「蛇口に緑色の汚れがこびりついて取れない!」とお困りではありませんか?じつは、その汚れの正体は「サビ」なのです。
蛇口に使われている銅やクロム、ニッケルが酸化すると「緑青(ろくしょう)」という緑色のサビができます。緑青は人体には無害ですが、見た目が悪くなってしまうため除去したほうがよいでしょう。
この記事では、緑青の掃除方法や予防方法をご紹介しています。身近なものを使って蛇口の汚れを落とし、清潔な状態を保ちましょう。
目次
- ▼蛇口についた青緑色の汚れの正体はサビ!
- ・青サビ【緑青(ろくしょう)】は毒ではない?
- ・蛇口にできる白い塊や黒色の汚れは何?
- ▼蛇口についた緑青を落とす掃除方法
- ・【1】歯ブラシやメラミンスポンジでこする
- ・【2】重曹を使う
- ・【3】酸を使う
- ・【4】緑青専用の洗剤を使う
- ▼蛇口に緑青をつけないための対策
- ・【対策1】こまめに手入れをする
- ・【対策2】蛇口や配水管を交換する
- ▼トイレやお風呂、水道水が緑色になることもある!
- ・便器や浴槽にできる緑色の汚れは銅石鹼
- ・水道水の色が変わる原因は?
- ▼緑青は水漏れのサイン!?蛇口を交換しよう
- ・蛇口を自分で交換する方法
- ・蛇口や配水管の修理・交換は業者に任せたほうが安全
- ▼まとめ
蛇口についた青緑色の汚れの正体はサビ!
あなたのご自宅の蛇口にも、緑色の汚れがついてはいませんか?その正体は「緑青(ろくしょう)」と呼ばれるサビの一種です。「緑青」ができる理由や人体への害、蛇口につく白色や黒色の汚れの正体についてもあわせて解説していきます。
青サビ【緑青(ろくしょう)】は毒ではない?
緑青とは、銅が酸化することによってできる青緑色のサビです。
銅は柔らかく加工がしやすい金属で、抗菌性にも優れているため蛇口の素材としてよく利用されます。銅に水分がつくと「酸化」が起こり、青緑色のサビができてしまうのです。
また、銅製だけでなく、ステンレス製の蛇口にも青緑色の汚れが付着することがあります。これはクロムやニッケルのサビで、同じく「緑青」と呼ばれます。
その色合いから毒々しく感じるかもしれませんが、じつは緑青には毒性はありません。蛇口にできた緑青をそのままにして使用していても、とくに体に影響が出るといったことはないでしょう。しかし、やはり見た目が悪いため、早めに掃除することをおすすめします。
蛇口にできる白い塊や黒色の汚れは何?
蛇口には緑色だけでなく、白色や黒色の汚れがつくこともありますよね。それぞれどういった汚れなのか、正体と原因をご説明します。
白色の汚れ
蛇口につく白い塊は、水道水に含まれるカルキなどのミネラル成分が固まったものです。「カルキ」とは「次亜塩素酸カルシウム」のことで、水の腐敗を防ぐ消毒薬として水道水に入れられています。
カルキはアルカリ性の汚れなので、クエン酸などの酸性のもので落とすことができます。
黒色の汚れ
蛇口と給水管のつなぎ目あたりにできる黒色の汚れはカビです。黒カビは見た目が悪いだけでなく、吸い込むとアレルギーを引き起こすなど、体にも悪影響をおよぼします。
スーパーや薬局で売られているカビ取り剤を使用して、カビの根元から分解して落としましょう。黒カビは深く根を張るため、落としきれずにすぐに発生してしまう場合もあります。徹底的に掃除したい場合は、業者に依頼するのもひとつの手です。
蛇口についた緑青を落とす掃除方法
蛇口についた緑青は、どのように掃除すればきれいに落とすことができるのでしょうか。ここでは、緑青の除去に有効な4つの方法についてご紹介していきます。
【1】歯ブラシやメラミンスポンジでこする
サビの症状が軽度なら、歯ブラシやメラミンスポンジで落ちる場合もあります。
歯ブラシに歯磨き粉をつけて蛇口の緑青をこすり、水で洗い流します。多くの歯磨き粉には研磨剤が含まれているため、サビを磨き取ることができるのです。
メラミンスポンジは「メラミン樹脂」というとても硬い樹脂でできているので、それ自体が研磨剤の役割をもっています。メラミンスポンジに水をたっぷりと含ませて蛇口を磨いてください。
歯ブラシを使う場合もメラミンスポンジを使う場合も、蛇口を傷つけてしまわないようにやさしく磨きましょう。洗い流したあとには乾いたタオルで拭きあげてください。
【2】重曹を使う
重曹も細かい粒子が研磨剤の役割を果たすため、サビ取り剤として使うことができます。
重曹と水を1:2~1:4ほどの割合で混ぜてペースト状にします。ゆるくなりすぎないように水の量を調節してください。
重曹ペーストを蛇口の緑青に塗りつけて、30分~1時間ほどパックをしておきましょう。その後、スポンジなどを使ってやさしくこすります。サビが落ちたら水で流して、乾いたタオルで拭きあげます。
【3】酸を使う
サビは金属が酸化する(酸素と化合する)ことでできるものです。そのため、酸化した金属から酸素を切り離せば酸化前(サビる前)の状態に戻すことができます。酸化する前の状態に戻す化学反応を「還元作用」といい、クエン酸でもこの還元作用を起こすことが可能です。
お湯100mlに、クエン酸小さじ半分を加えて混ぜ合わせておきます。緑青にスプレーして吹きかけるか、キッチンペーパーに含ませてかぶせてください。そのうえからラップをまいて乾燥を防ぎます。1時間ほど置いたらブラシやスポンジでこすり、十分に洗い流します。
緑青が取れるスピードはサビの程度によって異なるので、1回で落ちなかった場合は数回くり返してみてください。
緑青を落としたあとは、クエン酸が残らないようによく洗って水気を拭きとりましょう。酸や水分が残っていると、新たなサビの原因となってしまうからです。
【4】緑青専用の洗剤を使う
重曹やクエン酸を使っても緑青をキレイに落とすことができなかった場合は、緑青落とし専用の洗剤 (緑青クリーナー)を使用してみてください。薬局やネット通販などで購入することが可能です。
重曹やクエン酸と同様につけ置きしたり、ブラシやスポンジで磨いたりすることで、緑青が落ちてピカピカになります。蛇口のフチなどの細かい部分は、綿棒を使うと磨きやすいです。
サビ取り剤には強い薬品が使われていることがあるので、商品の注意書きをよく読んでから使用するようにしましょう。
蛇口に緑青をつけないための対策
蛇口はつねに水分がついてしまう場所です。そのため、頑張って磨き上げても、またすぐに緑青が発生してしまうということもありますよね。
蛇口に緑青を発生させないようにするには、予防法を知っておくことが重要です。ここでは、2つのサビ予防法についてご紹介していきます。
【対策1】こまめに手入れをする
なんといっても、サビ予防に重要な方法はこまめなお手入れです。蛇口を使用したあとは、水滴をタオルなどでぬぐっておきましょう。サビは水気がある部分にできやすいからです。
蛇口や水まわり用の撥水(はっすい)コーティング剤を塗っておくというのもよいでしょう。水をはじき、素早く乾くため蛇口がサビにくくなります。
【対策2】蛇口や配水管を交換する
蛇口に緑青ができるのは、蛇口や給水管の劣化による水漏れが原因の場合もあります。蛇口はものにもよりますが、短くて10年、長いものでも20年が寿命といわれています。
蛇口や給水管の劣化が気になる場合は、新しいものへの交換がおすすめです。長年使用した蛇口や給水管は、汚れがたまって不衛生になってしまっているかもしれません。新しい蛇口や給水管に交換すれば、サビ臭くないきれいな水が使えて安心ですね。
トイレやお風呂、水道水が緑色になることもある!
キッチンや洗面台の蛇口以外にも、トイレやお風呂にできる緑色の汚れ、水道水の着色にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それぞれの汚れの正体と対処法を確認していきましょう。
便器や浴槽にできる緑色の汚れは銅石鹼
金属製の蛇口だけでなく、陶器でできた便器や樹脂でできた浴槽にも緑色の汚れがつくことがありますよね。これは緑青ではなく、銅石鹸(どうせっけん)であることがほとんどです。
「銅石鹸」とは、銅製の水道管から溶け出た銅イオンと、石鹸や皮脂などが化学反応を起こして青緑色に発色したものです。
銅石鹸も有毒なものではないですが、きれいに掃除するに越したことはないでしょう。銅石鹸にはアルカリ性の洗剤やアンモニア水が有効です。汚れに洗剤をかけて、10分ほど置いてから磨きます。
ただし、強力な洗剤やアンモニアは、便器や浴槽の素材によっては変色や破損の原因となってしまうこともあります。洗剤の注意書きをよく読み、目立たない場所で試してから使うようにしてください。
なお、「お風呂や便器に赤い水垢のようなものがつく」という場合は、赤カビかもしれません。赤カビは黒カビに比べると落としやすいです。中性洗剤などを使ってこすり落としましょう。
水道水の色が変わる原因は?
無色透明であるはずの水道水に、色が着いて出てきたら驚きますよね。水道水の色が変わる原因を色別にまとめました。
水道水の色 | おもな原因 |
緑色 | 水道管の内部の銅が溶け出したことによる場合が多い。給水タンクなどで緑藻が繁殖した場合にも水道水が緑色になることがある。 |
赤色や茶色 | 水道管の老朽化によって鉄サビが溶け出している。 |
黒色 | 水道水の消毒に使われる「マンガン」。水道管内に堆積していたものが、はがれて流れ出てきた。 |
水道水に異常があらわれたら、地域の水道局に連絡してください。ご自宅の蛇口内部のサビや、ホース内部の劣化による着色の場合には、新しいものと交換する必要があるでしょう。
水110番では、蛇口の交換や修理も承っております。どうぞお気軽にご相談ください。
緑青は水漏れのサイン!?蛇口を交換しよう
掃除をしてもすぐに緑青ができてしまうという場合には、水漏れを疑ったほうがよいかもしれません。
古くなって劣化した蛇口からは、少しずつ水が漏れていることがあります。蛇口の金属がつねに濡れた状態になることで、緑青が発生しやすくなってしまうのです。
水漏れによって緑青ができている場合には、蛇口を交換しましょう。
蛇口を自分で交換する方法
基本的な蛇口の交換方法は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- 古い蛇口を取り外する
- 取り付け部分の掃除をする
- 新しい蛇口を取り付ける
- 止水栓を開ける
蛇口には、単水栓や混合水栓、ワンホールやツーホール、壁付けや台付きなど、さまざまな種類があります。もともと取り付けられていた蛇口と同じタイプの蛇口を用意しましょう。種類がわからないという場合には、メーカーに問い合わせれば型番と購入方法を案内してもらえるはずです。
モンキーレンチなどの工具を使ってナットをゆるめて取り外し、掃除をしたのちに逆の手順で取り付けてください。
蛇口や配水管の修理・交換は業者に任せたほうが安全
蛇口の仕組みや手順を知っていれば、自分でも蛇口の交換をおこなうことはできるかもしれません。しかし、あやまって水道管を傷つけたり蛇口の設置方法を間違えたりすると、交換前よりもひどい水漏れを起こしてしまうかもしれません。
その点、専門の業者なら蛇口の仕組みを熟知しているため安心です。費用面が心配だという方は、複数の業者から見積りをとって比較してみることをおすすめします。
弊社でも、無料で見積りをおこなっております。ホームページにも料金表を掲載しておりますので、ぜひ他社と比較してみてください。
まとめ
蛇口につく緑色の汚れの正体は「緑青(ろくしょう)」というサビです。緑青は、歯磨き粉や重曹、クエン酸などを使ったこすり洗いで除去することができます。なかなか落ちないがんこな緑青には、専用のサビ取り剤を使用するとよいでしょう。
また、蛇口周辺には緑青のほかにも、カルキが固まってできた白色の汚れ、黒カビや赤カビ、「銅石鹼」と呼ばれる青緑色の汚れがつくこともあります。こびりついてしまう前に、洗剤などを使ってきれいにしましょう。
掃除をしてもまたすぐに汚れがつくようであれば、蛇口や給水管の劣化が原因かもしれません。専門の業者に依頼して、蛇口や給水管の交換をおこなうことをおすすめします。