キッチン、洗面所、浴室、洗濯機などの排水口内には、排水トラップというものがあります。排水トラップは、下水からの悪臭などを防ぐという重要な役割を果たしているものです。しかし、こまめに手入れをしていないと汚れが溜まってつまりを起こすなどのトラブルが発生します。
ドラムトラップとは、その排水トラップの種類のひとつです。日常的に目にするものではないので、構造や役割などをよく知らないという方もいるかもしれません。
本コラムでは、排水トラップの役割とお手入れ方法を詳しくご紹介いたします。
目次
ドラムトラップの役割と起きやすいトラブル
排水トラップの種類のひとつであるドラムトラップは、どのような構造をしていているのでしょうか。ドラムトラップの役割や特徴などをご紹介いたします。
また、構造によって起きやすいトラブルや対処法は異なるのかもあわせてお伝えいたしますので、参考にしてください。
ドラムトラップとは?
排水トラップは、内部に封水とよばれる水を溜めています。その水がフタとなって下水から上がってくる臭いや害虫を防いでいるのです。
構造の種類は主に3種類あります。排水管を曲げて水が溜まるような形にしているタイプ・お椀をひっくり返したような構造のタイプ・封水を溜める部分がドラム型になっているタイプです。このうち、封水を溜める部分がドラム型になっているタイプをドラムトラップといいます。
ドラムトラップは浴室に使用されていることが多い構造です。封水の量が多いため、蒸発することはめったにありませんが、排水トラップ内に水が流れてもすべての水は入れ替わらず、自動洗浄はされません。そのため、定期的に掃除して排水トラップをキレイにしておく必要があります。
ドラムトラップが壊れる原因は何?
ドラムトラップは封水が蒸発することはめったにありませんが、それ以外の現象によって正常に排水トラップの役割を果たせなくなることはあります。4つの例をご紹介いたします。
・毛管現象
毛管現象というのは、細い管を水が逆流していく現象です。これは、排水トラップ内に髪の毛などの繊維状のゴミが混ざることで発生します。
・自己サイホン現象
洗面台に溜めた大量の水が栓を抜いて一気に流れると、排水トラップ内は満水状態になります。すると、圧力の関係で排水トラップ内の水は、洗面台と排水管内の水位を同じにしようとする原理が働きます。これを自己サイホン現象といいます。
・吸出し作用
吸出し作用は、マンションなどで起こりやすい現象です。縦にとおっている排水管の上部から一気に大量の水が流れたとき、圧力の関係で封水が大量の水に引っ張られて一緒に流れ出てしまうのです。
・はね出し作用
はね出し作用は、縦にとおっている排水管の上部から一気に大量が流れたとき、横にとおっている排水管が短いと発生しやすい現象です。流れてくる水を横にとおっている排水管に上手く流しきれずに、排水口へ逆流して洗面台などに噴出してしまいます。
排水トラップで起きやすいトラブル
ドラムトラップが正常に働かない状況についてご紹介した4つの現象のほかにも、排水トラップには起きやすいトラブルがあります。
・トラップに水が溜まっていない
排水トラップは封水がフタとなって悪臭や害虫を防いでいます。つまり、封水がなくなってしまったら役割を果たせないということです。
そして、蒸発したり排水トラップ内部が破損して水が溜まらなかったりすると封水がない状態になります。蒸発してなくなっているだけの場合は、ゆっくりと水を注ぎ入れて再度水を溜めてください。トラップ内部が破損していた場合は、早めに新しいものに交換しましょう。
・汚れによる異臭
常に水が溜まっている状態というのは、排水トラップにとっては必要なことですが、カビや細菌が発生する原因にもなります。定期的に掃除をおこない、カビや細菌の原因となる汚れを溜めないようにしましょう。
・劣化
いくら清潔に使用していても、劣化は止められません。経年劣化によって排水トラップが壊れてしまうことがあります。
定期的な掃除のときには、排水トラップの状態もよく見て、破損しそうなところがないか確認するとよいでしょう。
排水トラップがないリスク
排水トラップがあっても、これまでにご紹介したようなトラブルが起これば正常に機能しなくなってしまいます。もしも排水トラップがなかったらどうなるでしょう。下水からの悪臭や害虫などを防ぐものがなくなるので、家中のいたるとこから異臭が漂うかもしれません。
では、排水トラップを二重にすればよいのではないかと考える方がいるかもしれません。しかし、二重トラップというのは禁止されています。
二重の排水トラップは臭いが外に漏れないようにする効果はありますが、排水がスムーズにできなくなるというデメリットがあるからです。
排水トラップでのトラブルはプロに任せよう!
排水トラップのトラブルを放置しておくと、悪臭が止められず、快適な生活ができません。しかし、水回りは毎日使う場所です。早めにプロの修理業者に依頼してトラブルを解消しましょう。
弊社では、お客様のお悩みに合わせて多くの業者から迅速に対応可能な業者をご紹介いたします。ぜひご相談ください。
排水トラップで注意する場所・対処法
排水トラップは、さまざまな場所にあります。特に管理に注意が必要な場所や、掃除方法などがわかれば、日常的なお手入れもしやすいのではないでしょうか。
そして、排水トラップのトラブルには自分では解決できないようなこともあります。業者に依頼が必要な状況とはどのようなときなのかもご紹介いたします。
【要注意】浴室と洗面台
排水トラップのお手入れで特に注意が必要なのは、浴室と洗面台です。排水トラップは、封水が溜まっていることで悪臭の逆流を防いでいますが、常に水が溜まっているということは、汚れやゴミも蓄積されやすいということです。
そして、浴室や洗面台には、洗剤などの汚れのほかに髪の毛が流れる可能性が高いのです。上手く流れ切ってしまえばよいですが、絡まってトラップ内や排水管内にとどまってしまうと、排水管のつまりや臭いの逆流の原因になります。
排水口のこまめな掃除と浴室には排水口のヘアキャッチャーの部分に目の細かいネットを取り付けるなどの対策をして、少しでも排水管内に異物が入らないように注意しましょう。
自分でできる掃除
こまめな掃除といっても、排水トラップの掃除方法がわからなければできません。排水口の掃除方法として、一気に大量のお湯を流す方法や、重曹とクエン酸を使って汚れを落とす方法がよく知られています。
それらの方法は、軽度のつまりを解消したり、汚れを落としたりすることは可能です。しかし排水トラップのトラブルの根本的な解消にはいたりません。排水口だけではなく、排水管まで掃除をおこなう必要があるのです。
そこで、排水管を傷めずにおこなう掃除方法を3つご紹介いたします。
・ラバーカップ
1つはラバーカップを使用する方法です。まず、排水口のフタや排水トラップなどを取り外します。外したものは洗剤などを使ってキレイに掃除しておきましょう。
部品を取り外した排水口をラバーカップで塞ぎ、ラバーカップのゴムの上の部分まで浸るように水を溜めます。水が溜まったらゆっくり押したり引いたりを繰り返して、つまりの原因を吸い出します。
数分繰り返したらラバーカップを外して、水がスムーズに流れたら取り外したものを元に戻しましょう。
・ワイヤーブラシ
2つめはワイヤーブラシを使った掃除方法です。ワイヤーの先にブラシがついたものなのですが、種類によってワイヤーの長さがいろいろあります。5メートルほどあればしっかりと奥まで掃除ができるでしょう。
ラバーカップのときと同様、排水口のフタや排水トラップなどを取り外して、外したものは洗剤などでキレイに掃除します。
部品を外した排水口からワイヤーブラシを入れます。ワイヤーの長さでいけるところまで入ったら、ワイヤーを引き抜きます。ブラシ部分がゴミや汚れを絡め取るので、そのゴミを雑巾などで取って処分します。
ワイヤーを奥に入れるとき、途中で入らなくなったら、そこでつまりが起きているかもしれません。ブラシを回してつまりの原因を絡め取ってください。
最後に水の流れを確認しましょう。スムーズに流れたら取り外したものを元に戻します。
・液体パイプクリーナー
ここまでは汚れやつまりを取り出す方法でしたが、パイプクリーナーは汚れやゴミを溶かします。重曹とお酢では、汚れは落とせても髪の毛を溶かすことはできません。そこで役立つのがパイプクリーナーなのです。
上記の2つと同様、排水口のフタや排水トラップは取り外して、洗剤などでキレイに掃除します。そこに液体パイプクリーナーを直接流し込み、15~30分放置します。最後に、洗剤が排水管に残らないように大量の水を勢いよく流します。
しっかりと流しきったら、取り外していたものを元に戻します。
残り湯での洗濯に注意!
水道代の節約のためにと、残り湯で洗濯をおこなう方は注意が必要です。お風呂の残り湯というのは、アカや皮脂、ほこりなどが混ざっています。水道代の節約にはなるかもしれませんが、決してキレイな水ではありません。
残り湯で洗濯をおこなうと、残り湯の汚れに、さらに衣類の繊維や汚れが加わることになります。そして、洗濯を終えた水は排水口へと流れます。多くの汚れを含んだ水を何度も排水していると、洗濯機の排水口がつまって流れが悪くなるおそれがあるのです。
少しでも排水トラップのトラブルを防げるよう、洗濯に残り湯を利用するのは控えることをおすすめします。
自分では解決できないトラブル
排水トラップのトラブルの中には、自分では解決できないものもあります。固形物がつまってしまったときと、排水管の奥でつまりが発生しているときです。
排水トラップのトラブルの原因であるつまりが固形物だった場合は、まず自分で取り出すことが困難です。固形物が奥に入り込んでいたらその分取り出す作業は難しくなります。早めに救出しましょう。また、無理に引き出そうとすれば排水管や排水トラップを傷つけるおそれがあります。
つまりの原因が気が付いた時にはすでに深部にある場合は、自分での解決は困難です。さきほどご紹介した道具や薬剤を使用してもつまりが解消されないようなら、業者に依頼したほうがよいでしょう。
掃除が難しいトラブルは専門業者に依頼しよう!
ここまででつまりが起こりやすい場所があることや、自分でできる掃除方法がわかりました。そして同時に、自分では解決できないトラブルがあることもご理解いただけたのではないでしょうか。
発生したトラブルが自分で解決できるものかどうかわからないという方は、弊社にご相談ください。トラブルの状況をお聞きして、自力での解決が難しい問題だったときも、水のトラブルに詳しいプロの業者をご紹介できるので安心です。
24時間365日対応の無料相談窓口がありますので、お気軽にお電話ください。
優良業者の選び方と費用相場
排水トラップのトラブルが起きたとき、「自分では解決できない」「自分で作業するのは不安」という方は、業者に依頼してトラブルを解消してもらいましょう。そして、せっかく依頼するのなら、優良業者に依頼したいと思うでしょう。
ここからは、業者を選ぶ際のポイントと、排水トラップの修理や交換にかかる費用についてご紹介いたします。
優良業者を選ぶならココに注目!
業者選択にはポイントがあります。ここでは4つのポイントをご紹介しますので、参考にしてください。
・無料で見積りが出せる どの業者も、作業の前にどの程度の費用が必要なのかの見積りを出します。しかし、見積りを無料でおこなってくれる業者と、見積りから費用のかかる業者があります。
あらかじめホームページなどで見積りに費用がかかるかどうか確認しておきましょう。
・信用できる業者かどうか見極める
どんな作業でも同じですが、信用できない業者に依頼したくはないでしょう。ホームページなどのサイト内に、会社の概要や所在地、電話番号などの情報が正確に提示されているかどうかは調べておいたほうがよいでしょう。
・費用が安すぎない
いくつかの業者の費用を比較していると、とても安い値段を提示している業者があります。安く済むならよいのではないかと思うかもしれませんが、実際に依頼してみたら追加料金がかかって思ったよりも高くなることがあります。
費用が安い業者は内訳や追加料金の有無を事前に問い合わせるなど、必ず確認しておくことをおすすめします。
・実績がある
業者のホームページに作業事例が多くあがっていたり、たくさんの口コミがあったりする業者は、作業経験が豊富であると考えられます。実績のある業者に依頼したい方におすすめです。
また、口コミは業者を利用した人の意見も知れるので業者への評価の参考になります。
業者依頼でかかる費用相場
実際に業者に修理を依頼した場合の費用ですが、つまり解消などの修理と、排水トラップの交換では費用が大きく異なります。
排水トラップの修理の場合は、約4,000円~が費用相場のようです。つまりがひどかったときは、ここからさらに薬剤や道具の費用が追加になります。そして、排水トラップを交換する場合は、約12,000円~必要になるでしょう。
排水トラップのトラブルは、放っておくと下水からの悪臭や水の流れが悪くなるなどの問題が発生し、さらにひどくなると排水管などが傷んで水漏れが起きる危険性もあります。そのような大きなトラブルになる前に、排水トラップの修理や交換をしてトラブルを解決しましょう。
原因がわからないときや、作業が難しいときは、無理に自分でおこなわず、業者に依頼しましょう。弊社にご相談いただければ、トラブル解消に適した業者をご紹介いたします。
相談窓口では、いつでもお問い合わせをお待ちしております。