本コラムでは、漆の木の伐採方法や、再度生えてこないようにする方法について、解説しています。自分で漆の木の伐採をおこなう際は、漆の樹液によるかぶれに注意しなくてはなりません。
漆によるかぶれの被害を受けた人のうち、約85%以上の人は樹液によるものだといわれているほど、樹液による被害は大きいのです。自分で漆の木を伐採することに対して、少しでも危険だと感じた際には、業者へ依頼することを視野にいれておくといいでしょう。
身近に漆の木がある人のなかには、「漆の木が生長して大きくなってきたから伐採したい。けどかぶれがこわい……」と悩んでいらっしゃる方もいるかと思います。本コラムをご一読していただき、漆の樹液によるかぶれをできるだけ防ぐコツを知って、安全に漆の木の伐採に挑みましょう。
漆の木を伐採する方法
漆といえば、樹液を木や紙に塗り付ける「漆器」が有名です。日本では石川県や福島県、和歌山県などで作られています。そんな漆の木ですが、樹液は人体に悪影響を及ぼします。
漆器に使われるときのようにちゃんとした処理がほどこされていれば問題ありませんが、自然なままの樹液に触れてしまうとかぶれてしまうおそれがあるのです。
漆の木が不必要な場合は、早めに伐採することをおすすめします。しかし、ただ闇雲に幹を切ればいいわけではありません。漆の木は切り株などが残っているとそこから自生します。
そのため、正確な方法で伐採しなければ、伐採したあとだから大丈夫と思っていても、「いつの間にかこんなところに漆の木が!」ということが起きてしまうかもしれません。
ここからは、漆の木を伐採する方法についてご紹介していきます。自分で伐採する際は、かぶれを起こさないように安全第一でおこなってください。
かぶれたくない!漆伐採に適切な時期は?
一般的な木の伐採であればとくに心配はないのですが、漆の木に限り懸念すべきことがあります。それは「漆かぶれ」です。漆器などの硬化されているものであれば問題ありませんが、漆の木にはほとんどの人がかぶれてしまいます。漆を取り扱う職人さんですらもかぶれてしまうことがあるほどです。
漆の木を伐採するのに、最も適した季節は冬です。漆の木は冬になると活動が落ち着くからです。反対に、夏は漆の木の樹液を採取する時期なので、樹液が出やすくかぶれる危険性が高いといえます。夏の伐採はできるだけ避けましょう。
漆の木の伐採手順
ここからは、漆の木を伐採する手順について解説していきますが、まずは伐採に適した服装についてご紹介します。漆の木を伐採する際は、樹液に触れてかぶれてしまわないように長そで長ズボンを着用し、手袋などでできるだけ肌の露出を防ぐようにすることも大切です。
【漆の木の伐採手順】
【1】ロープを使い、倒す方向を決める
伐採をおこなう前に倒す方向を決めておきましょう。方向を決めておかないと、家のある方向に倒れてしまったり、周囲の人へぶつかってしまったりする危険性があります。
ロープは木の高い位置に結ぶことで、木を倒しやすくなります。また、結ぶときは「もやい結び」と呼ばれる方法がおすすめです。もやい結びは輪を作り、ロープの先端を輪の中にくぐらせ、もう一度ロープを輪の中へ通します。
この結び方はしっかりと結ぶことができるだけでなく、簡単にほどくことができるので後片付けもしやすいです。
【2】ノコギリやチェーンソーで伐採する
漆の木の場合はチェーンソーが向いていますが、初心者がチェーンソーを使っていると、急にチェーンソー本体が自分に向かって跳ね返ってくる場合があります。最悪の場合は死に至るおそれもあるため、チェーンソーの使用には慎重な判断が必要です。
が細く樹高がそれほど高くない木の場合は、一度自分の首から肩の位置で切ったあと、根本を伐採してください。幹が太い木の場合は、まず幹に「受け口」と呼ばれる切り込みをいれます。まず、幹に30~45度のくの字の切り込みをいれましょう。切り込みは、幹を倒したい方向にいれてください。
受け口を作ったら、「追い口」という一本線の切り込みを、受け口の反対側からいれましょう。切り込みの長さは、幹の真ん中あたりまでにしてください。2つの切り込みを作ったら、追い口のほうから木を押しましょう。木は容易に倒すことができるはずです。
漆の木に十分な注意を払っていても、漆に弱い人はかぶれるおそれがあります。人によっては、木の下を通っただけでかぶれることもあるので、不安であれば業者に頼みましょう。
伐採110番では、漆の木に精通した加盟店スタッフが迅速に対応いたします。「自分で作業するのは不安かも?」という人は、業者へ依頼することで、徹底的に、かつ安全に伐採することが可能です。確実に伐採したいという方は、弊社にお任せください。
漆の木は根まで処分しましょう
これまで、漆の木を伐採する方法についてご紹介してまいりました。ここで気を付けて欲しいのは、漆の木は伐採するだけでは完璧に処分しきれないという点です。
というのも、漆の木を伐採する際は根までしっかり処分しないと「ひこばえ」が生えます。ひこばえとは、木の切り株や根元から生えてくる芽のことをいい、新たな漆の木が育つ原点でもあります。
つまり、ひこばえを放っておくことで、処分したはずの漆が再度根から育ってしまうのです。そのため、ひこばえが生えてくる根も、完全に除去する必要があります。ここからは、漆の木の根を処分する方法についてご紹介していきます。
木の根の処分法
漆の木の根を処分するためには、伐根する必要があります。伐根とは、伐採したあとの切り株や根を処分することです。シャベルなどを活用して徹底的に根の周囲を掘り起こし、株や根を取り除きます。
しかし、漆の木の根は生命力が強く、頑丈に張っているため、掘り起こす段階でとても難しい場合があります。
そんなときは、除草剤を使いましょう。除草剤を使うことで、根を枯らすことができるのです。伐根をする際には、事前に除草剤で切り株を枯らしておくのもよいでしょう。
まず切り株に穴をあけ、その中に除草剤を注入しておけば、枯らすことができます。薄めて使う除草剤は、パッケージに書いてある用法どおりに水で薄めてから使ってください。
根の処分でもかぶれに注意を
漆の木から出る樹液によるかぶれは、伐採するだけでなく根の処分をする際にも起きる危険性があります。さらに、漆の木そのものだけでなく、樹液が飛んだと思われる場所も触らないように注意しましょう。樹液が付着した場合は、付着した箇所をぬるま湯と石けんで洗ってください。
漆の木でかぶれると、「患部が腫れる・かゆみが出る・小さな水泡ができる」などの症状に見舞われます。万が一漆が原因でかぶれてしまった場合は、患部を刺激しないようにし、水泡を破らないようにしてください。
たとえばペットなどにも注意しましょう。ペットを飼われている方は、ペットにも漆の樹液が飛んでいるおそれがあります。ペットの毛に触れることで手がかぶれてしまうおそれもあるので注意しましょう。
ひたすら土を掘り進めていく根の処分は、自分でおこなうとかなりの重労働です。また、付近の植物の根を傷つけてしまうことや、作業中のケガ、夏場であれば熱中症なども危惧されます。
自分でしっかりと伐根できるか不安な人には、業者の力を借りるという手もあります。ほかにも、「自分で処分する時間がない」「体力に自信がない……」という人にも、業者に依頼することはおすすめです。
漆の木の伐採や伐根といった作業は、エネルギーがいるだけでなく、かぶれの危険性もともなうのです。弊社は専門的な知識を備えている業者をご紹介いたしますので、安心して伐採や伐根をおこなうことができます。
漆の木の伐採にかかる費用
これまで、自分で漆の木を伐採する方法をご紹介してまいりました。「自分で漆の木を伐採するのは難しそうだ」という人は、業者へ依頼するのが賢明でしょう。
ここからは、漆の木の伐採をする際に発生する費用についてご説明していきます。漆の木の伐採を業者に依頼すると、大体の場合は作業費や処分費を合算したものが費用となります。費用の相場は次のとおりです。作業費が約3,000~30,000円、処分費が約3,000円~15,000円です。
ただし、木の高さや太さによって費用は変わるため、まずは業者に見積りをだしてもらうようにしましょう。
弊社がご紹介させていただく加盟店では、木の高さや太さ、作業の難易度など、費用を算出するうえで必要な情報すべてを加味してお見積りをおだしします。
また、加盟店の多くは出張費が無料です。そのため、よりリーズナブルな費用でご利用いただけるかと思います。「漆の木の伐採だけ依頼したい」「伐採だけでなく伐根や回収もお願いしたい」という場合も、ご遠慮なくお申し付けください。