引越しのとき、洗濯機を自分で移動させることになった。こんなとき、やるべきことはホース類を取り外すだけではありません。水回りの家電である洗濯機は、取り外しにすこし手間がかかります。
また、洗濯機は重たいため、運ぶときにも注意しなければならないこともあります。洗濯機を取り外す際にするべきことと、運びかたや設置の方法など、引越しのときに役立つ情報をご紹介します。
目次
- ▼引越し前の洗濯機の取り外し方:準備編
- ・洗濯機を取り外す前に準備しよう
- ・運ぶ前は必ず水抜きをすること!
- ・【水抜き方法】縦型洗濯機
- ・【水抜き方法】ドラム式洗濯機
- ・水抜きしたのに水の音がする!原因は?
- ▼引越し前の洗濯機の取り外し方:実践編
- ・【手順1】電源コンセントとアース線を外す
- ・【手順2】ドラム式の場合は固定ボルトを取りつける
- ・洗濯機を取り外すときに注意すること
- ▼新居に洗濯機を運ぶ前に確認すること
- ・1.洗濯機を設置するスペースはどれくらい?
- ・2.洗濯機の給水栓の種類は同じ?違う?
- ・洗濯機を運ぶときは要注意!
- ▼新居に洗濯機を設置してみよう!
- ・【手順1】設置する場所を確認する
- ・【手順2】洗濯機が水平に設置されているか確認
- ・【手順3】電源とアース線を取りつける
- ・【手順4】ニップルを取りつける
- ・【手順5】給水・排水ホースを取りつける
- ・【手順6】試運転してみよう
- ▼まとめ
引越し前の洗濯機の取り外し方:準備編
洗濯機は水を使用する家電なので、取り外し方には手間がかかります。作業の中でも、とくに見落とされがちなのが「水抜き」という作業。ほかの家電は電源コードを抜き取れば簡単に移動させられる状態になりますが、洗濯機には取り外し前の準備が必要になります。ここでは洗濯機を取り外す前の準備についてお伝えします。
洗濯機を取り外す前に準備しよう
洗濯機の取り外しには道具が必要になります。ここで紹介する道具は、ほとんどがご家庭にあるものです。
・ドライバー・スパナ
アース線(コンセントプラグから出ている線)を外すときに使います。スパナは、ドラム式洗濯機の洗濯槽を固定するボルトを締めるときに使います。
・ビニール袋 3枚程度
排水口と給水蛇口から取り外したホース類を入れるために用意します。袋のサイズは、ホースを丸めた形で入るくらいの大きさのものがよいです。
・ガムテープや養生テープまたは針金など
取り外して袋に入れたホース類は、本体とまとめて運搬できるようにテープなどで洗濯機本体の側面などに固定しておきます。固定できそうであれば、色々なもので代用ができます。
・ぞうきんや新聞紙など
こぼれた水を拭くために雑巾などを用意しましょう。新聞紙は、床に敷いて作業をすると排水ホースの汚れが広がることを防ぐことができます。
・水受けになる桶(おけ)
排水ホースや給水ホースの取り外しをするときに、下に桶を置いてから作業します。床が水浸しにならないようにするための工夫です。
運ぶ前は必ず水抜きをすること!
水抜きをせずに洗濯機を取り外すと、ホース内部にあった水が取り外しの最中や運搬中に漏れ出てきます。そうなるのを防ぐためには、洗濯機から水を抜いておかなければなりません。水抜きの方法は洗濯機の種類によって違うので、それぞれのやりかたを確認しておく必要があります。
【水抜き方法】縦型洗濯機
縦型の洗濯機は、「給水ホースの水抜き」をしてから「排水ホースの水抜き」をするという順番でおこないます。洗濯機は使用していなくても給水ホースに常に水が残っているので、まずこの水を洗濯槽に排出してから、排水ホース内の水と一緒に排水させるのが水抜きの作業です。
まず、給水ホースに繋がっている蛇口を締めます。ここを締めれば、水は蛇口の先の給水ホースに残っているのみの状態になります。あとは洗濯機の電源を入れて洗濯を開始させれば、ホース内の水を洗濯槽に排出できます。
60秒ほど運転すると、給水ホースにあった水がすべて洗濯槽に出尽くします。ここで一度電源を切り、今度は洗濯槽にある水を排水ホースから排出させます。洗濯機の脱水機能を使い、短い時間脱水で運転させれば水抜きは終わりです。
このあと、給水ホースと排水ホースを、それぞれ蛇口と排水溝から取り外します。外すときは桶や雑巾を敷くなどして、水が出てきたときの対策をしましょう。外したホース類は給水と排水にわけて袋に入れておきます。
【水抜き方法】ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機の場合は、給水ホースの次に「糸くずフィルター」の水抜きをおこない、そのあと排水ホースの水抜きという順でおこないます。縦型洗濯機の水抜き手順に、「糸くずフィルターの水抜き」が加わったと考えてください。
給水ホースからの水抜きは、縦型の洗濯機と同じ方法でおこないます。そのあと、糸くずフィルターのフタを開きます。フタを開けるときに水が流れ出ることがあるので、桶を下においてから作業をしましょう。
糸くずフィルターの水抜きができたらフィルターのフタを戻し、脱水機能を使って排水ホースの水抜きをしていきます。脱水の時間は、洗濯機にある一番短いコースで十分です。終わったらホース類をビニール袋にしまいます。
水抜きしたのに水の音がする!原因は?
洗濯機を水抜きしても、揺らしてみるとまだ水が揺れる音がすることがあります。実は洗濯機の中には、バランスを保つための水が入っていて、これが揺れるとタプタプと音がするのです。水抜きをおこなったあとであれば、この音は心配しなくて大丈夫です。
引越し前の洗濯機の取り外し方:実践編
水抜きが終わったら、いよいよ洗濯機を取り外していきます。ホースは水抜きのときに取り外したので、残るはコンセントと固定具です。順に見ていきます。
【手順1】電源コンセントとアース線を外す
コンセントプラグを取り外すときは、洗濯機の電源が切れていることを確認してからプラグを引き抜き、そのあと、「アース線」をとり外しましょう。コンセントについているフタを開けるとアース線を固定するネジがついているので、このネジを反時計回りに回して外します。
【手順2】ドラム式の場合は固定ボルトを取りつける
ドラム式の洗濯機には「固定ボルト」という部品が付属しています。ドラム式の洗濯機は、本体を揺らしたり動かしたりすると、中の洗濯槽が回ってしまうのです。電源が入っていないときに洗濯槽が回ると故障の原因となるので、ボルトがないと引越し業者でも引き受けてくれないことがあります。
固定ボルトは洗濯の裏側(ドラムの蓋がある裏の面)にあります。運搬のときは必ずこのボルトを取り付けましょう。
洗濯機を取り外すときに注意すること
とくに賃貸の場合、取り外すときには注意事項があります。それは、建物側の部品まで外してしまわないようにするということです。また逆に、次の住居で洗濯機を取りつけるときに必要なものを置いていってしまわないようにも注意しましょう。では、どこまでが取り外すべき洗濯機の部品なのか見ていきましょう。
・蛇口につけるニップルは取り外すこと
蛇口と給水ホースの間にはニップルという部品が取りつけられていることがあります。これは洗濯機側の部品です。ニップルは蛇口の一部のように見え紛らわしいですが、新居でこの部品が必要になることがあります。忘れないように取り外しましょう。
・蛇口を外さないようにする
給水ホースとニップルが接続されている蛇口は建物側の部品なので、取り外してはいけません。取り外すのはニップルまでだとおぼえておきましょう。
・排水エルボは家側の備品
排水溝側で、「L」の字に曲がったプラスチック製の部品がついていると思います。この部品は「エルボ」といいますが、家側の部品なので、外さないようにしましょう。洗濯機の部品といえるのは「L」の字の部品より洗濯機側の排水ホースまでです。
新居に洗濯機を運ぶ前に確認すること
洗濯機を運び込む前には、大きさやホース類を繋ぐ部分を確認します。運び込むまえに確認していないと、洗濯機が置けずに引越し当日に使えないということもあります。この章で紹介しているポイントを確認してみてください。
1.洗濯機を設置するスペースはどれくらい?
洗濯機を配置する台座はおおむね大きさが決まっていますが、大きな洗濯機を使っている場合などはサイズが足りないことがあります。事前に新居の洗濯機スペースのサイズや、排水口・給水用の蛇口との距離などを測っておきましょう。
賃貸で洗濯機のサイズが洗濯機台に合わないときは洗濯機台を交換する必要がありますが、部屋の備品のことなので、引越し先の管理会社や大家さんと相談しましょう。
2.洗濯機の給水栓の種類は同じ?違う?
洗濯機の給水ホースをつなぐ蛇口(給水栓)はタイプの違うものがあります。給水ホースと蛇口をつなぐためにニップルが必要な場合と、そうでない場合があり、ニップルが不要なものにも複数の形があります。形が違う場合は、合ったものを用意する必要があります。
洗濯機を運ぶときは要注意!
重く、大きく、精密機器でもある洗濯機を運ぶのには注意点があります。これから紹介することを守り、安全に運搬しましょう。
・傾けない
洗濯機は各部品が重く、傾けることを想定して設計されていないため、持ち運ぶときに傾けると、内部の部品が壊れることがあります。また内部にバランスを保つ目的で水が入っていますが、この水が揺れると、運搬中に思わぬ角度に荷重がかかり、転倒や落下など、ケガにつながることもあります。なるべく水平にして、揺らさずに運びましょう。
・毛布などで緩衝材をつける
洗濯機が壁などに触れると、家の内装を傷つけてしまいます。家の中へと運搬するときは、洗濯機を毛布で巻くなどの対策をする必要があるでしょう。
・特に重いドラム式は業者に運んでもらうのがおすすめ
ドラム式はサイズ、重量ともに一般型の洗濯機よりも重いため、自分で運搬することはおすすめできません。どんな洗濯機でも、運ぶには2人以上の人出が必要です。洗濯機の運搬は体をいためることもあるので、業者に運搬を依頼するのがよいでしょう。
新居に洗濯機を設置してみよう!
取り外しをしたら、今度は新居で取りつけをします。取り外したときと逆の手順で、排水ホース、給水ホース、電源とアース、そして固定具などをつけていきます。次の手順でやってみましょう。
【手順1】設置する場所を確認する
洗濯機の置き場所には、洗濯機用の台(防水パン)が用意されていて、この上に置くことになります。音や振動を防ぐため洗濯機を壁から少し離して設置しましょう。
【手順2】洗濯機が水平に設置されているか確認
洗濯機には水平器がついているので、これで床に対して水平に置かれているかを確かめます。水平でないと、洗濯機が倒れてしまうことがあります。水平ではないときは、洗濯機の底にある脚の部分の長さを調整してください。
【手順3】電源とアース線を取りつける
電源を取りつけます。このとき、必ずアース線から取りつけるようにしましょう。アース線には先が2つに分かれているタイプと、銅線のようなものがむき出しになっているタイプがあります。いずれのタイプも、コンセント側のネジを緩め、緩めたねじと金具の隙間に線を差し込み、ネジを締めて挟み込めば接続完了です。
【手順4】ニップルを取りつける
凹凸(おうとつ)のない普通の蛇口の場合はニップルが必要です。凹凸が入っていたり、円盤状の部品がついていたりするものなどの、ニップルが要らない蛇口もあります。ニップルはネジを使って蛇口と固定する仕組みです。
【手順5】給水・排水ホースを取りつける
給水ホースを蛇口、またはニップルに取りつけます。給水栓と反対側の口は、洗濯機の給水口に取りつけましょう。排水ホースは、排水口につけられているLの字の部品「エルボ」に取りつけます。エルボは建物側の備品なので、これがない場合は大家さんや管理会社に連絡してみてください。
【手順6】試運転してみよう
一度洗濯機を起動させ、洗い時間や脱水時間を一番短くした設定で試運転してみましょう。このとき給水ホースや排水ホースで水漏れがあれば、接続部分を確認したりして調節してみてください。
まとめ
洗濯機を移動させるときに大切なのが、「水抜き」などの準備が必要です。これをしないと、移動中に水がポタポタと漏れてきてしまうことになります。また、取り外しのときにはどの部品が家のもので、どの部品が洗濯機のものなのかを知っておく必要があります。
運び方や、部品の見分け方の注意点はこの記事で紹介したとおりです。ぜひお引越しのときにお役立てください。