クマバチは、クマンバチとも呼ばれることもあるハチの種類の一つです。黒い大きな体を見かけると恐ろしく感じますし、迫力ある羽音もさらに怖さを倍増させています。
見た目が強そうなクマバチですが実は大人しい性格で、特にオスは針すらないため攻撃性が低いともいわれています。しかしメスは毒針を持っており刺してくる場合も……。そして、巣作りの際には木造家屋に穴を空けてしまうことがあり、放置できない一面も持っているのです。
また、一部ではモフモフで可愛いと言われているクマバチも、繁殖期に入る初夏から夏の終わりにかけて攻撃性が増します。この時期の駆除をお考えの方や家屋への損傷が心配な方は、業者利用も視野に入れておくと安心でしょう。
今回は、クマバチの特徴と、万が一刺された場合の危険性、クマバチの駆除法などをご紹介します。
意外と大人しいクマバチ
クマバチは、日本のほとんどの地域で見られるハチです。方言で“クマンバチ”と呼ぶ地域もあります。実はこのクマバチ、意外と大人しい生き物であるということはご存知ですか?ここでは、そんなクマバチの生態について詳しくご紹介していきましょう。
クマバチの生態
活動中のクマバチの主食は、花の蜜や花粉です。とくに好むのはフジの花で、フジを植えているところにはクマバチがよく出没します。
昆虫などを食べることはありません。それゆえ、攻撃性が少ないハチといわれることも多いです。寿命は1年くらいで、春から秋口が最盛期になります。
クマバチは力強いアゴを使い、竹垣や軒下の木材などに穴を開けて巣を作ります。そして一度作成した巣は、ほかの種類のハチと違って、何度も繰り返し再利用するのが特徴です。巣を作ったクマバチたちが死んだあとも、その子どもたちが巣を引き継いでいきます。
また、ミツバチやスズメバチと違い、単独で行動するのもクマバチならではの特徴です。単独行動が多いので、仲間のために人間を刺してくるようなこともありません。自分の身や巣を守る必然性がない限り、人間に危害を加えることはめったにないでしょう。
クマバチの見た目
クマバチの見た目には、以下のような特徴があります。
- ・体の大きさは2~3センチメートル前後
- ・羽が体の大きさに対して小さい
- ・全体的に黒い色をしている
- ・ずんぐりとした体形をしている
- ・体の一部(胸部を中心)に黄色のフワフワした毛のようなものが生えている
黒くてずっしりとしたクマバチの見た目は一見すると恐ろしいですが、上記の特徴からわかるように、実はあまり大きいハチではありません。たとえ見かけたとしても、そんなに怯える必要はないのです。
また、よく見れば、黄色いファーのようなものを首に巻いていますし、クマバチを「かわいい」と思う方もいるかもしれないですね。
クマバチに似た種類としてマルハナバチもいますが、クマバチと同様に比較的大人しい性格のハチなため、近づいてしまったことで刺される危険性は低いです。クマバチは先ほど紹介したとおり、胸部辺りの毛がフワフワしているのに対して、マルハナバチは全身の毛が長くフワフワしているのが特徴となります。
オスとメスの違い
クマバチのオスとメスには、決定的な違いがあります。それは、“オスには針がない”ということです。そもそもクマバチのもつ毒針は、メスの産卵管が変形したものであるといわれています。したがって、どんなに成長してもオスには毒針が生えてこないのです。そのため、針のないオスのお尻は丸くなっています。
もしオスのクマバチがホバリングしながら近寄ってきたとしても、心配する必要はありません。オスのクマバチは、動いている生き物を“メスのクマバチ“なのかどうか、確認してしまう習性があります。
人に接近してくるのは、その習性ゆえのことなのです。したがって、オスが人間に近寄ってきたとしても、しばらくしてメスでないことがわかれば去っていきます。仮にクマバチがついてくることや、体に止まってくることがあったとしても、オスであれば針がないので、刺される心配もないのです。
また、クマバチのオスとメスは、顔の構造も少しだけ違っています。正面から見たとき、メスはほとんど黒一色ですが、オスは顔の中心部が薄黄色をしているのです。
メスのクマバチは針をもっているため、危険です。オスのクマバチは針をもっていないため、人の脅威になることはありません。ただし、そのクマバチがオスかメスかを外見的特徴で見分けるためには、近距離で確認しなければ判断が難しい場合がほとんどです。そのため、クマバチを見かけたときは、メスである可能性も考慮して、安易に近づかないでおきましょう。
万が一、ご自宅の近くでクマバチが頻繁に出没するときは、ハチ駆除の業者に連絡して一度調査してもらうことをおすすめします。メスのクマバチには毒針があるからです。
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クマバチのメスは刺してくることも!心配なら巣から駆除
クマバチのオスには針がありませんが、メスにはあります。メスのクマバチは、身を守るために人間を刺してくることもあるので注意が必要です。ここでは、メスのクマバチに気を付けるべき時期や、刺されるのを予防する方法についてご紹介していきます。
危険な時期
通常は温厚なクマバチですが、繁殖期や巣作りの時期は少しだけ攻撃性が増します。繁殖や巣作りは5月から10月の間におこなわれますので、この時期にクマバチを見かけたら、針をもつメスである危険性も考えて、刺激しないようにしましょう。
なお、クマバチの巣作りは、枯れ木の穴や木造建築の横木などでおこなわれます。春から秋口にかけては、こうした場所に近づかないほうがよいかもしれません。
予防する方法
クマバチはとにかく温厚な生き物です。こちらから攻撃をしかけなければ、刺してくることはほとんどありません。クマバチを見かけると、つい手で振り払いたくなりますが、グッとこらえましょう。手で振り払ってしまうと、攻撃してきたと勘違いされ、自己防衛のためにクマバチが襲いかかってくる危険性があります。
また、クマバチの巣が多い場所では、フジの花など、クマバチの好物となるものには近づかないことが大切です。「見かけたら、いなくなるのを静かに待つ」というのが最善の予防方法となります。
なお「それでも怖い!」という場合は、家の周囲に作られてしまったクマバチの巣を駆除してしまいましょう。クマバチは、市販の殺虫スプレーを吹きかけることで退治することができます。
また、殺虫スプレーを使用する際は、スプレーに含まれる薬剤が粘膜に入るのを防ぐために、ゴーグルやマスクを装着すると安全です。駆除をする際は、クマバチが巣に戻ってくる日没後の夕方~夜の間がおすすめです。クマバチの巣がわからなかったり、自分で駆除できるか不安だったりする場合は、業者に相談してから判断するのもアリです。
プロの手にかかれば、あっというまにクマバチの巣を駆除することができ、刺されたり取りこぼす心配もありません。調査や見積りを無料でおこなってくれる業者がたくさんありますので、気軽に質問してみることで納得の決断ができるでしょう。
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クマバチに刺されたときの痛み
温厚なクマバチに刺されないようにするには、近づかない、動かないが鉄則です。動かないものに対しては襲ってきませんが、動くものに対しては刺してくることがあるからです。
近づいてきたときの恐怖は容易に想像できますが、クマバチは温厚だということを覚えておくと、少しは気持ちが落ち着くかもしれません。ハチだけでなく、巣にも近づかないようにしましょう。巣の中では、大切な子どもたちが暮らしています。刺激を与えないことに越したことはありません。
しかし、これらに注意していても、刺される可能性はゼロとは言い切れません。
太い針を持つクマバチに刺されると、刺した瞬間に強い痛みを感じます。毒性は少ないので、その後の炎症はひどくならないことが多いようです。同時に、アナフィラキシーショックを起こす可能性も極めて低いと言われています。しかし、過去にハチに刺されたことのある方は油断できません。アナフィラキシーショックの症状である蕁麻疹、呼吸困難、意識障害など、生命に関わる症状があらわれることもあります。
温厚なクマバチとはいえ、気を許しすぎてもいけませんね。
ご自宅が危機にさらされたら業者の出番
刺されたら危険がないとは言えないクマバチ。近くに巣を作り出したら、駆除を考える方もいると思います。しかし、クマバチ駆除のきっかけはそれだけではありません。
上でも少し触れましたが、クマバチは巣を作るために木造建築に穴を空けることもあるので、建物の心配もしなくてはいけません。
クマバチは、頑丈な口を使って細長い巣穴を作ります。枯れ木などが、その対象になれば良いのですが、ご自宅が対象になったときが厄介です。なかには、家の軒先に穴を開けられたというケースもあるそうです。
身近な場所に巣を作られてしまうと、いくら大人しいクマバチとはいえ不安になりますよね。刺される心配もありますが、放置すると、クマバチはどんどん部屋を作っていくので、木の強度が落ちてしまいます。すなわち、家の強度が落ちてしまうのです。
そうならないためにも、ご自宅など身近な場所でクマバチの巣を見かけた場合は、業者の出番です。ご自宅の被害を最小限に抑えるためにも、早めに業者に相談してみましょう。
ハチ駆除業者には、無料相談や無料の現地調査をおこなっているところもありますので、そういったサービスを気軽に利用したり、相見積りを取ってみるのもおすすめです。今後の見通しも立ってくるため、解決に向けて安心して動き出すことができるでしょう。
まとめ
見た目が怖い黒い蜂、クマバチは、実は見た目とは反対の性格を持っていることがわかりました。温厚な性格で、オスは刺すことがありません。
刺さないのであれば安心してしまいますが、メスには要注意。大人しい性格ですが、繁殖期などはむやみに刺激しないほうが無難です。メスは針を持っているので、刺されない可能性はゼロではないからです。
他のハチ同様、近づかないことは大切といえます。
しかしクマバチの危険性は、刺されることだけではありません。ご自宅が被害にあうことも十分に考えられます。被害にあったら、迅速な対処をしていきましょう。
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