やはり台風や強風などが多いもの。この風による倒木被害の場合は、多くの場合問題なく火災保険が適用されます。なぜなら大半の火災保険は、強風災害(=風災)に対する補償に対応しているからです。

また、それ以外の原因の倒木でも火災保険の補償は受けられることもあります。火災保険を倒木に適用できる具体的なケースは、おもに以下の通りです。

補償内容 倒木被害例
風災補償 台風や強風、竜巻によって倒木した
雪災補償 大雪の重みなどによって倒木した
物体の落下・飛来の補償 木が自然に倒れてきた

※契約プランによっては一部含まれていないこともあります。

自然災害をはじめ、火災保険は多くの倒木の原因をカバーしてくれます。しかし、前述したように『地震による倒木』に関しては、火災保険では対応できないことも多いので注意が必要です。

地震の場合は火災保険とは別に『地震保険』というものに加入している必要があります。とはいえ、この地震保険は火災保険を契約した際に一緒に加入することの多い保険なので、一度加入しているかどうか確かめてみましょう。

免責金額があればそれ以上の損害が出ているか?

火災保険の場合、風災などによる倒木被害の補償に『免責金額』が決められているケースもあります。

免責金額とは、「~円以上の被害が出た場合は補償する」、というものです。たとえば免責金額が10万円の場合、損害額が8万円なら保険金が下りません。このように、一定の被害が出なければ補償されない、なんてこともあるのです。

これは契約時に説明があるとは思いますが、わからない場合は資料などを確認しておきましょう。また、保険会社や契約した代理店に直接聞くのもオススメです。


☆庭木や所有している木の倒木が不安な方は
⇒4章『庭木の倒木被害が不安なときは|損害を未然に防ぐ方法』へジャンプ
☆今現在倒木被害に遭っている方は
⇒ 次章でご紹介します

庭木の倒木被害に遭った際に取るべき2つの行動

もし今現在、倒木被害に遭っている場合はまず以下の2つの行動から進めていきましょう。

1:火災保険を契約している保険会社や代理店に倒木について相談する。
2:倒木の処分を依頼する(大きく傾いている場合も!)

この2つはともに、非常に重要な作業です。
家族などと相談しながら、並行して進行させましょう!

保険会社・代理店への相談で押さええておくべきポイント

業者の選び方

火災保険が適用されるかどうか、またどれぐらいの補償が下りるのか。これは正直、どうしても『契約した保険会社や、そのプラン次第』な部分があります。そのためまずは保険会社や代理店に今の被害状況について相談し、話を聞いておくことが大切です。

慣れていなければなかなか難しい火災保険の問題、一度保険のプロに話してみると安心できる部分もやはり多いものです。この際、基本的には担当の方が話を進めてくれますが、以下の内容を確認しておくと話もよりスムーズに進むでしょう。

☆確認ポイント

  1. そもそも倒木被害は保証の対象になるのか?
  2. 倒木が発生した原因がわかっている場合、(台風や自然倒木など)それが補償の対象になるか?
  3. 免責金額など、なにか別に特殊な条件はないか?

とくに3は、プランや保険会社によっては『被害から7日以内に木が枯れれば補償』なんてこともあるため注意が必要です。

建物も損害を受け7日以内に庭木が枯死した場合に限り、保険金をお支払いします。
三井住友海上-【火災保険】台風で庭木に被害があった場合は補償されますか?

ひとつひとつ話し合って、認識の相違がないようにしておきましょう!

倒木の処分はできるだけ早めにしよう!

倒木はもちろん、台風・強風によって庭木が大きく傾いている場合は、できるだけ早く伐伐・処分しなければなりません。なぜなら、以下のような二次被害が起きかねないからです。

  • 木の重みでさらに家屋の破損が進む
  • 木の幹の浮いた部分が落下する
  • シロアリが発生する

木が倒れれば、被害はそれだけで終わりではありません。家屋はもちろん、倒れ方次第では人にまで被害が出ることも……。

また、庭木が倒れかけの場合もいつどんな被害が出るかわかりません。この処分は早めに業者を呼んで、伐採・撤去してもらうとよいでしょう。


そんな倒木の伐採・撤去費用は、以下のような要因次第で万単位で変動します。

  • 木の高さ
  • 倒れた方向
  • 職人が何人必要な作業か
  • 重機は必要か

などなど……

このことからも、一概に相場は何円、とはいい切れないのが実情です。まずは一度職人に現場を見てもらい、詳細な見積りを出してもらうと確実でしょう。

もし、倒木の撤去依頼にお困りの方は、弊社の無料相談ダイヤルのご利用もご検討ください。お住まいのエリアに対応した提携業者をすぐにお探しし、ご紹介させていただきます。

もちろん相談は24時間いつでも無料。見積りからのご要望も大丈夫ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

倒木における損害賠償責任の有無

倒木によって被害に遭うのは、決して自分だけとは限りません。倒れる方向によっては隣の家や車などを壊してしまったり、最悪通行人をケガさせてしまったりすることも……。また逆に、隣の敷地の木がこちらに倒れてきた、というケースもあるでしょう。

このような場合の賠償責任ですが、木がしっかり手入れされており、台風などの不可抗力による倒木であれば基本的に責任を負うことはありません

またこれは隣の家の木が倒れてきたときも同様です。要するに手入れに問題のない木であれば、もし倒木被害に遭っても損害賠償は請求できない、ということになります。

倒木による賠償責任が問われるケースとは

基本料金

ただし、どのような倒木被害でも賠償責任が発生しないというわけではありません。その原因が台風のような災害だけではない、いわゆる「管理不足」 によるものなら、民法によって賠償責任が発生します。

これは自分が被害を出した場合も、他人や自治体の木が被害を出した場合も同様です。

例を挙げれば

  • 弱っており、かつ支柱固定などのケアがされていない木が強風で倒れた
  • 腐食や傾きを放置された木が瑕疵によって自然に倒れた

などなど……。
※瑕疵(かし)=欠陥や不備のこと

これは当然火災保険などでは補償できないため、もし不安な方は「個人賠償責任保険」や「施設賠償保険」に加入しておく必要があります。

とはいえ、実際に被害を起こしてしまった、起こされてしまった場合は法律が絡むトラブルになりますので、自分でなんとかするのはかなり大変です。この場合は弁護士や裁判所などに仲介に入ってもらうのがやはり無難な選択といえるでしょう。

庭木の倒木被害が不安なときは|損害を未然に防ぐ方法

数m~数十mに及ぶような木は台風や強風、地震などによる倒木のリスクも高く、植栽・剪定業者による定期的なメンテナンスが必須。

もし大きな木をおもちの方で倒木が不安という方は、しっかり剪定支柱固定などの対策をしておきましょう。+α、管理を依頼した業者に点検の照明書などをもらっておくと、もしも倒木した際に不可抗力であることの証明にできます。

また、もし自宅や他人への倒木被害自体が不安であれば、これを機に伐採しておくのもひとつの予防策です。とくに管理が大変な木をおのちの方は、いつくるかわからない災害に備えて未然に被害を防いでおけばより安心できますよ。

伐採にかかる費用は見積り必須!

庭木の伐採ともなると費用が気になるところですが、伐採の費用相場は職人でも何円、とはなかなかいえません 。木の高さ・幹の太さ・作業の難易度……、これらを加味したうえで見積りを出すため、状況によっては同じ木でも数万円の費用差が出ることもあります。

そのため、まずは一度現場に来てもらい、倒木・傾いた庭木の状況を確認してもらうことが大切。この際、費用はもちろん以下のような業者の対応を見ておくとより安心できます。

  • 対応に誠実さはあるか?
  • 現場の状況や事情に寄り添った提案をしてくれるか?
  • 契約を急かさないか?

業者には、実際に会ってみないとわからないことが意外と多いものです。まずは一度会ってみて、その費用と対応から依頼を決める、というのはやはりベターといえますね。

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