剪定や伐採などで木を切った際に、切り口になにもしないまま放置しておくのは危険です。剪定をおこなった後では、切り口がむき出しになっているため、雨や空気中に含まれている雑菌が入り込んでしまったり、害虫が侵入したりするおそれがあります。
そのため、癒合剤を塗って切り口をコーティングして、木を守ってあげる必要があるのです。また、木を伐採した後に、切り倒した木や切り株を放置してしまうとシロアリが発生するリスクがあるため、伐採後には切った木や切り株はしっかりと処分する必要があります。
この記事では、剪定や伐採で木を切った後の処分の仕方についてご説明していきます。木を切った後の処理にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
木を切った後の処理【1】剪定したら切り口を保護してあげよう
剪定後は、切り口を保護するために、癒合剤を使うのがおすすめです。癒合剤とは、木の切り口に塗る防腐剤のようなもので、傷口を守って植物を健康に育てることができます。そこで、まずは癒合剤のメリットや塗り方、代用品についてご紹介します。
剪定直後は雑菌が入りやすい
癒合剤とは、剪定した後に傷口をコーティングする薬剤で、以下のような役割があります。
- 雨水や雑菌の侵入を防ぐ
- 水や栄養が奪われるのを防ぐ
- 植物の生長を促す
癒合剤の大きな役割は、雨水や雑菌の侵入を防ぐことです。剪定をおこなった後は、切り口がむき出しになっているので雨水や雑菌が入りやすい状態になっていますが、癒合剤を塗ることでそれらの侵入を防ぐことができます。
その結果、植物が枯れてしまうのを防ぐことができるのです。また、傷口を塞ぐことで、水や栄養が外に逃げてしまうのを防いだり、植物の生長を促したりする役割もあります。
癒合剤の塗り方
癒合剤を塗る際は、切り口に付けてヘラで広げるのがおすすめです。そうすることで、切り口に均一に癒合剤を塗ることができます。
癒合剤を塗ったら、1カ月程度で取り除くとよいでしょう。癒合剤を長い間付着させたままにしておくと、切り口が塞がりにくくなってしまうためです。ただ、商品によって使い方が異なる場合があるので、しっかりと説明書きを読んでから使いましょう。
癒合剤がない場合は?
癒合剤がない場合は、以下のものでも代用することができます。
【木工用ボンド】
殺菌効果はありませんが、切り口をコーティングすることはできるため、木の断面から水が逃げるのを防いだり乾燥を防いだりすることが可能です。しかし、デメリットもあります。それは雨で流れてしまうおそれがあることです。
もしボンドを癒合剤として使うときは、必ず木工用ボンドを使うようにしましょう。「木工用ボンドも普通のボンドも同じではないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、普通のボンドには切り口を傷める成分が入っているので、誤って使うと枯れてしまいます。
【アクリル製絵具】
アクリル製絵具も癒合剤として使うことができます。殺菌力はないですが、切り口をコーティングすること可能です。また、木工用ボンドよりも耐水性に優れているため、長時間切り口を保護してくれるでしょう。
ただ、絵具には植物によくない成分が入っているおそれがあるため、ほかのものを癒合材として使える場合は、そちらの使用をおすすめします。
【アルミホイル・ビニール袋】
断面をアルミホイルやビニール袋で覆って、物理的に木の切り口を保護します。ビニール袋のみでは隙間ができて木の断面を保護する効果が減ってしまうので、木工用ボンドやアクリル製絵具と併用するのがおすすめです。
ただ、アルミホイルやビニール袋で覆って日光が当たりにくくなることにより、切り口が腐ってしまうおそれがあります。また、湿気がこもってしまって害虫が発生する場合もあるため、こまめに取りかえる必要があります。利用は最小限に抑えたほうがよいかもしれません。
【墨汁】
墨汁も癒合剤の代用品として挙げられることがあります。墨汁に含まれている「ニカワ」という成分に、除菌や防腐の効果が期待できるといわれているためです。
しかし、あまりおすすめはできません。癒合剤として使えるほかの道具と違って、切り口を保護する効果がほとんどないからです。さらに、切り口に黒く色が付いてしまうことで日光が集まりすぎてしまい、切り口が傷みやすくなってしまうおそれもあります。墨汁以外のものがあればそちらを使いましょう。
以上が、癒合剤として使うことができる代表的な道具になります。しかし、可能であれば園芸用品店やホームセンターで、癒合剤として販売されているもの使うことをおすすめします。木工用ボンドもアクリル製絵具も、癒合剤として使われる目的で製造されていません。
癒合剤として作られているものと違って、使用することで大切な木にとってデメリットになるおそれもあるのです。できるだけ癒合剤として販売されているものを使いましょう。
癒合剤を塗った後もしっかりお手入れしよう
癒合剤を塗った後は、日当たりがよい場所に移しましょう。そうすることで、より切り口の再生を促すことができるからです。
また、「癒合剤を塗ったからお手入れはいらない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、水やりや施肥をおこなう必要があります。それぞれ守ったほうがよいポイントがあるので、以下でご紹介していきます。
【水やりのポイント】
水はあげすぎに気を付けましょう。土を触ってみて、湿っていたら水やりは必要ありません。「乾いてきたな」と思ったら、水をあげてください。水をあげる際は、夜にあげるのがおすすめです。湿度や温度が低くなる夜に水をあげることで、根が傷みにくくなるのです。
また、鉢植えの場合、受け皿に溜まった水は捨てるようにしてください。受け皿の水をこまめに捨てることで、高い湿気で根が傷むのを防ぐことができます。
【施肥のポイント】
肥料は、大きくわけて「無機質肥料」と「有機質肥料」の2つがあります。無機質肥料は即効性があり、有機質肥料は即効性がなく持続的に効くのが特徴です。剪定後には木が弱っている場合が多いので、即効性のある無機質肥料を使い、普段は持続性がある有機質肥料を使うのがおすすめです。
木を切った後の処理【2】剪定や伐採で切った木の処分方法
剪定や伐採で木を切ったら、切った枝や幹を処分しなければなりません。しかし「処分ってどうやればいいんだろう」と、悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
処分方法には、ゴミとして処分したり、知人に引き取ってもらったり、加工して販売したりなど、さまざまな方法があります。ここでは、ゴミとして回収してもらう方法、業者に依頼する方法の2つをご紹介していきます。
【方法1】ゴミとして回収してもらう
切った枝や幹の大きさにもよりますが、だいたい「燃えるゴミ」か「粗大ゴミ」として回収する自治体が多いようです。燃えるゴミで出せる場合はゴミステーションに出し、粗大ゴミとして出す場合は事前に予約をして取りに来てもらいましょう。予約の方法は各自治体の公式サイトを閲覧することで確認できます。
また、自治体のクリーンセンターに自分で持ち込む方法もあります。「燃えるゴミや粗大ゴミの日よりも早く処分したい」という方は利用するとよいでしょう。自治体によって細かな処分方法は異なるので、あらかじめ市役所のホームぺージを見たり自治体に問い合わせたりして確認しておきましょう。
ただ、自治体によってはゴミとして回収してもらえない場合もあります。その場合は以下でご紹介する、業者に依頼する方法で処分しましょう。
【方法2】業者に引き取ってもらう
伐採した木を自分で処理するのが大変な場合や、自治体で引き取ってもらえない場合は、業者に依頼するのがおすすめです。業者に依頼することで、体力的な負担や手間をかけずに処分してもらえます。業者に依頼するメリットや費用の詳細は次の見出しでご説明します。
処分するときは3つのことを心がけよう
伐採した木を自力で処分する場合は、以下のことに気を付けましょう。
- 処分は天候の良い日におこなう
- 湿っている木はしっかり乾かしてから処分する
- 葉が付いた木は葉が枯れる前に処分する
処分は、天候のよい日におこなうのがおすすめです。野外での作業になるため、天気のよい日のほうがスムーズに作業をおこなうことができます。
処分したい幹や枝が湿っている場合は、しっかりと乾かすようにしましょう。湿り気を帯びたままの幹や枝は、時間の経過とともに腐っていき、カビや害虫の温床となってしまうおそれがあります。ゴミの日がくるまでは、その幹や枝は自分で管理しなければなりません。
枝や幹にカビや害虫が発生していると、管理している間に自分や家族が病気やアレルギーになってしまう危険性もあります。そのため、カビや害虫の発生は防がなければなりません。
さらに、腐敗があまりにも深刻な幹や枝は、ゴミとして回収してもらえない場合もあります。そのため、処分したい幹や枝は、ゴミの日がくるまで雨の当たらない場所で管理しましょう。
葉が枯れないうちに処分することも、処分する際に心がけておくとよいポイントです。葉が枯れてしまうと作業をおこなっている最中に葉が枝から落ちていくため、葉を片付ける手間がかかってしまいます。
伐採した後はまだ枝に葉がしっかりと付いた状態であることがほとんどのはずなので、そのまま枝と葉を一緒にゴミ袋へ入れましょう。
伐採後の切り株は放置厳禁!
切り株を放置すると、シロアリが発生してしまうおそれがあります。シロアリは枯れた木や倒れた木などを食べる習性があるからです。そのため、切り株は放置せずに処分しましょう。処分する方法としては、以下のものがあります。
・黒い袋をかぶせる
黒い袋をかぶせることで、切り株を腐りやすくすることができます。なぜなら、黒い袋をかぶせることで日光が当たるのを防ぎ、光合成を阻害することができるからです。ただ、時間がかかってしまうので、すぐに除去したいという方はほかの方法を試すとよいでしょう。
・薬剤を使う
即効性があるのが、切り株に薬剤を流し込む方法です。即効性があるので、「すぐに処分したい」という方には向いています。しかし、薬剤によってはペットや人に健康被害をもたらすおそれもあるため、注意しなければなりません。
外でペットを飼っている方や、お子様をよくお庭で遊ばせるご家庭では、薬剤の使用は避けたほうが無難です。
・切り株を掘り起こす
切り株の処分方法として、掘り起こす方法もあります。物理的に取り除くので、確実に処分することができるのがメリットです。ただ、デメリットとして、とても労力のいる作業になるため身体への負担が大きいことや手間がかかることが考えられます。
上記の方法で処理するのが難しい場合は、業者に依頼しましょう。業者に依頼することで、伐採と木の処分をおこなってもらうことができます。
弊社では、全国に多数の加盟店があり、実績のある加盟店スタッフが木の伐採や処分をおこなっております。24時間年中無休で電話による受付対応をしているため、ご都合のよい日時にご相談いただけます。
「仕事などで平日都合がつかない」という方は、作業日を土日に調整することも可能です。木の伐採や処分にお悩みの方は、ぜひ弊社までご連絡ください。
伐採も処分も業者に依頼すればラクチン!
ここからは、業者に依頼するメリットや費用をご紹介していきます。「業者に依頼しようか迷っている」「業者に依頼してみたいけど費用が気になる」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
木の伐採を依頼すると処分もしてくれる
木を伐採したいときに、伐採を業者に依頼すると処分までおこなってもらえることがあります。伐採した木の処分には手間や身体的な負担がかかりますが、業者に依頼することでそういった負担をともなわずに処分することができるのです。
ただ、これまでに伐採も木の処分も業者に頼んだことがない方は、費用面のことが気がかりで業者への依頼に躊躇してしまうかと思います。そこで、以下から木の伐採や処分を業者に依頼する際にかかる費用についてご説明していきます。
木の伐採を依頼するといくらかかる?
木の伐採を業者に依頼したとき、多くの場合「作業費」「処分費」がかかります。また、作業に重機を使わなければならないとなれば、「重機使用代」として追加で料金がかかってしまうのです。以下では「作業費」「処分費」「重機使用代」の料金相場をご紹介します。
【作業費】
伐採費用は「単価制(1本あたりいくら)」で計算している業者が多く、単価は木の高さによって異なります。また、伐根費用(根や切り株を撤去するための費用)は木の幹の直径によって変動します。
≪伐採費用≫
- 3m未満:3,000円~5,000円
- 3m~5m:8,000円~15,000円
- 5m~7m:12,000円~30,000円
≪伐根費用≫
- 30cm未満:6,000円~10,000円
- 30cm~50cm:15,000円~25,000円
- 50cm~80cm:25,000円~35,000円
【処分費】
処分費も木の高さによって異なります。
- 高さ3m未満:3,000円~5,000円
- 3~5m:8,000円~10,000円
- 5m以上:12,000円~15,000円
【重機使用代】
重機を使う場合には追加料金がかかります。
≪クレーン(1日あたり)≫
- 80,000円~100,000円
≪ユンボ(1日あたり)≫
- 1.5トン:20,000円
- 5トン:30,000円
- 10トン:50,000円
さらに、整地をおこなう場合には整地代がかかります。また、業者によっては出張費がかかる場合もあります。
木の伐採費用を安く抑えるには?
業者に依頼する際に、費用を抑えるためには、相見積り(複数の業者から見積りを取ること)をおこなうのがよいでしょう。相見積りをおこなうことで、費用を比較検討することができるため、よりお得に伐採してくれる業者への依頼が可能になります。
このとき、見積りは無料でおこなってくれる業者を選びましょう。費用を気にせずにより多くの業者に見積りを依頼できるからです。
弊社の加盟店の多くは、見積りを無料でおこなっております。見積りのみのご依頼も可能です。また、原則として追加料金は発生いたしません。追加料金が発生する場合でも、納得いただいてから作業をおこないますのでご安心ください。
「木を切った後の処分に困っている」「木の伐採を依頼したい」という方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。