ねずみ駆除に伴う危険とは
ねずみ駆除とは言え、生き物を対象としていますので、方法によっては人間やペットに害を成すことがあります。危険度も道具や薬剤に応じて異なり、不十分な認識は重大な事故を招いてしまうことになるでしょう。 一体、ねずみ駆除にはどのような危険や影響があるのか、今回は薬剤成分や手段に注目してご紹介します。
使用方法にお気をつけください
ねずみ駆除の方法は様々な方法が開発され、ねずみ駆除に猫やヘビが使われていた時代から、より効率良く駆除を行えるように日々進歩しています。 しかし、駆除の方法によっては人への影響が懸念されるものもあります。特に小さな子供や幼児がいるご家庭では、取り扱いにより一層の注意が必要になるでしょう。そして、近年はペットを飼育されている方も多くいますが、人間より甚大な被害に陥ることが多いので、駆除方法に応じた配慮が必要となります。 ここでは、代表的な駆除の方法と問題点をご紹介します。
捕獲用トラップ
様々な種類の商品が存在し、カゴ用えさや粘着のりを使用したものやアニメなどでよく見かけるバネ式のものが挙げられます。 しかし子供やペットが誤ってトラップにかかってしまうことによって、意図しない拘束や強力なのりがまとわりついてしまうといった様々なトラブルが予想されます。 また、バネ式のトラップは、圧力でねずみが死ぬほどの威力がありますので、大怪我に繋がる恐れがあります。
毒餌・毒水
毒を用いた駆除は、ねずみを一掃できる可能性が高くはありますが、誤飲してしまえば大変危険です。体の小さな子供やペットは、好奇心により何でも口に入れてしまうことがあり、体が小さい分、成人よりも危険な状態に陥りやすいです。
超音波
ねずみが嫌う音波を利用することで、安全な忌避を行うことができます。 しかし、超音波は犬猫など、同じ動物であるペットに悪影響を及ぼすことがありますので、使用感などを各メーカーや超音波の口コミサイトなどでペットに影響が出ないか確認しておいたほうがいいでしょう。
薬剤に含まれる毒性
害虫獣駆除に用いられる薬剤には、無毒なものから有毒のものまで幅広く存在します。成分によって異なりますが、中には強い毒性を示す種類もあります。 素人では取り扱いが難しく、場合によっては意図しない事故の原因となってしまうこともあります。あらかじめ毒性への理解を深めておき、安全な対処方法でねずみ駆除に臨みましょう。 ここでは、薬剤に含まれている毒性のある成分の一例をご紹介します。
駆除剤などに含まれることがある成分
- ワルファリン
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内服薬としても用いられているワルファリンは、抗凝固剤の一つです。血栓塞栓症の治療や予防に使用されておりますが、殺鼠剤としても使われています。 摂取したねずみは内出血を起こし、視力の低下や死亡に繋がります。 しかし、催奇形性が懸念されており、妊婦には禁忌とされています。
- クマリン
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バニラに似た芳香を持つクマリンは、桜の葉などに含まれる植物の芳香成分の一種です。 クマリン系殺鼠剤は、累積薬剤なので何度も食べることによって、徐々にその毒が溜まっていき、やがて死をもたらします。即効性がないため、比較的安全と言われており、抗酸化や抗菌、抗血液凝集作用があるので、サプリメントなどにも使用されています。 しかし、過剰摂取により、肝障害が誘発されることが発覚し、耐用1日摂取量が定められています。体の小さなお子様やペットの誤飲には、十分注意が必要です。
- リン化亜鉛
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濃度が1パーセントを超えると劇物となるリン化亜鉛は、非常に強力な殺鼠剤です。 ねずみが食べた後、胃酸や水分と反応してリン化水素が生じ、中枢神経を犯し呼吸困難にさせ死滅させるので薬剤に耐性のあるスーパーラットにも効果が期待できます。 しかし、これはねずみだけに有効というわけではなく、誤って人間が口にした場合、胸部圧迫感や嘔吐、昏睡などの症状が現れます。 たった5グラムでも成人の致死量と言われており、お子様のペットが誤飲した場合、取り返しのつかない事態になる危険性が非常に高いです。
有害な成分を含んだ薬剤を使用する際、業者やメーカーも細心の配慮で、注意喚起を促しています。一般的に薬剤使用でおすすめされているクマリン系殺鼠剤も、過剰摂取してしまうと危険を伴う恐れがあります。 ですから、投与する場合には小袋や専用容器を利用し、安全への配慮に努めましょう。また、成分カプサイシンの薬剤などの安全性の高い種類を検討してみるのも良いでしょう。 使用方法も屋根裏に使用するなど生活圏から離れた場所での使用をお勧めします。
予期せぬ危険
ねずみによる脅威を除去するためには、正しい対処の仕方で臨まなければなりません。 しかし、子供やペットは好奇心旺盛なので、時に予期しない行動をとることがあります。大人では気にならないことや視野に入らないところでも、子供やペットにとっては、興味を惹いてしまう場合があり、発せられる臭いなどに釣られて口に入れてしまうことも十分にあり得ることです。 ここでは子供とペットに分けて、どういった危険が潜んでいるのかをご紹介します。
子供
子供は何にでも興味を持ちやすく、両親や近くの人の行動を見よう見まねで真似をすることがあります。 微笑ましいことではありますが、ねずみ駆除に関しては大きな危険が伴うと言えるでしょう。 また、危険への認識が不十分である場合が多く、毒物を素手で触り口に運んでしまったり、燻煙剤を覗きこんでしまったりしてしまうことが考えられます。 ちょっとした油断が大きな事故となりますので、子供の目線で対策を考えましょう。
ペット
人間と違いペットは正確な意思の疎通ができません。ですから、飼い主がしっかりと対策をとってあげる必要があります。 また、五感に関しても人間と大きく異なりますので、「~だろう」という甘い認識は、トラブルの元になります。 ペットの行動範囲の把握や制限をしていないと、捕獲用トラップにかかってしまうことがあり、忌避剤の臭いや超音波がペットの強いストレス原因となることもあります。
ねずみ駆除には、順番や処理方法がある程度決まっています。しかし、駆除の方法や用いる道具は異なることが多く、状況に合わせた豊富な手段があるのです。中には人やペットに悪影響を及ぼしてしまう方法や成分も存在します。 ですから、不安がある時は、初期のタイミングで業者と相談してから決めると良いでしょう。