ヤブガラシの駆除に有効な手段は?害虫が発生する前に早めの対策を!
目次
ヤブガラシは、どんどん増殖するブドウ科のつる草
ヤブガラシは、長い地下茎で繁殖するブドウ科の多年生雑草です。葉の付け根から伸びる巻きヒゲで、近くの植物に次々絡みつきながら急速に成長していきます。
その名の通り、藪を覆いつくして枯らしてしまうほど生育が旺盛なつる植物で、茎は数メートルにまで達します。道端や荒れ地などに多く見られますが、基本どこにでも発生して伸び続け、民家の塀や公園のフェンスなどにも絡みついてきます。
そんなヤブガラシに敷地内まで侵入されると、大切な庭木や家の壁などをびっしり覆われてしまい、取り除く作業に大変な苦労を要します。つる草特有の防除の難しさがあるヤブガラシですが、どうすれば自分で取り除くことができるのでしょう。また、再発生を防ぐ方法はあるのでしょうか。
ヤブガラシってどんな植物?
ヤブガラシが手ごわいとされる理由は、旺盛な生育力とつるの長さにあります。つるは3メートルは伸びることが分かっており、1本に絡みつかれただけでも大変な長さです。次々と巻きひげを伸ばして他の植物やフェンスなどに巻き付いていき、たちまち覆いつくしてしまいます。
6~8月に黄緑色の小さな花が咲きますが、あまり目立たず際立った美しさがないため、増殖させて得する要素も見受けられません。しかし、生薬として使われることがあり、若芽を茹でてしっかりとあく抜きをすれば食べることができるようです。
名前の由来
“藪をも枯らす”ヤブガラシには、「ビンボウカズラ」「ビンボウグサ」「ビンボウヅル」といった別名があります。正式名称も怖いですが、別名もすべてに貧乏が入っていて、ろくでもない感じが漂いますね。この別名は、庭の手入れをする余裕もない貧乏な家にヤブガラシがはびこる傾向があったことから付いたようです。
実際には貧乏でなくても、ビンボウカズラに覆われた家は貧乏そうに見えることから、こういった呼び名になったとも言われています。ヤブガラシに庭や家に絡みつかれた上、このような負のイメージまで被らされてはたまりません。どこにでも発生し、あっという間にその場を覆いつくします。ヤブガラシの怖いところはまだあります。
それは、たった数ミリ残った根からも再発生してくるという点です。いくら地上に見えるすべての茎を抜き取り、土の中の根茎まで掘り起こして捨てても、ほんの少しちぎれて残った根の端が再び芽を出し始めるのです。
ヤブガラシの地下茎は横へ横へと長く伸びており、一度でも敷地内に増殖させてしまうとその場所から完全に取り除くのはかなり難しく、規模によっては不可能に近いと言っても過言ではないかもしれません。
ヤブガラシはどうすれば防除できる?
放っておくとたちまち広がっていくヤブガラシですので、防除するなら先手必勝。ヤブガラシの成長と自分が行動を起こすのとどちらが早いか、これに尽きるとも言えます。処理の先送りは、雪だるま式に増えていく難事を未来の自分に丸投げするようなものです。
ちょっと気合いがいりますが、気候などの条件が厳しくなる前に着手しておきたいですね。
ヤブガラシを草取り作業で除去するなら
草取りは熱中症対策が大切です。こまめに水分補給できるよう手元に飲み物を用意し、風通しのよい服(紫外線対策として、なるべく長そで)を着て行うとよいでしょう。また、草取り中にハチなどに刺されないよう、防虫スプレーでガードしておくのも忘れずに。
そのほか、合わせておさえたいポイントは下記の点です。
- 手首まで守れて丈夫な手袋をする(手袋をしても引っ張るとケガをしやすいので注意)
- できるだけ根がちぎれないように、ひたすら抜き続ける
- 疲れる前に、抜いた草をまとめながら休憩を挟む
- 範囲が広い場合は、三角ホーや草取りフォークなどを使い、土ごと掻き取っていく
- 抜いた場所に食塩水をかける(大事な植物の付近にかからないよう注意)
ヤブガラシを束にしてきつく巻いておくと枯れるケースもあるようですが、状況によって効果が出ないことの方が多いようです。一度は試してみるのもいいかもしれませんね。
除草剤を使うなら
- よく調べて状況にあった除草剤を選び、使用法や用量を事前に確認する
- 周囲に枯れると困る植物がないかよく確認してから、除草剤をまく
- 筆で直接ヤブガラシだけに除草剤を塗る(この場合も周囲を確認してから)
防草シートを使うなら
ヤブガラシを予防するには、防草シートが有効です。防草シートとは、地面に敷いて使用する遮光性に優れたシートです。植物の成長に欠かせない日光を遮断することで、シートの下の植物の成長を抑制する効果があります。
いくら成長が早いとはいえ、成長に必要な日光がなければ、さすがのヤブガラシも発芽、成長がかなり遅くなります。
防草シートを効果的に使うにはいくつかの注意点があります。
- 敷く前の除草を徹底する
- 地面とシートの間に隙間をつくらない
- できるだけ丈夫な防草シートを選ぶ
防草シートはあくまで成長を抑制するものなので、敷く前には草刈りや除草剤を使っての除草が必要です。その際に可能な限り根や種子が残らないようにすれば、その分伸びてくる雑草は減ります。
また、地面とシートの間に隙間があると、わずかですが日光が差し込んでしまったり、種子が入り込んでしまいます。できるだけ隙間をなくすことでより確実に雑草を予防することができます。
また、雨や気温の変化、踏みつけなどで劣化したり破れたりしてしまうと、そこから雑草が生えてきてしまうので、できるだけ丈夫で耐候性の高いシートを選ぶことも、より長いあいだ防草効果を維持するためのポイントです。
ヤブガラシがまた生えるのを防ぐには
- 根のかけら程度でも生えてくるので、とにかく土の中に根を残さない!
- ヤブガラシが生えている場所から土をもってこない
- (どこにでも生えているため、よそから土をもってくるのは危険)
重機などで頻繁に耕されている土地では、ヤブガラシはあまり発生しないようです。掘り起こした根は、地表に丸一日さらされると枯れてしまいます。また、地表から25cmより深い場所からは発芽できないという情報もあります。
完全駆除にはプロの手を借りよう
ヤブガラシは成長速度が速く、つる性の植物のため非常に厄介といえます。「まだ大丈夫だろう」と放置をしておくと、フェンスにびっしりと絡みついたり、天井近くまで高くなったりと、除草作業がとても大変になります。
ヤブガラシは生命力も高いために、根の切れ端が少しでも残っていると、一週間程度で芽吹いてきます。
草刈りや除草剤でヤブガラシを除去し、防草シートを敷けば、しばらくのあいだはヤブガラシに悩まされることがなくなります。シートを敷く前の除草を徹底すればさらに効果的です。
徹底的な除草と予防でヤブガラシを完全駆除したい方は業者に依頼することをおすすめします。
ヤブガラシを放置しておくとどうなる?
ただでさえ労力がいる草取り。うっそうと茂ったつる草を相手にするのは腰が重いですが、ヤブガラシを放置すると庭や家の景観を損なうだけでなく、多数の招かれざる客も訪れてしまうようです。
スズメバチ、蛾、ムカデなどの害虫の発生源に
伸び放題、茂り放題でできたヤブガラシの藪の中には、蛾やムカデなどの害虫が集まり、繁殖の場にもなります。また、ヤブガラシの花にはたくさんの蜜があるため、開花している時期は毎日のようにスズメバチやアシナガバチが通ってきます。
そんな中で草取りをするのは危険ですので、できるなら開花する前に作業しておきたいものです。
野良ネコやタヌキなどの害獣もよってくる
藪の中には動物も集まってきます。野良ネコの糞害にあったり、タヌキに作物を荒らされるなどの被害にあいやすくなるため、ヤブガラシの放置はやはり禁物です。
もう手がつけられない、誰にも頼めない…そんな時こそ業者に依頼を!
フェンス一面に複雑に絡まったつるや、屋根まで高く伸びてしまったつるを自分だけで取り除くのは重労働です。それでも、手入れせず放置するとますます地下茎が成長して敷地内に広まってしまい、来年もっと大変なことに…。どうしても自分で対応できなくて困った時には、業者に任せるのもよい手段でしょう。
迷わずすぐに助けを呼ぶのと、ヤブガラシが立派になっていくのを眺めているのとでは、数週間後の状況はまったく違ってくるはずです。植物の健康と庭の景観を取り戻すためにも、遠慮なくプロに頼んで今後の苦労の芽をつんでもらいましょう。
ヤブガラシ(別名ビンボウカズラ)に絡まれて覆いつくされると、植物は光を浴びることができずに枯れてしまいます。強健なブドウ科のつる草で数メートルも伸びるため、庭から家の壁や屋根にも這い上がっていきます。手入れを怠るとヤブガラシに庭木や作物を枯らされ家まで貧相になりかねないという、まるで貧乏神のような植物なのです。
放置すると、地下で根が横へ横へと広がり、地表にもつると密集した葉が増殖し続け、スズメバチなどの害虫の温床にもなってしまいます。広範囲になって手をつけられなくなる前に、根こそぎ取り除く必要があります。
ヤブガラシはたった数ミリ残った根から再発生するため、通常の草取りでは完全に根絶やしにするのは難しいですが、除草剤を使用する、重機で耕す、業者に頼むといった方法で解決する手段もあります。
近隣まで被害が及ぶ前に、一日でも早く対処しておきましょう。
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■【ヤブガラシの食べ方】ヤブガラシを食べるときはスズメバチにも注意を
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