剪定は、すももを栽培する際に必要な作業です。しかし、剪定方法については、初めて栽培する方だけでなく、すでに栽培している方でもわからないということがあるでしょう。
しかし、もし剪定しないまま育てていると、せっかくのすももが実らなかったり枯れてしまったりするなどの問題が起こり、大切なすももが台無しになってしまうおそれがあるのです。そこでこのコラムでは、すももの剪定方法についてご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
すももの剪定方法
すももの剪定時期や方法について、ここではご紹介していきます。なお剪定について知る前に、そもそもすももの特徴や種類について知っておくことも大切なため、あわせて確認しておきましょう。
すももの特徴
すももを剪定する前に、すももの特徴を知っておくことが大切です。特徴を知ることでどう育てていけばいいのかがわかります。では早速、すももの特徴をご紹介していきましょう。
【暑さ寒さに強い】
すももは、暑さや寒さに強く、北海道~九州にかけて育てることができます。ただし開花期である3月下旬~4月中旬に晩霜(ばんそう)が降りる地域では、鉢植えで育てるとよいです。
【日当たりがよい場所を好む】
すももを育てるときは、日当たりや風通しのよい場所を選びましょう。すももは暑さや寒さに強いですが、過湿には弱いです。ですので、水をあげる際には、水の量が多くならないよう気をつけましょう。
すももの代表的な品種
すももの代表的な品種にどのようなものがあるか、ご存知ない方のためにご紹介していきましょう。同時に、各品種の実のつけ方や受粉方法についてもご紹介します。
・大石早生(おおいしわせ)
大石早生は、日本で多く栽培されている品種です。栽培も簡単で果実が多く収穫ができます。また、ソルダムという品種との受粉相性がよいです。大石早生の熟期は6月下旬になります。
・ビューティ
6月下旬~7月上旬に熟期を迎えるビューティは、1品種だけで実をつけることが可能です。「黒斑病(こくはんびょう)」という病気に弱いですが、実をつけるためにほかの品種を必要としないので、すももの実を気軽に楽しみたいという方にはおすすめの品種です。
・ソルダム
先ほどご紹介した大石早生と受粉相性がよいとされているのが、このソルダムです。熟期は7月中旬で、果肉が赤いことでおなじみです。
・貴陽
貴陽は、桃のような大きさで糖度も高めとなっており、高級なすももとして取り引きされています。ホームセンターに苗木が大量に並んでいますが、人工授粉をしないと結実が難しい品種でもあります。
7月中旬~8月下旬が熟期ですが、開花が早いため「ハリウッド」や「バイオチェリー」といった品種の受粉樹が必要となります。受粉樹とは、同じ品種での受粉がおこなえない木を受粉させるための木のことです。
・サンタローザ
サンタローザは花粉を多く持ち、受粉樹として非常に適しています。また、果実の色がきれいで、完熟したものはとてもおいしいです。
・メスレー
ビューティ同様1品種だけで結実する品種です。しかし、ビューティよりも遅れて初期結実します。メスレーの熟期は7月上旬です。
剪定時期は12~2月頃
すももの剪定時期は12~2月となっています。すももが長さ5~10cmほどの短果枝に実を多くつけるからです。そのため、実をつける前に伸びすぎた枝を切る必要があります。
伸びすぎた枝を切らずにすべての花芽を結実させていると、すももの株の栄養が足りなくなってしまい、小さな果実ばかりが取れるようになってしまいます。
そうなってしまう前に、枝の長さに合わせて残す実をしぼり、ほかの花や芽は摘み取ってしまいましょう。残す実の数は、長い枝で3~4個、短い枝で1個というが目安です。
すももの剪定方法
すももを育てるのに必要な剪定ですが、具体的にどのような作業をすればいいのかわからない方もいらっしゃることでしょう。ここでは、そのような方のために剪定方法をご紹介します。
剪定方法としては、3つの方法があります。
- 徒長枝(立ち木)を切り落とす
- 込み合った枝を間引く
- 長く伸びた枝は先端を切り詰める
込み合った枝や徒長枝(立ち木)を間引くことで、日当たりや風通しをよくすることができます。また、長く伸びた枝の場合は、先端1/3ほどを切り返します。切り返すときは、花や芽をつける短果枝(※10cm以下の枝)を多く作るようにしましょう。
「正しく」「確実」な剪定はプロにお任せ!
剪定は自分でもおこなうことのできる作業です。しかし剪定する際に間違った方法でおこなうと、すももの木に花芽や果実が付かないおそれがあります。確実に果実をつけたい方や自分での剪定が無理・不安な方は、剪定のプロに頼みましょう。
弊社では24時間365日、すももの剪定に関するご相談をお電話で受け付けております。弊社に加盟しているプロの剪定業者は、現地調査もお見積りも無料です。電話ではなく直接すももを見て欲しいという方は、現地調査だけでも構いません。まずは一度ご連絡ください。
すももの育て方と収穫までの流れ
すももは剪定も必要ですが、そのほかにも大切なことがあります。ここでは、すももの育て方と収穫までの流れについてご紹介していきます。
すももの基本的な育て方
すももの育て方は主に下記の3つとなります。
水やり
地面に植えている場合は、とくに水を与える必要はありません。自然に降る雨だけで十分だからです。とはいえ、あまりにも長く乾燥している日が続いた場合は、水を与えるようにしましょう。
すももは湿度が高すぎる環境を嫌います。ですが、乾燥した状態が長く続くと、せっかくなった果実の味が落ちてしまう原因になってしまいます。そうならないために、土の表面が乾いていたら水をあげましょう。
水やりの頻度は、春と秋は1週間に1~2回、夏は朝と夕方の2回、冬は1か月に1~2回です。あとは、日照り具合や土の乾燥具合で水をどのくらい与えればよいのか調節してください。
肥料
植え付けのときにすももに肥料を与える必要はなく、開花前の時期である1~2月と9月に肥料を与えます。さらに11~12月ごろにも有機質肥料を与えておくとよいでしょう。
袋かけ
すももに袋かけするのは、5月下旬ごろになります。なぜすももに袋かけするかというと、虫による被害と果実が裂けてしまう裂果を防ぐためです。すももの実を守るために袋かけを忘れないように気をつけましょう。
すももの実を収穫しよう(人工授粉~収穫まで)
すももに実をつけさせようと考えている場合、人工授粉をしなくてはいけません。しかし、同品種での花粉では結実しない「自家不結実性」という性質をもつ品種が多くあります。
ですから、2品種の木を植えるようにしましょう。もし場所がなくて植えられないときは、「接ぎ木」という方法で異なる品種を1本の木につなげば、結実します。
2品種のすももを植えるにしても、接ぎ木をするにしてもどのような品種があるのかを知る必要があります。
このほかにも、受粉樹とほかの品種を植えても受粉して結実しない「交配不親和」という品種があります。すももの実を収穫したい方は、このことを覚えておくとよいでしょう。
ここからは、人工授粉~収穫までの流れについて詳しくご紹介していきます。
授粉のやり方
受粉作業の方法は、花同士を軽くこすりつけます。すももの花の受粉する能力は、開花~花弁が落ちるまで有効です。その中でも一番効果的とされているのが、開花後5日目くらいです。結実を安定する大きな要因となりますので、見逃さないようにしましょう。
またすももの花粉は貯蔵性が高いので、冷蔵庫で2ヶ月以上保存ができます。もし開花時期が大きく違う品種を栽培するなら、貯蔵した花粉を利用して毛ばたきによる受粉をおこなうがとても有効です。
摘果(てきか)をする
摘果とは、すもも栽培をする際にメインとなる作業です。作業自体は剪定と違い、難しく考える必要はありません。
1回目の摘果は、すももの花が開花してから1ヶ月ほど経ったときにおこないます。受粉に成功した場合は、大豆くらいの大きさに膨らんだ実ができます。
受粉に失敗したときには、実が小さく軸が黄色くなっているものがあるため、成功と失敗の区別は簡単です。また実が上向きについている、病虫害果なども取り除きましょう。
1回目の摘果のさらに20~30日後、2回目の摘果をおこないます。メスレーのような小果の品種は5cm間隔、大石早生のような中果の品種が8㎝間隔、サンタローザのような大果の品種が10cm間隔に、実が1個ほどにしましょう。
すももの収穫時期は早いものでは6月中旬、遅いものでは9月中旬です。収穫するタイミングは、果実が色づき柔らかく完熟したころになります。早く収穫してしまうと酸味が残ってしまうので注意が必要です。
注意すべき病気と害虫
すももは桃と比べて病虫害に困ることはないので、農薬を使わず栽培できますが病害虫の被害がまったくないわけではありません。ですから、最低限の病害虫対策はしましょう。ここでは、すももで発生のおそれがある病気と害虫についてご紹介します。
【病気】
・ふくろみ病
ふくろみ病とは、実が小さいときに果実の形が奇形になる病気です。原因は越冬した菌によるもので、形はアケビのように膨らみます。これを防ぐには、12~2月(落ち葉時期)に石灰硫黄合剤を散布するようにしましょう。
・灰星病
灰星病は、果実にカビが生え腐ってしまう病気です。この病気は、湿気の多い梅雨の時期に多く発生します。もし灰星病の発生が多いようであれば、近くの農協や園芸店などに行って、「EBI系(イプコナゾール剤やプログロラズ剤など)の殺虫剤」を購入しましょう。
【害虫】
・アブラムシ
アブラムシが多く発生するのは4~5月です。アブラムシは出てきた新梢を覆い枯らしてしまいます。たとえアブラムシが少なくても、発見したら薬剤を散布するようにしましょう。
・シンクイムシ
シンクイムシとはガの幼虫のことをいいます。すももの実を摘果せずにいると、実と実がくっついたまま熟してしまい、その隙間にシンクイムシが入り込みます。入り込んだシンクイムシは実を食べてしまいます。摘果を忘れないようにおこないましょう。
・カイガラムシ
カイガラムシは、庭木や果樹などに寄生する虫です。カイガラムシは木の幹や枝などの樹液を吸うので木の成長が悪くなり、最悪の場合は枯れてしまいます。カイガラムシの被害から守るために、発見したときには歯ブラシなどを使用してこすり落としましょう。
すもものお手入れがうまくいかないときはプロに相談
すももの手入れがうまくいかないときは、自力でどうにかしようと思わずに、剪定だけでも業者に依頼することをおすすめします。
剪定110番にご連絡いただければ、剪定のプロが迅速かつ丁寧に対応いたします。気になることがある場合は、剪定時に相談することも可能です。お気軽にお問い合わせください。
剪定を依頼したときの費用と業者の選び方
すももの剪定を業者に依頼するとき、剪定にかかる費用や業者の選び方で悩んでしまう方がいらっしゃることでしょう。そんな方のために、ここでは剪定の費用相場と業者の選び方についてご紹介いたします。
剪定費用の相場
庭木の剪定する場合の費用相場をご紹介します。剪定単価は下記の通りになります。
高さ0~3m未満の低木 | 3,000円前後 |
高さ3~5m未満の中木 | 6,000円~7,000円前後 |
高さ5~7m未満の高木 | 15,000円~17,000円前後 |
高さが7m以上ある木の場合 | 業者の大半が個別に見積りをしている |
この費用の相場は、1本当たり価格です。庭木の高さによって単価が異なります。
詳しくは庭木の剪定料金をまとめた記事をご覧ください。
失敗しない業者選びのコツ
業者に剪定を依頼するとき、業者選びに失敗したくないのは誰でも同じです。失敗しない業者選びのコツとしては、下記の4つがあります。
- 見積りがしっかりしていること
- 栽培での悩みなどの相談にものってくれること
- 作業実績が豊富であること
- 対応が丁寧であること
この4つ以外にも、業者の実績や口コミなども選ぶときの参考になります。また、複数の業者で見積りをおこなって、作業内容と料金を比較することも大切です。自分が納得できる費用とサービス内容の業者を選びましょう。
詳しくは剪定業者の選び方をまとめた記事をご覧ください。
まずは電話で相談してみましょう!
すももの栽培は、剪定や人工授粉、摘果、収穫などの作業があります。すべて自分でできる作業ですが、方法を間違えてしまうと木の成長を止めてしまったり、実が小さくできてしまったりするおそれがあります。作業が少しでも不安な場合は、業者に一度相談しましょう。
弊社では剪定はもちろん、すももの栽培についての相談も承っております。また、お電話受け付けは24時間年中無休で対応しております。いつでもご連絡くださいませ。