パテや接着剤で補修したあとは、水漏れ原因を根本的に解消することをおすすめします。
ひび割れが原因の水漏れ補修はパテが最適
水漏れのなかでも、ひび割れが原因になっているような比較的軽度の水漏れの場合はパテが有効です。パテは種類が豊富なため、自分で修理をする際は購入時から慎重にならなくてはいけません。
パテの種類や、パテの水漏れ修理が有効な場所、使い方の例などを、注意点を踏まえながらご紹介します。
パテとは
さまざまな用途がありますが、水漏れ防止でも使われるペースト場の充填材です。パテにはいくつかの種類が存在します。水と合わせることによって硬化する石膏系のパテ、さまざまなものに使えるエポキシ系パテなどが代表的です。
使用する場所によって、適切なパテを選ぶ必要があります。
さらに、パテは「上塗り・中塗り・下塗り用」の3種類に分かれます。パテを塗るときの基本は3回塗りのため、分けて商品化されています。購入の際は注意しましょう。
水漏れ時にパテが有効な場所
・トイレや洗面所にあるシンクのひび割れ
・浴槽のひび割れ
このような個所で発生したヒビから、水がチョロチョロと漏れているなどの軽い水漏れのときは、パテが有効です。ただし、完全解決ではなく、一時的な補修と考えたほうが良いです。
パテの使い方と注意点
1.パテを塗る部分の掃除をします
パテの粘着性を高めるために、水分や油分は取り除きます。
2.手袋やマスクを装着し、少し温まるまでパテを練り込む
パテによっては独特なニオイがすることがあるので、敏感な方は手袋などが必要です。
3.固まるまえに素早くパテを充填させる
穴があれば押し込むように充填させます。あとは乾くまで20分ほど待ちます。
パテの種類は様々です。商品によって使い方が異なることもあるので、各企業の参考ページなどを読んでから作業に入りましょう。
配管に穴が開いてしまったら接着剤で補修
水漏れ原因が水道管にあるときは、接着剤を使った補修も選択肢のひとつになります。接着剤もパテ同様、種類が豊富なため選ぶ際には用途をよく考えなくてはいけません。
水中で使える接着剤もあるので、場合によっては便利な補修材ですが、使用にあたって注意点がいくつかあるので確認しましょう。
接着剤で補修できる場所と用途
■金属排水管の補修/水漏れ配管の接着補修
この場合は、水中でも硬化するタイプの接着剤がおすすめです。水に強いため、プールのひび割れ補修にも使えます。また、商品によっては水タンク内部の補修などにも使えます。
接着剤選びで重要なのが、「どこに使用するか」です。配管やパイプなど場所に応じた適切な接着剤選びは、補修の完成度に影響します。
防カビなど、便利な機能がついた商品もあるので、目的に応じて選択しましょう。
使用方法や注意点
接着剤の使い方の一例を、手順を追って見ていきます。
1.接着する部分の掃除を行う
清掃とともに、窓を空けて換気するなど安全に作業できる環境を作ります。
2.手袋を必ず装着し、同量の2液を手で練り合わせていく
色が均一になるまで練り合わせるのがポイント。
3.素早く充填し、指先やヘラでならしていく
水中での作業の場合、水を押し出すような感覚で押し付けることがポイント。
▲注意点 硬化はある程度時間がかかり、とくに冬場の硬化はさらに遅くなるため注意が必要です。また、作業時に水分が多すぎるとうまく接着できない場合もあります。 ときには有害な物質を含んでいることもあるので、扱いは十分に注意することが大切です。 |
シールテープで配管からの水漏れを補修
シールテープは、水道の取り付け部分から水漏れしている場合に有効な補修グッズです。この章では、意外と難しいと言われているシールテープを使った水漏れ対策について見ていきます。
シールテープを使った補修がどこで有効的かを確認したうえで、シールテープを使うときの方法やコツ、注意点まで網羅しながらご説明します。
シールテープとは
配管の接続部分に使うテープです。水道のトラブルでは水道管のつなぎ目に使用します。シールテープで密着させて接続部分に生じた隙間を埋めることができます。
このテープの特長は、凸凹がある部分にも使用できる、耐熱性・耐薬性に優れているという点です。これらのメリットから、シールテープは水道管の水漏れを防ぐために有効です。
併用して使うことの多いヘルメシールも、水漏れを防ぐために用いられます。
ヘルメシールは粘着力が強いため、シールテープより強固な漏水防止ができると言われています。しかし、基本的にはシールテープのみの対応で問題はありません。
シールテープで補修できる場所
・水栓の接続部分
シールテープが出番になることが多い個所です。接続個所の雄ネジと雌ネジには隙間が生じてしまいやすいのでシールテープを活用します。
・洗濯機の蛇口
洗濯機の水栓は、壁の中を通る水道管に繋ぐことで使えるようになっています。重要なパーツである水道管と水栓部分にはシールテープが有効です。
シールテープを使うときの流れ
1.元栓を閉めて、水栓を取り出す
水道工事をする際は、止水栓(バルブ)を締めたあとに行います。水栓は、内部の配管が錆びている危険性も考えてゆっくり取り外します。
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2.配管を掃除する
接続個所になるネジ部分の汚れやサビが水漏れの原因になることがあります。まずは、歯ブラシなどで汚れをしっかり落とします。
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3.シールテープを貼る
蛇口を手で固定して、時計回りに6~7周巻きつけます。コツがいる作業なので、後ほど詳しく説明します。
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4.水栓を取り付ける
水栓は時計回りに回していきます。水漏れ被害を繰り返さないためにも、最後まで必ず同じ方向に回します。
シールテープの巻き方と手順
ネジ山でケガをする場合があるので、手袋をはめて作業を開始します。
●ネジ部分とシールテープをしっかり固定して、端からテープを巻きます。配管内にテープが混入することを防ぐために、最初の一山を外して巻き始めることがポイントです。
●そのまま6~7周、時計回りに巻いたら、テープをカットします強く引っ張りながら、丁寧に巻いていきましょう。
●シールテープを指でおさえて、ネジ山になじませます。テープが剥がれないようにするための大切な作業です。
●蛇口を取り付けてみて、接続部分に違和感がないか確認する傾きがある場合は、再度シールテープを巻きつけて調節します。
シールテープを巻く時の注意点
▲巻く方向は必ず、時計回りで行う ▲ネジ山を全てシールテープで覆わない ▲巻く回数は主に6~7周だが、ネジの大きさによって幅や厚さを含めた調節が必要 ▲シールテープは雄ネジと雌ネジの接続部分で効果を発揮するので、基本的にはパッキンがある個所では使用しない |
まとめ
水漏れに効果的な補修材は3つです。それぞれの使い方やコツ、注意点を意識して作業を行うことが大切です。
・シールテープは、水栓の接続部分からの水漏れに有効
・シールテープは巻く方向など、正しい手順で行うことが重要
・ひび割れが原因になっている軽度の水漏れは、パテで対処
・パテの種類によって、補修方法が変わる可能性がある
・水道管からの水漏れは、水中対応の接着剤が効果的
・接着剤を安全に使うために、各種類の使用方法を守る
シールテープやパテ、接着剤を使った補修は、一時的なものに過ぎません。完全解決のために交換も視野に入れて、水漏れ修理業者に適切な補修方法の回答を得ましょう。