「トイレつまりにお湯が効果的ってホントなの?」
「お湯で解消した人もいるみたいだけど、具体的にどうやるの?」
トイレつまりを安く自力で解決したいけど……お湯で直るのか、お湯で直す具体的な手順をお探しではありませんか?
結論からお伝えすると「トイレつまりにお湯」は、原因がトイレットペーパーか便なら試す価値があります!ただし、実際におこなう場合はリスクもあるため、注意点とともに具体的な方法を紹介します。
この記事を読めば、あなたが今困っているトイレつまりやトイレの不具合にお湯が効果的か否かを判断し、効率よくトイレつまりを解消できるでしょう!画像や動画を交えて解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
「トイレつまりにお湯」を試す価値があるのは、原因がトイレットペーパーか便のとき
「トイレつまりにお湯」を試す価値があるのは、原因がペーパーか便のときです。異物を流した自覚がある方や、原因がトイレットペーパーか便だと確信できない方はお湯での解消を推奨できません。なぜなら、お湯を流すことがより深刻なトイレつまりを招くことになりかねないからです。
例えば、水に溶けない異物が原因の場合、水やお湯を流すことで奥の配管に引っ掛かったり便器を傷つけたりと、大掛かりで高額な作業に発展する可能性があります。
また、オムツや生理用品など吸水性の高いアイテムが原因の場合、水やお湯を流すと便器から汚水が溢れる可能性があります。なぜなら、オムツや生理用品は水分をたっぷり吸い込んだ状態でつまっており、流した水やお湯の行き場がなくなってしまうからです。
このように、原因がトイレットペーパーか便のとき以外はお湯での解消を推奨できません。お湯以外の自力対処法は、3章トイレつまりをお湯で解消できない場合、安全な自力対処法は5つで解説しています。
トイレットペーパーは溶けるのではなくほぐれる!
実は、トイレットペーパーは水に溶けるのではなく、水でほぐれやすく作られた製品です。この仕組みを理解しておくと、以降で説明するお湯での解消方法を理解しやすくなるでしょう。
すでにご存知の方は再確認のため、溶けると思っていた方は「ほぐれる」と認識するため、以下の内容に目を通したうえでトイレつまりの自力解消を試してください。
トイレットペーパーの原料は、木材を加工して作られたパルプと呼ばれる繊維です。パルプはよく紙製品で使用されますが、トイレットペーパーはパルプのなかでも特に短い繊維を編み上げて作り、水に触れたときほぐれやすいように工夫が施されています。
以下の動画を見ればわかるように、トイレットペーパーは水に溶け込むわけではなく細かくほぐれ、水でもお湯でも同様に繊維が残っています。
トイレットペーパーの仕組みが理解できたら、次にお湯による効果を見ていきましょう!
実証&動画解説!トイレットペーパーは水よりお湯のほうがほぐれやすい
ズバリ!水110番編集部が実験したところ、トイレットペーパーは水よりお湯のほうがほぐれやすいことがわかりました。
複数切れのペーパーが塊となって配管につまっている状態を想定し、以下の手順で実験しましたので、実験内容と結果の詳細を紹介します。
固く丸めたトイレットペーパーが3分でほぐれる
以下の4ステップで実験をおこなったところ、固く丸めたトイレットペーパーの3分後のほぐれ具合に、水とお湯で差が生じました。
ステップ1:容器2つにそれぞれ同量の水を入れる
ステップ2:ステップ1の容器2つにそれぞれ「トイレットペーパー3切れ(11センチメートル×90センチメートル)を水に浸し固く丸めたもの×3」を同時に入れる
ステップ3:ステップ2の容器の片方に水、片方にお湯(40~60度)を同タイミングで同量注ぐ
ステップ4:3分経過後の広がり具合を比較する
左が水道水、右がお湯(50度)です。
右のお湯のほうが3分後の広がりが大きいことが確認できますよね。また、上の4ステップを3回繰り返した結果を以下の表にまとめました。
回数 | 比較画像(左:水/右:お湯) |
---|---|
1回目 | |
2回目 | |
3回目 |
いずれも右のお湯のほうが3分後の広がりが大きく、ペーパーの先を比較するとお湯のほうが毛羽立(けばだ)っているのが確認できます。
今回の実験結果から、「トイレつまりにお湯」は、原因がトイレットペーパーか便のときは試す価値があるといえます。
「トイレつまりにお湯」を試すときの4ステップを注意点とともに解説!
「トイレつまりにお湯」を試すときの具体的な流れは、大きく分けて以下の4ステップです。
ステップ1:4つの事前準備をする
ステップ2:熱湯はNG!40~60度のお湯を1~1.5リットル用意する
ステップ3:高所からゆっくりお湯を流し入れて1時間待つ
ステップ4:水を流してつまり解消を確認する
ステップのなかには「熱湯を使用しない」などいくつか注意点があるため、この章では具体的な4ステップを注意点とともに解説していきます。
ステップ1:4つの事前準備をする
事前準備として以下の4つをおこないましょう。
- 止水栓を閉める
- 温水洗浄便座の電源を切る
- 便器の水を取り除く
- 床を新聞紙またはビニールシートで保護する
トイレつまりが解消される前にレバーで水を流すと、汚水が溢れてしまいます。このあとの作業中誤ってレバーに触れてしまう可能性もあるため、まずは止水栓を閉めましょう。
止水栓は大体イラストの箇所や便座の裏に設置されています。マイナスドライバーか手で開閉する2種類のタイプがあるため、どちらかの方法で止水栓を閉めます。
また、温水洗浄便座が設置されている場合は電源コードを抜き、ビニール袋を被せておけば感電や漏水を防げるでしょう。
次に、灯油ポンプやカップなどで便器内の水を取り除きます。ことあとのステップで水やお湯を流し入れていくため、便器内に水が残っていると溢れてしまいます。また、水が多いとせっかく流し入れたお湯の温度が下がってお湯でなくなってしまいます。すべてなくす必要はありませんが、できる範囲で取り除きましょう。
最後に、便器の周りに新聞紙またはビニールシートを敷きます。トイレの床が汚れないように保護できたら、事前準備は終了です。
ステップ2:熱湯はNG!40~60度のお湯を1~1.5リットル用意する
便器に流し入れる40~60度のお湯を1~1.5リットル用意します。このとき、熱湯はNGです!なぜなら便器は陶器でできており、熱湯を注ぐと急な温度変化でヒビ割れが発生するためです。
実際、2006年12月のテレビ番組で「トイレ掃除に熱湯が効果的」といった内容が放送されました。しかし、放送後実践した視聴者から「便器のヒビ割れが発生した」と指摘が入る事態となり、後日番組内や番組Webサイトで熱湯は使用しないよう呼びかけられました。最近ではトイレのメーカー側も「熱湯は危険」と注意喚起しています。
40~60度のお湯は2つの方法で用意できる
「40~60度のお湯ってどうやって準備すればいいの?」という方には以下2つの方法をご紹介します。
1つ目は沸騰したお湯と水を1対1で割る方法です。瞬間湯沸かし器やポット、鍋などで沸騰させたお湯と水道水を1対1で割ります。500~700ミリリットルずつで合計1~1.5リットルになるでしょう。
2つ目は給湯器のお湯を使用する方法です。お風呂やキッチンで使用するお湯は給湯器で温度を設定できます。あらかじめ給湯器で温度を設定し、1~1.5リットル用意します。
いずれもバケツや鍋、やかんに入れてトイレに持ち込めるように準備したら、次のステップに進みます。
ステップ3:高所からゆっくりお湯を流し入れて1時間待つ
お湯が準備できたら、高所からゆっくり流し入れます。
コツはイラストのように細い滝をイメージし、1~2センチメートル幅のお湯をピンポイントで排水口へ流し入れることです。便器の半分程度を目安に注いだら、トイレットペーパーをふやかすため1時間待ちます。
このとき、重曹とお酢を使用するとシュワシュワと泡立つため、よりトイレットペーパーがほぐれやすくなります。ご自宅にある方は、重曹50グラムを振りかけ、お酢100ミリリットルを入れたあとにお湯を流し入れましょう。順番を間違えると、発泡が全体に広がらず効果が薄れるため、重曹→お酢→お湯の順に入れることが大切です。詳細は以下のコラムで解説しています。使用前に必ずお読みください。
ステップ5:水を流してつまり解消を確認する
1時間経過したら、最後に水を流してつまりが解消できているか確認します。ただし、レバーで水を流すことは避けましょう。つまりが解消されていない場合、汚水が溢れる可能性があります。
あくまで確認段階ですから、ステップ3同様バケツや鍋、やかんを使用して少しずつ水を流し入れます。排水が確認できたらトイレつまりの解消が期待できますので、事前準備で閉めた止水栓を戻してレバーで水を流してみましょう。問題なく流れたら、トイレつまりが解消したといえます。
バケツや鍋、やかんでの排水が確認できない場合はもちろん、そのあとのレバーで水を流した際に排水されない場合は、まだトイレつまりが解消されていない状態です。次の章でお湯以外の安全な自力対処法を紹介しています。ぜひご確認ください。
トイレつまりをお湯で解消できない場合、安全な自力対処法は5つ
トイレつまりをお湯で解消できなかった場合や、トイレットペーパーや便以外の原因によるつまりが発生した場合、水110番で紹介できる自力対処法は5つです。使用方法などより詳しく解説した記事を紹介します。自力対処法を試したい方は以下を参考にしてください。
・ラバーカップまたは真空式パイプクリーナー
ラバーカップは、便器に密着させてラバーを押し込み、引っ張った際の力で吸引するアイテムです。水に溶けない異物には使用できません。トイレットペーパーや便によるつまりをお湯で解決できなかった場合に試すとよいでしょう。
また、ラバーカップのグレードが高い版で、真空式パイプクリーナーと呼ばれるアイテムがあります。仕組みはラバーカップと同様です。使用の際は以下を参考にしてください。
・ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシは、つまった異物に物理的に圧力をかけ、つまりの原因を砕いたり引っ張り出したりするアイテムです。お湯やラバーカップ同様水に溶けない異物には使用できません。扱いに慣れていないとつまりの原因を奥へ追いやってしまうこともあるため、取り扱いの際は以下の記事をよく読んでください。
・薬剤
薬剤はつまりの原因を溶かして流すためのアイテムです。水に溶けない異物には使用できません。トイレットペーパーや便によるつまりのとき、流れが悪く悪臭がするとき、水流が弱く黄ばみや臭いがあるときは試してみてもよいでしょう。
ただし、用法用量を守らないと健康被害などのリスクがともないます。使用を希望される方は以下の記事をご確認ください。
・手で取り出す
水に溶けない異物を流してしまったときは、手で取り出す方法がおすすめです。プラスチック、布、木、紙、金属製品はすべて異物に該当します。お湯やラバーカップは使用せず、以下の記事を参考にしてください。
トイレつまりを自力で解決できなければ業者がおすすめ
トイレつまりを自力で解決できなければ、早めに業者に依頼しましょう。自力解決にこだわりすぎると、逆につまりをひどくさせてしまうケースもあります。
例えば、お湯やその他のさまざまな方法を試しても解決できなかった場合、トイレットペーパーや便によるつまりではないかもしれません。気付かないうちに水に溶けない異物を流している可能性がないとは言い切れないからです。
また、早い段階なら費用も安く済むはずのつまりが、手遅れになることで高額になるかもしれません。お湯や他の方法を試しても解決できなければ、プロに調査・修理してもらいましょう。
ぼったくり被害は依頼前の3つの対策で防げる
業者を利用する場合はぼったくり被害への不安を抱かれる方が多いでしょう。しかし、正しい知識を身につければぼったくり被害は防げます。依頼前に次の3つを確認しておきましょう!
・相見積りをとる
複数社の費用や作業内容を比較しましょう
・変更があれば作業前に再度見積りをしてもらう
基本的に作業後の返金や値下げはできません。作業前の費用の確認が大切です
・トイレつまり工事の作業内容を把握しておく
ぼったくられそうになったとき、知識があれば費用や作業内容の違和感に気付くことができます
業者選びに迷ったら水110番がおすすめ
ご自身での業者選びが不安な場合は水110番がおすすめです。水110番は水まわりのお困りごとの業者紹介サービスで、トイレつまりや水漏れなどのトラブルに対応可能な日本全国の業者と提携しています。
24時間365日、要望に合わせて業者を探して紹介
水110番は、24時間365日通話料無料でご相談を承っております。自社のコールセンタースタッフが電話でご相談を伺い、お困りごとの内容やお住まいの地域に合わせて対応可能な提携業者をお手配いたします。
もちろん、相見積りも大歓迎です。「業者を探すのが大変」という方は、相見積り先の1つとしてご検討いただければ幸いです。
トイレつまりを防ぐ秘訣は一度に大量に流さないこと
日常生活に欠かせないトイレは、もう二度とつまらせたくないですよね。今回のようなトイレつまりを防ぐ秘訣は、一度に大量に流さないことです。
ダブルタイプや厚手タイプのトイレットペーパーをシングルと同じ長さ分巻き取ったり、流せるタイプのお掃除グッズを同時に何枚も流したりすることは避けましょう。
トイレットペーパーや流せるタイプのお掃除グッズは、水に溶けるわけではなくほぐれやすいよう作られているだけです。一度に大量に流してしまうと、そもそもほぐれにくくなりますし、ほぐれても残った繊維がつまりやすくなります。
海外製のトイレットペーパーはほどけにくい
海外製のトイレットペーパーを使用している方は特に気をつけてください。
実は、日本で販売されているトイレットペーパーのほとんどは、「JIS(日本工業)規格」と呼ばれるある一定の基準を満たしたものです。JIS規格に準じたトイレットペーパーは、試験カップ内で回転している水中にトイレットペーパーを入れたとき、100秒以内にほぐれる品質が保証されています。
参考:kikakurui.com|トイレットペーパー – トイレに流せる製品の試験・検査
逆に、海外製はこのJIS規格に準じていないため、ほぐれにくい可能性が高いです。使用NGではありませんが、大量に流すことは控えましょう。
まとめ
ここまでの内容をおさらいしましょう。
結論、「トイレつまりにお湯」は、原因がトイレットペーパーか便なら試す価値があります。トイレットペーパーは水でほぐれやすく作られていますが、さらにお湯のほうがほぐれやすい傾向にあるためです。
お湯でトイレつまりの解消方法を試す際は、以下の4ステップに沿って進めてください。
ステップ1:4つの事前準備をする
ステップ2:熱湯はNG!40~60度のお湯を1~1.5リットル用意する
ステップ3:高所からゆっくりお湯を流し入れて1時間待つ
ステップ4:水を流してつまり解消を確認する
お湯で解決できなかった場合、ラバーカップやワイヤーブラシを試してもよいでしょう。しかし、自力解決にこだわりすぎるとつまりの悪化や高額作業の原因になるため、直らない場合は早めに業者に調査・修理を依頼しましょう。
業者を利用する際は以下3点に気を付けて、正しい知識を身に付けることが大切です。
- 相見積りをとる
- 変更があれば作業前に再度見積りをしてもらう
- トイレつまり工事の作業内容を把握しておく
業者選びに迷ったら、ぜひ水110番の利用を検討してください。お住まいのエリアで、あなたのトイレつまり解決に尽力できる提携業者をご紹介します。