トイレタンクの水漏れは、部品交換だけであっても業者に任せるのがおすすめです。トイレタンク内の部品を交換するときに、タンク内のほかの部品を破損させてしまったり作業中のミスで水漏れ被害を拡大させてしまったりするおそれがあるからです。
また、部品をネットやホームセンターなどで購入することが可能ですので、DIYにチャレンジしようと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし品番を間違えたり、作業中のミスで部品を破損させてしまったりして、新しく購入した部品を無駄にしてしまうこともあります。
当コラムでは、トイレタンクの水漏れ原因を特定するために部品の役目やチェック方法、交換方法を紹介しています。コラムを読んで、自力での作業がむずかしいと感じた場合や時間がかかってしまいそうな場合は、無理をせず業者に依頼してください。
目次
トイレタンク内の部品(ボールタップ)をチェック&交換しよう
トイレタンクのふたを開けると、ボールタップという部品があります。ボールタップとは、棒のようなものの先端に楕円形の浮き球がついていて、根本はタンク内の給水管につながっているひとかたまりの部品です。
トイレタンク内の水位が上がると、浮き球が浮いてきて、弁を閉めるしくみになっています。トイレタンク内の水が少なくなると浮き球も下がっていき、棒の根元にある弁を開いて水が流れるようになっています。
トイレタンクから水漏れは部品のチェックや交換で解決することが多いです。まずは以下のチェックをしてみてください。
- チェック1:浮き球が破損していないか
- チェック2:ボールタップが故障していないか
浮き球が破損していると、水に浮くことができないので、水位の調整ができなくなります。また、ボールタップがうまく作動しないと、タンク内の水が満タンになっているにもかかわらず、弁を閉めることができなくなります。
ボールタップは消耗品であり、トイレ内の部品としては使用頻度が高く劣化しやすいパーツです。ボールタップの耐用年数は、一般的に10年ほどだといわれていますが、使用のしかたによっては5年ほどで劣化が進むこともあります。
ボールタップの劣化が進むと、無駄な水が流れることが多くなります。新しいボールタップに交換すれば節水効果もありますので、ボールタップの劣化が疑われるときには、思い切って交換してしまうのもおすすめです。
ボールタップが経年劣化・破損していない場合は、この記事の【トイレタンク水漏れ・3つの部品をチェックしよう】をお読みください。
ボールタップの交換は、自力でおこなうことも可能です。ここでは、準備や手順を紹介しますので参考にしてください。
準備1:トイレタンクへの給水を止めよう
まずはトイレタンクへの水の流れを止めましょう。トイレ内にある止水栓を閉めることで給水はストップします。止水栓にはマイナスドライバーを使って栓を閉めるタイプや、手でレバーを回して閉めるタイプ、専用の工具が必要なタイプなどがあります。
水漏れの原因と対処法の記事では、イラスト付きで止水栓の種類や場所を解説していますので参考にしてください。
止水栓は右へ回すと閉まり、給水量が減っていくようになっています。水が完全に止まるまでには、何回も回す必要があります。あとで栓を開けて水量を調整するときのために、何回回して閉めたかを覚えておくとよいでしょう。
準備2:道具の準備をしよう
トイレタンクの水漏れ対処として、部品(ボールタップ)を交換する場合には、以下のものを準備してください。
- 新品のボールタップ
- ドライバー
- モンキーレンチ
- ゴム手袋
- サビ取りスプレー
新品のボールタップは、ホームセンターやネットなどで購入することができます。また、メーカーのホームページなどで購入できる場合もあります。便器の品番をよく確認して、適合するものを選びましょう。
ドライバーはプラスとマイナスの両方を準備しましょう。マイナスドライバーは止水栓を開け閉めするときに使います。プラスドライバーは、部品交換をするときに使います。
モンキーレンチは、ボルトやナットを開け閉めするときに使う工具です。水道回りのメンテナンスをおこなうときによく使われます。水回りの作業をするときには軍手よりもゴム手袋のほうが、水が浸み込んだりしないので、作業に適しています。
ナットやボルトの周りにサビが付着している場合があります。タンク内をチェックしてみて、必要があれば準備をしておきましょう。
交換手順と注意点
止水栓を閉めて、道具を準備したら、交換作業をはじめましょう。手順と注意点は以下の通りです。
(1)タンク内の水を便器へ流して、空っぽにする
トイレの使用後と同じように、水を流します。レバーを軽く回す、ボタンを押す、レバーを押すなど、機種によって水の流し方はちがいますが、一度流しただけではタンクが空っぽになりません。何度も水を流して、空っぽになっていることを確認してください。
ボールタップまわりにある排水管やナットにサビがついていて、作業がしにくい場合は、サビ取りスプレーなどでサビを取り除いてください。
(2)タンク内にある古いボールタップを外して取り出す
タンク内には、ボールタップのほかに、鎖や栓、オーバーフロー管などの部品があります。古い部品を取り外すときには、それらの部品とボールタップが絡まったり引っかかったりしないように注意しましょう。
(3)タンク内に新しいボールタップを取り付ける
古いボールタップを取り外した手順と逆の順で、新しいボールタップを取り付けましょう。取り付けるときにも、他の部品に引っかかったり、絡まったりしないように注意してください。
(4)止水栓を開いて水を流し、動作確認をする
新しいボールタップの取り付けが終わったら、止水栓を開きましょう。水が標準水位で止まれば正常に作動していることになります。標準水位は、タンク内にあるオーバーフロー管などわかりやすいところに「WL-」と刻印されているので目安にしてください。
作業の途中で部品が壊れてしまった場合や、交換してもボールタップがうまく作動しない場合は、はやめに業者へ修理依頼することをおすすめします。
ボールタップの交換を業者に依頼する場合
トイレタンクの水漏れ対策として、部品交換を業者に依頼する場合には、費用や所要時間をあらかじめ確かめておくことも大事です。
ボールタップの交換費用相場はこの記事の【トイレタンク水漏れ修理・部品交換を業者に依頼する費用相場】を参考にしてください。
ボールタップの交換は、軽微な作業ですのでどの業者に頼んでも短時間で交換できますが、交換のための作業費は、業者によってちがいます。適切な料金で作業をしてくれる業者を探しましょう。
弊社では、お客様のご要望に応じて水道業者をご紹介いたしております。料金・作業内容ともに安心して任せられる業者を紹介できますので、お急ぎの場合にも気軽にご利用ください。
トイレタンク水漏れ・3つの部品をチェックしよう
トイレタンク水漏れの原因がボールタップの劣化や故障ではない場合には、タンク内にあるほかの部品をチェックしてみましょう。チェックするべき3つの部品はゴムフロートや鎖、水位調整リング、オーバーフロー管です。
ここでは、チェック箇所ごとに、確認方法や正常値を紹介しますので参考にしてください。
【部品1】ゴムフロートのバルブがズレていないか
トイレタンクの底には、水の流れをせき止めるためのゴム製の栓があり、フロートバルブと呼ばれることもあります。また、最近ではゴム製ではなくプラスチック素材でできているフロートバルブもあります。フロートバルブは、以下のことをチェックしてみてください。
- フロートバルブのすき間から水が漏れていないか
- 鎖が絡んだり切れたりしていないか
フロートバルブ(栓)には鎖がついていて、水を流すときに回すレバーとつながっています。フロートバルブがズレていたり劣化して変形したりしていると、すき間から水が漏れて、トイレタンクに水が溜まらずに便器へと水が流れ続けてしまいます。
鎖が絡まっている場合やゴムフロートがずれている場合には、位置を調整して水が漏れないようにしてください。鎖が切れてしまっている場合は、部品交換が必要です。自力で交換することも可能ですが、フロートバルブの種類はたくさんあり、品番を間違えるとバルブとしての機能を果たすことができませんので気をつけてください。
フロートバルブ交換は、簡単な作業ですので水道業者に依頼した場合には短時間の作業で済みます。部品の準備もまとめて業者に依頼するほうが、失敗のリスクがないのでおすすめです。
フロートバルブの交換費用相場はこの記事の【トイレタンク水漏れ修理・部品交換を業者に依頼する費用相場】を参考にしてください。
【部品2】水位調整リングが正常な位置にあるか
水位が標準水位よりも高い位置に設定されていると、オーバーフロー管へ水があふれることがあります。オーバーフロー管へあふれた水は便器へと流れるので、トイレタンクへの給水がいつまでたっても止まることなく続いてしまいます。
トイレのタンク内の水位が異常に高くなっている場合は浮き球を持ち上げてみましょう。浮き球を持ち上げてみて水が止まるなら、水位調整リングに不具合があるかもしれません。
水位調整リングは、ボールタップの付け根のあたりにあります。オーバーフロー管に刻印されている標準水位(「WL-」と示されています)よりも高い位置にあるときには、水位調整リングを左に回しましょう。左へ90度回すごとに水位が8mm下がります。
水位調整リングがない場合は、浮き球の付け根部分にある棒状の部品を曲げて標準水位に合わせましょう。曲げるときには、ボールタップ本体のパーツを壊さないように気をつけてください。
【部品3】オーバーフロー管が劣化していないか
オーバーフロー管とは、トイレタンク内にある筒状の管のことで、通常は水面よりも上に突き出ています。タンク内の水位が高くなりすぎたときに、この管へオーバーフロー(あふれ出すという意味)させ、水を便器へと送り出すようになっています。
オーバーフロー管が正常に機能することによって、トイレタンクから外へ水が溢れ出さないようになっています。しかし、何らかの原因でこのオーバーフロー管がうまく機能しない場合は、トイレタンクから水漏れを起こす原因となります。
オーバーフロー管がうまく機能しない主な原因は、劣化による破損です。オーバーフロー管が破損することはめったにないといわれていますが、使い方や環境によっては劣化が進み、破損したり折れたりすることがあります。
オーバーフロー管が破損している場合は、部品の交換が必要です。オーバーフロー管が根元から破損していると、大量の水が流れ出して止まらなくなることがありますので、修理は業者に依頼することをおすすめします。
オーバーフロー管の交換費用相場は、この記事の【トイレタンク水漏れ修理・部品交換を業者に依頼する費用相場】を参考にしてください。
トイレタンク内で原因が見つからない場合
トイレタンク内に水漏れ原因がない場合は、トイレタンクと便器との間にあるボルト部分から水漏れをしていないか確かめてみましょう。トイレタンクと便器の間にあるボルト内部のパッキンが劣化して水漏れを起こすこともあります。
トイレタンクと便器の接合部分にあるパッキンは、タンク自体の重みで負荷がかかりやすく、劣化の進みが激しいパーツです。また、パッキン交換をする際には、重いタンクを外して持ち上げるという作業がありますので、力作業に自信がない場合は業者に依頼することをおすすめします。
パッキンの交換費用相場は、この記事の【トイレタンク水漏れ修理・部品交換を業者に依頼する費用相場】を参考にしてください。
トイレタンクからの水漏れを修理する際に「交換するべき部品がわからない」「部品の選び方がわからない」という場合には、水道業者へ相談しましょう。お急ぎの場合には、弊社の業者紹介サービスのご利用が便利です。
トイレタンク水漏れ修理・部品交換を業者に依頼する費用相場
トイレ水漏れの修理費用相場は約8,000円~15,000円です。修理内容ごとの費用相場は以下の通りですので参考にしてください。
- ボールタップ交換費用相場 約8,000円~10,000円(部品代込み)
- フロートバルブの交換費用相場 約8,000円~10,000円(部品代込み)
- オーバーフロー管の交換費用相場 約10,000円~15,000円(部品代込み)
- パッキンの交換費用相場 約8,000円~10,000円(部品代込み)
業者によっては別途出張費などがかかる場合がありますので、実際の費用を知りたい場合は業者に現地調査と見積りをお願いしましょう。
便器の交換が必要になるケース
トイレタンクと便器の間からの水漏れの場合、パッキン交換で水漏れを解消することができます。ただしタンクを一度取り外すと、すき間ができて再び水漏れを起こすことがありますので注意が必要です。便器自体が古くなっているときには、便器ごと交換することを検討したほうがよいかもしれません。
また、便器と床のすき間から水漏れがある場合は、便器自体にひび割れなどの破損があるかもしれません。その際には便器ごと交換が必要になります。
便器の交換作業にかかる費用相場は約35,000円~100,000円となっており、安い場合と高い場合の費用に開きがあります。これは、古い便器と新しい便器の給水や排水の位置がちがうと、別途配管作業が必要になるためです。
便器の交換費用は、便器の価格+交換作業費=交換費用総額となります。便器の価格は付帯する機能によってさまざまです。安価なものは3万円台から購入できるものがありますが、高機能がついた便器では30万円以上の価格がついているものもあります。
はやくて安い業者を探したい場合
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弊社では、お客様のご要望に合わせて、お近くの水道業者を紹介することができます。お急ぎのお客様にも対応できるよう、24時間365日電話で受付を致しておりますので、休日や夜間、早朝でも遠慮なくご連絡ください。