トイレタンク内部にある「オーバーフロー管」が破損すると、便器の水が止まらなくなってしまいます。トイレが水浸しになってしまっては困りますよね。オーバーフロー管が破損してしまったときは、まず止水栓を閉めて水の流れを止めて応急処置をしましょう。
トイレの水漏れ(オーバーフロー管の破損)が発生した場合、オーバーフロー管の修理(交換)は業者に依頼するか、DIYで直す方法がありますが、業者依頼をおすすめします。オーバーフロー管の交換作業はタンクの取り外しが必須となってくるので、DIYでおこなうには大変な作業だからです。
この記事では、オーバーフロー管の破損によってトイレの水漏れを起こした場合の対処方法を詳しくお伝えします。また、オーバーフロー管を自分で交換をする方法についてもご紹介しています。
目次
- ▼まずは止水栓を閉める!
- ・止水栓の場所
- ・止水栓の閉め方
- ・止水栓が見つからない場合は「元栓」を閉めよう
- ▼オーバーフロー管の交換方法は「DIY」か「業者依頼」
- ・DIYのメリット・デメリット
- ・業者依頼のメリット・デメリット
- ▼DIYでオーバーフロー管を交換する手順
- ・手順1:部品と工具を用意する
- ・タンクを取り外す
- ・オーバーフロー管の交換
- ・タンクを取りつけ、調整・動作チェック
- ▼オーバーフロー管の交換は業者に依頼するのがおすすめ!
- ・タンク内部の部品交換は約8,000円~
- ・依頼した場合の流れ
- ・少しでも費用をおさえるなら「相見積り」は必須
- ▼故障中のトイレの流し方や再発を防止するために役立つ知識
- ・バケツを使って水を流す
- ・オーバーフロー管が折れる原因を知って再発防止
まずは止水栓を閉める!
トイレの水漏れがオーバーフロー管の破損によって起きている場合、便器の水が止まらなくなります。トイレを水浸しにしないためにも、一時的に水の流れを止めることが必要です。
トイレの水の流れを止めるには、止水栓を閉めましょう。まずは、止水栓の止め方や止水栓が見つからないときの対処方法もあわせてご紹介していきます。
止水栓の場所
止水栓は、トイレタンクの横にあることがほとんどです。【水漏れ箇所の調べ方と直し方】でもイラスト付きで解説していますが、止水栓が見つからない場合は、元栓から閉めてください。
ウォシュレットへ水を流すための分岐器具は、止水栓と似ているので間違えないように注意しましょう。
止水栓の閉め方
止水栓には、水道の蛇口のようになっているタイプとマイナスドライバーが必要なタイプがあります。蛇口のようになっているタイプは手で閉めることが可能です。
右回り(時計回り)に回して止まるところまで閉めましょう。マイナスドライバーが必要なタイプも同じく右回りで閉めることができます。
止水栓が見つからない場合は「元栓」を閉めよう
止水栓が見つからない場合は、元栓から閉めてしまいましょう。一戸建ての元栓は、家の外の水道メーター近くにあります。「量水器」「止水栓メーター」などと書かれた金属フタがされていて、駐車場などに埋めこまれています。
賃貸住宅の元栓は玄関近くのメーターボックスの中にあることが多いですが、見つからなければ大家さんや管理人さんに確認してみましょう。
オーバーフロー管の交換方法は「DIY」か「業者依頼」
トイレの水漏れがオーバーフロー管の破損によって起きているときは、交換する必要があります。オーバーフロー管の交換方法は「DIY」か「業者依頼」です。
それぞれにはメリットとデメリットがあります。この章では自分に合ったオーバーフロー管の交換方法はどちらなのか、それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
DIYのメリット・デメリット
自分でオーバーフロー管の交換をおこなう最大のメリットは、費用がおさえられることです。しかし、それは「上手くいけば」の話で、作業に失敗してタンクの配管や部品を破損させてしまうと、業者依頼が必要になることもあります。その結果、余分に費用がかかってしまうかもしれません。
ほかにデメリットとしては、労力がかかることです。トイレのタンクはとても重いので、力がない方には向かない作業かもしれません。
業者依頼のメリット・デメリット
業者依頼のメリットは、水漏れ修理のプロが作業をおこなうので確実に直してもらえることです。そして労力がかかりません。
デメリットはDIYのときと比べて費用がかかることと、業者の到着を待たなければいけないことです。費用がかかってしまうかもしれませんが、DIYに自信がない方は業者依頼をすることをおすすめします。
DIY作業に自信があって、力持ちの方はチャレンジしてみてもよいかもしれません。【DIYでオーバーフロー管を交換する手順】にて、方法をお伝えしていきます。
業者依頼でオーバーフロー管を交換する方は、【オーバーフロー管の交換は業者に依頼するのがおすすめ!】をご覧ください。
DIYでオーバーフロー管を交換する手順
トイレの水漏れがオーバーフロー管の破損によって起きているときは、オーバーフロー管を新しいものに交換すれば解決します。しかし、オーバーフロー管の交換のためにはトイレのタンクを取り外す必要があり、力がいる作業となります。
この章ではDIYでオーバーフロー管を交換する手順を詳しくお伝えしていきますので、しっかりと読んで正しく取り付けましょう。
なお、DIYで修理する際には、トイレタンク内部の構造を詳しく知っておくことも大切です。【トイレ水漏れの原因と場所別の対処方法】でイラスト付きで解説しているので、ぜひ参考にしてください。
手順1:部品と工具を用意する
まずは以下の道具を準備しましょう。
- ウォーターポンププライヤー
- モンキーレンチ
- 交換用のオーバーフロー管
- ぞうきん
オーバーフロー管は必ず品番を確認して、既存のものと同じものを購入しましょう。インターネットで検索すると出てくると思いますので、通販で購入可能です。
タンクを取り外す
陶器製のタンクは割れるおそれがあります。作業の際にタンクを割ってしまったら、費用をおさえるためにDIYをおこなっている意味がまったくなくなってしまいますよね。タンクを取り外すときにタンク割れには十分気をつけましょう。
- 止水栓を必ず閉めてください。
- タンクのフタを外します。重いので落とさないように注意しましょう。
- タンクにつながっている給水管をモンキーレンチを使って外してください。
- レバーでタンクに残っている水を全てぬきましょう。タンクを外す前に、雑巾で水を吸ってまったく水がない状態にしてください。
- タンクを便器に固定しているボルト(密着ボルト)のネジを、モンキーレンチを使って外しましょう。
- タンクを取り外します。タンクはとても重いですので、両手でしっかりと持って真っすぐ上に持ち上げてください。
オーバーフロー管の交換
タンクを取り外すことができたら、いよいよ割れたオーバーフロー管から新しいものへ交換していきます。
1.オーバーフロー管は根元からタンクに装着されています。ウォーターポンププライヤーを使用して、根元を回して取り外しましょう。
2.新しいオーバーフロー管をタンクの下から差し込み、根元を回して取りつけましょう。
タンクを取りつけ、調整・動作チェック
次にタンクを取りつけ、調整する方法です。タンクを元通りに取りつけたら、トイレの水が正常に流れるかしっかり確認しましょう。
1.タンクを元に戻しましょう。取り外したときと同じように取りつけていきます。このとき、後に不具合があったときに調整しやすいようにネジはきつく締めすぎないことをおすすめします。
2.タンクと給水管をつなぎ直しましょう。
3.トイレのレバーとフロートバルブをつなぐチェーンを正常に作動する長さに調節してください。
4.止水栓を開けましょう。
5.レバーを引いて水を流してみてトイレタンクの中の水位が正常に保たれているか確認しましょう。水があふれる、音がうるさいなどの状態でしたら、止水栓を回して水圧を調整してください。
6.ゆるめにしめていたタンクのネジをモンキーレンチで、きちんと締めていきましょう。
オーバーフロー管の交換は自分でおこなうこともできますが、なかなか複雑な作業です。作業に不安があると感じた方は業者に依頼することをおすすめします。
弊社では、トイレの水漏れにお困りの方へ向けて、業者をご紹介しております。水漏れ修理のプロがすぐに駆けつけることが可能です。
オーバーフロー管の交換は業者に依頼するのがおすすめ!
オーバーフロー管の交換はトイレタンクの着脱をおこなう作業がともないますので、慣れていない人がおこなうには難しい作業でしょう。配管やタンク内のほかの部品を破損させてしまうリスクもあるため、業者依頼することが安全です。
この章では、オーバーフロー管をはじめとしたタンク内の部品交換代や依頼した場合の流れをご紹介していきます。
タンク内部の部品交換は約8,000円~
タンク内部の部品交換の費用相場は、約8,000円からとなっています。タンク内部の部品交換作業の費用相場は、タンクの着脱がありか、なしかによって大きく変わってきます。オーバーフロー管の交換にはタンクの着脱が必要となってくるので、約1万2,000円~3万円はかかってくるでしょう。
依頼した場合の流れ
まずは、業者に電話で依頼しましょう。電話で水漏れの状況を簡単に説明できるようにしておきましょう。(トイレの型番、水漏れしている場所など)電話で概算見積りをおこなってもらえることもあります。
そして現地調査と見積りです。現地にて具体的な水漏れの原因を調査し、必要部品などを明らかにした上で、見積り額を提示してもらいます。この時点では、まだ作業を依頼するかどうかを決定しなくても大丈夫です。
現地調査に料金がかかることもありますが、その場合も見積り額に同意してから作業をおこなうことが一般的です。費用明細や作業内容などに疑問がある場合は、正式に作業を依頼する前に質問をしましょう。
見積り額に納得できたら、作業開始です。状況によって作業時間は異なります。一般的に、作業が完了したら支払いをおこなう、という流れです。
少しでも費用をおさえるなら「相見積り」は必須
オーバーフロー管の交換の費用をおさえたいのであれば、複数の業者から見積りをとって料金を比較する「相見積り」をすることをおすすめします。インターネットなどで各業者の費用相場を調べていても、故障しているトイレの状況、年式や部品の種類によって実際の料金は異なります。
実際にかかる料金は、見積りをとってもらわないことにはわかりません。見積りまでなら無料でおこなっている業者は多数ありますので、オーバーフロー管の交換の費用を少しでもおさえたい方にとっていくつかの業者に「相見積り」してみるのもよいでしょう。
弊社では、ご相談に応じて水漏れ修理の見積りを無料でおこなってくれる業者をご紹介しています。お電話でのお問い合わせは24時間365日おこなっていますので、トイレの水漏れにお困りの方はお気軽にご連絡ください。
故障中のトイレの流し方や再発を防止するために役立つ知識
トイレの水漏れ(オーバーフロー管の破損)の修理を業者に依頼しても、すぐに到着できない場合もあります。トイレの水漏れがなおるまでの間、故障中のトイレの流し方をお伝えするほか、水漏れの再発を防止するため対策もあわせてご紹介していきます。
バケツを使って水を流す
バケツを使って水を流すときは、水がかからないように便座を上げておきましょう。バケツ1杯分の水を飛ばさないように気をつけながらいっきに流してください。その後、バケツ半分ほどの水を流すときちんと流れます。
バケツで水を流すときは、気をつけていても水が飛び散ってしまうおそれがあります。そのため、トイレ周りの床に新聞紙などを敷いておくことをおすすめします。配管が破損しているときは水を流さないほうがよいので、トイレの使用は避けてください。
オーバーフロー管が折れる原因を知って再発防止
オーバーフロー管が破損しないように、再発防止策を知っておきましょう。オーバーフロー管はトイレを普通に使用していても、経年劣化により折れてしまうこともあります。気をつけられることがあるとすれば、衝撃を避けることでしょう。
トイレタンクに置くタイプの消臭効果がある洗剤は、タンク内部に洗剤が流れ込んでしまうため、故障や劣化を早めるおそれがあります。また、節水のためにペットボトルを入れておくのもおすすめできません。
オーバーフロー管の交換、その他、原因不明のトイレの水漏れにお困りの方は弊社までお問い合わせください。弊社と提携しているお近くの業者をご紹介させていただきます。