グレーがかった体にオレンジのくちばしが特徴的なムクドリは、近年市街地などで見かけることの増えた野鳥の一種です。
現在、ムクドリが市街地に進出したことによってさまざまな被害が発生しています。既にお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
今回はムクドリによる被害の状況や自力で駆除する手段、その際の注意点などを紹介いたします。
ムクドリとは?その知られざる生態について
ムクドリはハトとスズメの中間程度の大きさの鳥類で、全体的にグレーがかった体色です。頭部や腹部は白色の箇所もあります。くちばしと足は、はっきりとしたオレンジ色なので、見分けやすいのではないでしょうか。
夜間は群れで集まる習性があるので、電線や樹木にびっしり集まっているムクドリを見かけた方もいるかと思います。
かつてムクドリは林や森に生息していましたが、森林開発などにより住処を追われたムクドリは市街地など人の住む地域で暮らすようになりました。そのため、近年ムクドリによる被害が増加しており、大きな問題となっています。
ムクドリによる被害は現在も増加中。その被害内容とは…
ムクドリによる被害には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。大きく分けると「鳴き声」と「糞害」の2つです。鳥類であれば至って普通の行動ですが、問題はムクドリの習性にあります。以下で細かく解説していきます。
ムクドリの鳴き声による騒音
動物であれば鳴き声をあげることは当たり前のことなのですが、ムクドリは仲間とコミュニケーションをとるために集団で大きな声を出します。
ムクドリは群れで行動する鳥で、その群れは大きなもので数千、数万羽になる場合もあります。そのためムクドリが一斉に鳴くことで大きな騒音となり、深刻な問題になっています。
街灯の明かりの影響で眠らないムクドリは、日が落ちてもコミュニケーションを取ろうとして鳴き続けるため、ムクドリの群れが発生する地域の住人は、長時間の騒音に悩まされています。
ムクドリのフンによる汚染や悪臭、ウイルス感染
糞による被害はほかの鳥類でもみられますが、ムクドリの場合問題になるのはその数です。群れでいるときに糞をすることが多いため、その糞による被害も大きなものとなってしまいます。
野鳥の糞は病原菌やウイルスを媒介します。乾燥して舞い上がった糞を吸ってしまったり、糞を直接手で触れてしまったりすることで、深刻な被害になる可能性も少なくありません。また、一面の糞は周辺の景観を損ねるうえ、悪臭の原因になります。
ムクドリの巣にダニが大量発生
ムクドリが市街地に進出したことにより、家屋の軒下や壁面に巣を作ることが増えました。野鳥の巣はダニなどの害虫が発生しやすく、ムクドリの巣も例外ではありません。
このダニは巣の周辺だけでなく網戸などのわずかな隙間から家の中へ侵入し、人間に対して激しいかゆみやアレルギー症状などを引き起こします。また、ヒナのいるムクドリの巣は強い獣臭を放つため、臭いによる被害も深刻です。
ムクドリを自力で駆除するための手段
糞害や騒音をどうにかしようと個人での駆除を試みようとする方もいるでしょう。ムクドリの駆除には地方自治体も手を焼いているほどです。
ムクドリは学習能力の高い鳥で、確実かつ有効的に駆除をする手段は見つかっていません。ですが、みなさんでもできることがいくつかあります。
市販のグッズで撃退する
ムクドリにある程度有効な市販グッズには、フクロウなどを模した鳥型かかしや天敵の声を出すスピーカーなどがあります。
これらは、フクロウの活動時間にのみ設置をするなど本来の習性を把握して使わないと、賢いムクドリには見破られてしまうので、少々扱いの難しいものだといえます。
巣作り防止や家屋への侵入に有効なものは、網やバードスパイクです。網は角目でマスの小さい物を用意してください。戸袋や軒下など、開放部のある程度限られた部分に取り付けることがオススメです。
バードスパイクはムクドリが普段止まっている個所に設置することが効果的です。完全に追い出すことは難しいですが、糞害や巣作りをされたくない箇所に設置すれば、ムクドリを遠ざけることができます。
もっと力を入れて撃退する
少々過激な方法ですが、農地などではロケット花火や爆竹で脅かして追い払う方法もおこなわれているようです。大きな音や火を伴う手段ですので、住宅地や市街地などでは避けたほうがよいでしょう。さらに、ムクドリを傷つけない工夫も必要です。
ムクドリの居所を撤収する
ムクドリが住み着いている木が庭木など自身の所有物であれば、思い切って枝や木そのものを切ってしまうのもひとつの手段です。止まる枝がなくなればムクドリは住処を失い、やってくることはなくなります。しかし、お庭の外観を損ねることになります。
これだけは守って!鳥獣保護管理法について
ムクドリ対策をするにあたって気を付けたいのは、害鳥だということで野生のムクドリを殺してしまうと、法律で罰せられる可能性があることです。ムクドリの巣にヒナや卵がある場合も同様です。
というのも、国内の野鳥は、「鳥獣保護管理法」という法律によって保護されています。鳥獣保護管理法の中で、ムクドリは狩猟鳥という分類をされてはいますが、許可や資格のない駆除または狩猟は禁止されています。
傷つけて駆除をすると罰せられる可能性がありますが、道具を設置して追い払うことに問題はありません。
自分の力じゃどうにもならない!そんなとき頼りになる存在って?
網での侵入防止やバードスパイク程度で解決できれば問題ないのですが、ムクドリは地方自治体ですら手を焼く害鳥です。
特に既に巣を作ってしまっている場合、個人で追い出すのは大変難しいうえ、根気も必要です。さらに高所での作業となる可能性もあり、駆除には危険が伴う場合もます。
害獣駆除をおこなう業者に頼んでみる
被害が深刻な場合は、専門業者に依頼をするのが確実です。見積り次第ですが、ムクドリ防止グッズを揃えるのと同じ程度の費用で依頼できるケースもあります。
業者への依頼であれば駆除グッズを買うより確実な効果が期待できます。自分で道具を買って時間をかけて設置をするよりは、専門業者に任せて適切な対策を施してもらったほうが、効果的といえるのではないでしょうか。
既に作られてしまった巣も取り除いてくれる上に、再発防止の対策をおこなってくれる業者もあるそうです。
優良業者を見つける方法
害鳥駆除の業者を探す際に参考にしたいのは、具体的な実績や施工後のアフターフォローの有無です。これらがあるかどうかしっかりと確認しましょう。業者を比較できるサイトなどを使って数社を比較し、出張費や追加料金についても確認しておきましょう。
弊社でもムクドリ駆除の無料見積りを受け付けておりますので、よろしければご活用ください。見積り内容にご納得いただけない場合はキャンセルも可能です。ぜひ安心してお試しください。
まとめ
本来ムクドリは害鳥ではなく、害虫を食べてくれる益鳥としての役割が強い鳥でした。しかし、森林開発などにより住処を追われて市街地に定着した結果、ムクドリによる被害が発生しています。
市街地において、人間とムクドリの共生は難しいでしょう。ですので、少しずつ里山などへ戻ってもらえるよう人間側が根気よく駆除を続ける必要があります。
個人での駆除は難しく、また巣の撤去のなどをむやみにおこなってしまうと、法律に違反してしまう場合があります。
ムクドリの駆除に関しては業者へ依頼をし、適切な処置をおこなうことをおすすめします。