蜂は希少性の高いものを合わせれば、世界中に20万種以上も生息していると言われています。しかし、人に危害を加える蜂はこの中でも限られてきます。この日本に生息する蜂の種類と特徴、そして攻撃性・凶暴性が高い蜂の見分け方について種類写真と共に探っていきましょう。
蜂の種類と特徴について
私たちが蜂と聞いて連想するのは「スズメバチ」や「アシナガバチ」、「ミツバチ」などが一般的でしょう。しかし世の中は広く、世界にはいろんな蜂がおり、ちょっと変わった生態の蜂や、蜂のそっくりさんというものも存在します。ここでいくつかご紹介しましょう。
見た目 | 名称 | 特徴 | |
スズメバチ | オオスズメバチ | 体長が4センチ前後と、毒性の高い蜂の中では世界最大級の蜂としても有名です。主に山林や藪などに営巣をしています。 | |
キイロスズメバチ | 「ケブカスズメバチ」の名称でも知られる種類で、地方によっては「アカバチ」や「カメバチ」の方がなじみ深いかもしれません。刺傷例が日本で最も多い蜂になります。 | ||
クロスズメバチ | 全身が黒く、白いラインが特徴のスズメバチです。「ジバチ」や「ヘボ」と呼ばれる蜂の多くはこのクロスズメバチが該当します。 | ||
ヒメスズメバチ | 名前から小さい蜂を想像しがちなヒメスズメバチですが本種はオオスズメバチに次ぐ大きさの、「でかい」蜂になります。 | ||
コガタスズメバチ | オオスズメバチをそのまま中型化させた外見の蜂になります。そのため、成長途中のスズメバチとの見分けが難しい種になります。 | ||
アシナガバチ | セグロアシナガバチ | 大きい個体で3センチ弱にもなる、大型のアシナガバチになります。市街地でもよく見られ、軒下だけでなく物干し竿などでも営巣する場合があります。 | |
フタモンアシナガバチ | 腹部に黄色の紋が2つ付いていることから名付けられました。寒さにも強い種で、北海道でも見かけることが出来る蜂になります。 | ||
キアシナガバチ | アシナガバチの中でも攻撃性の高い種にあたり、雑木林などに多く生息しています。そのため、ハイキング中などに営巣場所に気づかず近づいてしまう場合があります。 | ||
コアシナガバチ | 小さい蜂で黒い色をしている場合、多くはこのコアシナガバチになるでしょう。キアシナガバチとコアシナガバチの違いとして、本種は人工物を主に営巣箇所にする点が挙げられます。 | ||
ハナバチ | クマバチ | クマンバチと呼ばれることもある、大型のハナバチの一種です。体調2センチを超える大柄な種類ながら、極めて温厚な性格の種になります。 | |
ミツバチ | 日本ではニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種が有名です。一般的にミツバチは温厚な性格で知られていますが、アメリカでは「キラービー」とも呼ばれるミツバチによって死傷者も出ています。 |
スズメバチ種
主な住処は土中や木の根元などが多く、気づかぬうちに巣を刺激してしまう場合があります。竹などに営巣する「フタオビドロバチ」などのドロバチもスズメバチ科に属しており、山林で活動する際には十分に気を付ける必要があるでしょう。
アシナガバチ種
アシナガバチの巣は灰色(ねずみ色)が特徴。都市の建物に溶け込み易く都市部で暮らすのに適した蜂と言えるでしょう。スズメバチに比べて攻撃性はないものの、巣の防衛のために人に害を与えるケースも少なくはありません。住居周りで営巣することも多いため、巣の駆除依頼が多い蜂でもあります。
ハナバチ種
楽曲名にも登場するマルハナバチなどを含め、農作物の受粉や蜂蜜など、人との関わりが強い蜂の種類になります。しかし、マルハナバチが在来種と外来種の植物を受粉させて交配してしまうケースや、ハキリバチが野菜の葉を食い荒らしてしまうケースなど、時には悪影響を与えるケースも少なくありません。
危険な蜂の見分け方
では実際に、上記の3種類の蜂の見分け方について解説していきます。もちろん、蜂に襲われている状況で巣の形状や蜂の種類を図鑑で調べることは困難かと思いますので、危険性の高いスズメバチとアシナガバチの簡単な見分け方をご紹介していきましょう。
蜂の見分け方
攻撃性の高い蜂の多くは、「腰が細い蜂」になります。なぜなら、昆虫などの餌が腰を通らないため、幼虫の分泌液を餌にしているからです。つまり、コロニーを守らなければ餌にありつけない訳になりますので、防衛本能が高い、攻撃性の高い蜂が多くなるのです。そのため、攻撃性の高いスズメバチやアシナガバチを見分ける際には「腰がくびれているか」どうかを見るようにしましょう。
ただ、判断に迷ったときはそれ以上近いたり無理に確認したりしようとせずに、プロに相談しましょう。ハチ110番にご連絡いただければ、すぐに蜂駆除のプロをご紹介いたします。
巣の見分け方
次に巣の形状からスズメバチとアシナガバチを見分けていきましょう。フラスコ形や丸形で外が覆われている巣を見かけた場合、スズメバチの可能性が高くなります。逆に、扇状に開けた巣をしていた場合はアシナガバチの可能性が高くなります。巣の違いは両種を見分ける大きなポイントになりますが、巣を探し回る行為はかえって襲われる危険がありますのでたまたま見つけた時に判断する程度にしておきましょう。
世界では絶滅危惧種を含め様々な種類の蜂が生息しており、その一つ一つを見分けていくことは困難です。しかし、危険性の高い蜂の特徴を理解することで、被害のリスクは大きく低減することが出来るはずです。もちろん、見分ける前にまずは安全を確保することが先決になります。黄色や黒のしま模様を見かけた際にはすぐ逃げる、そして安全を確認した後に蜂駆除を考えるようにしましょう。