私たちの生活にとって水は欠かせないものです、だからこそ水漏れなどのトラブルに直面すると非常に不便で困ってしまうでしょう。キッチンやトイレ、洗面所などから水漏れを発見した時に自分でできる対処方法を知っておけば、いざという時に役に立ちます。
今回は個人でできる具体的な水漏れ対処の方法を取り上げていきます。
水漏れを直す前の判断と応急処置
水漏れを直すためには、水漏れ箇所を特定するための知識や、実際に水漏れが起こった際の応急処置の方法を知っておくことが必要です。各部の名称や特徴を知り、水漏れトラブルに備えましょう。
水漏れを直す前に知っておきたい予備知識
水漏れが発生した時に、確実に対処するためにはまず各パーツがどのような役割を果たしているのかを知ることが必要です。パーツごとの役割や構造を把握しておきましょう。
●蛇口の構造
蛇口は手でひねって水を出す部分です。ハンドル部分がビスで固定されている部分しか外側からは見えませんが、ハンドルの下には上から順にカバーナット、水栓、ハンドル内パッキング、スピンドルと合計6種類ものパーツが重なっています。
その6種類のパーツを水栓内部で支えているのが、ケレップ・コマ、パッキン、ナットというパーツです。コマのパッキンはゴム製のため、劣化が進むと水漏れの原因にもなります。
Uパッキンとリングが内部に入っているタイプの場合は、合計でパッキンが3個内部に入っているため、どのパッキンが劣化しているのかを見極める必要があります。
●蛇口の種類
蛇口には、1つのハンドルを操作して水またはお湯だけが出る「単水栓」と、2つのハンドル(1つのレバータイプのものもある)で水とお湯をそれぞれ出すことが出来る「混合栓」の2種類があります。
混合栓は、水とお湯とを水栓金具の中で混合して、それぞれが流れ出す量や温度を調節しています。
●水の流れる仕組み
蛇口本体の中には2つのスペースがあり、その間に弁座があります。ハンドルを締めた時に、コマのパッキンを弁座に押し付けることで弁座の穴をふさいで水を止めます。
ハンドルをゆるめた時は、スピンドルが上に行きコマが水圧で押し上げられて隙間ができるため、その隙間から水が出てきます。ハンドルが1つの単水栓も、レバータイプの混合栓も同じ仕組みで水やお湯が出るようになっています。
自分で水漏れを直すことができるかの判断基準は?
●水漏れの勢いが弱いとき
水がチョロチョロと細く流れているときや、ポタポタとしずくが垂れる程度の場合は、水漏れの度合いがまだ弱く自分で直せる可能性があります。
もしも水漏れの勢いが強く、大量に吹き出している場合はすぐに水漏れ修理業者を呼ぶ必要があります。
●故障部分や各部品が取り外せるとき
水漏れの勢いがさほど強くなく、故障した部分や各パーツの部品が取り外せるときはまだ水漏れが軽微な可能性があります。
パーツの一部を取り外そうとしても難しい場合は、自分で直せる可能性が低いため修理業者へ修理を依頼しましょう。
●水漏れの原因が判明しているとき
以前パーツを分解した時に、パッキンが劣化してヒビが入っていたなど、水漏れの原因がはっきりと分かっている場合は、その部分を直すことで水漏れが直せる可能性があります。
どうしても原因や修理方法が分からない場合は、修理業者に早めに連絡をしましょう。
一番はじめに行いたい水漏れの応急処置は?
●止水栓を閉めて家全体の水を止める
家の中で水漏れが起こったら、まずは水道メーターボックス内にある止水栓、または水道の元栓を閉めて家全体の水を止めましょう。止水栓を閉め忘れたまま作業をしてしまうと、作業中に水があふれ出てしまいますのでご注意ください。
また、アパートやマンションなどの賃貸物件では部屋ごとの止水栓を閉めて対応することになりますので、その場合は管理会社へ相談してから作業を行うようにして下さい。
●シンク下のレバーを回して部分的に水を止める
キッチンの蛇口から大量に水が漏れている場合は、シンク下の流し台から出ている配管部分についているレバーを回して水を止めます。この部分のレバーはハンドル形になっていることもありますが、どちらも右に回すと水を止めることができます。
ハンドルやレバーがついていないタイプのキッチンの場合は上記の方法で、家全体の止水栓を閉めて対応しましょう。
水漏れ発生時の対応はこちらの記事でも詳しく解説しています。慌てずに正しい対応ができるように、ぜひ参考にしてください。
シングルレバー混合水栓で起きる水漏れの直し方
レバー1つで水と湯の操作を行うシングルレバー混合水栓で水漏れが起きている場合は、水漏れ箇所はシングルレバーの下、接続部、スパウトの上下などが考えられます。
シングルレバーの下からの水漏れ対処方法
この場所から水漏れしている場合、原因はバルブの故障であることが多いようです。以下の手順で対処を行います。
1.一度レバーハンドルを引き抜き、本体を固定して水栓が回らないようにしてから、レンチを使いナットを緩めます。
2.故障したバルブを新しいバルブと交換し、レンチでナットを締めます。
3.ハンドルレバーを押しこんで元の位置にはめこみます。レバーを動かして正常に動くかを確認しましょう。
蛇口接続部からの水漏れ対処方法
無理に自分で触らない!
水漏れしている接続部のナットが緩んでいないか、レンチで確認します。 ナットを締めて水漏れが解消しない場合は、それ以上強く閉めずに水漏れ修理のプロへ依頼した方がよいでしょう。 |
スパウトの上下
水が出てくる吐水口に繋がる細いパイプ部分をスパウトといいますが、このスパウトの上下から水漏れしている場合は複数の原因が考えられます。
スパウトの故障、ナットの緩み、バルブの故障、パッキンの不具合などが原因となることが多いため、慎重に確認することが必要です。
1.レバーハンドルを上に向かって引き抜き、本体を固定して水栓が回らないようにしてから、レンチを使いナットが緩んでいないか確認します。
2.ナットの緩みが見られたら、レンチを使って締め直します。ここでも水漏れが直らない場合は手順3へ
3.レンチを使ってナットを緩め、スパウトの内側やパッキンなどに傷が出来ていないか確認します。傷が出来ているものは新しいパーツへ交換します。
4.スパウトの内側にもパッキンにも問題がない場合は、バルブの故障が考えられます。バルブカートリッジを新しいものへ交換して水漏れが直るか確認しましょう。
この段階でも直らない場合は、修理業者へ連絡しましょう。なお、蛇口の水漏れに関してはこちらの記事でも解説していますので目を通してみてください。
水漏れの原因が分からないときの対処法は?
水漏れの原因が明らかな場合を除くと、水漏れの原因を特定することは非常に難しいと言われています。水漏れの原因箇所がどこか分からない時参考になるのが、どの箇所にも共通している対処方法です。
ここでは水漏れが起こった時に、止水栓を止めること以外で対処する方法をみていきます。
止水栓で水量を調節する
水漏れの程度が比較的軽い場合に有効です。ハンドルを右へ回すと水量が減り、左へ回すと止水栓が開き水量が増えます。設定されていた水量が多すぎる場合は、この部分を調節して適切な水量へ戻すことで水漏れが直ることがあります。
一度に水量を増やしてしまうと振動から止水栓が開くこともありますので、止水栓を閉めてから徐々に調節を行うようにしましょう。
緩んでいる箇所を締め直す
蛇口や配管などの一部分が緩んでいることが原因で水漏れが発生している場合に有効な方法です。各パーツの接続部分が緩んで以前の位置とは変わっている場合は、締め直しをすることで水漏れの改善する場合があります。
大きな地震が起きた後や、近隣で大きな振動が発生しているなどの現象があった場合は、まず各部の緩みから確認しましょう。
配管の掃除を行う
排水管からポタポタと水漏れしている場合は、配管が詰まっている可能性があります。配管にはキッチンなら食品の油汚れ洗剤、浴室や洗面所であれば髪の毛やシャンプーなどが詰まることがあり、この詰まりを解消すると水漏れが直る場合があります。
配管の掃除を行う場合は、排水口専用クリーナーを使って中のゴミを取り出します。水漏れが発生する前であれば、パイプの一部を取りはずして中の状態を確認しておきましょう。
日頃から配管の中をキレイに保っておくことで、配管詰まりが原因の水漏れを予防することに繋がります。
まとめ
水漏れが発生した場合、パッキン交換など比較的シンプルな作業で対処できる場合もありますが、いったん原因を見誤ってしまうと水漏れの被害がかえって拡大してしまうこともあるようです。
水漏れが発生した場合は慎重に原因を探り、自分では修理が難しそうだと感じたら迷わず水道修理のプロへ連絡しましょう。水道修理のプロなら、安心で確実な水漏れ修理を行い、あなたに元通りの快適な生活がやってくるはずです。