グリーストラップのメンテナンス不足は、悪臭や害虫の発生など様々なトラブルの原因となります。深刻なトラブルにまで発生すれば、お店の経営状況にも悪影響を与える恐れもありますので、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
ここでは、あまり聞き慣れない言葉であるグリーストラップの説明とよく起きるトラブルについて説明していますので、トラブルの予防のためにお役立てください。
グリーストラップとは?
グリーストラップとは、簡単に言えば、厨房から排出される油脂(グリース)を貯める設備のことを指します。これは特定の施設に設けられており、逆に一般住宅には設置されていません。
グリーストラップは、主にバスケット・水槽・トラップ管の三つによって成り立っています。
まず、厨房より排水が流れてきましたら、バスケットが残飯などの固形物を受け止めます。受け止めきれないほど細かいゴミは沈殿し、排水に含まれている油脂は水槽の上部に分離されて蓄積していきます。そして最後に、ゴミや油脂を取り除かれた水がトラップ管を通して下水に排水されます。
実は、グリーストラップの設置は義務づけられていません。しかし、下水道法の規定によって排水の水質基準が設けられており、それを満たすためにはグリーストラップが必須なのです。そのため、設置はもちろん、きちんと機能するようにメンテナンスを続けていかなければいけません。
放置することによるトラブル
排水から油脂とゴミを取り除くグリーストラップには、当然汚れが蓄積していきます。そのため定期的なお掃除が欠かせないのですが、もしもそれを怠りますと多くの弊害が発生することになります。具体的には、以下のようなトラブルが発生してしまいます。
悪臭の発生
生ゴミや油分を放置していますと、次第に悪臭が強くなっていきます。悪臭の発生は従業員の健康を損なうだけでなく、店内に広がっていきます。さらにひどい場合、周辺住民から苦情が発生するケースもあります。そうなれば店舗の悪評まで広がってしまいますので、その業績に悪影響を及ぼしてしまいます。
害虫の発生
ゴミが溜まっていますと、それに釣られてゴキブリやハエといった害虫が侵入・増殖しやすくなります。害虫の発生は店舗のイメージを著しく損なうだけでなく、食中毒や感染症を引き起こす原因になってしまいます。場合によっては、駆除が完了するまで営業を停止しなければいけないこともあるでしょう。
排水管の詰まり
ゴミが大量に蓄積しますと、次第に油脂を滞留させる機能が低下し、やがて排水管にまで油脂が流れ出してしまいます。それが続きますと汚れが排水管にこびりつき、排水管を塞いでしまいます。
そうなりますと排水が逆流してしまったり、大掛かりな水道工事が必要になったりします。特に排水管は普段目にする機会が少ないため、知らず知らずのうちに詰まりが進行していることもあるのです。
まとめ
グリーストラップが原因のトラブルは、こまめに清掃・メンテナンスを行えばほとんどは防ぐことができます。例えば、バスケットのお掃除ならなるべく毎日行うのが良いでしょう。滞留させた油脂の除去は、最低でも週に一度は行うべきです。
それでも、長く使用していればグリーストラップもやがて寿命を迎えます。「グリーストラップから悪臭が発生するようになった」「詰まっているのか、水の流れが悪い」そのような状態になっていましたら、水のプロに依頼して見てもらうのが良いでしょう。店舗の経営状態を悪化させないためにも、異常を感じるようになりましたらお早めにご相談ください。