庭木の伐採は抜根もセットでおこないましょう。
なぜなら木の根っこが残っていると、また成長してきたり、害虫が湧いたりするからです。
ここでは、庭木を自分で抜根する手順や、業者に依頼する場合の費用などを解説していきます。
「自分で抜根したい!」という方も、「大変そうだから業者に頼んだほうがいいのかな?」という方も、ぜひ参考にしてみてください。
最適な方法を選んで、邪魔な切り株は取り除いてしまいましょう!
- 自分で抜根できる木のサイズには目安がある
- 抜根にはさまざまな注意点がある
- 難しそうなら業者に依頼するのもおすすめ
目次
庭木の伐採後に抜根が必要な理由
庭木を伐採すれば、庭の日当たりが改善され、落ち葉の処理や剪定の手間から解放されます。
しかし、抜根せずに切り株・根っこを放置しているといくつかの問題が発生するおそれがあります。
- シロアリや蜂などの害虫が発生しやすくなり、住む人や建物に大きな危険がおよぶ
- 切り株が悪目立ちして庭の美観を損なう
- 遊んだり作業したりするとき、木の根っこにつまずいて怪我をするおそれがある
- 切り株が邪魔でリフォームの方法が限られたり、不可能になったりする
切り株を放置していると“萌芽(ほうが)”と呼ばれる新たな芽が伸びてくることがあります。
お子様やお年寄りがいるご家庭では怪我のリスクが大きいため、早めに抜根しておきましょう。
ここからは、自分で抜根する方法をご紹介していきます。
自分で抜根できる木の大きさの目安
抜根は非常に力のいる作業なため、一般的には業者に依頼することが多いです。
しかし、目安として木の樹高が3メートル未満、切り株の太さが直径20センチメートル程度である場合は、自分で伐採・抜根できる範囲だといわれています。
自分で抜根できれば業者に依頼する際の費用を抑えられるため、ここでは伐採をしたあとの抜根の流れをご紹介していきます。
自分で抜根できる範囲をお伝えしましたが、竹の場合は自分で抜根するのは難しいです。
なぜなら、竹が地中に張る“地下茎”は成長が早く、範囲が広がりやすい性質があるためです。
竹の根を取り除きたい場合には、根を腐らせたり枯らせたりする方法がよいといわれています。
竹駆除の方法は竹の除草剤は「液体」か「顆粒」で選ぼう!適切な処置で竹害を防ぐをご覧ください。
抜根に必要な道具
庭木の切り株が自分で抜根できる大きさなら、下記の道具を用意すれば重機を使うことなく作業できるでしょう。
- スコップ・シャベル・高圧洗浄機:土の除去用
- ノコギリ・剪定ばさみ:根の切断用
- 軍手・長靴・汚れてもいい服:安全確保と汚れ防止用
ノコギリのように鋭い道具も使うため、怪我のないよう長袖の服を上下着用しましょう。
以下の道具も使いこなせばより楽に抜根できます。
- 除草剤・農薬:切り株を枯らす用
- チェーンブロック・ジャッキ:切り株を引き抜く用
薬剤の準備は任意ですが、植物を枯らすための薬剤を数日前から根の部分に吸収させておくことで木の活力を弱め、抜根作業を楽にする狙いがあります。
薬剤を使用するときは、周囲の植物にかかって枯らしてしまわないよう気をつけてください。
チェーンブロックやジャッキは、抜根が特に大変な場合に頼りになる道具です。
小さい力で重いものを持ち上げたり支えたりする工具で、製造・工事・造園などさまざまな現場で使用されています。
チェーンブロックやジャッキは性能によっては価格が数万円になることもあります。
新たに購入を検討する際は、業者に抜根を依頼したほうが安く済む場合もあるため、業者の見積もりと比較してから購入を判断しましょう。
抜根の手順
1.伐採する
まず伐採から始める場合は、幹を腰ぐらいの高さに残して伐採しましょう。
地面ギリギリではなくある程度長さを残すことで、切り株を揺らす際にてこの原理で力を加えやすくなり、抜根作業が楽になります。
逆に幹が長いと感じる場合は、ノコギリを使って短くしましょう。
2.穴を掘りながら土を落とす
根っこの周りをスコップやシャベルで掘っていきます。
土が付いたままでは根が見づらかったり、切りにくかったりするため土を落としましょう。
このときに高圧洗浄機があれば、根の周りに付いている土を楽に落とすことができます。
根の周りを掘るときのコツは、根の全体像を把握するために、全方向から少しずつ掘っていくことです。
3.むき出しになった根っこを切っていく
根の周りを掘っていくと、だんだん根っこや幹がむき出しになってきます。
根っこが地面に根付いたままでは切り株を引き抜くのが難しいです。
むき出しになってきた根や幹は、切れる時点でノコギリを使って切りましょう。
4.限界まで掘れたら引っこ抜く
「もうこれ以上は掘れない」「そろそろ根っこが抜けそうだ」という状態になったら、根っこを左右に揺らしたりして引っこ抜く準備をします。
揺れ幅が大きくなってきたら抜いてみましょう。
引き抜くのが難しければ再度、根っこを切って揺らすを繰り返します。
この作業は力がいるうえに、怪我をする危険もあるため注意してください。
自分で抜根する際の注意点
自分で抜根するには大変な労力が必要で、危険から身を守る必要もあります。
抜根作業をする前に、以下のことを頭に入れておきましょう。
・害虫に気をつける
伐採してしばらく時間がたっていると、シロアリや蜂などの害虫が樹木の根に住み着くおそれがあります。
蜂などの場合は作業中に襲われる危険もあるため、害虫がいないかあらかじめ調べましょう。
・怪我や熱中症に気をつける
作業中、思わぬ怪我をしてしまうこともあるかもしれません。
特にノコギリの使用中や力仕事の最中には安全面に注意が必要です。
また、夏場では熱中症の危険があります。
こまめに休憩をとり、しっかりと水分を補給しましょう。
・他の植物の根まで傷つけてしまわないように注意する
お庭に他の植木や小さな植物が植えられていることもあるでしょう。
抜根する木の周りにほかの庭木がある場合は、作業中に傷つけないように気をつけてください。
特に薬品を使う際には注意が必要です。
風に乗ったり、流れ出したりして広範囲の植物に影響を与えるおそれがあります。
・建物近くにある抜根は避け、業者に相談するのが無難
家など建物が近くにある場所で抜根をおこなう場合、思わぬ事故で建物に損害を与えてしまうケースがあります。
例えば、道具で建物を傷つけたり、建物の下に張っている根を抜く際に建物の基礎に影響してしたりすることもあるようです。
また、抜根する場所が他人の建物に近い場合、抜根時の事故で近隣トラブルに発展してしまうおそれもあります。
このようなリスクを避けるためにも、建物近くで抜根をおこなう際には業者に依頼したほうが安心です。
ここまで解説してきたように、必要な道具をそろえるのに大きな費用がかかってしまう場合や、自分で作業するのが難しい場合などは、まずは業者への依頼を検討してみてください。
伐採110番は全国受付対応で、現地調査が無料です。
「まだ業者に依頼しようか迷っている」という方もお気軽にご相談ください。
抜いた根っこの処分方法
抜根後の根は庭に放置せず早めに処理しましょう。
そのまま庭に放置しておくと、枯れ木を餌にするシロアリが湧いてしまうかもしれません。
害虫被害の防止や庭の美観・安全のための抜根作業が無意味にならないように、抜根後は根をきちんと処分しましょう。
ここからは一般的な根の処分方法を2つご紹介します。
ご自身のやりやすい方法で根を処分してください。
自治体のルールに従ってゴミに出す
自治体によってゴミ捨てのルールは違いますが、一般的に木の根っこは燃えるゴミとして出せる自治体が多いようです。
ただし、なかには切り株の処分ができない自治体がある可能性もあるため、自治体のホームページなどで確認するようにしてください。
根っこをゴミとして出すときは、大きなままでは危険なため、小さめに切って袋の中にまとめて入れて出すようにしましょう。
具体例 | 分別区分 | 備考 |
木くず | 可燃ごみ | 30cm角を超えるものは、粗大ごみへ |
木の枝 | 可燃ごみ | 50cm以下に切って |
木の幹・枝 | 可燃ごみ | 30cm核を超えるものは、粗大ごみへ |
参考:名古屋市:家庭ごみ・資源の分別早見表<か行>(暮らしの情報)(最終閲覧日:2021年5月7日)
業者に依頼する
抜根作業自体を業者に依頼する場合は、事前に依頼しておけば幹や根を処分してくれる業者もあります。
ただし、業者によっては処分費が発生するため事前に確認しましょう。
また、自分で抜根した場合にも、掘り起こした根っこの処分に対応する業者もあるようです。
処分を依頼するだけなら費用は高額にならないこともあるため、一度相談してみるのもよいでしょう。
切り株や伐採後の庭木の処分方法は伐採・抜根後に残った木を処理する2つの方法をご覧ください。
木の根っこを腐らせる方法
「樹高や太さから自分で抜根するのが難しい」と感じる場合や、「抜根しようとしたら想像以上に根が深かった」という場合は、根を掘るのではなく腐らせる・枯らせる方法もあります。
しかし、この方法は長い期間を必要とすること、完全に根を腐らせられない・枯らせられないこともあることを知っておいてください。
そのうえで業者に抜根を依頼するか、以下の方法で根を腐らせる・枯らせるかを検討しましょう。
除草剤を使う
切り株に除草剤を塗って、時間をかけて根を弱らせる方法です。
除草剤の塗り方は、伐採後すぐか時間がたっているかで違いがあります。
伐採後すぐであれば、切り株の表面に除草剤をたっぷり塗ります。
一方、伐採してから時間がたっている場合は表面に塗っても効果が出にくいため、ノコギリでさらに数センチメートル下で切ってから除草剤を塗ります。
または、電動ドリルを使って切り株に数か所深い穴をあけ、その穴に除草剤を注入しましょう。
この方法の注意点は、雨が降ると除草剤が流されてしまう点です。
梅雨のように雨が続く時期は避けましょう。
対策として、あらかじめブルーシートなどで切り株が濡れないようにカバーしておくとよいです。
切り株を埋める
切り株を土で埋めて光をさえぎる方法です。
光合成ができなくなると根は弱り、やがて腐ります。
切り株を埋める際は、植物を分解する効果が高い腐葉土を使うのがおすすめです。
腐葉土で切り株を埋めて定期的に水をやれば、時間をかけて分解が進みます。
この方法の注意点は、梅雨や夏場のように湿度が高い時期におこなうと虫が発生しやすいことです。
秋や冬のように湿度が低い乾燥した季節におこなうとよいでしょう。
巻き枯らしをする
巻き枯らしとは、木の表皮をはいで養分の流れを止めて木を枯らす方法です。
伐採後の切り株に巻き枯らしをする場合には、切り株全体の表皮をはがしてください。
ただし、この方法は効果が出る樹木・出ない樹木があります。
基本的に地中の根から芽吹くタイプの樹木には効果がありません。
安全かつきれいに抜根するなら業者に依頼を!
ここまで自分で抜根する方法をご紹介しましたが、安全かつきれいに抜根するには業者を利用するのがおすすめです。
・難しい抜根も対応できる
幹が太かったり根が深かったりすると、重機が必要になることもあります。
個人で重機を用意する場合、レンタルであっても資格が必要であったり費用が高額になったりするでしょう。
業者なら、素人には難しい作業や伐採まで丸ごと任せることができます。
・リスクを避けられる
建物や外壁に近い場所での抜根は、基礎や地盤に影響をおよぼす危険があります。
業者であれば、作業前にそのようなリスクに気付き、適切な方法で作業をおこなえるのも大きなメリットです。
このように、安全性や確実性を考えると抜根は業者に任せたほうが安心です。
業者の利用を検討される際は、以下でご紹介する料金相場やポイントを参考にしてみてください。
伐採業者による抜根の費用相場
抜根や根の処分を業者に依頼する場合、木の状態、作業の難易度、使用する機材などによって料金は大きく変動します。
実際の料金は現地調査をし、見積もりをとることでわかりますが、参考までに料金相場を下記の表にまとめました。
下記の料金相場は、弊社が調べた業者5社の平均値を算出したものです。
抜根料金(1本あたり) | 根の処分料金(1本あたり) | |
幹の周囲:30cm以内 | 11,800円 | 3,400円 |
幹の周囲:31cm~50cm以内 | 27,200円 | 6,000円 |
幹の周囲:51cm~80cm以内 | 44,600円 | 11,000円 |
幹の周囲:81cm以上 | 75,400円 | 19,800円 |
※提示されている価格情報はこの記事が公開された当時のものです。(2020年10月時点)
今回はこのように相場料金をお伝えしましたが、実際の料金を知るためには業者に現地調査と見積もりを依頼しましょう。
その際には、作業の依頼が確定するまで無料で対応してくれる業者への相談をおすすめします。
伐採業者を利用する際のポイント
抜根や根の処分で業者を利用するときに大切なポイントを2点ご紹介します。
業者を選ぶ際の参考にしてみてください。
見積もりや作業内容をよく確認する
抜根や根の処分の料金は状況によって大きく差が出ます。
そのため、事前調査や見積もりの際には内容をよく確認し、疑問点や不明点がなくなるまできちんと説明を求めましょう。
よく確認せずに作業を依頼してしまうと、「見積もりに根の処分が含まれていなかったため、あとになって追加料金が発生した」といったことが起こるかもしれません。
作業を依頼する前には、見積もりや作業内容をよく確認するようにしましょう。
相見積もりをとる
抜根や根っこの処分の料金は業者によって設定がさまざまなため、至急作業をしなくてはならない場合以外は、複数の業者から相見積もりをとることをおすすめします。
相見積もりをとることで、より費用が安い業者を選ぶことができます。
また、業者を比較することで費用面だけでなくサービス面でも業者ごとの特徴が見えてきます。
伐採・抜根は伐採110番にご相談ください!
伐採110番のサービスは、伐採や抜根をおこなう業者をご紹介するものです。
お電話でご要望をうかがいましたら、お客様に合ったお近くの業者をご紹介いたします。
現地調査と事前見積もりは基本的に無料なため、「まずは料金を知ってから業者に依頼するか決めたい」「相見積もりをとりたい」という方でも安心してご利用いただけます。
伐採や抜根をお考えの方は、ぜひ伐採110番にご相談ください。