走行中に石が飛んでくる「飛び石」の被害で、車のガラスに傷がついてしまうことがあります。また、子供がよく遊ぶ場所の近くに駐車場がある場合は、知らない間に傷をつけられてしまう可能性もあるでしょう。ガラスに傷がついたら、できるだけ早く対応をすることが大切です。小さな傷一つが原因で、走行できないほどガラスが傷んでしまうこともあります。
この記事では、傷ついたガラスを自分で修理できる場合とできない場合、それぞれの流れを紹介しいていきます。ガラスの傷の重度によって対応方法は異なりますので、自分はどちらの対応をするべきか確認しましょう。また、気になる費用も紹介するので参考にしてみてください。
フロントガラスについた傷!自分で直せるの?
車のガラスについてしまった傷には、簡単に直せるものとそうでないものがあります。傷のつき方によって対応方法は変わるでしょう。まずは車のガラスについてしまった傷の状態を確認してください。そして、下記を参考にして自分で修理できるのか、できないのかを判断しましょう。
傷の種類によって補修方法が変わる
傷にはさまざまな種類があります。どのような原因でガラスに傷が入ったかなども関係してくるでしょう。傷の種類を紹介するので、自分のものと一致するものを探してみてください。傷の症状が軽いものから重いものに順をおって紹介しいていきます。
ブルズアイブレイク
ガラスがへこんでいるが、ヒビはあまり入っていないという状態です。比較的傷は悪化しにくいでしょう。初期段階の傷といわれています。
パーシャルブレイク
半月状の形の傷です。1番多いタイプのヒビで、放っておくと傷が広がっていく悪化する可能性があります。
ストレートブレイク
衝撃をうけた部分から両サイドにヒビが入ってしまっている状態です。漢字の「一」という文字のようになっているでしょう。放っておくと傷が広がっていく悪化する可能性があります。
スターブレイク
名前のとおり、星の形をした傷です。衝撃を受けた部分から数方向にヒビがはいってしまっており、完全に亀裂しています。
コンビネーションブレイク
上記で紹介した「ブルズアイブレイク」「パーシャルブレイク」「スターブレイク」が複合された傷です。車のガラスにつく傷の中で最も重要なもので、範囲が広いと運転をすることも困難になります。
このようにガラスの傷には初期段階なものから、重度なものまでさまざまです。どの種類の傷がついているかによって、ここからの対応方法が変わってきます。
自分で修理できない傷
「スターブレイク」「コンビネーションブレイク」など数方向にヒビが入ってしまっているものは、自分で修理することは困難でしょう。傷の範囲によっては、ガラスを交換するという対応になるかもしれません。スターブレイクやコンビネーションブレイクは、ヒビの方向が多い分、広がって悪化してしまう可能性も高いです。できるだけ早く対応しましょう。
自分で修理できない場合は、ガラスの修理や交換をおこなってくれる業者などのプロにお任せすることになります。
自分で修理できる傷
「ブルズアイブレイク」「パーシャルブレイク」「ストレートブレイク」などの初期段階の傷であれば、自分で応急処置をすることも可能でしょう。補修するための材料や道具を用意することで、自分で作業することができます。
自分でできる応急処置方法
ガラスの傷を応急処置していきましょう。補修シールを使う方法や補修リペアツールを使う方法があります。それぞれ作業方法を紹介していくので、参考にしてみてください。自分の傷にあっている方を選ぶといいでしょう。
応急処置をする前の注意点
ガラスの傷を扱うものなので、注意しないとガラスの破片が指に刺さるなどのケガをしてしまう可能性があります。傷口を素手で直接触らないようにしましょう。
また、応急処置をおこなう前はガラスの掃除をするとよいです。傷口に入ってしまっているホコリを取り除きましょう。このときに良かれと思い、水を含ませたタオルで掃除をしてしまう方もいますが、逆効果になってしまいます。水分がはいると補修に使うものが密着しにくくなってしまうので、乾いたタオルで掃除しましょう。
補修シールを使う
ガラスの傷口には、水やホコリが入り込んでしまいます。水やホコリがはいってしますと、修理をするときに手間がかかってしまうでしょう。そのようなことをなくすためには、できるだけキレイな状態をキープしておくことが大切です。状態をキープするために使えるのが、補修シールです。
補修シールを傷の部分に貼ると、傷口にゴミや水分が侵入することを防いでくれます。修理というよりは、応急処置という方法です。ホームセンターやインターネットで、お手軽な価格で購入することができます。
傷口にシールを貼るだけなので、作業内容も簡単です。
補修リペアツールを使う
補修リペアツールを使って修理する方法があります。補修リペアツールは、カー用品店やホームセンターで購入することができますが、補修シールよりは価格は高くなってしまうでしょう。しかし、その分効果が期待できます。作業時間はだいたい1時間くらいといわれています。
- 補修液
- 注射器
- 台座
上記のものは基本的に付属されています。
- クロスや雑巾
- マスキングテープ
- 細いピン
上記のものは付属されていなければ自分で用意しましょう。
1.フロントガラスを掃除する
ガラスの傷の周辺を乾いたタオルで掃除しましょう。上記でも紹介しましたが、濡れたタオルで拭いてしまわないよう注意してください。効果が得られなくなってしまいます。
また、傷の中も細いピンなどを使って掃除すると、より効果的です。傷口を広げてしまわないように丁寧におこないましょう。
2.マスキングテープで養生する
補修液が垂れてしまう可能性があるので、傷口の周辺をマスキングテープで養生するといいでしょう。
3.台座を固定する
補修液を注入して圧力をかけるための台座を固定します。台座が傷口に密着していないと、圧力がかからずうまくできない可能性があるので、大切な作業です。
4.補修液を注入する
固定した台座に補修液を注入していきます。補修液は固まるので、こぼれた部分はふき取っておくといいでしょう。
5. 減圧、加圧を繰り返す
補修液を浸透させるために10回ほど減圧、加圧を繰り返えします。終わったら、圧力がかかっていない状態にして台座を外しましょう。また、最後に傷口部分に補修液を1,2滴ほどたらすと最後に発生したくぼみを埋めることができます。
6.保護フィルムを貼る
傷口部分に保護フィルムを貼って補修液が固まるのを待ちます。30分~1時間ほどで乾くでしょう。乾くまでに必要な時間は、付属の説明書などに記載されていることが多いので確認してみると安心です。
7.不要な補修液を削る
補修液が完全に固まったら保護フィルムをはがします。傷から補修液がはみだしていたら、カミソリの刃などで削っていきましょう。しかし、丁寧におこなわないと傷が再発してしまう可能性もあります。余分な補修液のみを取り除くイメージで削るといいかもしれません。
自分で修理したときの費用の違い
費用を抑えたいからと自分で傷を修理しようと検討する方が多いです。自分で修理した場合、プロに依頼したときの半分くらいの費用に抑えることができます。費用としては安く済むので、DIYでおこなう方も多いでしょう。しかし、自分でおこなう場合は、失敗して傷が悪化してしまう可能性があることも知っておいてください。
費用を抑えようと自分で作業しても悪化してしまえば、プロに依頼することになるでしょう。そうなると費用も多くかかってしまいます。
車のガラスについた傷はプロに任せたほうが安心
ガラスの修理はプロに任せるのが安心で安全です。知識や道具を多く持っているので、自分ではできないような作業もしてくれます。
費用は自分でおこなうよりもかかってしまいますが、その分補修の完成度も期待できるでしょう。自分でガラスの傷の修理をおこなうのが不安という方は、業者に依頼すると安心です。
まとめ
この記事では、車のガラスに傷がついてしまったときの対応方法を紹介してきました。傷の重度によって対応方法は異なります。自分で修理できるケースもあれば、できないケースもあるのです。傷の症状を確認してあった対応をしましょう。
傷口には、水やホコリが入り込んでしまい、修理をするときに取り除くのに手間がかかってしまいます。そのため、できるだけ早く修理することをおすすめします。すぐに修理ができないという場合は、補修シールを貼って異物が入らないように応急処置をしましょう。
自分で修理する場合は正しい方法で作業しないと悪化してしまう可能性があります。自分で修理するのが不安という方は、業者に依頼すると安心です。
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