トイレのガスケットなどが水漏れの原因であった場合、その部品の交換作業は手順を守って慎重におこないましょう。なぜなら、交換方法を誤れば便器の破損や水漏れの悪化などのトラブルにつながってしまうおそれがあるからです。
このコラムでは、トイレで起こった水漏れがガスケットやフランジの不具合によるものであるかどうかの判断方法や正しい交換方法について解説していきます。交換作業をおこなう際には、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- ▼床と便器の間から水漏れ、原因はフランジやガスケットかもしれません
- ・床と便器の間が濡れている原因
- ・フランジやガスケットの不具合は墨汁を使って確認しよう
- ・ウォシュレットはノズルなど多くの接続部分があり水漏れ原因も複雑……
- ▼フランジとガスケットの交換はタンク・便器の取り外しが必要
- ・1.止水栓を閉めトイレへの水道の供給を止める
- ・2.タンク・便器内の水を抜く
- ・3.給水管との接続を外す
- ・4.タンク・便器を取り外す
- ・【タンクを取り外すときの注意点】
- ▼トイレのフランジ・ガスケットを交換して水漏れを解消しましょう
- ・フランジとガスケットの交換方法
- ・交換完了後は再びタンク・便器を設置
- ・トイレレバーを回し動作確認
- ▼トイレのガスケット交換・水漏れ修理の費用相場は20,000円~
床と便器の間から水漏れ、原因はフランジやガスケットかもしれません
トイレはさまざまな部品によって構成されているため、水漏れが起こっても原因がわからなければ適切な対応をすることができません。そこで、ここではトイレのガスケットによる水漏れの可能性がある「床と便器の間からの水漏れ」について言及していきます。
床と便器の間が濡れている原因
床と便器の間が濡れている原因には、以下のようなものが考えられます。それぞれ対処法が異なるので、トイレを観察して原因を絞り込んでいきましょう。
結露
結露は、空気中の水蒸気が冷えることで水になる現象です。そのため、床と便器の間が濡れている原因が結露にある場合、それはトイレの不具合ではなく環境の問題になってきます。
便器や配管の表面に多くの水滴がついていたら、それは結露である可能性が高いでしょう。もし結露が原因ならば、トイレの温度・湿度調節や結露防止シートの使用などで対策をすることをおすすめします。
タンクや給水管の接続不良
タンクや給水管は、小さな部品によって水が漏れないように接続されています。しかし、ナットの緩みやパッキンの劣化などの不具合があると、そうした接続箇所から水漏れが発生してしまうでしょう。もし接続箇所から水漏れが起こっていたら、部品の交換などの正しい対処が必要になります。
便器のひび割れ
水漏れの原因には、便器のひび割れも考えられます。便器から水が染み出ていないかどうかを確認してみましょう。ただし、便器にひび割れがある場合は水漏れが大規模になりやすいのです。そのため、小規模な水漏れの原因が便器のひび割れである可能性は低いといえるでしょう。
便器の設置不良
便器は床と一体化しているわけではなく、あとから設置されるものです。そのため、設置に不具合があれば水漏れが発生してしまうおそれがあります。もし水漏れが修理や交換のすぐあとであるならば、設置の際になんらかの不具合があった可能性が高いでしょう。
便器、排水パイプ間の部品劣化
上記のとおり、便器は床と一体化しているわけではなく設置されるものです。そして、その設置面には便器と排水パイプをつなぐ部品が存在します。この部品が劣化していた場合には、設置不良と同様に水漏れが発生してしまうでしょう。
この設置面の部品が「フランジ」や「ガスケット」です。床と便器の間からの水漏れがこうした部品の劣化によるものかどうかは、以下で紹介する方法によって確かめることができます。
フランジやガスケットの不具合は墨汁を使って確認しよう
フランジやガスケットの不具合は、墨汁を使用することで確認することができます。まずは便器の水に墨汁を垂らして、通常の透明な水と判別できるようにしましょう。しばらく放置したら、水がどのように移動しているかを見ることができるはずです。
もし着色された水が床に流れてきていたら、それは便器と排水パイプの間に問題があることを示しています。その場合はフランジやガスケットの交換が必要になるので、本コラムの後半で紹介している「フランジやガスケットの交換」について見ていきましょう。
ウォシュレットはノズルなど多くの接続部分があり水漏れ原因も複雑……
ウォシュレットが付いているトイレは、通常のトイレとは異なり接続部品が多く複雑な構造になっています。そのため、水漏れの原因を特定することが困難であるといえるでしょう。また、ウォシュレットは電化製品であるため、素人が扱うと思わぬ事故につながってしまうリスクが伴います。
そのため、ウォシュレットの付いたトイレの水漏れは正しい知識を備えた業者に対処を任せるとよいでしょう。業者選びでお困りの際は、弊社にお任せいただければ信頼できる業者をご紹介することができます。即日の作業も受け付けていますので、早急に対処したい方もぜひご相談ください。
フランジとガスケットの交換はタンク・便器の取り外しが必要
フランジやガスケットは、便器と床との間に設置してある部品です。そのため、トイレのガスケットに水漏れの原因がある場合には、まず便器を取り外さなければなりません。ここで紹介する手順を参考に、便器を取り外していきましょう。また、取り外しの際には以下の道具が必要になります。
- 水を吸引するポンプと水を溜める入れ物
- モンキーレンチ
- プラスドライバー
- 浸水防止のビニール
- 漏れた水を拭けるタオル等
1.止水栓を閉めトイレへの水道の供給を止める
トイレの水は、配管を通ってタンクに補給されています。そのため取り外しの前に止水栓を閉めて、タンクに水が供給されないようにしましょう。止水栓がドライバーでしか閉められない場合は、マイナスドライバーが必要になります。
2.タンク・便器内の水を抜く
水が供給されなくなったら、タンクと便器にある水を抜いていきます。ポンプを使って便器から水を吸い取っていきましょう。タンクから直接水を抜くこともできますが、便器から吸い取って少しずつレバーを回してタンク内の水を抜いていく方法をおすすめします。
3.給水管との接続を外す
水を抜くことができたら、タンクと給水管との接続を外していきます。接続部分はナットで固定されているため、モンキーレンチを使ってナットを取り外してください。
4.タンク・便器を取り外す
タンクと便器を接続しているボルトはナットによって固定されているので、給水管と同様にモンキーレンチで取り外していきます。タンクを取り外すことができたら、便器と床を固定しているナットやネジを外していきましょう。
すべての固定器具を外したら便器を持ち上げることで、取り外しができるはずです。また、便器と家庭の排水芯が合わない場合に用いられる「排水アジャスター」という部品がある場合は、その部品も取り外してください。
【タンクを取り外すときの注意点】
ほとんどのタンクは陶器でできているため、非常に重量があります。落下すると割れてしまうだけでなく怪我を負ってしまう危険性が高いため、作業は複数人でおこなうようにしましょう。
また、こうした作業に不安のある方は弊社にご相談ください。依頼者が怪我をするリスクを負うことがないように、水のトラブルを解決するための確かな技術を備えた業者をご紹介します。無料の現地調査を実施しているので、水漏れの原因がわからないケースでも対応することが可能です。
トイレのフランジ・ガスケットを交換して水漏れを解消しましょう
便器の取り外しができたら、フランジとガスケットの交換をおこなっていきましょう。たとえトイレのガスケットだけが水漏れの原因だとしても、両方の部品を交換しておくことをおすすめします。
なぜなら、今後部品が劣化することを考慮すると同時に交換しておいたほうが安心なうえに、便器の取り外しによる事故のリスクを下げることができるからです。もちろん、原因がフランジによるものである場合も同様のことがいえます。
フランジとガスケットの交換方法
フランジは、排水パイプの大きさなどによって取り付ける種類が異なります。そのため、あらかじめメーカーが公表しているフランジの規格を確認しておくようにしましょう。交換手順は以下のとおりです。
- 古いフランジと床を固定しているネジを外す
- 古いフランジとガスケットを外す
- 新しいフランジとガスケットを設置する
- ネジで新しいフランジを固定する
交換完了後は再びタンク・便器を設置
フランジとガスケットの交換が完了したら、タンクと便器を元通りになるように設置していきます。取り外すときと逆の手順を追うことで正しく作業できるでしょう。また、排水アジャスターがついていた場合は再度取り付けてください。
トイレレバーを回し動作確認
タンクと便器の設置が完了したら、止水栓を開けてトイレの動作確認をします。レバーを回して正常に作動していれば、交換作業は完了です。
「正しく作動しない」「水漏れが起こる」などの異変が確認できる場合には、無理に自分で対応しようとせずにプロの業者に依頼することをおすすめします。また、用意すべきフランジの種類がわからない場合にも、業者に交換を依頼すればすべての作業を任せることができるでしょう。
トイレのガスケット交換・水漏れ修理の費用相場は20,000円~
トイレのガスケット交換・水漏れ修理の費用相場は20,000円~35,000円程度です。修理を業者に依頼した場合、フランジとガスケットの価格に対して修理費用が高くなってしまう傾向にあります。
なぜなら、フランジやガスケットの交換には、便器の取り外し・取り付け作業が必要になるからです。また、床材の交換が必要になる場合には、費用相場に加えて30,000円前後の追加料金が必要になるでしょう。
フランジを交換する際には、便器の使用年数も同時に確認しておくこともおすすめします。なぜなら発売から10年が経過した便器は、補修用部品の入手が困難になるからです。ひび割れによる水漏れなどが起きたときに対応できるように、フランジの交換を機に便器の交換を検討してみてはいかがでしょうか。
フランジの交換を業者に任せようと考えている方は、ぜひ弊社にご相談ください。弊社がご案内する業者は見積り後に追加料金を請求することもなく、正確な料金を提示してくれます。また、業者が見積りを提示した後に依頼をするかどうかを決めることができるので、まずはお気軽にご相談ください。