ライラックは、色鮮やかな薄紫色の花と優しい顔折から、ヨーロッパでは非常に人気の高い花木として知られています。そんなライラックを、日本のご家庭でも育ててみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ライラックの育て方についてご紹介していきます。育てるときの流れや、ライラックの剪定の仕方、また育てる上での注意点などについてまとめて解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ライラックを育てるときの流れ
ライラックを育てる上で必要な知識となる、植物の特徴・植え付け・日々のお手入れを中心に育て方を確認していきましょう。また、増やし方についてもここで触れていくので、ライラックをもっと楽しみたいという方も必見ですよ。
ライラックの特徴
ライラックは、モクセイ科ハシドイ属の落葉中木として知られています。また、ライラックは成長しても高さは2~3メートルほどです。原産地はヨーロッパのバルカン半島で、寒冷地帯の樹木です。そのため、比較的寒さに強い種類の樹木といえます。
花が咲く時期は4月中旬~5月頃で、枝の先に白色からライラック色と呼ばれる薄紫色の小さい花をたくさん咲かせます。ヨーロッパでは、春に咲くことから青春のシンボルとされていたり、恋のおまじないに使われたりしているほどヨーロッパの人にとって親しみが深い花です。
ライラックの花の優しい香りには、リラックス効果やダイエット効果があるとされ、香水やシャンプーに広く使われています。ライラックの香りは、7~8分咲きのときに最も強いといわれていて、成長が止まってしまうと香りを出さなくなってしまいます。花が満開なのに香りがなくなったからといって、異常があるわけではないということは覚えておきましょう。
苗の植え方と時期
先ほど紹介したとおり、ライラックは寒冷地帯の樹木です。そのため、基本的に日本の高温多湿な気候は苦手です。また、日差しを好む樹木ではありますが、西日といった強い日の光は非常に苦手です。このため、特に、暖かい地域で育てる際には西日が当たらないように日陰に植えるようにしなければなりません。
植える時期としては、10,11月あたりがベストです。植え付ける前には、深さ、幅が根の2倍くらいの穴を掘り、元肥として粒状の肥料を入れておきます。そして、腐葉土を混ぜた土と一緒にライラックの苗木を植え付けます。植え付けた後には、根と土が十分になじむようにたっぷりと水をあげます。また、苗木の幹がぐったりしないように支柱を立ててあげるのもよいでしょう。
日ごろのお手入れ方法
ライラックは、ほかの樹木に比べると暑さに弱く繊細な樹木です。そのため、元気に育てるためには、ほか樹木よりもいっそう日頃のお手入れが重要となってきます。ここでは、実際にお手入れとしてどのようなことをしたらよいのか、ライラックの具体的なお手入れについていくつかご紹介いたします。
強い日差しが当たらないようにする
もともと寒冷地帯が原産であるライラックは強い日光に弱いです。そのため、なんらかの遮蔽物を置いてあげたりして西日といった強い日光が当たらないようにしてあげましょう。
病害虫への対策
樹木に病害虫が付いてしまうと、幹を流れる栄養を吸い上げられてしまうほか、幹や葉を食い荒らされてしまうことがあります。また、病害虫が原因で病気になってしまうこともあります。ライラックに病害虫がついていたら、すぐに家庭園芸用の薬剤などを用いて取り除いてあげるようにしましょう。薬剤は通販やホームセンター等で購入することができます。
水と肥料を十分に与える
樹木が元気に育つためにも、水やりと肥料はとても重要な要素です。水やりは土全体にしっかりと水がいきわたるようにおこなってあげるとよいです。地植えの場合は、根付いていれば、基本的に水やりは必要ありませんが、夏の場合は、朝に水やりをおこなうようにしましょう。昼に行うと、気温が高いため土の中が蒸れてしまうので控えるようにしましょう。
鉢植えの場合は、春、秋には1,2日に一回程度、夏には朝夕に一回ずつ、冬は水きれしたらあげる、といった頻度でおこなうとよいでしょう。
肥料は、ライラック用の肥料、もしくは有機肥料を選んで与えるとよいです。地植えの場合は1~2か月に一回程度、鉢植えの場合は3月、6月に肥料を与えることがおすすめです。
適度に剪定をする
枝が伸びすぎてしまっていたり、枯れてしまっていたりすると樹木の見栄えが悪くなるばかりではなく、根や幹にも悪い影響を及ぼします。適度に剪定をしてあげるとよいです。ただ、ライラックは繊細な樹木でありますので、過度な剪定はかえって逆効果になりますので注意しましょう。具体的な剪定の仕方に関しては後述します。
ライラックの株を増やしてみよう!
ライラックは挿し木や接ぎ木など、さまざまな方法で増やすことが可能です。ここからはライラックの増やし方についてご紹介いたします。
挿し木
挿し木とは、簡単にいうと切り取った枝を土に挿し、新しい苗として育てるといった方法です。この際に、切り取った枝の切り口に活力剤を塗ったり、土を挿し木用の柔らかい土にしてあげることで苗として成長しやすくなります。
株分け
株分けとは、株を縦に切り分ける方法のことです。切り離す元になった「親株」と切り離された「子株」どちらにも根と茎が残るよう、ふたつにわけましょう。新しい株と切り分けた株は、別々の鉢に入れて育てます。
接ぎ木
接ぎ木とは、他の植物を土台にして、植物を育てていくといった方法です。育てたい植物と、土台になる植物の茎や枝などの切り口を合わせることにより、繁殖させることができます。ライラックの場合には、イタボを台木とするのが一般的です。
取り木
取り木とは、枝の幹を傷つけ、その周りを水こけなどでまいて、発根を促すといった方法です。枝の幹を芯だけ残すように傷つけることで、その部分に栄養が集まり発根するので、新たな苗木として育てることができるのです。
管理が手間!そんなときはプロに相談
ライラックは他の植物と比べて繊細である分、手入れが非常に大変です。「ライラックを育ててみたいけどちゃんと手入れができるか心配…」「育ててみたいけど、面倒くさい手入れは嫌だ!」といった方は一度豊富な知識を持ったプロに相談してみることをおすすめします。的確なアドバイスや新たな解決策を提示してもらえる場合があります。
弊社に相談していただければ、そんなお悩みを解決できる業者をご紹介することができます。24時間365日、お電話を受け付けておりますので、ぜひ一度ご利用ください。
ライラックの剪定方法
ライラックは強い日光に弱いなど、一般的な樹木よりも繊細という特徴をもっています。このため、剪定の際に切りすぎてしまったりすると、かえって弱らせてしまうことがあります。そこでここからは、ライラックの正しい剪定方法についてご紹介いたします。
剪定の時期と方法
ライラックの剪定は、枝が大きく成長し、花が咲き終わる5~6月の時期におこなってあげるのがよいとされます。剪定をおこなうのは、枯れていたり、伸びすぎていたりする枝に対してのみです。花が咲き終わったら、花穂のある枝の根もと、枝分かれしている部分から切ってあげます。中途半端に枝が残っていると残った部分は枯れてしまうので気を付けましょう。
また、ライラックは伸びすぎた枝があったとしても、冬に剪定をおこなうことができます。しかし、冬の剪定も夏の剪定と同様に強めに剪定するとライラックの生命力を弱めてしまう可能性があります。形を整える程度に、伸びすぎてしまっている枝や枯れている枝のみを剪定するようにしましょう。
適度な剪定に注意しよう!
ライラックの剪定をおこなう際は、やり過ぎないことが最大のポイントになってきます。ライラックは、他の樹木に比べて芽吹く力があまり強くありません。このため、普通の樹木と同じ要領で剪定をおこなってしまうと、「切りすぎてしまい樹木を弱らせてしまった……」という結果にもなってしまうかもしれません。剪定は、明らかに混みあっている箇所であったり、枯れてしまっている場所にのみ、おこなうようにしましょう。
害虫が発生したら?
ライラックによって来る害虫は主に、アブラムシ、カイガラムシ、テッポウムシがいます。アブラムシは、新芽に集まり芽の栄養を吸ってしまいます。薬剤やガムテ―プなどで除去してあげましょう。カイガラムシも通気性が悪くなることで発生します。放置しているとすす病といった病気の原因になるので、ブラシや薬剤などを使って除去するとよいです。
テッポウムシは、植物の内部を食べてしまう害虫です。幹に穴をあけてしまうので見つけたら害虫駆除をできる薬剤を用いて駆除するようにしましょう。薬剤はホームセンターや通販で購入することができます。
剪定に自信がない場合はプロに任せよう!
ライラックの剪定は、他の植物の剪定に比べると加減が非常に難しいです。剪定をやりすぎてしまうと樹木は弱って枯れてしまいます。このため、ライラックの剪定を自分でおこなうことに関して自信がない、不安だといった方はプロに相談するのをおすすめします。
弊社ではあなたの抱えているどんな些細な悩みでもお聞きします。自分で剪定をする自信がないという場合でもお気軽にご相談ください。また、「自分で剪定をしてみたい……」とお考えでしたら、剪定と一緒にアドバイスをしてくれる業者をご紹介することも可能です。
剪定業者の選び方とかかる費用
ライラックは繊細ですので、剪定をおこなう場合は自分でおこなうよりも、剪定してくれる業者に依頼するのが一番安心で確実です。しかし、実際に業者に依頼してみようと思ってもどういった業者を選べばよいか分からないといった方も多いと思います。ここからは、業者の選び方であったり、作業にかかる費用の相場についてご説明いたします。
どんな業者に剪定を依頼するとよい?
ライラックの剪定をおこなってくれる業者はたくさんあります。この記事を読んでいる方が自分に合った業者を見つけられるように、ここでは、業者の選び方のポイントについていくつかご紹介いたします。優良な業者を選ぶためには以下のようなところに注目してみましょう。
- 自分の都合にあわせてくれる業者かどうか
- しっかりとした見積りをとってくれるか
- 作業内容について説明してくれるか
- 背の高い木も剪定してもらえるか
- 樹木1本から依頼できるか
- 要望に応えてくれる業者であるか
- 作業をおこなう前にかかる費用をしっかりと提示してくれるか
- 現地調査、相談が無料であるか
優良な業者はとても親身なってくれます。見積りの料金も明瞭で、無茶かもしれないと思う要望でも快く引き受けてくれることもあるでしょう。剪定の業者を選ぶ際には、上記8つのポイントを参考にしてみてください。
剪定にかかる費用相場
剪定を業者に依頼する場合、費用の計算方法は大きくわけて2つあります。ひとつは、職人ひとりあたりに費用が発生する「時給制」の形態です。都心から離れるほど費用は少なくなる傾向があるとされますが、費用相場は大体一時間あたり2,000~3,000円です。
もうひとつは、樹木一本あたりに費用が発生する「単価性」の形態です。こちらは、樹木の場所や高さによって値段が変わってきます。ライラックが分類される中木の剪定費用の相場は一本当たり6,000~7,000円とされています。
業者によっては、出張費やごみの処理費用などが追加料金として発生する場合もあります。作業前の見積りの際に、作業にかかる費用をしっかり確認し、追加料金が発生しないか聞くようにしましょう。
まずは見積りをとってみよう!
依頼する業者を選ぶにしても、まずは見積りからです。実際にいくつかの業者に見積りを出してもらうようにしましょう。そのうえで、提示された情報をもとに、上でご紹介した業者選びのポイントを参考に、自分に合った業者を選ぶことをおすすめいたします。
弊社では、無料で見積りができ、相見積りが可能な業者を紹介しております。「剪定を依頼したいけどちょっと不安……」というかたは、ぜひ一度弊社の紹介するプロの業者で無料見積りをしてみてはいかがでしょうか。
【高木の剪定・お手入れに関する記事はこちら】
■ウバメガシの剪定|刈り込みの方法や育て方・病害虫の被害について
■シラカシの剪定方法や時期|育て方の基本と気を付けるべき害虫や病気
■ウラジロガシに必須の剪定。方法と適期を知って元気な木を育てよう!
■もみじ剪定の時期は冬がいい?キレイに紅葉させる方法もご紹介!
■しだれもみじの剪定は冬!美しい紅葉を叶える条件とお手入れ方法
■イロハモミジの剪定は時期が重要!正しい方法とは|育て方も解説
■キャラボクの剪定は初心者にも簡単!自分でできる手入れ法&育て方
■ハナミズキの剪定方法まとめ!時期や剪定方法まで解説します
■ケヤキの剪定|小さくする方法と盆栽の作り方・お手入れについて
■ユーカリ剪定の方法|ひょろひょろ、枯れた!などよくあるお悩み対策
■ミモザの剪定は花が咲いた後!剪定方法や花が咲かない原因を解明
■モッコク剪定|お手入れは簡単でも剪定にはコツが!育て方のポイント
■マテバシイの剪定方法と注意点!病害虫に気をつけて健康的に育てよう
■アオギリの剪定方法と育て方|大きくなりすぎた場合の対処法も紹介
■レンギョウの剪定|美しい花が咲くお手入れ法と枯れる原因への対処
■シルバープリペット剪定の仕方と時期|生垣の手入れに困ったら業者依頼もひとつの方法
■ネズミモチの剪定|すぐに大きくなるのでこまめに剪定をしよう!
■ライラックの剪定でキレイなお花を育てたい!お手入れのポイントとは
■キンモクセイの剪定方法|基本から学ぶコツ&プロに相談したとき
■銀木犀を剪定する方法を解説!基本を学んできれいな花を咲かせよう
■ハゴロモジャスミンの剪定方法と時期|魅惑の花を自分好みに育てよう
■コブシの剪定|時期を間違えると花が咲かないことも!正しい剪定方法
■木蓮の剪定方法|時期を間違えると花が咲かない原因に!育て方も解説
■ソヨゴを剪定で弱らせてしまわないために。剪定の時期と方法について
■クロガネモチの剪定時期っていつ?剪定方法や挿し木の手順とコツ
■月桂樹の剪定方法|健康に育てるお手入れ・葉のオススメ活用法まとめ